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2008年5月30日

【地域基礎】

今週からは、スラムット・ラハルジョ・ジャロット監督の1989年の映画『青空がぼくの家』(Langitku Rumahku)を見てもらいます。この映画は1980年代後半のスハルト政権期のインドネシアの雰囲気を知るためにはとてもよい材料だと思います。詳しくは配付資料を読んでください。

今日は、アンドリがグンポルの住むスラム街を初めて訪れるところまで見てもらいました。来週は、この続きから上映します。映画を見ながらワークシートを記入してください。

2008年5月29日

【東南アジア古典文化論】

今日は、漢籍や日本の史書に記録された仏教伝来の記事を読み、仏教が伝来したときの現地社会の反応や仏教受容に際して王権が果たした役割について検討しました。

そのあと、インドのヒンドゥー教と仏教の発達について年表の空欄を埋めながら解説をしました。今日は大乗仏教の出現まで進みました。次回は、その続きから年表の解説を進め、そのあと、東南アジアにおける仏教やヒンドゥー教の寺院の事例を見ていきたいと思います。

提出してもらったIndianizationについての論文の要旨を返却しました。

■今日の配付資料「インドにおけるヒンドゥー教と仏教の発達」(下からダウンロードできます)
ファイルをダウンロード (353KB, PDF)


今日は宿題があります。
・大学のパソコンから以下にアクセス:
http://www.tufs.ac.jp/common/library/local/online/ondb-j.html
・Gale Virtual Reference Libraryに接続
・Basic Searchの枠に「Tantric Buddhism」と入力し検索。ヒットしたリストから以下のリンクをクリック:
Buddhism, Schools of: Tantric Ritual Schools of Buddhism [First Edition]. Alex Wayman. Encyclopedia of Religion. Ed. Lindsay Jones. Vol. 2. 2nd ed. Detroit: Macmillan Reference USA, 2005. p1214-1221.
(必要ならView PDF pagesをクリックしてPDFページを表示し、プリントアウト)
・この論文のInfluence in Time and Placeの節(p.1214-1215)を読み、8世紀以降、密教(Buddhist Tantrism)の歴史のなかでどのような発展があったのか、とくにインドからインド外にどのように展開したかに焦点をおいて、600字以内の日本語に要約してください(翻訳である必要はない)。来週の授業時間中に提出。

・興味のある人は論文全編を読んだうえで、以下の論文も参考にしてください。
Buddhism, Schools of: Tantric Ritual Schools of Buddhism [Further Considerations]. Matthew T. Kapstein. Encyclopedia of Religion. Ed. Lindsay Jones. Vol. 2. 2nd ed. Detroit: Macmillan Reference USA, 2005. p1221-1222.

論文に出てくる専門用語については、以下に説明を付けておきました。

・論文の中にでてくる用語の解説:
La?k?vat?ra S?tra 『楞伽経』。大乗経典の一つ。5世紀頃成立。
??kyamuni 釈迦牟尼。釈尊、仏陀のこと。
Mah?karu??garbha Ma??ala 胎蔵曼荼羅。真理の客体面(慈悲)をあらわす。
Vajradh?tu Ma??ala 金剛界曼荼羅。真理の主体面(智慧)をあらわす。
Durgatipari?odhana Tantra 『ドゥルガティパリショーダナ・タントラ』。密教経典の一つ。
Tattvasa?graha Tantra 『真実摂経』。密教経典の一つ。金剛頂経の初会(しょえ)の部分に相当。7世紀後半に南インドで基本形が成立。金剛界曼荼羅の典拠。
Guhyasam?ja Tantra 『秘密集会タントラ』。インド後期密教の経典。8世紀に原型が成立。
?ri-Cakrasa?vara Tantra 『チャクラサンヴァラ・タントラ』。インド後期密教の経典。チャクラサンヴァラ(勝楽尊)を本尊とする。
Buddhaguhya ブッダグヒヤ。8世紀のインドの僧。大日経の注釈書を書いた。
the Tantric N?g?rjuna ナーガールジュナ。竜猛(りゅうみょう)。7世紀に活躍した密教の祖とされる人物。
Vajrabodhi 金剛智。7世紀後半-8世紀前半のインド出身の僧。ナーランダー寺で出家。インドネシア経由で中国に入り、唐代の中国に密教を定着させた。
Amoghavajra 不空。8世紀の西域出身の僧。密教経典を多数翻訳。恵果(けいか)の師。
Vairocan?bhisa?bodhi 『大日経』。インド中期密教の経典。毘盧舎那仏(Vairocana)、すなわち大日如来が教えを説く。胎蔵曼荼羅の典拠。
"two Tantras" 両界曼荼羅(金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅)の典拠である金剛頂経と大日経のこと。

【4年次対象ゼミ】

今日は、Kさんに西野節男「ポンドック・プサントレンの現状と改革」という論文についてのレジュメを報告してもらいました。この論文をもとに、実際にインドネシアでフィールド・ワークをするときに調査すべき項目をまとめておいてください。

次回は、研究の現状報告をしてもらう予定です。今後は夏休みまで、隔週で集まってもらうことにします。質問や相談があれば、随時青山研究室まで来てください。

2008年5月26日

【3年次対象ゼミ】

今回は関本「東南アジア的王権の構造」の第3章のレジュメを報告してもらいました。王を中心とした地上の構造と秩序が天上のマクロコスモスを範型とするミクロコスモスであることを、王殺しの意味を論じつつ明らかにするというものです。

今週は宿題があります。文中にも出てきた「一般と特殊」という対概念について、具体例をあげて説明するレポートを提出してください。

次回は、第4章以降のレジュメの報告をしてもらいます。ハイネ=ゲルデルンの論文も紹介する予定です。

2008年5月23日

【地域基礎】

今週はオランウータン班に「オランウータン生息地の激減」というテーマで発表をしてもらいました。来週はすらましあん班にお願いします。

最初に、インドネシアの島嶼と海について小テストをおこないました。次週か再来週にはインドネシアの州名(ジャワ島の場合は州都名も)について尋ねる小テストをおこないますので、しっかりと復習をしておいてください。

今週の講義のテーマは、インドネシアの華人です。人口のおよそ3%が華人であること、スハルト政権下では禁じられていた中国文化がスハルト体制崩壊後に復活しつつあることを説明しました。

2008年5月22日

【4年次対象ゼミ】

今日はSさんにインドネシアの民話のいくつかを報告をしてもらいました。構造分析をするのであればもう少し丹念に民話の記述をしていく必要があるようです。日本の民話との比較など別の角度から分析することも視野にいれるとよいでしょう。

次週はKさんにポンドック・プサントレンの現状と改革についての論文のレジュメを報告してもらう予定です。

【東南アジア古典文化論】

今日の講義は、東南アジアのインド化に関連して、東南アジアにおける初期王権の成立の過程を、日本の状況と比較しながら、検討しました。次回は、東南アジアにおける仏教の伝播の状況に少しふれたあと、インドにおけるヒンドゥー教と仏教の発展の歴史の概略を説明する予定です。

Indianizationについての論考の要旨を書いてもらう宿題を回収しました。

■今日の配布資料「東南アジアの初期インド型王権」(下からダウンロードできます)
ファイルをダウンロード (317KB, PDF)

2008年5月21日

【インドネシア語読解】

今日のBBC Indonesiaの紹介では、1班が日本によるインドネシア人看護師・福祉介護士受け入れのニュースについて報告してくれました

perawatは「看護師」ですが、pengasuh warga manulaは「介護福祉士」となります。manulaというのはmanusia usia lanjutの略で、これ自体は「高齢者」と訳すのが適当ですが、このようにある分野で決まっている表現はインドネシア語からの訳とは別に日本での正式な表現を調べておく必要があります(この場合は厚生労働省のサイトなど)。

[P]ekerja asal Indonesia itu akan mendapat ... mendapat gaji setara dengan sejawat mereka dari Jepang.は「インドネシア出身の労働者たちは日本の同僚と同水準の給料を受けとることになる。」となります。「同等」「共通」を意味する接頭辞se-の使い方のよい例です。setaraは「同等の水準」、sejawatは「仕事を同じくする」という意味になります。

次回のBBC Indonesiaは2班にお願いします。

テキストは第2章の第4パラグラフの途中(... terdiri dari orang Portugis dan Cina.)まで進みました。次回はこの続きから進みます。

今日のポイントは以下のとおりです:
1. tetap 「相変わらず」「ずっと」 Bentuk kotanya tetap bersegi empat.「(町の規模は急速に拡大したが)町の形は変わることなく四角形だった。」
2. A terdiri dari B 「AはBから構成されている」 Kebanyakan terdiri dari orang Portugis dan Cina. 「(カリブサル川の西側地区の住民の)大部分はポルトガル人と中国人から成り立っていた。」

次週5月28日は第95回学内競漕大会のため休講ですので、次回は6月3日になります。これまで読んだ範囲を対象に小テストをおこなう予定なので、しっかりと復習をしておいてください。

【一般】

2008年5月16日に国会で日・インドネシア経済連携協定が承認されたことを受けて、同協定に基づくインドネシア人看護師・介護福祉士の受け入れに向けて事業が動き始めました。

その第1歩として、社団法人国際厚生事業団がインドネシア人看護師・介護福祉士候補者の受入れ機関を募集し始めました。候補者は3年間ないし4年間の滞在の期間中に、受け入れ機関で働きながら国家資格試験の合格を目指した研修を受けることになっています。資格を得た看護師・介護福祉士は引き続き日本に滞在することができます。

詳細は厚生労働省のウェブページを参照してください。

日本インドネシアNGOネットワーク(JANNI)では「高齢化社会とインドネシア:介護福祉士・看護師がやってくる」と題して今回の看護師・介護福祉士候補受け入れに関しての講座を6月28日に開きます。詳細はJANNIのウェブページをご覧ください。

2008年5月20日

【大学院】

高岡正信「近くて遠い隣人-タイ・ラオ民族間関係の歴史的展開」
加藤剛編『変容する東南アジア社会』めこん.2004.pp93-140
■第Ⅰ部民族の位相に収められた第3章。2008年5月20日。

2008年5月19日

【3年次対象ゼミ】

今日は、最初に改訂版の文献リストを見せてもらいました。そのあと、関本「東南アジア的王権の構造」にもどり、第1章についてもう少し検討したあと、第2章のレジュメの報告をしてもらいました。フィールドワークを中心とする文化人類学の方法論と文献史料を中心とする歴史学の方法論の狭間に位置する前近代東南アジアの王権研究をおこなうためには、文化人類学者の視点で歴史史料を読み込んでいくという方法論を提起しています。

次回は第3章以降のレジュメを報告してもらいます。ゼミ長さんは、第4章以降の担当者を決め、欠席者を含め全員にレジュメが行き渡るように手配しておいてください。

2008年5月16日

【地域基礎】

今週は最初にウォータークローゼット班にインドネシアでの鳥インフルエンザの感染拡大のニュースを報告してもらいました。よく調べられた報告だと思いますが、しゃべるときは聴衆の方を見ながら話すこと、時間を厳守すること(板書は別の人が分担する)などを守るともっとよいと思います。

来週はオランウータン班に発表をお願いします。

先週提出してもらったインドネシアの祝日の表を返却しました。引き続き、インドネシアの宗教について、暦の違いやパンチャシラに触れつつ説明しました。次回は華人について講義します。

また、次回にはインドネシアの島嶼と海について小テストをおこないます。しっかりと復習をしておいてください。

2008年5月15日

【4年次対象ゼミ】

今日はFさんにインドネシアの検閲とその実態について花崎泰雄「インドネシア1999年プレス法成立過程」をもとに報告してもらいました。この報告で検閲する側の状況が少し見えてきました。検閲される側の状況がどうであったかを調べる必要があるでしょう。都市中間層の動向にも注意を払っておくとよいでしょう。

次回は、Sさんに民話の構造分析についてかインドネシア民話集について報告してもらう予定です。

【東南アジア古典文化論】

今日の講義は、東南アジアのインド化について、主としてインド側の状況から説明しました。次回は、東南アジア側の状況についてさらに詳しく説明する予定です。

「東南アジアの文化の歴史年表」を返却しました。提出した人は平常点に加算されます。受け取っていない人は来週の授業時間中に申し出てください。

今週は宿題があります。以下のとおりです。

・大学のパソコンから以下にアクセス:
http://www.tufs.ac.jp/common/library/local/online/ondb-j.html
Gale Virtual Reference Libraryに接続
・Basic Searchの枠に「Indianization」と入力し検索。ヒットしたリストから以下のリンクをクリック:
Hinduism in Southeast Asia. Vasudha Narayanan. Encyclopedia of Religion. Ed. Lindsay Jones. Vol. 6. 2nd ed. Detroit: Macmillan Reference USA, 2005. p4009-4014.
(必要ならView PDF pagesをクリックしてPDFページを表示し、プリントアウト)
・この論文の中のIndianizationについて議論をおこなっている部分(p.4010)を読み、800字以内の日本語に要約してください。とくに、現代の東南アジアにおいて古典インド文化の影響がもっとも残っている分野があきらかにまとめてください。来週の授業時間中に提出。

■今日の配布資料「インド化」(下からダウンロードできます)
ファイルをダウンロード(PDF 304KB)

2008年5月14日

【インドネシア語読解】

今日のBBCニュースは5班による燃料価格値上げに反対するデモの報告でした。文中のBBM(Bahan Bakar Minyak, 燃料油)、LSM(Lembaga Swadaya Masyarakat, NGO/NPOのこと), Pertamina(Perusahaan Pertambangan Minyak dan Gas Bumi Negara, インドネシア石油公社)といった語はインドネシアで日常的に使われる語なので覚えておくとよいです。

来週の担当は1班にもどります。

テキストの方は第1章を終了し、第2章の最初の段落の途中(...diratakan dengan tanah)まで進みました。次回はこのあとからです。第2章からオランダ時代のバタビアの歴史になります。

今日のポイントは次のとおりです。
1. 123.456,789(インドネシア)=123,456.789(日本)。数字のコンマと小数点の使いかたが日本と反対であることに気を付けてください。インドネシアの方式はオランダ式です。
2. diratakan dengan tanah. rataは「平ら」という意味です。したがって、meratakanは「でこぼこしていたものを平らにする」ことになります。原文は、「(建物をこわして真っ平らな)更地にする」という意味になります。

2008年5月13日

【大学院】

速水洋子「タイ・ビルマ国境域の〈カレン〉から見る民族と宗教の動態」
加藤剛編『変容する東南アジア社会』めこん.2004.pp201-243
■第Ⅱ部宗教と国家に収められた第5章。2008年5月13日。

2008年5月12日

【3年次対象ゼミ】

今日は、受講生から送ってもらった参考文献リストのコピーを全員に配布し、参考文献リストの書き方を説明しました。具体的な書き方についてはこのブログの別のページを参照してください。

そのあと、無線LANでネットに接続したパソコンをみながら、文献探索の方法と見つけた文献の入手方法を説明しました。

今週の宿題は、今回の説明にしたがって、自分の参考文献リストを書き直し、青山まで送ることです。

次回は、関本「東南アジア的王権の構造」にもどり、第1章についてもう少し検討したあと、第2章のレジュメの報告をお願いします。ゼミ長さんは、第3章以降の担当者を決め、全員にレジュメが行き渡るように手配してください。

2008年5月11日

【一般】

5月2日にエーヤワディー川デルタに上陸したサイクロン「ナルギス」は、ミャンマーに甚大な被害をもたらしたと報道されています。毎日新聞のニュースによると、国連人道問題調整事務所では死者の数は6万から10万におよぶと推計しており、1970年のバングラデシュでのサイクロン「シドゥル」の災害につぐ20世紀以来最悪のサイクロン災害になる見込みです。

サイクロン「ナルギス」自体については英語版Wikipediaに詳しく説明が出ています。なお、ナルギス(Nargis)という名前はインド洋で発生するサイクロンに付けられる公式の名称リストに含まれています(パキスタン政府の提案)。ウルドゥー語で「水仙」(英語名narcissus)を意味しており、女性の名前にも使われるところからサイクロンの名称に使われるようになったと思われます。

被災状況や救援・救護の現状はなかなか伝わってきませんが、日本赤十字のサイトでは比較的詳しい報告がおこなわれています。また、救援金の受付もここでおこなわれています。

AFPBB Newsではサイクロン「ナルギス」ミャンマーで猛威の特集と動画ニュースの配信をおこなっています。Youtubeでもサイクロン「ナルギス」の特集をおこなっています。

インドネシアでもスマトラ島沖地震・津波災害(2004年12月26日)、ジャワ島中部地震災害(2006年5月27日)と災害が続いており、ミャンマーの災害もけっして他人事とは思えません。ミャンマーの被災者の皆さんがすみやかに必要な救援・救護を受けられ、生活の復旧に向かわれることをお祈りしています。

【続報】
本学でも学生グループが中心になってサイクロン「ナルギス」災害に対する募金活動が始まりました。また、これにあわせてミャンマー2008サイクロン情報というブログも立ち上がりました。ぜひご覧になってください。
【続報】
本学有志による募金活動は無事に終了し、207,446円を集めることができました。集まったお金は日本赤十字社に寄付しました。ご協力いただいた方々にお礼を申し上げます。

2008年5月 9日

【4年次対象ゼミ】

今日は、Sさんに、北米インディアンの民話の構造を分析したアラン・ダンダス『民話の構造』(大修館、1980)のレジュメを報告してもらいました。

ダンダスの研究は、ロシア民話の研究でプロップがおこなった手法を北米インディアンの民話の研究に適用したもので、構造主義による民話研究の代表的な例と言ってよいでしょう。あるテーマを共有する複数の民話が有する構造を、モティーフ素が連なったものとして理解します。モティーフ素を抽出するにあたっては、エティック的(外在的な)視点ではなくイーミック的(内在的な)視点をもつことはダンダスは強調しています。Sさんには、インドネシアの民話についても同じような方法論が使えるかどうか考えてきてもらうことにしました。

インドネシアの民話(昔話)を考えるためには『世界昔話ハンドブック』(三省堂、2004)も参考になるかもしれません。

来週は、Fさんに、インドネシアにおける検閲についての論文のレジュメを報告してもらいます。

【地域基礎】

今週は最初にカチャ・マタ班にインドネシアのニュースを報告してもらいました。インドネシアが石油輸出国機構(OPEC)から脱退を検討中であることについてでした。来週はウォータークローゼット班に発表をお願いします。

次に、ビデオ「南の国のデパートガール」を見てもらい、インドネシアの民族・地域・言語・文化・宗教が互いに深い関係にあることを理解してもらいました。そのあと、宿題にしていたインドネシアの2008年祝日リストを使って、多様な宗教が共存していることを理解してもらいました。

宿題の2008年祝日リストと論文ワークブックを提出してもらいました。

2008年5月 8日

【東南アジア古典文化論】

今週から教室を326から少し広い115に変更しました。

今日の講義は、東南アジアの基層文化としての精霊信仰について説明しました。基層文化自体の研究は困難ですが、現在の東南アジア文化に重層的に埋め込まれている文化要素を掘り起こしたり、17世紀頃のスペイン人のフィリピン社会の記録を読むことによって、ある程度の推測は可能です。スライドを使って、イバン人、バリ人、ビルマ人、ラオ人の事例は日本社会の事例を紹介しました。

来週からは、東南アジアのインド化について講義をおこないます。

「東南アジアの文化の歴史年表」を回収しました。今日提出できなかった人は青山研究室に持ってきてください。

■今日の配布資料「東南アジアの基層文化:精霊信仰」(下からダウンロードできます)
ファイルをダウンロード (PDF 245KB)

2008年5月 7日

【インドネシア語読解】

ゴールデンウィーク明け最初の授業です(この授業では休みはありませんでしたが)。受講生の皆さんはどうすごしたでしょうか。

今日のBBCニュースは4班による報告で、中国とチベットの代表が深?(シンセン)で会談の予定というニュースでした。

中国の人名や地名は、対応する日本語の記事などを調べて漢字に戻すようにしてください。文中のHu JintaoとBeijingは?音(ピンイン、中国語のローマ字表記)です。漢字ではそれぞれ胡錦涛(コキントウ)と北京(ペキン)となります。同じ漢字表記ですが、中国語と日本語では読みが違うので、きちんと調べる必要があります。

etapeは珍しい表現ですが、オランダ語のetappeに由来する語で、「2点間の距離、段階」を意味します。

テキスト本文は、第1章の第8パラグラフの途中(ada di Malukuまで)まで進みました。次週は、このあとから続けます。

今日は以下のポイントに気を付けてください。
1. melarikan diri 「逃げ出す」という熟語表現です。
2. 名詞 tersebut 「上述の」「先述の」[名詞]という意味です。機能的には英語の定冠詞に似ていて、上述された名詞を指示する働きがあります。訳すときは、ほとんどの場合、「この」[名詞]とするだけで十分です。
3. [時を示す表現] baru 動詞 「...のときになってようやく(初めて)[動詞の行為]をした」という構文です。

Orang-orang Belanda baru pada tahun 1617 diperbolehkan berdagang di Jayakarta.
この文を訳すと「1617年になってようやくオランダ人はジャヤカルタで商売を行うことを許された。」となります。

【大学院】

加藤剛「現代インドネシアの文化政策と地域アイデンティティ-リアウ州のムラユ化の政治過程-」
加藤剛編『変容する東南アジア社会』めこん.2004.pp371-459
■第Ⅲ部文化の再編に収められた第9章。2008年5月7日。

2008年5月 2日

【東南アジア古典文化論】

木曜日4限のアジア文化論II「東南アジア古典文化論」を326教室で開講していましたが、教室が狭いようなので次回5月8日から115教室に変更します。ご注意ください。

【地域基礎】

今週は最初にMaimoyuya班にインドネシアのニュースを報告してもらいました。今年は3月7日にあったバリのサカ暦元旦ニュピの話でした。来週はカチャ・マタ班に発表をお願いします。

次に、インドネシアの代表的な景観をスライドで見てもらい、気候・植生に関する地図と比較して、インドネシアの地理の特徴を理解してもらいました。そのあと、スライドと資料を使ってインドネシアの民族とその分布について説明をしました。

宿題の白地図と論文ワークブックを提出してもらいました。

今週の宿題は、2008年のインドネシアの祝日のリストを作ることです。月日・名称・意味を例のように1枚の紙にまとめて、来週、提出してください。

例:5月3日.憲法記念日.1947年5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念する日.

【東南アジア古典文化論】

最初に、先週見たビデオに対するコメントシートから代表的なコメントを拾い上げて検討しました。イスラームのイメージとしては「スルタン」の存在、インドのイメージとしては権力の象徴としての日傘、土着(ジャワ)的なイメージとしては山の神に対する供物の奉納などが挙げられていました。このように、イスラーム教徒が多数をしめる社会においても文化の重層的な並立が見られるところに東南アジアの文化の特徴があります。

次に、「東南アジアの文化の歴史年表」を配布し、まず、最初の週に見た東南アジアの文化的イメージの写真を年表の中に配列してもらいました。そのあと、東南アジアの文化の歴史をいくつかのブロックに分けて説明しました。

この歴史年表は来週までに完成させて、授業のときに提出してください。

【4年次対象ゼミ】

今日は、Kさんに、現在のプサントレンとマドゥラサについての論文のレジュメを発表してもらいました。プサントレンの一部にはマドゥラサやスコラを開設しているところがある。マドゥラサは宗教省の管轄、スコラは教育省の管轄という違いはあるが、いずれも一般教育8に対して宗教教育2の割合でカリキュラムを組むことが定められており、両者の境界は曖昧になりつつある。このような趣旨の内容でした。

来週はSさんに民話の構造分析に関する研究のレジュメを発表してもらう予定です。

          

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