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3年次対象ゼミ

2018年1月18日

今週は、先週提出してもらった研究計画の報告をもとに、フォーマットで改善すべき点や苦労している点を出してもらい、ワードを使って効率的に実現する方法を検討しました。

今日説明したことについては、青山のブログの以下のページを参考にしてください。

また、ワードの効率的な使い方として「タブ」と「インデント」の基本を説明しました。こちらのページも参考してください。

今年度の授業は今週が最後です。春から留学を予定している人は健康に気をつけて出発してください。

4月から4年次ゼミに参加する予定の人は、卒論・卒研のテーマに関係する文献を読んだうえで、そのうちの一つの書評レジュメを準備しておいてください。それでは、春学期に再会しましょう。

2018年1月11日

今週は今年最初のゼミでした。出席者一人一人に卒論・卒研の現時点での研究計画・進捗状況について報告し、参加者から質問や助言を出してもらいました。報告はファイルの形で青山に提出してもらいました。

最後に、冬休みに読んだカズオ・イシグロの作品について一言感想を述べてから、感想文を提出してもらいました。

次回は、今年度最後のゼミとなります。提出された報告(自分のものも他の人のものも)についてフォーマットに改善すべき点を考えておいてください。指摘された改善点をワードを使ってどう実現するかを検討する予定です。

2017年12月21日

今週は、Fさんに第9章「歴史の天使」の書評報告をおこなってもらいました。

国民国家という概念において国家は特定の人間に属さない「非人格的な国家」であるがゆえに他の民族によって模倣されたように、革命やナショナリズムもまた、他の民族によって、「特許をかけることのできない発明」のように模倣されたことを確認しました。

冷戦終結の時点では「歴史の終わり」とさえ言われましたが、現実はそうではないことを明らかにしました。アンダーソンが第9章の最後に引用したベンヤミンの「歴史の天使」は今こそ深い意味を持つように感じられます。

ベンヤミンの「歴史の天使」についてはゼミでは十分に説明ができなかったので、こちらの論評など参考にしてください。

今年のゼミは今週で終わりです。来年は、1月11日に卒論・卒研の構想についての第2回中間報告をしてもらう予定です。卒論・卒研の現時点での研究計画・進捗状況についてA4判1枚にまとめて報告してくだい。また、報告のファイルは青山に送付してください。1月18日のワードの使い方講習の材料にさせてもらいます。

あわせて、冬休みにはカズオ・イシグロの作品を一つ読んで、感想文を作成し、年明けのゼミのときに提出してください。これもA4判1枚です。

それではよい新年を迎えてください。

2017年12月14日

今週は、前回12月7日前々回11月30日に提示した課題について検討しました。

ナショナリズムと人種主義の違いについてのアンダーソンの主張は十分に明らかになったと思います。なお、訳文の「ナショナリズムが歴史的運命の言語で考える」は、原文に即して「ナショナリズムが歴史的運命という見地から考える」と訳すと分かりやすいことが分かりました。1945年8月17日に独立を宣言したという歴史的事件が国民国家インドネシアの成立に重要な意味を持っていることを例として挙げておきます。

国民は言語によって想像された共同体であるがゆえに「国民は同時に開かれかつ閉ざされたもの」である例として、英語を学ぶことで国民国家イギリスの一員となった日系イギリス人作家のカズオ・イシグロを挙げておきます。

最後に、「こうした言葉で、スワルディは、...人種主義的運命論そのものの土台を突き崩した」については、インドネシアを植民地として支配するオランダが、オランダのフランスからの独立記念日を祝うようインドネシア人に要求することの矛盾を突いていることが明らかになりました。

今回は、卒論作成に役立つワードの機能について説明する時間がなかったので、今後のゼミの時間を使って行うことにします。

次回の12月21日には、Fさんに第9章「歴史の天使」の書評報告をおこなってもらう予定です。

なお、来年になってから、1月11日か1月18日のいずれかで、卒論・卒研の構想について第2回の中間報告をしてもらう予定なので、卒論・卒研の構想についてA4判1枚にまとめおいてください。

あわせて、冬休みにはカズオ・イシグロの作品を一つ読んで、感想文を作成してください。年明けのゼミで発表してもらう予定です。

2017年12月 7日

今週はMさんに第7章「最後の波」の書評報告をおこなってもらい、内容の検討をおこないました。

インドネシアでは民族間、宗教間の対立や抗争があったにもかかわらず、一つの国民国家として維持されてきたこと、その要因の一つとして、植民地期に行政的巡礼圏が形成されていたことが挙げられることを確認しました。

報告者から出された2番目の疑問(p.193, 「こうした言葉で、スワルディは、...人種主義的運命論そのものの土台を突き崩した。」については検討する時間がとれなかったので、次回に検討したいと思います。

次回の12月14日には、この疑問点の検討と、前回に提示した課題(11月30日付けブログ記事参照)について検討したあと、青山の方で、卒論作成に役立つワードの機能について説明することにします。

次々回の12月21日には、Fさんに第9章「歴史の天使」の書評報告をおこなってもらう予定です。

なお、来年になってからの2回(1月11日と1月18日)では、卒論・卒研の構想について第2回の中間報告をしてもらう予定なので、卒論・卒研の構想についてA4判1枚にまとめおいてください。

2017年11月30日

今週は、Oさんに第8章「愛国心と人種主義」の書評報告について、Mさんの司会で議論してもらいました。

いくつかの疑問は議論のなかで解消できたと思います。ただ、以下の点については、次回以降も検討する必要があると感じました。

1. 「ナショナリズムが歴史的運命の言語で考えるのに対し、人種主義は、歴史の外にあって、ときの初めから限りなく続いてきた」(p. 244)。ここでの「歴史」という概念は、ナショナリズムと人種主義を区別するうえで、どのように理解されているのか、もう少し考察する必要がある。

2. 国民は言語によって想像された共同体であるがゆえに、「国民は同時に開かれかつ閉ざされたもの」(p. 239)である。なぜなら、「我々はいかなる言語でも修得することができる。しかし、言語の修得には人生のかなりの部分を必要とする。新しい征服のたびに、人生の残りの日々は減っていく。...こうして、すべての言語は一定のプライバシーをもつことになる」からである。この主張についてもう少し考察する必要がある。

次回は、これらの点も検討したうえで、Mさんに第7章「最後の波」の書評報告をおこなってもらう予定です。

2017年11月16日

今週は『想像の共同体』の第6章「公定ナショナリズムと帝国主義」の書評レジュメをTさんに報告してもらいました。

公定ナショナリズム=普遍・帝国に対して民衆ナショナリズム=特殊・国民という構図が描かれていました。

来週は外語祭なのでお休みです。しっかりと楽しんでください。

次回は、11月30日に第8章「愛国心と人種主義」の書評報告をOさんにしてもらう予定です。第7章「最後の波」のMさんの書評報告と順番が入れ替わっているので注意してください。


2017年11月 9日

今週は、Tさんに青山亨「インドネシアの華人:同化から統合へ」長谷部美佳・受田宏之・青山亨編『多文化社会読本 多様なる世界、多様なる日本』(東京外国語大学出版会、2016年)第7章の書評レジュメを報告してもらいました。

華人に対する差別が続く要因とその解決について議論をおこないました。インドネシアでは独裁から民主主義に転換したことで、多数派による少数派の圧迫のリスクがかえって高まったことが指摘されました。差別の解消については効果的な提案が出なかったので、次回の議論に期待したいと思います。

次回は、Oさんに同じく第7章の書評レジュメを報告してもらいます。

そのあとは、『想像の共同体』に戻って、第6章「公定ナショナリズムと帝国主義」をTさん、第7章「最後の波」をMさん、第8章を「愛国主義と人種主義」をAさん、第9章「歴史の天使」をFさんの担当で書評レジュメを報告してもらう予定です。

2017年11月 2日

今週は、先週に続いて、ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』の第5章「古い言語、新しいモデル」について、KさんとMさんの書評レジュメにもとづいて議論をおこないました。

今回は、ナショナリズムを主張する中産階級インテリゲンチャがなぜ「大衆を歴史に招じ入れ」なければならなかったかを、インドネシアを事例に検討しました。また、歴史上の概念の多くが事後的に「発明された」ものであることを確認しました。

次回は、2週間にわたって、OさんとTさんに青山亨「インドネシアの華人:同化から統合へ」長谷部美佳・受田宏之・青山亨編『多文化社会読本 多様なる世界、多様なる日本』(東京外国語大学出版会、2016年)第7章の書評レジュメを報告してもらう予定です。


2017年10月26日

今週は、ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』の第5章「古い言語、新しいモデル」の書評レジュメをKさんとMさんに報告してもらいました。

今週は、人文主義者の古典発掘とヨーロッパの全地球的拡大が、ヨーロッパ世界の深刻な時間的空間的縮小がもたらされたことを確認しました。まだ、いくつか疑問点が残っているので、続きは来週、改めて検討することにします。

2017年10月19日

今週は、まず10月14日に南山大学で開かれた合同ゼミについて振り返りをおこないました。新しい視点を得て学ぶところが多かったようです。

続いて、SさんとFさんにタイ展のレポートを発表してもらい、日本とタイの関係について検討しました。

来週からは、文献を読んで書評レジュメを発表してもらうことにします。最初の10月26日には、ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』第5章「古い言語、新しいモデル」の書評レジュメを2名に報告してもらう予定です。

その後には、青山「インドネシアの華人」の書評レジュメを報告してもらう予定です。詳しくはLINEの連絡を読んでください。

2017年10月12日

今週は、今週末に南山大学で開催予定の合同ゼミの予行演習を行いました。テーマは「インドネシアの宗教」というもので、最近みられる宗教的不寛容性に焦点をあてたものです。発表の成功をお祈りしています。

次回は、「タイ展」のレポートの報告をしてもらいます。「タイ展」を見学していない人は、夏学期または留学中の体験をもとに、インドネシアに関連するテーマでレポートを報告してください。

10月26日からは、文献を読んで書評レジュメを発表してもらうことにします。最初の10月26日には、ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』第5章「古い言語、新しいモデル」の書評レジュメを2名に報告してもらいます。詳しくはLINEの連絡を読んでください。

2017年10月 5日

今週は秋学期最初のゼミでした。夏から留学に出かけた1人が減った代わりに、留学から帰国した3人と国際社会学部から参加する1人が増えて9人になりました。

今週は合同ゼミの予行演習をする予定でしたが、担当者が欠席したので、来週に延期しました。しっかりと準備をお願いします。

宿題にしていた「タイ展」のレポートを提出してもらいました。「タイ展」を見学していない人は、夏学期の活動をもとに、インドネシアに関連するテーマでレポート(A4判2ページ)を作成して提出してください。期限は10月19日です。この日のゼミですべてのレポートの報告をしてもらいます。

10月26日からは、文献を読んで書評レジュメを発表してもらうことにします。最初の10月26日には、ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』第5章「古い言語、新しいモデル」の書評レジュメを2名に報告してもらいます。詳しくはLINEの連絡を読んでください。

2017年7月14日

2017年7月14日に第2回ブラタオヤマを実施しました。今回のお題は「神田川に沿って歩く」です。前回は神田上水の取水口まで歩いたので、今回は上流側から神田上水取水口の方に歩くというものです。猛暑の中での参加お疲れ様でした。

新宿中央公園の新宿十二社熊野神社に集合し、青梅街道に架かる橋から神田川に沿って歩き続けました。髙田馬場で一服し、神田上水取水口に至りました。かつては、ここから上流側は神田上水、下流側は江戸川、さらに下流部が神田川と呼ばれていたようです。当初予定に入れていた東京カテドラル聖マリア大聖堂訪問は見送り、そのまま印刷博物館を見学しました。インドネシアに関連する展示物もありました。

このあと神楽坂の赤城神社を参拝したあと、メトロで大手町に移動し、タイ料理屋で懇親会を開きました。

2017年7月 6日

今週の前半は、10月14日に予定されている大阪大学・南山大学との合同ゼミに向けて、打合せをしてもらいました。「インドネシアの宗教」というテーマを掘り下げ、マイノリティの宗教に焦点をあて、そこに留学中の体験を織り込むことになりました。作業の分担と今後のスケジュールについても確定しました。てきぱきと話が決まりよかったです。秋学期最初の10月5日のゼミで予行演習を行うので、まずはこの日程に向けて準備を進めてください。

後半は、教室外の活動の説明をおこないました。

まず、東京国立博物館で開催されている(7月4日~8月27日)「タイ展~仏の国の輝き」を訪問し、タイと日本のつながりというテーマでレポートを作成してください。A4判2ページ、提出は10月5日の授業時間です。

次に、7月14日に予定している「神田川に沿って歩く~印刷博物館」に向けて、あらかじめ調べてもらう作業の分担を決めました。当日は13時に新宿中央公園十二社熊野神社に集合してください。歩きやすい靴を履いてきてください。また、天候にあわせて水分補給・雨具などの準備をしておいてください。

2017年6月29日

第3章では、アメリカ(主として南アメリカ)においては、言語が共通であっても一つのネーションとはならないこと、ネーションを立ち上げた主体が下層階級ではなく上層のエリートであったという問題意識から、南アメリカのエリート層が本国のスペイン人とは異なる現地生まれのクレオールとして差別されたことが、アメリカ人としての意識を生み出したこと、にもかわらず、南アメリカの急峻な地形により隔たりが、一つネーションではなく複数の行政単位を基礎とした諸ネーションへの分裂を招いたことを確認し、さらに、とくに後者のプロセスにおいては、遍歴するクレオール役人とクレオール印刷業者が大きな役割を果たしたとアンダーソンが指摘していることを確認しました。

次回は、10月に予定されている大阪大学・南山大学との合同ゼミに向けて、発表内容の準備と事前発表をしてもらう予定です。

2017年6月22日

今週は、先週に引き続いてベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』から、「第3章 国民意識の起源」の報告をもとに議論をおこないました。

第3章では、ラテン語の性格の変化、宗教改革、行政俗語の発展という消極的な要因と、出版資本主義の発展という積極的な要因から、俗語の標準化が進み、国民意識の形成に道を開いたことを確認しました。

次回は、「第4章 クレオールの先駆者たち」の報告をもとに議論をする予定です。

2017年6月15日

今週は、先週に引き続いてベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』から、先週できなかった「序」の報告と、今週初めて読む「第2章 文化的根源」の報告をもとに議論をおこないました。

第2章では、「宗教共同体」、「王国」、「時間の了解」の3つのトピックが挙げられています。その中で、とくに「時間の了解」の部分が理解しづらいようでした。議論の結果、中世(宗教共同体と王国の時代)における「メシア的時間」から近代(国民国家の時代)の物理的で「均質で空虚な時間」への変化があったことを確認しました。

次回は、「第3章 国民意識の起源」の報告をもとに議論をする予定です。

2017年6月 8日

今週から以下の本から数章を選んで読んでいきます。けっして読みやすい本ではありませんが、得るところが大きいと思います。

初回の今週は「序」の報告予定者が休みだったので、参加者全員で少しずつ「序」を読んでみました。

パラグラフの最初の文にパラグラフのトピックが、最後の文にパラグラフの結論(トピックの再提起)がくることが多いことに注意して読むと、難解な文章も比較的読み解きやすいと思います。ネーションもしくはネーションネスが現代においてもその力を失っていないこと、ネーションとは文化的人造物である、というのが今週読んだ範囲のポイントでした。

この文章が最初に公刊されたのが1983年であることを考えると時代の変化が感じられますが、同時にここでアンダーソンが述べていることが今でも有効性を持っていることが分かります。

次回は「序」の残りを概観したあと、「第2章 文化的根源」の報告をもとに議論をする予定です。

2017年6月 1日

今週はTさんに山口・金子・津田「序 英雄大国インドネシア」の書評レジュメを報告してもらい、議論を行いました。

次に、これまでの報告に関連して、以下の3つの課題に意見を出してもらい、議論をおこないました。

  • A) この論文ではナショナリズムと植民地支配との関係はどのようなものと考えられているか?
  • B) この論文での植民地支配の時代の「インドネシア」とは何か?(説明不足でしたが、植民地化される前の時代を含めています)
  • C) この論文での地方文化の目録化とは何を意味しているのか?

A)については、植民地化されることによって、それまで一体性がなかった諸王国や諸地域が一つの領域になったこと、半植民地・独立運動のなかで植民地支配をおこなう「彼ら」に対する「我々」という意識(ネーションの意識)が生まれたこと、独立してからも植民地支配に行われていた政策や慣行が国民統合のための政策や慣行として再利用されたことなどが確認されました。

B)については、植民地支配の時代にはまだ現在のインドネシアは存在していなかったという意味での括弧付きのインドネシアであることが指摘されました。それに加えて、植民地化される前に存在していたマジャパヒトの領域がオランダの研究者によって明らかにされたことによって、独立後のインドネシアにとって栄光ある回復すべき過去の領域となったことも確認されました。

C)地方文化が共通の指標によって整理され、カタログのように一覧可能となることが目録化であることが確認されました。目に見える目録化の例として、タマン・ミニ・インドネシア・インダ公園が挙げられました。

来週以降は、今回の論文にも関連があるアンダーソンの『想像の共同体』から何章か選んで読むことにしています。

2017年5月25日

先週に引き続き、山口・金子・津田「序 英雄大国インドネシア」の書評レジュメを発表してもらい、議論をおこないました。今日も2人に発表してもらいました。

最初の発表では、書評レジュメにおけるレジュメの側面と書評の側面についての議論をおこないました(図1)。レジュメの目的はテキストの要点を客観的に整理することにあるのに対して、書評はテキストを批判的に分析することで、自分自身の意見を提出することです。ここで批判的(critical)というのはテキストが誤っているという前提で議論することではないことに注意が必要です。既定の見方の前提を疑ってテキストを読み込むことを意味します。テキストの主張に賛成する場合でも反対する場合でも自分の意見の根拠を示すことも大切です。

次の発表では、スカルノ時代、スハルト時代、ポスト・スハルト時代における国民/国家英雄の選ばれ方の変遷をたどりました(図2)。この発表に関連して3つの課題を考えてみることにしました。

  • A) この論文ではナショナリズムと植民地支配との関係はどのようなものと考えられているか?
  • B) この論文での植民地支配の時代の「インドネシア」とは何か?
  • C) この論文での地方文化の目録化とは何を意味しているのか?

次回までに、これらの課題についてそれぞれ自分の考えをまとめておいてください。

次回は、残りの一人に報告してもらい、そのあと今週の3つの課題について全体で議論をする予定です。

再来週以降は、今回の論文にも関連があるアンダーソンの『想像の共同体』から何章か選んで読むことにしています。

図1 ホワイトボードの図1

図2 ホワイトボードの図2

2017年5月18日

先週に引き続き、山口・金子・津田「序 英雄大国インドネシア」の書評レジュメを発表してもらい、議論をおこないました。今日も2人に報告してもらいました。

日本とインドネシアを比較した場合、インドネシアではオランダ植民地支配への抵抗、民族主義運動への参加、独立戦争への貢献といった要因が国民英雄に選定される前提となっていることが明らかになりました。これは、インドネシアというそれまでに存在していなかった国家を作るにあたって、国民に国民としての意識を醸成するために必要であったと考えられます。それに対して、日本の場合は国民国家をまったく新しく作る必要がなかったこと、戦後は平和主義を一貫して掲げたことが、インドネシアのような英雄を生み出さなかった理由であると考えられます。

また、国民英雄の選ばれ方も、独立直後のスカルノによるトップダウン式の選定、同じくスハルトによるトップダウン式であっても地方の英雄の掘り起こしに目配りした選定、そして、英雄のネタが切れたポスト・スハルト期におけるボトム・アップ式の選定へと、変化が見られることが確認されました。

さらに、英雄は人物であるがゆえに、国民にとって目に見える(銅像)、身近な(通りの名前)形での「分かりやすい」国民統合のシンボルとなっていることが指摘されました。これについても、日本の場合(二宮尊徳の像など)との比較が議論されました。

次回は、残りの3人に引き続き報告をしてもらう予定です。

2017年5月11日

連休明けの今週から、山口・金子・津田「序 英雄大国インドネシア」の書評レジュメを発表してもらい、議論をおこないます。今日は、最初の2人に報告してもらいました。

今週は、英雄を「作り出した」という表現の意味について検討したあと、nationとbangsa、「国民」と「民族」という概念について整理しました。また、インドネシアの英雄認定における「英雄」の定義と国民形成における「我ら・彼ら」概念との関係については、次回、議論をしたいと思います。

次回は、次の2人に引き続き報告をしてもらう予定です。

2017年4月27日

今週は、Oさんの「卒論を書くために《調べる》とは」について報告してもらい、それをもとに議論をおこないました。

議論は、文献調査のトピックを中心に、図書館の活用法から始まって、既存メディアとネットメディアの違いに及びました。

今週のゼミの議論を私になりにまとめると、「文献調査は投げ網漁の要領で。網を広く投げて、絞り込もう」ということになります。

来週はみどりの日のためお休みなので、次回は5月11日です。「英雄大国インドネシア」の書評レジュメの報告をしてもらいます。今週間に合わなかった人も準備してきてください。

2017年4月20日

今週は、Wさんに前回の報告に出た「先行研究」と「一次資料(データ)、二次資料(データ)」について深掘りで報告してもらい、議論をおこないました。

その結果、研究とは独創性と客観性を備えていること、そのためには、「先行研究」に対する批判から、「一次資料、二次資料」から得られた根拠に基づいた分析から新たな考えを生み出し、それを説得力のある形で発表されなければならない、という整理になりました。

優れた研究は、それ自体が次の時代の研究者の先行研究になることで、学問の発展を生み出すこと、それゆえに、研究は公開されるにあたって、批判されることを恐れてはならない、という結論になりました。

さらに、先行研究に対する批判においても、一次資料・二次資料を扱う際にも、「引用」が必要とされるということから、引用の重要性に注目することになり、1年生の学術リテラシーで学んだ「引用」および「要約」の仕方について、時間をとって振り返りをおこないました。

具体的な引用の仕方については、このブログの「引用の方法」を読んでおいてください。

来週は、今日は出席できなかったOさんのレポートの発表について議論をしたあと、以下の論文の書評レジュメを発表してもらいます。書評レジュメは1人ずつ報告してもらうので、2~3週間かける予定です。書評レジュメの書き方については「レジュメの書き方」を読んでください。

  • 山口裕子・金子正徳・津田浩司『「国家英雄」が映すインドネシア』(木鐸社、2017年)から山口・金子・津田「序 英雄大国インドネシア」

水曜日までに青山のメールアドレスにファイルを送ってもらえれば、私の方で印刷しておきます。間に合わない場合は、当日、必要な部数をコピーして持参してください。

2017年4月13日

今週は、Mさん、Sさん、Wさんの3人に『卒論で「調べる」とは』のテーマでレポートを報告してもらいました。いろいろと議論が広がりました。

来週はWさんのレポートに出てきた「先行研究」と「文献検索」についてもう少し議論をしたあと、Oさんにレポートを報告してもらう予定です。

再来週からは文献を選んで書評レジュメを報告してもらう予定です。1回めは私の方で文献を選びますが、受講生からの提案にも配慮します。みんなで読んでみたい文献があれば、提案してください。

以下に、今日の議論をまとめた図を掲載します。

2017年4月 6日

今年度最初の3年次ゼミを開講しました。

男子4名、女子3名、計7名でスタートしました。今日は、それぞれの関心テーマと留学の経験・予定などについて自由に話をしてもらいました。

私の方から(受講生のなかにはすでに配付済みの資料もありますが)、「3年次演習-ガイダンス」、「3年次演習-正しい引用の方法」、「ゼミ生の卒業論文・卒業研究」を配付し、ガイダンスの簡単な説明と、過去の卒業生の卒論のテーマについての説明をおこないました。

続いて、LINEでグループを作りました。また、大阪大学・南山大学と行う3大学合同ゼミの可能性についても合意を得ました。ブラオヤマ(東京探索)については次回相談することにしました。

次回は、あらかじめ連絡をしていた4名の受講生から「卒論を書くために「調べる」とは」というテーマでレポートを出してもらい、全員で議論をすることにしています。

そのあと、数週間ごとにいろいろな論文や書籍を読んでレジュメを報告してもらって全員で議論をすることで、インドネシアに関する理解を深めるとともに、論文の形式に慣れてもらうことを目指します。

次回、今後読む予定の論文・書籍の紹介をおこなう予定です。

今週紹介した資料:

来週以降、役に立つ資料:

          

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