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東南アジア古典文化論

2008年2月 8日

今日は、この講義の最後の授業となります。

「スタソーマ・ジャータカ」という興味深い物語をとりあげて、「小乗仏教」の仏伝の伝統、密教の思想、ヒンドゥー教の物語が融合した、インドネシア独自の仏教物語の進化について、スライドを使って講義をおこないました。

期末課題レポートを提出してもらいました。

東南アジア地域全般における古典的インド文化の影響力を少しでも理解してもらえれば、この講義の目的は達成されたと思います。

2008年2月 1日

今日は、まず、先週途中までで終わったビデオ「ブッダ 大いなる旅路 ―タイの僧院にて:生きている仏教―」の後半を見てもらいました。

続いて、英語のビデオ「Learning from Borobudur」を見てもらい、9世紀のインドネシアに伝わった仏伝とジャータカを見てもらいました。

これらのビデオと先々週に紹介したビルマの写本からわかることの中で以下の点に注目してもらいたいと思います。

1. 現在の上座仏教社会で行われている宗教実践が、2500年前のブッダの教えを忠実に守る行いであると意識されていること。

2. 9世紀のボロブドゥールの浮き彫りと19世紀初頭のビルマの写本に描かれている仏伝の間にきわめて共通点が多く、大乗仏教に基づくボロブドゥールにも上座仏教と同じ伝承が反映していること。

3. 東南アジアの南伝仏教は「小乗仏教」であるとしばしば言われますが、実際には、現在の上座仏教が卓越する以前には東南アジア全体にわたって、「小乗仏教」、大乗仏教、さらには密教が併存していたこと。

来週は、バリの事例を取り上げて、「小乗仏教」の仏伝の伝統と密教の伝統が融合した、インドネシア独自の発展形を取り上げます。期末レポートの提出を忘れないようにしてください。

2008年1月25日

今日はスライドを使って19世紀初めのビルマの写本に描かれた仏伝画をたどって、仏伝の基本を知ってもらいました。そのあと、ビデオでNHKの番組「ブッダ 大いなる旅路 ―タイの僧院にて:生きている仏教―」(1998年)の前半を見てもらい、釈迦が修行した道を自らたどることが上座仏教の本質であることを理解してもらいました。

次週はビデオの後半から続けます。

2学期の期末レポートの課題を発表しました。以下のとおりですので、指示にしたがってください。

2007年度2学期 アジア文化概論II (東南アジア古典文化論)期末レポート課題 教員:青山 亨 課題配布日:2008年1月25日 課題提出日:2008年2月8日(金)4限 授業時間中 レポートの形式:A4判2枚以内。1ページの上部に「東南アジア古典文化論 2学期期末課題」と書き、氏名・学籍番号を明記し、左上をホッチキス止めすること。

課題
インドの物語は、マハーバーラタやラーマーヤナのようなヒンドゥー教の物語の場合でも、仏伝やジャータカのような仏教の物語の場合でも、輪廻転生(reincarnation)という考え方が背景に存在する。マハーバーラタ、ラーマーヤナ、仏伝、ジャータカの中から少なくとも一つを題材として選んで、その(それらの)物語の中で具体的にどの人物(たち)について輪廻転生がどのように語られているかを説明し、次に、その人物(たち)が輪廻転生しているという事実によって、物語にどのような宗教的意味が与えられているかを考察しなさい。

2008年1月11日

今年最初の授業でした。今日は、仏教の物語の基本を説明し、とくに日本の大乗仏教と東南アジアの上座仏教の違いを知ってもらいました。

来週1月18日はセンター入試前日のため休講となります。次回は1月25日です。仏伝とジャータカについて実例をスライドで見ながら実際の仏教の物語にふれていきます。

冬休みの課題レポートを回収しました。今日提出できなかった人は来週の火曜日に青山研究室(633)まで提出しに来てください。

今週の配布資料をダウンロード (PDF, 168KB)

2007年12月14日

今日は、今年最後の授業となります。ピーター・ブルックの映画版マハーバーラタの残りを最後まで鑑賞しました。長大な物語を3時間のドラマに圧縮しているため、後半はかなり駆け足の印象がありましたが、物語の本質はよく捉えているように思います。物語の「黒幕」として動くヴィシュヌ神の生まれ変わりクリシュナが際だっていました。

そのあと、ジャワに伝承されているマハーバーラタの例として、ワヤン・クリ(人形影絵芝居)による「アルジュナの婚礼」をビデオで紹介しました。これは、本来のマハーバーラタの中ではごく簡単に触れられているエピソードを独立した物語に仕立てたものです。古ジャワ語の原作は11世紀に作られましたが、現在にいたるまでワヤン・クリの演目として人気があります。

冬休みの課題を出しました。年明けの1月11日の授業時間中に提出してください。どうしても出席できない人は11月15日(火)に633に提出してください。

■冬休み課題

添付されている『宝物集』巻5からの抜粋を読み、『宝物集』の説明をし、物語の粗筋をまとめたうえで、『宝物集』の物語とその典拠となっている『ラーマーヤナ』とその相違点をまとめなさい。

レポートの形式はA4判1枚。上部に氏名と学生番号を明記のこと。

課題をダウンロード (74KB, PDF)


それでは、よい新年を迎えてください。

2007年12月 7日

今日の授業は、前回に引き続いて、ピーター・ブルックの映画版マハーバーラタの続きを鑑賞しました。配付資料のあらすじの第3編「森林編」から第8編「ドローナ編」の途中まで見ました。次回は、映画の残りの部分を鑑賞したあと、マハーバーラタに基づいたジャワの影絵芝居のビデオを見て比較をおこなう予定です。

ビデオの内容の補足をしておきます。

パーシュパタは、シヴァ神がアルジュナに授けた、強力な矢のことです。パーンダヴァたちが森を放浪していたとき、やがてくる大戦を予感して、カウラヴァたちと戦うための武器をシヴァ神から授かるためにアルジュナは一人ヒマラヤ山中で修行に励みます。修行を妨げた暴れイノシシを退治しますが、そのとき、山の狩人とどちらが先にイノシシを射たかで争いになります。実は、この狩人こそシヴァ神の化身であり、アルジュナの力を認めて、自身の武器パーシュパタを彼に与えます。

ビーシュマは、かつてアンバーという女性の恨みを買ったことがありました。ビーシュマへの復讐を誓ったアンバーの生まれ変わりであるシカンディンと戦場で対面したとき、ビーシュマは戦う意志をなくします。このときアルジャナが放った矢によってビーシュマは致命傷を負うわけです。インドネシアのマハーバーラタでは、このシカンディンはアルジュナから弓矢の手ほどきをうけたスリカンディという女性戦士として描かれています。

ガトートカチャは、パーンダヴァたちが森を放浪していたとき、ビーマに恋をして結ばれた女羅刹ヒディムバーが生んだ子です。大戦ではパーンダヴァ側に味方をしますが、最後はカルナに殺されます。インドネシアのマハーバーラタでは、ガトートカチャ(ジャワ語ではガトッコチョ)は空を飛ぶヒーローとして人気があります。

次週は、今年最後の授業になります。第2回の小テストと冬休みの課題の発表をおこないます。小テストの範囲はラーマーヤナとマハーバーラタですので復習を忘れないでください。

2007年11月30日

今週から、ラーマーヤナと並ぶヒンドゥー叙事詩マハーバーラタを取り上げます。前回配った資料をもとにマハーバーラタの複雑な人間関係を整理したあと、ピーター・ブルックが1989年に製作した映画版『マハーバーラタ』(英語・字幕なし)の前半を鑑賞しました。

この映画はもともとテレビのミニ・シリーズとして6時間の長さで作られたものを、劇場公開用に3時間に縮めたものです。膨大な叙事詩を6時間にまとめたものを、さらに縮めたものなので、話の展開についていけないところもありますが、「人類の物語」としてマハーバーラタを捉えるピーター・ブルックの意図はよくわかると思います。

来週は、第3編「森林編」にあたる場面から鑑賞を続けます。

この作品については、以下のウェブページが参考になります。
Internet Movie Databse: The Mahabharata
THE MAHABHARATA: a film by Peter Brook
THE MAHABHARATA: A Family Chart (人間関係を写真入りで整理しています)

2007年11月16日

今週の講義では、ビデオ映像で、現代の東南アジアの芸能に生きるラーマーヤナとして、1) インドネシア・ジャワのスンドラタリ(舞踊劇)「ラーマーヤナ・バレー」のハイライト、2) タイのコーン仮面劇による「ラーマキエン」、3) インドネシア・ジャワのケチャによる「スグリワ・スバリ兄弟の戦い」を紹介しました。

来週は外語祭なので、次回は再来週11月30日です。次回からはマハーバーラタを紹介します。配付資料があるので、欠席した人は下からダウンロードして、読んでおいてください。

今週の配布資料をダウンロード (PDF, 279KB)

2007年11月 9日

今日の講義では、プランバナン寺院のラーマーヤナの浮き彫りをスライドで紹介しました。

来週は、現在のインドネシアおよびタイでおこなわれているラーマーヤナ舞踊などの芸能を紹介する予定です。

2007年11月 2日

今週の授業では、第3週までの講義内容を対象に小テストをおこないました。30点満点で平均16点の結果で、あまりよいできではありませんでした。インド的世界観は講義の基本になるので、ぜひ理解しておいてください。

今日の講義では、ラーマ王子の物語を、ヴァールミーキ作とされるサンスクリットによる『ラーマーヤナ』をもとに、登場人物の関係から、第3編のあらすじまで紹介しました。来週は、スライドを使って、プランバナン寺院の浮き彫りにそって、あらすじを紹介します。登場人物の関係は整理しておいてください。

今週の配布資料をダウンロード (PDF, 290KB)

2007年10月26日

第4週の今日は、インド的テクストと「物語」の関係を説明し、そのあと、スライドを使ってクルタ・ユガに時代設定された物語をいくつか紹介しました。

来週は小テストです。第3週までの内容を復習しておいてください。

今週の配布資料をダウンロード (PDF, 163KB)

2007年10月19日

第3週の今日の講義では、古典的インドの「歴史観」を説明しました。ここで歴史というのは、宇宙の生成・維持・破壊という3つの過程からなる長い時間のサイクルを指しており、ヒンドゥー教のブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神がそれぞれの過程をになっています。さらに、このサイクルはユガと呼ばれる四つの時代に分けられています。これらの時代は、物理的な期間であるのみならず、ダルマ(宇宙・社会の秩序を保つ根本原理)の多い少ないと対応しています。

来週は、歴史観の続きを講義します。

今週の配付資料をダウンロード (PDF, 153KB)

2007年10月12日

今日は、古典インド文化の世界観を理解してもらうために、インド仏教における世界観、ヒンドゥー教の世界観、六道の輪廻転生について紹介しました。インド的世界には、人間が住む世界(贍部州、ジャンブドヴィーパ)の他に、神々が住む世界(?利天)、阿修羅が住む世界、地獄などがあります。これらの世界は独立しているのではなく、輪廻転生によって、住民が相互に行き来する関係にあることを理解してもらいました。

来週は、古典インド文化の歴史・時間観について説明します。

今週の配付資料をダウンロード (PDFファイル、187KB)

2007年10月 5日

今日は2学期の授業計画を配布し、オリエンテーションをおこないました。東南アジアには様々な宗教が共存しますが、その基底には、インド化の過程で伝播したヒンドゥー教や仏教の影響があることを見てもらいました。

次回からインド的世界観・歴史観について見ていきます。

今週の配布資料をダウンロード (PDFファイル、179KB)

2007年7月23日

ミニレポート第2回の評点・コメント・解答例の返却をおこないました。TUFS e-Learningで見てください。

解答例を付けていますから、参考にしてください。タイラーの考え方に社会進化論的な偏見が内包されていたこと、キリスト教などの一神教にもアニミズム的原理が内在していることなどの点に注意してください。

2007年7月13日

今週は、アンコールワットについて資料を配付して説明をしたあと、先週とは別のビデオを見てもらいました。

ビデオはDVD「TBS世界遺産 カンボジア編」(アニプレックス、2002年、48分、日本語)を使用しました。

第2回ミニレポートの提出は今日中です。まだの人は急いでください。

来週は最終回です。1学期のまとめをおこない、期末レポートの受付をします。

2007年7月 6日

今週は、アンコールについて資料を配付して説明をしたあと、ビデオを見てもらいました。

ビデオはDVD「ディスカバリー・チャンネル 密林の至宝:アンコールワット」(角川書店、1999年、53分、日本語・英語)を使用しました。

次回もアンコールについて講義をおこないます。

第2回ミニレポートの提出は来週までです。まだの人は急いでください。

2007年6月29日

今週は、パワーポイントのスライドとビデオを使って、プランバナン寺院についての講義をおこないました。スライドの内容は配布資料としました。以下でダウンロード可能です。ビデオは2000年7月2日放映のTBS世界遺産「プランバナン寺院遺跡群」を使用しました。

配付資料「チャンディ・プランバナン」をダウンロードする (PDF 743KB)

次週は、カンボジアのアンコールワットについて講義をおこないます。

期末レポートの課題を発表しました。以下のとおりです。

2007年度1学期 アジア文化概論II (東南アジア古典文化論)課題1
教員:青山 亨
課題配布日:2007年6月29日
課題提出日:2007年7月20日(金)4限 授業時間中
レポートの形式:A4判3枚以内。1ページの上部に「東南アジア古典文化論 1学期期末課題」と書き、氏名・学籍番号を明記し、左上をホッチキス止めすること。

課題
配布済みの青山の論文「インド化再考―東南アジアとインド文明との対話」(『総合文化研究』10:122‐143. 2007)に「インド化とは、当然のことながら、東南アジアの社会がインドになることではないが、しかし、その過程を経ることによつて、それまでの東南アジアの社会とは決定的に異なる、まさに「インド化Jしたとしか名付けることのできない新しい東南アジア社会へと変容することなのである。」(p.140)とある。この文章が意味することを、論文の内容に即して具体的に説明してください。さらに、自分が専門とする地域における同様な社会変容(インド化である必要はない)の例をあげてください。

なお、ミニ・レポートの課題は引き続きe-Learningで受付中です。

2007年6月22日

今週は、ボロブドゥールについての講義の2回目です。小乗仏教(上座仏教)、大乗仏教、密教という仏教の三つの発展段階を視覚的に表現したものがボロブドゥールです。どのレベルにある信徒にもそれなりの仏教の教理が理解ができるように工夫されていると言ってよいでしょう。

今日は、Learning from Borobudurという英語のビデオを紹介して、主として仏伝とジャータカ(シャカの前世の物語。本生物語とも言う)に焦点をあてて、小乗仏教(上座仏教)のレベルから見たボロブドゥールの意味を考えてもらいました。

ビデオのあとは、配布レジュメ「ジャータカの伝播と変容」に基づいて、ウサギ本生物語を例にとって、インド、東南アジア、中国、日本に広がった仏教の理念(布施)について講義しました。

来週は、プランバナン寺院について講義をおこないます。

すでに別のエントリーでお知らせしたように、TUFS e-Learningを使ったミニレポートの第1回の返却と第2回の発表をしていますので、TUFS e-Learningにアクセスしてください。

また、来週は、学期末レポートの課題の発表もおこないます。

2007年6月15日

今週は、レジュメ「ボロブドゥール」および参考資料として青山亨「ボロブドゥールとプランバナン」『季刊 文化遺産』5:14-21(1998)を配布しました。

レジュメにしたがって、ジャワ島のボロブドゥール仏教遺跡について説明したあと、TBS制作の「世界遺産 インドネシア編」からボロブドゥール遺跡群の部分を上映しました。

ボロブドゥールは、小乗仏教(仏伝やジャータカの浮き彫り)、大乗仏教(華厳経などの浮き彫り)、密教(仏像の配置)という仏教の発展段階を視覚的に表示する仏教百科事典としての役割をになっていたというのが今週の講義の結論です。

次回は、ボロブドゥール仏教遺跡の浮き彫りについて講義をします。

2007年6月 8日

今日は、今週配った資料「インドにおけるヒンドゥー教と仏教の発達」のチャートを本に、インドで発生した諸宗教の流れについて講義しました。

バラモン教からヒンドゥー教が成立した流れ、バラモン教の教えの対向する形で仏教とジャイナ教が出現した、後者(初期仏教)から大乗仏教や上座仏教が、さらに大乗仏教から密教が成立した流れをよく整理しておいてください。

次回は、ジャワ島のボロブドゥール仏教遺跡について講義をします。

2007年6月 1日

今日は、先週配った資料「初期王権」と今日新たに配った追加資料に基づいて、初期王権について講義しました。

「初期王権」(追加あり)をダウンロード (docファイル 47KB)

最初に、近代国家と前近代の国家の特徴を近代国家と比較して説明しました。次に、東南アジアの伝統的国家の範型として小型家産制国家の説明をおこない、最後に、クルケの説にしたがって、「地方的段階」の助走期間を経て、「地域的段階」にインド的王国が出現し、その中から「帝国的段階」に達した王国が出現した過程を説明しました。また、比較対象として日本の事例も紹介しました。

次回は、インドで発生した諸宗教の流れについて講義します。

2007年5月26日

今日は、先週配った資料「インド化再考」にしたがって、インド化(Indianization)について検討しました。

まず、セデスの古典的な東南アジアの「インド化」の定義を紹介し、「中国化」した東アジアの国々と対比させつつ、その特徴を説明しました。続いて、インド化が段階的な現象であることを説明し、交易を通じてインドの文物が到来する初期の段階と、インド的な装いをまとまった土着権力者が出現する5世紀以降を区別しました。初期には商人が、5世紀以降にはインド文明の知識をもった宗教者が重要な役割を果たしと推測されます。そして、5世紀になってこのような変化が生じたのは、3-5世紀に栄えたグプタ朝の古典的なインド文明がまさにこの時期になって、東南アジアとも関係が深かった南インドにも広がり始めたことに起因すると説明しました。

カースト制が東南アジアに定着しなかったこと、中国化に先行してインド化があったことについては、十分に説明する時間がありませんでしたが、第1週に配った資料を見てもらえればと思います。

次回は、初期王権の出現について講義します。

2007年5月18日

今日は45人の参加者がありました。

最初にスライドを使って、日本語における「神」(カミ)の概念について、検討し、引き続いて、ビデオ「雪の下で祝う:中国山地・正月の食習」(NHK)を見て、現在の日本での信仰のあり方を見ました。そのあと、資料にしたがって、東南アジアの精霊信仰について講義をおこないました。

講義資料「インド化再考」を配布しました。次回は、この資料にしたがって、インド化の過程について考えてみます。第1週に配布した「インド化再考―東南アジアとインド文明との対話」も参考資料として読んでおいてください。

インド化再考 (Wordファイル、29KB.ダウンロードできます)

2007年5月11日

今日の授業には42人の受講生がありました。

最初に、東南アジアの文化の歴史年表について、ブロックAからGまでの説明をおこないました。そのあと、年表を提出してもらいました。

講義資料「東南アジアの基層文化:精霊信仰」を配付しました。この資料にそって、スライドで東南アジア各地に見られる精霊信仰のさまざまな例を見てもらいました。

東南アジアの基層文化:精霊信仰 (Wordファイル、46KB.ダウンロードできます)

次回は、同じ資料を用いて、精霊信仰について講義をおこないます。

【大事なお知らせ】

今回、初めて出席した人は、このブログのサイド・メニューから「東南アジア古典文化論」を選択して、この授業の過去のお知らせをすべてよく読んだうえで、これまでの配付資料をダウンロードし、十分に目を通しておいてください。レポートなどの課題については、書かれている指示にしたがってください。

e-Learningレポートの課題はまだ3分の1ほどの受講生から提出されていません。まだの人は、あと1週間待ちますから早急に提出してください。

2007年4月27日

第3週の授業には44人の参加がありました。

「1学期の授業計画」「東南アジアの文化の歴史年表」「東南アジアのイメージ」「第1回 ミニ・レポート 東南アジアの宗教」各1枚を配布しました。

以下の配布資料をダウンロードすることができます。
1学期の授業計画
東南アジアのイメージ
第1回 ミニ・レポート 東南アジアの宗教

授業では、最初に、今回から始めるレポート課題への取り組み方について説明しました。詳しくは、下の「続きを読む」をクリックしてください。

そのあと、「東南アジアのイメージ」という16枚の写真を見てもらい、どこの何の写真で、どのような文化的背景の中でいつ頃に作られたものであるかを考えてもらいました。

次に、歴史年表を見て、AからGまでの歴史文化的ブロックに分け、それぞれのブロックの特徴を説明しました。それから、イメージ写真の1から16までが、どのブロックに属するかを考えてもらいました。

最後に、「基層文化」を示すブロックAの説明をおこなって、授業をおわりました。

今週の課題は、次回までに、e-Learningを使って第1回レポート課題を提出することと、歴史年表を自分なりに仕上げて持ってくることです。次回は5月11日です。

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2007年4月22日

東南アジア古典文化論のための参考文献を追加しておきます。土着の精霊信仰をもつ東南アジアにインドからヒンドゥー教や大乗仏教が伝わってきた状況を理解するためには、仏教が伝来した日本の状況を知っておくことが役に立ちます。以下、入手しやすくわかりやすい本をいくつかあげておきました。

  • 末木文美士.2006.『日本宗教史』(岩波新書1003)岩波書店. 日本の宗教史を概観するのに便利な本。要所要所に興味深い見解が出されています。
  • 大野徹.2001.『日本人の神』(新潮文庫)新潮社. 日本人の「カミ」概念の変遷を丁寧に追っています(後半はタミル起源説なので、また別のテーマです)。
  • 菅野覚明.2001.『神道の逆襲』(講談社現代新書)講談社. 日本の宗教史の中の神道の歴史を専門家の立場から解説。
  • 山本ひろ子.1998.『中世神話』(岩波新書)岩波書店. 神道の歴史の中で荒唐無稽とされがちな中世神話の豊かに光をあてた本。ジャワ人の信仰と比較できる点が多々あります。

2007年4月20日

第2週の今日も43人の出席がありました。欧米課程の出席が少なかったのは残念ですが、東南アジア課程8専攻語からはすべて出席者がいたのは驚きでした。

今日は、私が専門に研究しているインドネシアのジャワを取り上げ、統計上は人口の88%がイスラーム教徒であるインドネシアにおいても、イスラームでは説明がつかない文化要素が現在もあることを示しました。

専門がインドネシアであるため、どうしてもインドネシアの例を取り上げることが多いのですが、そのためにも、インドネシア語専攻でない学生に対してはとくに、イスラームではないインドネシアの側面を知ってもらうことが狙いの一つです。

具体的には、2002年のNHKスペシャル「アジア古都物語」第3集「ジョグジャカルタ:王と民が支える平和の都」を見てもらい、イスラーム的要素、インド的要素、土着的要素と思われるものを書き出してもらいました。スルタンという称号自体がイスラームであることを示していますが、スルタンがムラピ山に自分の髪の毛を奉納するのは土着の山岳信仰をうかがわせます。また、ジョグジャカルタという町の名前は、ヒンドゥー叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する都アヨーディヤー(平和の都)に由来するとされています。ちなみに、タイの古都アユタヤも同じ語源です。

来週は、「東南アジアの文化の歴史年表」のチャートで作業しながら、東南アジアの古典文化期を、東南アジアの歴史の流れの中に位置付けてみたいと思います。白紙のチャートは今日配布しましたが、受け取っていない人は、ダウンロードしてください。

東南アジアの文化の歴史年表 (右クリックしてダウンロードしてください)

2007年4月13日

今日は1学期最初のアジア文化論の授業でした。出席数は予想を上回る41人でした。まだ登録期間が終わっていないので、今日は資料を配付して、パワーポイントを使って授業の進め方と内容についてのオリエンテーションをおこないました。

資料は以下からダウンロードできます。
授業の概要 (Wordファイル、38KB)

今年から1学期のアジア文化論は、ジャワ古典文化論から東南アジア古典文化論に題目を変えました。インドネシア専攻だけではなく、東南アジア課程の学生に広く開かれた講義を目指しています。

そのためか、東南アジア課程のいろいろな専攻語の学生が来てくれました。期待に応えたいと思います。

          

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