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2019年10月24日

【4年次対象ゼミ】

今週はWさんに卒論の中間報告をしてもらいました。テーマをインドネシアのマイノリティである華人とインドネシアの国民統合の問題を扱うものです。先行研究の分析とインドネシアの大学で行ったアンケートとインタビューの分析から考察します。アンケートの結果から、国民統合には制度、歴史的経緯、社会(人と人の関係)という3つの側面があることが見えてきました。この3つの側面がインタビューで具体的にどのように語られているかを分析すると、何らかの傾向が明らかになるように思われます。

来週10月31日は青山が海外出張のため休講とします。代わりの課題として青山「インドネシアの華人:同化から統合へ」を読んで、歴史的経緯の分析から、現代のインドネシア華人が国民統合に何を求めていると想定できるか、整理しておいてください。(Wさんにはレポートとして提出をお願いします。)

次回は11月7日にはOさんにイスラームと音楽についての卒論の中間報告をしてもらいます。

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【3年次対象ゼミ】

今週は、最初に、先週名古屋でおこなった合同ゼミの振り返りをしました。

東京外国語大学は分担して材料を集めたうえで、チームとしてまとめることができた点がよかったと思います。また、先週の予行演習の指摘が本番で生かされていました。他大学のよかった点としてあげられたのは:

  • 実際にインドネシアに行ってインタビューやアンケートで得られたデータを使った発表は説得力があった。
  • スライドのデザインが一貫していて印象が良かった。
  • 大学ごとの発表のあとに、所属大学を混ぜた小グループに分かれて意見を出したうえで、全体討論に持ち込むという議事進行は意見をしっかりと出せたのでよかった。
  • 小グループでの意見交換を座らずに立ったまましたのも、効率的でよかった。

また、全体の反省として、最後の全体討論にもっと時間をかけられた良かったという意見がありました。ぜひ、来年の3年生にもこの経験を伝えてもらえればと思います。

このあと、前回発表できなかった4名に卒論テーマを発表してもらいました。

KSさんは棚田を中心としたバリのエコツーリズム、Hさんは在日インドネシア人の子どもの教育にある課題、Wさんはインドネシアの公認宗教制度の歴史的経緯、Oさんは映画Act of Killingを見て日本のナショナリズムとインドネシアのナショナリズムの違いを考えてみたい、ということでした。

なお発表の中でAct of Killingを見てみたいという意見が多く出たので、このゼミの時間で鑑賞の場を設けることにします。

今学期の終わりまでには、具体的な研究テーマと研究計画を確定し、発表できるようにしてください。

残った大学のオンラインジャーナルデータベースを使った資料収集と整理の方法について説明しました。日本語文献ではCiNii、英語文献ではJSTORによる文献検索を紹介しました。また、ネットで得られたPDF文献の保存と整理の方法としてEvernoteが便利であることを紹介しました。ベーシックプランは無料です。さらに、ブラウザにEvernoteの拡張機能を入れておくと、ブラウザの画面から直接Evernoteに保存することができます。今回は紹介する時間がありませんでしたが、Dropboxは自分が作成したファイルを保存・共有するためには便利なサービスです。ベーシックプランは無料です。

来週10月31日は青山が海外出張のため休講とします。代わりの課題として、EvernoteとDropboxを使って、文献の整理、ファイルの保存を実際に行ってみてください。その経験を踏まえて、便利だった点、困った・悩んだ点などをレポート1ページにまとめ、11月4日(月)までに青山にメールで提出してください。

次回は11月7日には、指定してある文献(青山のイスラームと防災に関わる論文)の書評レジュメの報告をしてもらいます。作成した書評レジュメは11月4日(月)までに青山にメールで提出しておいてください。

2019年10月17日

【4年次対象ゼミ】

今週はTさんに「なぜダンドゥットは今もインドネシアで人気なのか」という題目の卒論の中間報告をしてもらいました。卒論としての骨格はしっかりと出来ていると感じました。アンケートによるデータの分析方法について議論を行ったあと、ダンドゥットのコンサート映像を見たり、1970年代にダンドゥットの基礎を築いたロマ・イラマなどの音源を聞きました。

アンケートによるデータ分析については、以下の点が指摘されました。

データの分析には大きく定量調査と定性調査があります。定性調査は数値的な傾向を明らかにする調査、定性調査は発言や観察から調査者の分析による解釈を導く調査です。アンケートのデータには定量調査の対象となるもの(人数など)と定性調査の対象となるもの(自由記述)があります。

自由記述の分析にあたっては、対象者の属性との関係に留意しつつ、キーワードを抽出することで、傾向を明らかにすることが可能です。

さらに、典型的な自由記述の例があれば、代表例として取り上げて深掘りするとよいでしょう。

卒論では難しいことですが、数年にわたってアンケートを繰り返すことで経年変化を調べたり、複数地域・国でアンケートを実施することで比較することが可能であることも念頭においておくとよいでしょう。

定量調査と定性調査はマーケティングでも使われている手法です。以下のページを参考にしてください。

次回はWさんに卒論の中間報告をしてもらいます。

【3年次対象ゼミ】

今週は今週末に迫った合同ゼミに向けて発表の予行演習を行いました。ジャカルタ首都圏の交通渋滞の実態とその対策、そして発表者による提言という構成になっています。全体で40分かけた密度の濃いプレゼンでした。調査が行き届いていると感じました。まだ荒削りのところが残っていますが、発表者自身の振り返りで問題点と解決案が出されたので、仕上がりに向けての方向は定まったと思います。当日は、実りのあるプレゼンが出来ることを期待しています。

次回10月24日には、合同ゼミの振り返りのあと、前回発表できなかった4名に卒論テーマを発表してもらいます。残った時間には、ネットによる資料収集と整理の方法について説明する予定です。各自でパソコンを持参してください。

その後の週では、書評レジュメの報告をしてもらう予定です。準備をしておいてください。

2019年10月 3日

【4年次対象ゼミ】

今週は秋学期最初のゼミです。5名が出席しました。

夏学期の活動と卒論の進捗状況について報告してもらいました。それぞれ一定の進捗があることが確認できました。

Kさんは卒論のテーマを変えることにしたので、新しい研究テーマである「日系企業のインドネシア進出における障壁と展望(可能性)」についてゼミの中で議論を行いました。

文化障壁、経済障壁、環境障壁の3つの障壁の類型の中で文化障壁(言語・宗教)に焦点を当てることを確認しました。また、日系企業と言っても、メーカーと小売業を区別する必要があること、小売業の場合はとくに消費者の心理をつかめるか否かがポイントであること、文化障壁には国民性も含められること、その一方で文化障壁といっても言語・宗教・国民性だけでなく商品の価格などの経済的要因も考慮すべきであること、などの意見が議論の中で出されました(ホワイトボードを参照)。

次回は、ダンドゥットは今でも人気があるかを研究テーマにしているTさんにより詳しく卒論の中間報告をしてもらうことにしました。

なお、来週10月10日は大学の用務で出張が入っており休講とします。したがって、次回は10月17日になります。代わりの課題として、今日の議論を踏まえて、それぞれの卒論の中間報告ができるようまとめておいてください。

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【3年次対象ゼミ】

今週は秋学期最初のゼミです。8名が出席しました。秋学期から留学に出た人がいる一方、留学から戻ってきて参加した人もいました。

最初に自己紹介も兼ねて夏学期の活動や留学の経験について簡単に報告してもらいました。

次に、10月19日に予定している南山大学での東京外国語大学・大阪大学・南山大学のインドネシア語専攻学生による合同ゼミの準備状況について報告してもらいました。再来週10月17日のゼミの時間内に合同ゼミの発表の予行演習を行います。スライドの準備、発表者の順番、発表の準備など本番通りに準備をしておいてください。

続いて、4名の参加者に卒論のテーマについて構想を報告してもらいました。

THさんはインドネシアの交通問題か翻訳、Iさんは日本語教育(日本またはインドネシアでの)、KMさんはごみ問題か選挙を含むインドネシアの政治、TKさんはインドネシアのアパレル産業を考えてみたいということでした。

次回、残りの4名に報告をしてもらう予定です。

今年度の終わりまでに、研究テーマの絞り込み、そのためのデータの集め方の確認(文献とフィールドワーク)、読んでおくべき先行研究・参考文献のリスト作成、フィールドワークが必要な場合はその計画(いつ、どこで、どのように実施するのか)、など具体的に研究計画を立てておく必要があります。次回以降、データの集め方についてゼミの中で説明をする予定です。

卒論の研究計画の作成と並行して、書評レジュメの報告もしてもらう予定です。取り上げる文献についてはあとでお知らせします。

なお、来週10月10日は大学の用務で出張が入っており、休講とします。書評レジュメの対象となる文献をお知らせしますので、その作成と報告をもって授業の代わりとします。

          

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