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3年次対象ゼミ

2019年1月17日

今週は、秋学期最後のゼミとなります。一年間の経過をふまえて、現時点での新しい研究計画を報告してもらいました。

今年度の授業は今週が最後です。春から留学等を予定している人は健康に気をつけて出発してください。

4月から4年次ゼミに参加する予定の人は、卒論・卒研のテーマに関係する文献を読んだうえで、そのうちの一つの書評レジュメを準備しておいてください。それでは、春学期に再会しましょう。

2019年1月10日

今年最初のゼミです。年末に課題に出しておいて以下の文献の書評レジュメを報告してもらい、議論を行いました。

  • 大形里美「LGBT問題をめぐる『モラル・パニック』―刑法改正案とLGBT運動を取り巻く状況―」『インドネシア・ニュースレター』98 (2018): 2-13.

性的指向を生来的な資質とみるか本人の選択とみるかの違い、LGBTを外から侵入する病気とみる反LGBTの言説、本来は性的指向の多様生があったインドネシアにおける保守派の反LGBT言説に見られるかつての西洋における反LGBT思潮との共通性、イスラーム法解釈をめぐるリベラル派と保守派の違いなど、議論を深めることができました。

次回は、今年度最後のゼミになります。秋学期の議論をふまえて、これからの研究計画について報告してもらいます。

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2018年12月20日

今週は、Oさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらい、Uさんの司会で議論を行いました。

マンダラ王国論の意味について創唱者のウォルタースに遡って検討したのち、オランダによる王国の破壊が宇宙論的破壊を意味したが、その後、王家は宗教的領域での権威の復活が許されたことを確認しました。なお、ホワイトボードではマンダラの表記が誤っていたので訂正してあります。

それから、先週の議論で出たヴァルター・シュピースについては次の本が参考になります。

  • 伊藤俊治『バリ島芸術をつくった男―ヴァルター・シュピースの魔術的人生』(平凡社新書、平凡社、2002年)
  • 坂野徳隆『バリ、夢の景色―ヴァルター・シュピース伝』(文遊社、2004年)

次回は、来年1月10日になります。別途配布の文献を全員で読み、書評レジュメを提出してもらいます。それでは、よい新年を迎えてください。

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2018年12月13日

今週は、Uさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらい、Mさんの司会で議論を行いました。

今回は、「創られた伝統」としての芸能ケチャを切り口にして、バリのアイデンティティ形成について議論を行いました。バリにおける文化アイデンティティ形成は国民国家インドネシアとの政治的確執に至るのではなく、バリ州政府の政策やバリ・ヒンドゥー評議会の取り組みによる政策文化の展開につながったことを確認しました。Uさんは今後は具体的な儀礼に着目したいとのことでした。

次回は、Oさんに書評レジュメの報告をしてもらう予定です。

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2018年12月 6日

今週は、Mさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらい、Hさんの司会で議論を行いました。

書評レジュメの対象となったのは、「はじめに―権利と人生」の章で、「人類学者的思考/オルタナティブ・ボイス/フェミニズムはどこに/選択が生み出す混乱/傷ついた小鳥/日常という政治」の節から構成されています。

議論の中心となったオルタナティブ・ボイスの節については、ムスリム女性はブルカの着用を強制されている(選択の自由が奪われている)、ゆえに、ブルカの着用を止めるべきである、という西洋側の言説こそが、自らの信仰に従う良心の自由や個人の尊厳という西洋的価値に反していると著者が主張していることを確認しました。

Mさんには、教室の議論の結果を卒論にどのように盛り込むことができるか検討してみるよう、お願いします。なお、同じ事は秋学期のそれぞれの書評レジュメの報告者にもお願いします。

次回は、Uさんに書評レジュメの報告をしてもらう予定です。

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2018年11月29日

今週は、Hさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらい、Kさんの司会で議論を行いました。

  • 山岸智子「《うなじ》をめぐる政治的対立―イラン女子サッカーチームのユニフォーム問題について―」『スポーツ社会学研究』(2010, 18巻2号pp.53-66)
    (DOI  https://doi.org/10.5987/jjsss.18.2_53

論文中の「魂と肉体」については十分な説明がないのですが、論文抄録の内容から「健全な精神は健全な肉体に宿る」という(古代ローマの詩人の言葉に由来する)西洋の近代的なスポーツ観を指していると推測されます。これをイランの近代主義的知識人が国民の精神と国家に奉仕する肉体に読み替えたということです。具体的には学校の体育教育や女性のスポーツ活動に結実します。しかし、1978-79年のイラン革命の結果、スポーツにおける男女隔離の原則の公的実施が進みます。ただ、この原則は国外では通用しないので、女性選手の国外試合ではイスラーム法に適したユニフォーム着用という課題が生じ、これが国際的に競技を統括する組織(サッカーだとFIFA)との軋轢を生むことになります。イランにおけるイスラームとスポーツの問題ですが、インドネシアにおける問題を考える上でも十分に参考にできる理解をもつことができたと思います。

なお、FIFAの立場については、反イスラームと捉えるよりは、あらゆる宗教からの中立性の維持と捉えるべきだという意見がありました。

今回は、古代ギリシアに遡る西洋の「裸体主義」へのイスラームからの批判については議論する時間はありませんでしたが、また別の機会にできるとよいと思います。

次回は、Mさんに書評レジュメの報告をしてもらう予定です。

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2018年11月15日

今週は、Mさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらい、Kさんの司会で議論を行いました。

  • 岡本正明「民主化したインドネシアにおけるトランスジェンダーの組織化と政治化、そのポジティブなパラドックス」『イスラーム世界研究』(9巻, pp. 231-251、2016年)

インドネシアにおける男性からの女性のトランスジェンダーであるワリア(waria)の組織化と政治参加について分析した論文です。議論ではLGBTについて概観したあと、ワリアを肯定するイスラーム的言説(ディスコース)がナフダトゥル・ウラマのウラマーから出されたことに焦点をあてて、その意味について検討しました。聖典の「解釈」の位置づけを切り口にしてイスラームの基本的な理解をさらに深める必要が指摘されました。

イスラームの基本については、まずは以下の文献が読み始めるのがよいでしょう。

ナフダトゥル・ウラマに代表されるインドネシアのリベラル派イスラームの潮流については以下の文献が参考になります。

  • 青山亨「インドネシアにおけるリベラル派イスラームの新思潮―ウリル・アブシャル・アブダラのコンパス紙論説をめぐって」『東京外大東南アジア学』(9巻、pp. 24-41、2004年)

なお、論文にも出てきたジョグジャカルタは2006年に「ジョグジャカルタ原則」が採択された場所でもあり、LGBTの歴史とも縁のある都市です。

次回は外語祭があるので一回お休みです。再来週11月29日に、Hさんに書評レジュメを報告してもらう予定です。準備をお願いします。

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2018年11月 8日

今週は、Kさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらい、Wさんの司会で議論を行いました。

インドネシアにおいて都市部に対して農村部に貧困世帯が多いのは教育格差と関連があることを実証的に明らかにした研究です。都市部における貧困と教育格差との関連や貧困削減のためにはどのような教育が必要なのかが、今後の卒論の課題となりそうです。

次回は、Mさんに書評レジュメを報告してもらう予定です。準備をお願いします。

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2018年11月 1日

今週は、Wさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらい、Uさんの司会で議論を行いました。

二重国籍問題については、二重国籍が生じた要因としての血統主義と出生地主義についての議論が行われました。また、スハルト政権まではインドネシア国民(バンサ)を構成する民族(スク)として華人が認められていなかったのに対して、スハルト政権後にはインドネシア国民を構成する民族として華人が認められた点が重要であることを確認しました。

次回は、Kさんに書評レジュメを報告してもらう予定です。準備をお願いします。

2018年10月25日

今週は、明後日南山大学で開催される合同ゼミでの発表の2回目の予行演習を行いました。全員が出席し、「インドネシアと砂糖」というテーマで発表をおこないました。前回の課題であった「展望と課題」についてかなり充実した印象を受けました。報告者が交替するときに、前の報告者の話とどうつながっているのか、口頭でうまくつなぐと聞き手にも話が分かりやすく伝わると感じられました。

それでは明後日、南山大学でお会いしましょう。

次回のゼミでは、Wさんの書評レジュメの報告を予定しています。

2018年10月18日

今週は、10月27日に南山大学で開催される合同ゼミでの発表の予行演習を行いました。全員が出席し、「インドネシアと砂糖」というテーマで発表をおこないました。個別の問題とは別に、結論の展望をどのような観点で語ろうとしているのかをはっきりさせる必要があることが分かりました。また、スラライドについては、分担で作ったスライドに統一感を与えることになりました。

まだ未完成な部分が多いので、次回は、予定を変えて、予行演習をもう一回おこなうこととしました。

その次の回からは、書評レジュメの報告をしてもらいます。最初の回は、Wさんの書評レジュメの報告ですが、そのあとは、学籍番号順に報告してもらう予定です。

2018年10月11日

今週は、Yさんに以下の書評レジュメの報告をしてもらい、議論を行いました。

タイの農村の知恵に学ぶという声への異論、紛争という災害からの復興における人間的共感と他者への配慮の重要性などがとくに議論で取り上げられました。また、「自助」「共助」「公助」「外助」が切り口となることが指摘されました。

この本については以下のような紹介・書評が書かれているので参考にしてください。

次回は、10月27日に予定されている合同ゼミの予行演習を行います。準備をしておいてください。

その次の回からは、書評レジュメの報告をしてもらいます。報告者については別途、連絡します。

2018年10月 4日

秋学期最初のゼミが始まりました。転ゼミの2名、留学からの帰国1名が新たに加わり、8名となりました。

最初に、新メンバーを迎えたので、自己紹介と夏学期中の活動について報告してもらいました。続いて、春学期最後のゼミでお知らせしたように、卒論作成に向けての研究計画、関連する文献のリスト、リストから選んだ1冊の書評レジュメを提出してもらいました。今日提出てきなかった人は至急、メールで青山に提出してください。

続いて、10月27日に開催予定の三大学合同ゼミの進捗について報告してもらいました。10月18日のゼミの時間に、合同ゼミでの報告の予行演習を行うことになりました。それまでに、パワポのスライドや役割分担などを準備しておいてください。当日のパソコンとプロジェクタは青山が準備しておきます。

18日の予行演習を除くゼミの日には、毎週1名に書評レジュメの報告をしてもらう予定です。最初の報告はYさんに10月11日にしてもらいますので、準備をしておいてください。

2018年7月 5日

今週は春学期最後のゼミとなりました。最初にブラタオヤマ「目黒川に沿って歩く」のレポートを提出してもらい、そのあと、合同ゼミに向けて議論をおこないました。テーマ「インドネシア国内の砂糖の消費」についてかなり掘り下げた議論ができたように思います。参考までに下にホワイトボードの記録を掲載しておきます。今日の議論を踏まえて、協力分担して合同ゼミに向けて準備を進めてください。

夏に留学に出る人3名には実りある留学となるようお祈りしています。秋学期のゼミには残った5名に新しく参加する2名が加わって7名の体制となります。7名の皆さんは夏学期の期間中に以下の課題を実行してください。(留学に出る人は帰国後の最初のゼミに課題を提出してください。)

  • 卒論作成に向けてテーマを考えたうえで研究計画を立てください。研究計画の作成にあたっては「研究計画の書き方」が参考になります。
  • テーマに沿って参考にすべき文献(図書)のリストを作成してください。最低でも10冊は欲しいです。リストは研究計画の末尾に載せてください。
  • 参考にすべき文献のリストから1冊を読み込んで、書評レジュメを作成してください。
  • 秋学期最初のゼミの時間に「研究計画」と「書評レジュメ」(それぞれA4判2ページ程度)を提出してください。

秋学期最初のゼミは10月4日です。それでは充実した夏学期を過ごしてください。

2018年6月28日

今週は、予定を変え、10月の合同ゼミでの発表テーマについて自由な議論を行いました。「砂糖からみるインドネシア食文化の昔と今」という仮テーマを出発点に、いろいろな観点からアイデアを出してもらいました。来週は、今日出された材料についてさらに調べた上で、テーマの絞り込みができればと思います。

そのあと、インドネシアの1990年代から2000年代にかけてのポップスをCDで振り返り、受講生の音楽観について意見交換をおこないました。

来週は、春学期最後のゼミです。合同ゼミでの発表の検討を行います。今日出された材料について各自で調べてきたうえで、参加してください。また、ブラタオヤマのレポートを提出してもらいます。

2018年6月21日

今週は、金悠進(2018)の書評レジュメを提出してもらい、それに基づいて議論をおこないました。インディーズの音楽活動が軍に依存することに疑問が出されましたが、インディーズのバンドがメジャーになるなかで、大観衆を収容する会場が不足していることが、軍の敷地を利用することの背景にあるのではないか、という理解を共有しました。次回は、音楽とネット配信との関係について議論をしてみたいと思います。

後半は、インドネシア音楽の歴史を共有するため、クロンチョンの古典的な作品をいくつかをCDで聞きました。クロンチョンという形式のなかにも、中国の影響を受けた楽曲や、ジャワのガムランに影響を受けた楽曲があることを確認しました。クロンチョンの中でも「ブンガワン・ソロ」はとくに日本や中国でも人気があり、今回は中国語版の「ブンガワン・ソロ」を聞きました。最後に、ダンドゥットを代表する初期のロモ・イラマの曲を聞きました。次回は、さらにCDを聞く予定です。

2018年6月14日

先週末6月9日(土)に第3回ブラタオヤマを無事に終了することができました。最初に簡単な振り返りをおこないました。

今回のテーマは「目黒川に沿って歩く」でした。目黒天空庭園(首都高大橋ジャンクション)を出発点に、クリオロ中目黒店で一服し、目黒川船入場、目黒寄生虫館、青木昆陽(甘藷先生)墓、目黒不動尊瀧泉寺、阿修羅像、品川宿(旧東海道)を経て、建築倉庫ミュージアムが終点になりました。ミュージアムでは「建築倉庫ミュージアムが選ぶ30代建築家展」と「ル・コルビュジエ/チャンディガール」が開催されていました。出発が13時過ぎ、ミュージアム到着が18時前でしたので、約9キロの行程を5時間で踏破したことになります。ミュージアムを19時前に出た後、品川駅近くの店で薬膳火鍋を食して歓談しました。

ブラタオヤマはアクティブラーニングとするので、全員でまとめたレポートを、今学期最後の授業の時間に提出してもらうことにしました。

続いて、卒論で使えるアプリとして、Google Mapを青山が紹介しました。スマホのGoogle Mapで訪問した場所を「お気に入り」として登録しておくと、あとからスマホやパソコンで表示させることができます。フィールドワークをするときには活用してみてください。

そのあと、小池(2018)の書評レジュメの報告に基づいて、映画に込められた制作者のメッセージと、興業的成功のバランスという観点から、映画作品についての議論を行いました。作品の結末がメッセージのとおりではなくても(そのことで興業的な成功は確保する)、ドラマの中でハラハラさせるような問題提起(異宗教婚の是非)をすることができれば、観客には十分にメッセージを伝えることができるだろう、という議論を共有することができました。

次回は、インドネシアのインディーズ音楽を分析した金悠進(2018)の書評レジュメを報告してもらい、議論を行う予定です。


2018年6月 9日

2018年6月9日に第3回ブラタオヤマを実施しました。参加のみなさん、お疲れ様でした。今回のテーマは「目黒川に沿って歩く」でした。

目黒天空庭園(首都高大橋ジャンクション)を出発点に、クリオロ中目黒店で一服し、目黒川船入場、目黒寄生虫館、青木昆陽(甘藷先生)墓、目黒不動尊瀧泉寺、阿修羅像、品川宿(旧東海道)を経て、建築倉庫ミュージアムが終点になりました。

ミュージアムでは「建築倉庫ミュージアムが選ぶ30代建築家展」と「ル・コルビュジエ/チャンディガール」が開催されていました。出発が13時過ぎ、ミュージアム到着が18時前でしたので、約9キロの行程を5時間で踏破したことになります。

ミュージアムを19時前に出た後、品川駅近くの店で薬膳火鍋を食して歓談しました。

2018年6月 7日

今週は、最初に先週おこなったワード使いこなし教室(その1)の振り返りをおこないました。それぞれ得るところあったことを確認しました。

続いて、インドネシアにおける異宗教婚をテーマにした映画を論じた小池(2018)について全員の書評レジュメを提出してもらったうえで、今日はTさんに報告してもらい、議論をおこないました。著者によると、映画から読み取れることには、1) 社会文化的背景と2) 映画製作側の文化的コメント・メッセージがあるとされています。今日は、主として社会文化的背景として、とくに婚姻にかかわるイスラーム法について議論をおこないました。

インドネシアは、ムスリムが多数派でありながら政教分離の原則が堅持され、「多様性の中の統一」の国是のとおり、ムスリムが多数派の民族とイスラーム以外の宗教を多数が信仰する民族とが比較的平和裏に共存しているのも事実です。しかし、それは、あくまでも個人がそれぞれの領域に留まっている限りのことであり、本来の領域を越えた異宗教婚を行うとすると多くの障害が立ち現れるという問題を抱えていることが、今日の議論で共有できました。

次回は、引き続きこの論文をもとに、映画制作側の文化的コメント・メッセージについて議論を深める予定です。

なお、明後日6月9日(土)は第3回ブラタオヤマを開催します。健康管理に気をつけて集合してください。

2018年5月31日

今週のゼミは206パソコン教室で実習形式でおこないました。配付資料にもとづいて、レポート作成に役立つワードの機能について、実際にパソコンを動かしながら理解を深めました。

今日の実習で扱った内容は以下のとおりです。

  • オプション(初期設定)の変更
  • スタイルの3層構造の理解(フォント、パラグラフ、ページ)
  • パラグラフのスタイルの設定

今回の実習での「目標到達度チェックリスト12項目」のうち、到達済みの項目は、実習開始前には5項目前後でしたが、実習終了後には10項目前後にまで増加しました。十分に実習の効果があったように思われます。

次回は、いつものとおり641共同研究室でゼミをおこないます。小池(2018)の書評レジュメを報告してもらい、議論をおこなう予定です。

・今日の配付資料:ワード使いこなし-01-レポートの作成-20180531.pdf

2018年5月24日

今週と来週は、予定を変えて、青山が準備した資料をもとに「正しい引用の方法」と「Wordの使い方(その1)」について学ぶことしました。

今週は「正しい引用の方法」について議論をおこない、引用、出典表示、参考文献一覧の「三位一体」が必要であること、論文執筆において引用が必要であることを確認しました。また、引用における「短い引用」、「長い引用」、「要約」の3つのタイプ、出典表示における「著者・刊行年方式」と「注方式」について違いを確認しました。青山のブログにも関連する記事「引用の方法」があるので参考にしてください。

そのあと、青山の方から卒論に使えるアプリとしてCam Scannerを紹介しました。これはスマホのカメラをスキャナのように使えるようにするアプリです。書類を撮影したとき、台形に写った紙面でも、自動的に方形に補正し、色調補正もしてくれるので、スキャナで読み取ったような画像で保存することができます。さらに、DropboxやLINEで共有することで、データを有効活用することができます。このページの画像も教室のホワイトボードをCam Scannerで撮影したものです。なお、このゼミではアプリの紹介をするだけであり、紹介したアプリの使用は自己責任でおこなうようお願いします。

次回は、「Wordの使い方(その1)」について学ぶ予定です。可能であればパソコン教室を使用するので連絡に注意してください。

そのあと、福岡(2018)に収録された以下の論文の書評レジュメを発表してもらいます。準備をしておいてください。

  • 小池誠「第6章 インドネシア映画に描かれた宗教と結婚をめぐる葛藤」(pp. 202-228)
  • 金悠進「第10章 インドネシア・インディーズ音楽の夜明けと成熟」(pp. 330-355)

2018年5月17日

今週は、卒論作成に役立つアプリとして、ブクログ(booklog)というアプリを紹介してもらました。これは自分が読んだ本を人に紹介したり、他の人が紹介する本を見つけたりできるサイトと連動したアプリです。残念ながらアプリはiphone用しかないようです。

続いて、前回に引き続いて、福岡まどか(2018)論文について提出してもらった書評レジュメの中から1名の報告にもとづいて、議論をおこないました。最初に、ハイカルチャーとポピュラーカルチャーについて議論を深め、その延長でインドネシアにおける国民文化と民族文化(地方文化に読み替えられた)について理解を共有しました。続いて、より一般的に文化の商品化について議論をおこない、文化が生産・市場・消費のサイクルの中に組み込まれる過程が商品化であると整理しました。

次回からは、福岡(2018)に収められた論文のうちインドネシアの映画と音楽を扱った2本の論文を読んでいくことにしました。



2018年5月10日

今週は、最初にブラタオヤマ第3回(6月9日アクティブラーニング)のルートをお知らせしました。今回のお題は「目黒川を下る」で、目黒天空庭園東口が始点、建築倉庫ミュージアムが終点となります。途中、目黒寄生虫館や目黒不動尊瀧泉寺などを訪れる予定です。

次に、卒論作成に役立つアプリとしてDropboxを紹介してもらいました。無料のファイル共有アプリです。グループ間はもちろん、個人であっても外出先のPCやスマホでファイルにアクセスできるので便利です。Google DriveやOneDriveなど同様のアプリがありますが、私自身の使用経験からも、インターフェースが使いやすく、安定していると言えます。合同ゼミの準備に利用するとよいでしょう。引き続き、次回もゼミ生からの紹介をお願いします。なお、このゼミではアプリの紹介をするだけであり、紹介したアプリの使用は自己責任でおこなうようお願いします。

今週も、福岡まどか(2018)論文について提出してもらった書評レジュメの中から1名の報告にもとづいて、議論をおこないました。

今日の議論では、スハルト政権下で華人の文化が抑圧されていたという文中の指摘に対する疑問を切り口にして、インドネシアにとっての「国民国家」と「国民文化」に焦点があたりました。多様な民族(エスニック集団)から構成されているがゆえに、Bangsa Indonesia(「インドネシア民族」=「インドネシア国民」)として団結しなければならなかった、しかし、華人はBangsaを構成する民族として認められていなかった、という論点が共有されました。

次回は、今回も触れることができなかった「文化の商品化」についてあらためて議論を深める予定です。

2018年4月26日

今週は、まずはじめに、先週のゼミでは十分に掘り下げることができなかった、先行研究をどのように見つけるか課題について、検討してもらいました。

OPACで図書館の本を探す、外大の図書館になければILLを利用する、CiNiiなどのデータベースで文献を探す、文献に挙げられている参考文献リストを使って「芋づる式」に文献を探す、教科書・概説書・入門書を利用する、専門事典を活用する、といった論点が出されました。

続いて、福岡まどか(2018)論文の書評レジュメを全員に提出してもらい、その中からの1名の報告にもとづいて、議論をおこないました。

今日の議論では、文化のグローバルなフローに焦点があたりました。中心・周縁間の一方向なフローから双方向なフローへ変化する、模倣・融合・創造の過程をへて他文化が内在化する、といった論点が共有されました。

次回は、これ以外の論点(たとえば「文化の商品化」について、同じ文献をもとに、議論を深める予定です。また、今週はできませんでしたが、次回もスマホアプリの紹介をお願いするつもりです。

なお、来週5月3日は祝日なので、次回は5月10日になります。

2018年4月19日

今週は、卒論に使えるスマホ・アプリということで、ゼミ生から、世界の語学パートナーとチャットするためのアプリHelloTalkを紹介してもらいました。必ずしも卒論作成につながる訳ではありませんが、アンケートの配布先を紹介してもらったりするときに使えるのではという意見がありました。一方では、未知の相手とチャットするという点に不安があるという意見もありました。引き続き、次回もゼミ生からの紹介をお願いします。なお、このゼミではアプリの紹介をするだけであり、紹介したアプリの使用は自己責任でおこなうようお願いします。

続いて、「調べる」ときの対象という意味で、出版物としての雑誌(定期刊行物)と本(書籍)の特徴について、ゼミの中で検討してもらいました。

最後に、提出してもらった課題レポートの中から1本を選んで報告をしてもらい、それをもとに議論をおこないました。先週は、データの集め方という観点でしたが、今週は先行文献という観点からの報告でした。自分のテーマに関連する重要な先行研究を読むときには、そこで扱われる概念(複数)の関係をおさえること、それらの概念を使ってどのような議論が展開されているかを自分なりに把握することが大切です。下に、いつものように、議論のプロセスをまとめたホワイトボードを掲載しておきます。

先行研究をどのように見つけるか、という議論がまだ不足しているので、これについては次回、冒頭の時間を使って補足する予定です。

次回は、指定した福岡まどか論文の書評レジュメを全員に報告してもらうので、準備をしておいてください。

2018年4月12日

アクティブラーニング(ブラタオヤマ)の日程は6月9日(土)に決まりました。あわせて世話役も決まりました。ルートについて希望があれば参考にするのでお知らせください。【訂正】6月10日(土)を6月9日(土)に訂正しました。

次に、3大学合同ゼミの日程は10月27日(土)・28日(日)に決まりました。あわせて連絡役も決まりました。今後は、各大学の連絡役の間で連絡をとりあって、テーマやプログラムを決めてもらうことになります。

最初に、卒論に使えるスマホ・アプリということで、ゼミ生から論文検索Qrossを紹介してもらいました。これはスマホ上で複数データベース横断型論文検索サイトQrossをスマホ上で利用できるようになるアプリです。引き続き、次回もゼミ生からの紹介をお願いしいます。なお、このゼミではアプリの紹介をするだけであり、紹介したアプリの使用は自己責任でおこなうようお願いします。

ちなみに、ゼミ生のなかで早い人は小3でガラケーを、高1でスマホを使い始めたということでした。

続いて、提出してもらった課題レポートの中から1本を選んで報告をしてもらい、それをもとに議論をおこないました。いつものように、議論のプロセスをまとめたホワイトボードを掲載しておきます。

最後に、書評レジュメのためのテクストとして以下の文献を指定しました。

福岡まどか・福岡翔太(編)『東南アジアのポピュラーカルチャー--アイデンティティ・国家・グローバル化--』(2018年、スタイルノート)に掲載された、福岡まどか「はじめに」(pp. 11-13)と福岡まどか「序章 東南アジアのポピュラーカルチャー--アイデンティティ・国家・グローバル化--」(pp. 14-56)、および小池誠「第6章 インドネシア映画に描かれた宗教と結婚をめぐる葛藤」(pp. 202-228)

書評レジュメの書き方については「レジュメの基本」を参照してください。

振り返りでは、研究テーマによって調べるべきデータのタイプ(文献から得られるデータか、フィールドワークから得られるデータかなど)が異なることの指摘があったのはよい気づきだったと思います。

次回は、今週と同じく提出してもらった課題レポートの中から2本程度を選んで報告してもらい、それをもとに議論をおこなう予定です。

次々回には、福岡まどか「はじめに」と「序章」の書評レジュメの報告をしてもらうので、準備をしておいてください。

2018年4月 5日

新年度最初の3年次ゼミでは春学期の授業予定について説明を行い、春休みの課題レポートを提出してもらいました。

さらに、受講生1人1人に自己紹介をしてもらったあと、冬学期の課題に沿って、各自の関心テーマや留学の経験・予定などについて話をしてもらいました。

ゼミ内のLINEグループの立ち上げ、アクティブラーニング(ブラタオヤマ)の世話役、3大学合同ゼミの連絡役の準備についてお願いしました。

次回は、課題レポートの中からいくつかを選んで報告をしてもらう予定です。また、書評レジュメのためのテクストを準備しておく予定です。

          

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