【3年次ゼミ】1月13日
今週は今学期最後のゼミとなりました。先週に続いて卒論中間報告のプレゼンをしてもらいました。今週は、以下の4人にプレゼンをしてもらいました。
- HRさん「インドネシアにおける月経と穢れ」
- Sさん「カルティニとバティック」
- HLさん「インドネシアに進出する日系企業」
- Tさん「1974年婚姻法の意義」
今学期はこれで終了です。課題レポートを期日までに提出してください。
それでは、コロナに気をつけ、春学期まで有意義な時間を過ごしてください。
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今週は今学期最後のゼミとなりました。先週に続いて卒論中間報告のプレゼンをしてもらいました。今週は、以下の4人にプレゼンをしてもらいました。
今学期はこれで終了です。課題レポートを期日までに提出してください。
それでは、コロナに気をつけ、春学期まで有意義な時間を過ごしてください。
今年の2022年最初のゼミです。
次回は最終回です。残りの4人にプレゼンをしてもらう予定です。
今週は今年最後のゼミになります。最初に、卒論やレポートを書くにあたって知っておきたいWordの機能について、前回取り上げられなかったものを説明をしました。
1. スタイルの利用
2. ページのコントロール
3. セクションのコントロール
4. 脚注の挿入
このあと、1月の卒論中間発表に向けて、質疑応答をおこないました。
それでは、健康に気をつけてよい年を迎えてください。
今週は、W卒論やレポートを書くにあたって知っておきたいWordの機能について説明をしました。今週取り上げたトピックは以下のとおりです。
1. オプションの設定
2. タブの利用
3. インデントの利用
4. パラグラフ(改行コードで終わる文字列)の理解
5. スタイルの利用
6. キーボードショートカットの利用(以下のコントロールキーとの組み合わせを左手だけで打てるようにしておくと便利です)
次回は、スタイルの応用、ページのコントロール、脚注の使い方などを扱う予定です。
今週は、青山の「地震は神の徴か?イスラームの信仰と災害」(完全版)をもとに、論文の構成について検討しました。
1. はじめに インドネシアからアチェへ、大きなトピックから小さなトピックへ、一般的な話題から特定の話題へと絞り込むのが、導入部の定石です。また、アチェの説明では、アチェの歴史がイスラームと深く結びついており、アチェ人意識の形成につながっていることを説明しています。これは、本論で取り上げる、イスラームの信仰と災害の捉え方を議論するための伏線となっています。導入部で伏線を張っておくと、本論での議論がしやすくなります。
2. 生存者の証言 この論文では、フィールドワークによる聞き取りはせず、代わりに現地で出版された生存者の証言集からデータを集めています。証言の一部を提示することで、津波の被害の激しさを具体的に示すとともに、アチェの人々の地震・津波に対する反応(「キアマット=終末の日が来た」)のなかにイスラーム的要素があることを示しています。
3. クルアーン この章では、キアマットを描いていると言われるクルアーンの「地震の章」を分析することで、アチェの人々が地震・津波をキアマットと捉えた理由を明らかにしようとします。さらに、地震などの災害が神による天罰として描かれることは、唯一神信仰であるイスラームやキリスト教(とくに旧約聖書の記述)に共通してみられることを確認しています。
4. 1755年リスボン大地震 キリスト教世界で地震を天罰と考える事例として1755年のリスボン大地震を取り上げます。天罰と考える見方からはスケープゴートとされる集団への糾弾が引き起こされること、また、ヨーロッパ世界では、この大地震をきっかけに災害を天罰と考える見方から科学的に理解する見方に変化していったことを示しています。
5. 信仰と防災 災害を天罰と見てスケープゴードを糾弾する動きは2018年のスラウェシ島での地震・津波・液状化のときに起きていることを示し、このような偏った視点が、防災意識を醸成する際の妨げになる可能性を示しています。また、ムスリムの中にも、このような偏った視点に注意を発し、科学的な防災意識の醸成が重要であるとする主張があることを紹介しています。
6. イスラームと災害 信仰が防災に妨げになるのではなく、むしろ防災意識や防災活動を促進する側面もあることを述べ、最後に、本論での述べたことが日本社会でも適用される場面があることを指摘しています。
次回は、卒論作成のテクニカルな面について触れる予定です。
今週はKさんに以下の論文の書評レジメを報告してもらい、議論をおこないました。
議論では、先進国が発展途上国に対して支援をする場合、相手国の社会の文化や慣習を尊重しつつ支援を進めていくことの難しさが指摘されました。また、授業で学ぶ科学的知識とイスラーム規範による「穢れ」の双方が女子中学生のなかで並立していることを確認しました。著者が「安心して生理用品を捨てられる設備へのアクセス」を重要な課題としてあげている背景にも、上に述べたような観点があると推察されます。最後に、著者のフィールドワークの方法論(フォーカス・グループ・ディスカッションを含む)について検討しました。
次回からは、青山の「地震は神の徴か?イスラームの信仰と災害」(完全版)をもとに、論文の構成について検討する予定です。
今週は外語祭が終わって最初のゼミでしたが、急な会議が入ったため⒖時からの開始となり、申し訳ありませんでした。
HLさんに「インドネシアに進出する日系企業」について報告してもらいました。
製造業ではなくサービス業か小売業に焦点をあてることを確認しました。できれば具体的な企業にまで絞り込んだ方がよいかもしれません。また、外資系企業の出資率に制限がある場合には、合弁会社の形態をとることがある点にも留意するとよいでしょう。若い世代が都市中間層を占めることの経済的意味についても確認しました。
次回は、HRさんに報告してもらいます。
今週は、最初に、先週のSさんの報告について、追加の議論をおこないました。輸入代替については、簡単には以下のような流れを理解しておくとよいでしょう。
続いて、Mさんにインドネシア人のアイデンティティを理解するために、以下の文献について報告してもらいました。
多民族国家がなぜ単一の国家として独立することができ、現在もその状態を保つことができているのか、という大きな問題を前提に議論をおこないました。簡単には結論はでませんが、引き続き考えてみてください。
なお、「国民」と「民族」という用語については、以下の区別に気をつけてください。
「国民」については、
という等式がなりたちますが、「民族」については、「インドネシアには数百の民族がいる」という場合の「民族」、つまり、
という場合と、「オランダ植民地時代末期になるとインドネシア人のあいだに民族意識がたかまった」「民族主義運動の意指導者スハルトはインドネシアの最初の大統領になった。」という場合の「民族」、つまり、
という2つの場合あることに注意して文献を読むとよいでしょう。
来週は外語祭のため休講です。次回は、HLさんに報告をしてもらう予定です。
今週は、先週のSYさんの報告について議論を行いました。西洋と出会ったインドネシアのモード、ファッションのあり方、その中でのバティックの位置づけについて、引き続き検討を続けていくことを確認しました。カルティニについては、オランダを通じてヨーロッパにバティックの市場を生み出そうとした(その結果、バティック制作にかかわる女性たちの地位向上をはかる)役割について気づくことができました。
続いて、SAさんにマラリ事件について報告してもらいました。マラリ事件と1971年総選挙との関係や輸入代替産業政策との関係についてはもう少し議論を深める必要性があることを確認しました。これらを含めて、引き続き来週も議論を行います。
その後は、Mさんに報告をしてもらう予定です。
今週は、先週のTさんの報告について質疑応答をおこないました。
イスラーム法(シャリーア)は一般の法とちがって、神によって人間に下された規範であること(ゆえに改変できない)、その根拠として『クルアーン』と『ハディース』があること、(改変はできないが)ウラマーによる解釈がなされること、さらにその内容は信仰的規範(神に対する行為の決まり)と法的規範(人間間の行為の決まり)があり、後者には婚姻や相続が含まれる、これらの案件を扱うのが宗教裁判所であることを確認しました。
そのあと、Sさんに以下の文献ほかの書評レジュメを報告してもらいました。
カルティニをナショナリストの先駆者として位置づけるのは後代のナショナリストであって、カルティニ自身はインドネシアの独立を目指すという意味でのナショナリストではなかったこと、また、カルティニとバティックの関係を考察するのであれば、さらにカルティニついての資料(書簡集、写真画像など)を集める必要があることを確認しました。質疑応答の時間は十分にとれなかったので、来週におこないます。
今週はTさんに以下の論文について報告をしてもらいました。
イスラーム全般について(とくに、イスラーム改革運動)、それに対するインドネシアの反応について(「近代派」と「保守派」)、イスラーム婚姻法について、それを巡るインドネシアにおける議論について、それぞれ理解を深めていく必要があると思います。
今週は質疑応答の時間がとれなかったので、次回におこないます。そのあと続いてSYの報告を予定しています。
今週はYさんに、バティックについての報告をしてもらいました。バティックの歴史、制作過程と模様、生産地、用途について包括的にまとめられていました。おもな資料はクンプルが自費出版した『ジャワ更紗の旅 Batik』(2005年)などです。
今後の方向としては、バティックと社会情勢との関連性や現代的な用途について調べることを確認しました。
次回はTさんに報告をお願いします。
今週は秋学期最初のゼミとなります。夏学期の活動と課題の進捗状況について報告をしてもらいました。次回からは、毎週2人程度のペースで、課題レポート報告をしてもらいます。レポートをまだ提出できていない人は急いで提出してください。
今週は春学期最後の授業でした。現時点での卒論のテーマと夏学期の研究計画について全員に発表してもらいました。みなさんがそれぞれテーマを一歩絞り込み、具体的な計画を立てていることが確認できました。
今年の夏学期はインドネシアを訪問することができない特別な状況です。文献資料の収集をネットも活用してしっかりと進めてください。また、テーマに関わる基本的な文献(入門書、概説書などを含む)を読み込み、テーマ自体の理解を深めてください。
以下、テーマ別に参考にするとよい文献をあげておきます。
ワクチン接種が始まりましたが、まだコロナ禍の終息までには時間がかかりそうです。秋学期の再会まで、健康に気を付けて実りのある夏学期を過ごしてください。秋学期のゼミでは、夏学期に読んだ文献に基づいて報告をしてもらいます。
今週は、先週に引き続いて『創られた伝統』の序論を検討しました。
とくに、ホブズボウムが注目しようとする創られた伝統は、産業革命以降の近代において創られた伝統であることを確認しました。これは、近代化は伝統を破壊するという通念にあえて異を唱えようとするものである。むろん、伝統の材料は近代以前からあるものを再利用する場合も多いのですが、ナショナリズムのように近代において初めて登場するイデオロギーを補強するために伝統が創られた事例にオブズボウムは注目してようとしています。
続いて、歴史家であるボブズボウムは、過去を記述する歴史家の研究自体が(教科書を書くといった形で)新しい伝統の形成に、部分的にしろ、責任を負っていることに注意を喚起していることを確認しました。参考例として、「江戸時代」についての評価が、全面的に否定的なものからより肯定的なものへと変化した日本の事例を取り上げました。
次回は春学期最後の週となります。夏学期の研究計画を準備して提出してください。
今週は、『創られた伝統』の序論をもとに「創られた伝統」について検討しました。
「創られた伝統」(invented tradition)の定義は、日本語版のp.18に記載されていますが、実は、この訳文には誤訳があります。その点を訂正し、分かりやすいように3つに分解して整理すると以下のようになります。
ゼミでは、創られた伝統と伝統的社会における慣習(custom)の違いについて検討しました。ホブズボウムによると、慣習は、先例に従う一方で、現実に合わせて変化するものであるのに対して、伝統は、過去からの継続性を反復によって示すことに意味があるので、むしろ変化しないことに価値があるとされます。
『創られた伝統』では英国法廷での伝統的な裁判官のカツラが例に取り上げられていましたが、最近のイギリスでは廃止が進んでいるようです(AFPのニュース記事参照)。
次回では、創られた伝統と因習(convention)あるいは日常慣例(routine)との区別(pp.12-13)を検討したうえで、近代化と創られた伝統の関係(pp.14-19)について検討することにします。
次回は、第3章の後半の中心的なトピックになっている出版資本主義についてさらに検討しました。
出版語が以下の3つの理由で国民意識の誕生に寄与しましことを確認しました。
第一に、出版語になった俗語は、出版語として大きな人口を有する広範な地域で通用することで、ヨーロッパ全域で通用するがエリートしか理解できないラテン語の下位、狭い地域でしか通用しない口語俗語の上位に位置し、ひと・もの・情報の交換がおこなわれる統一的な空間を造り上げたこと。
第二に、出版語の言語は、テキストが印刷されて固定されたことで変化しなくなり、古から永続するという国民の観念に重要な要素を創り出したこと。
第三に、出版語になった俗語は、出版語に同化可能な他の類似の口語俗語が方言の地位に格下げされたことで、特権的な地位を持つに至ったこと。
出版資本主義は、商品としての本を出版語の読み手からなる市場に売り込むわけですが、この同じ出版語の本を読むことでつながった読み手の集団が、国民想像される共同体の基礎となったとアンダーソンは論じています。
次回からは、『創られた伝統』の序論をもとに「創られた伝統」について検討をする予定です。
今週は、第3章「国民意識の起源」について検討しました。
とくに、前章の聖典語に続いて第3章に出てくる俗語、口語、文語、個人言語という概念が理解しづらいので、集中的に検討しました。原文ではそれぞれ、sacred language, vernacular, spoken language, written language, idiolectとなります。このなかでもvernacularを「俗語」と訳してしまうと分かりづらいのですが、ここでは、カトリック教会の聖典語としてヨーロッパ全土で使われたラテン語に対するドイツ語、フランス語、イタリア語などの「土着」の言語のことを指しています。
カトリック教会の権威が凋落するにつれて、ラテン語は、唯一の文語(書くための言語)としての地位から脱落し、代わってそれまでは口語(日常生活の言語)として低く見られていた俗語が文語としての地位を奪い取っていきます。この動きを後押ししたのが出版資本主義です。俗語が文語の地位についたことで、それぞれの俗語しか読み書きできない人々の集団が一つの共同体、ネーションを形成していくことになります。
また、俗語も文語としての地位につく過程で、多彩な特徴をもつ個人言語(一人一人の特徴のある言語、ここでは方言も含意しています)から、出版資本主義の市場を形成するだけの勢力をもった俗語が特権的な俗語として標準化されていき、標準化から落ちこぼれた「劣った俗語」は「方言」という地位に格下げされていきます。
このような状況は19世紀後半の日本の近代化のなかでも起きたことを想起すると分かりやすいでしょう。最近出版された「ケセン語訳聖書」は、日本語という俗語が標準化されていくなかで、多くの俗語が方言として排除されていったことに気づかせてくれます。
次回は、第3章の後半の中心的なトピックになっている出版資本主義についてさらに検討します。
第3章の書評レジュメの検討が終わったあとは、「創られた伝統」についてのテキストを読む予定です。
今週は、先週に続いて第2章「文化的根源」の後半「時間の了解」について検討しました。
前近代の時間は「メシア的時間」であり、過去、現在、未来が神の視点からは「同時」であるのに対して、近代の時間は暦と時計で計られる「均質で空虚な時間」であり、お互いに知らない個人が一つの空間(社会)を同時に共有しているという意味での「同時性」であることを確認しました。このような近代の時間は、小説と新聞という近代のメディアに典型的に表現されています。これは、前近代の聖典語(ラテン語)の手書き写本から、近代の世俗語の印刷出版への移行に対応しています。
次回は、第3章「国民意識の起源」を取り上げ、出版資本主義についてさらに検討する予定です。
今週は、序章の後半を対象に、以下の2つの問いについて議論を、理解を深めました。
そのあと、第2章「文化的根源」についての書評レジュメを報告してもらいました。今週は、冒頭の「宗教共同体」について取り上げました。偶然的な人間の運命を未来永劫に連続する存在に変換するという点で、ネーションは宗教的想像力を受け継いでいることを確認しました。
アニメ『リメンバー・ミー』は、生者の想像力と死者の永続性の関係を見事に描いており、ネーションの宗教的想像力を考えるうえで参考になると思います。
来週は、引き続き第2章について検討を続けます。
今週は641教室での対面授業でした。先週に引き続き「序章」について、以下のポイントを中心に議論し、内容の理解を深めました。
まず、「ナショナリズム」の日本語訳として「国民主義」と「民族主義」の2つがあることを出発点に、日本語の「民族」には英語のnation、インドネシア語のbangsaという意味と、英語のethnic group、インドネシア語のsuku bangasaという意味の二つがあること、現代の近代国家においては、領土、国民、主権からなる国民国家(nation state)が国家の「あるべき形」であるという考え方が一般化したことを確認しました。
アンダーソンはそのような「国民」が実は「想像された共同体」(に過ぎない)ないことを指摘しました。ただ、ナショナリズムには様々な弊害(例:ユーゴスラビア紛争)がありますが、植民地の独立などの面では意義があったとアンダーソン自身は考えているようです。
次に、なぜナショナリズムはマルクス主義にとって「変則」だとアンダーソンは述べたのかについて検討しました。マルクス主義理論では、社会は階級(資本家と労働者)によって分けられ、同じ階級は国境を越えて連帯すべきものとして理解されていました。現実には、マルクス主義を標榜する国家さえも、ナショナリズムの原理で動かざるをえなかったことを確認しました。
ホワイトボードの記録をアップしておきます。
次回は、「序章」について、以下のポイント:
について検討します。
そのあと、第2章「文化的根源」の検討にはいるので、書評レジュメを作成して提出してください。
今週は、以下の文献の書評レジュメを作成し、報告してもらいました。
序章では、ネーション(国民)、ナショナリティ(国民的帰属)、ナショナリズム(国民主義)が、文化的な人造物(想像された共同体)として、18世紀末に様々な力が組み合わさったなかで生み出されたあと、「モジュール」として多くの地域に移植が可能となったこと、そのなかで人々に深い感情的な愛着心を生み出すようになったことがポイントとなります。
1928年の「青年の誓い」に代表されるインドネシアのナショナリズムはこのような特徴をよく示しています。こちらの記事も参照してください。
また、ナショナリズムのパラドックとして、1) 歴史的に新しい創造物なのに当事者にとっては遠い過去に起源があると想定されていること、2) ナショナリティがどこでも通用する概念とされていながら、実際のナショナリティは個別具体的なネーションとして現われること、3) ナショナリズムの影響力の大きさに比較して、それを説明する理論が発達していないこと、の3点が挙げられています。
次回は、序章について、もう少し検討を進めていきます。大学からとくに通知がない限り、641共同研究室での対面授業を予定しています。
今週と来週は、東京都に緊急事態宣言が発出されたことにともないオンライン授業で実施することになりました。
今週は、オンラインで「ケチャ」について調べる練習をおこないました。最初にVPNによる接続に苦労した人もいたようですが、全員が調べることができてよかったです。また、Japan Knowledgeの利用にも少しコツがあるので注意してください。
以下、ゼミの中で言及した点についてまとめておきます。
1. 引用した文献の出典は必ず明記してください。オンライン・データベースの中には自動的に出典を作成してくれるものもあるので活用してください。英語文献でよく使われる出典の方式としてはAPA、Chicago、MLAなどがあります。このゼミではAPA方式をお勧めしています。
2. レポートの中で文献を引用する場合には、引用のマナーを必ず守るようにしてください。詳しくは「引用の方法」を読んでください。
3. 1つのトピックについて調べる場合でも、複数の文献を参照するようにしてください。1つの文献だけでは、情報が誤っていたり、偏っていたりする場合あります。さらに、複数の文献をもとにした方が、自分の文章でレポートを書くことが楽になります。
事例「ワルター・シュピース(Walter Spies)の生涯」:複数の人名辞典を使うことで、多角的な情報を得ることができます。ドイツ国籍ゆえに起きた二度にわたる苦難や、同性愛者であったことがヨーロッパの社交界から身を遠ざける要因となったと推測できることなど、シュピースの生涯を深堀りしてください。
事例「「ケチャ」が日本で知られるようになったのはいつ頃からか」:聞蔵IIビジュアルを利用する場合でも、最初に見つけた事例で満足することなく、複数の記事から過去にさかのぼるようにしてください。朝日新聞の記事を見るかぎり、1975年の芸能山城組の公演が初出であること、1985年にバリからの歌舞団の来日公演があり、一般にも知られるようになったことが推測されます。
事例「「ケチャ(kecak)」が初めて使われた映画」:定説ではワルター・シュピースが制作に協力した1933年公開のドイツ映画Insel der Dämonenの中での上演が最初とされていますが、実際には映画の中では使われておらず、編集時にカットされた可能性があるようです。この事実も複数の論文を参照することで明らかになりました。いずれにしても、ケチャは、ワルター・シュピース単独の創作ではなく、彼や仲間のバリ人たちのアイディアを結集したものというのが事実に近いようです。
次回もオンライン授業です。引用の仕方、データを集める方法論、書評レジュメの作成について検討する予定です。
今週は、提出されたレポートをもとに、Wordによるレポート作成のポイントについて説明してから、テーマである「卒論における調べる」について意見交換をおこないました。
Wordによるレポート作成のポイント
レポート作成のポイント
卒論における調べる
今週の課題は、VPNを使って自宅のパソコンから附属図書館のオンライン・データベースにアクセスし、「ケチャ」について調べてもらいます。以下のページの【練習問題】を実行し、回答をレポートにまとめてSlackに提出してください。
また、再来週以降、テキストを読んで書評レジュメを作成する作業をおこないます。以下の記事を読んでください。テキストについてはSlackでお知らせします。
次回4月29日と5月6日は、東京都の緊急事態宣言の発令にともない、オンラインで授業をおこないます。ZoomミーティングIDは学務情報システムからお伝えします。
昨年度の3年次ゼミはZoomによるオンライン授業でしたが、今年度は春学期から対面授業で実施しました。Slackによる情報交換は今年度もおこないます。
昨年度の冬学期の初めに以下の課題を出していました。授業に先立ってSlackにレポートを提出してもらいました。
今週は3年次ゼミのみなさんとは初めて対面授業となるので、最初に自己紹介をしてもらいました(名前、出身地、インドネシア訪問の経験、留学の予定、卒論に予定している関心のあるテーマなど)。
教室には各自のパソコンを持参してもらったので、附属図書館のオンライン・データベースの使い方を簡単に説明し、あわせてEvernoteの使い方を簡単に紹介しました。「授業関係のお知らせ」の以下のページも参考にしてください。なお、学外から附属図書館のオンライン・データベースにアクセスするためにはパソコンにVPNのアプリをインストールをしておく必要があります。これも実行しておいてください。
オンライン・データベースで見つけた雑誌論文を例にとって、書誌情報の仕組みを説明しました。書誌情報(著者名、書名・雑誌名、論文名、出版社名、刊行年、巻・号、ページなど)を文献を扱うときの基本的情報ですから、普段から注意を払っておいてください。書誌情報の基本は次の記事を参考にしてください。
次回は、提出されてレポートをもとに議論をしたいと思います。