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2006年10月31日

【地域基礎】

10月31日の地域基礎Iでは、「スカルノ時代のインドネシア」と「スハルト時代のインドネシア」のレポートを発表してもらいました。

スカルノ政権については、インドネシアの独立を達成し、その存在を国際的に認知させたことが功であり、大統領独裁をしいて内政に混乱をもたらしたことが罪である、という結論でした。スハルト政権については、経済開発を進めたという功に対して、政治の構造的腐敗を拡大したという罪がある、というまとめであったと思いますが、最後は、予定外のアンケートのために時間が取られてしまいました。

スカルノ政権の発表者は、水田地域が非イスラム地域、非水田地域がイスラム地域という区分がなぜできているのか?9.30事件以後のスカルノの軟禁とはどのような事態だったのか?という質問が宿題になっています。来週までに調べてきてください。

スハルト政権の発表に対する質疑応答は来週の最初におこないます。

【3年次対象ゼミ】

今日は、FGMを糾弾した自伝『砂漠の女ディリー』(草思社、1999年)と、インドネシアのイスラーム教育に触れた『東南アジア諸国の民族教育 多民族社会における葛藤』(東信堂、2001年)のレジュメを発表してもらいました。

FGMについては、まずインドネシアでのFGMまたは割礼についての資料をよく読み込んで、事実をよく確認したうえで、今後の方針を立てる必要があります。イスラーム教育に関しては、レジュメであげた本に出ている参考文献一覧から「芋づる式」に関連する文献を探していくとよいでしょう。

次週11月7日はレジュメ発表会の続きです。11月14日以降は、皆さんの選んだ論文の輪読をしますから、ゼミ長を中心に何を読むか決めてください。コピーは私の方でします。また、近いうちに、論文を書くためのワードの使い方講習をしたいと思います。

12月12日には、中間発表会を予定しています。このときまでに、卒論にするか卒研にするかを決めておいてください。発表会では、卒論・卒研のテーマ、構成の概略、対象とする資料、フィールドワーク(する場合)の予定など、全体の研究計画を提示してください。

2006年10月28日

【ブログについて】

MovableTypeの使い勝手で誰もが気になる問題のひとつは、カテゴリーのリストを作るとき、カテゴリーを任意の順序で表示できないことであろう。そのままではASCIIコードの順序に表示されるから、たとえば、「教育」「研究」「その他」というカテゴリーを作ったとすると「その他」が一番最初に表示されてしまう。

どうすればよいだろうか。

すぐに気がつく解決方法は、カテゴリーのタイトルの頭に連番をつける方法である。さきほどの例だと、「01教育」「02研究」「03その他」とすれば、この順番で表示される。しかし、この方法ではカテゴリーの表示のたびに数字が表示され、大変に目障りである。

カテゴリーのタイトルの最初のn文字を削除して表示させるプラグインも無料で公開されているが、私が試してみたところ、プラグインのインストールでなぜかうまくいかなかった(なお、MovableTypeの仕様では、最初のn文字だけを表示させることはできる)。

この問題をフィールドビジネスブログ社のテンプレートは、簡単な方法で解決している。それは、カテゴリーのタイトルに連番を振った上で、表示したいタイトルはカテゴリーの説明に記入しておき、実際には説明の方を表示するという方法である。これだとプラグインを使う必要もなく、問題は簡単に解決する。まったくコロンブスの卵である。

具体的にはこうなる。通常は、カテゴリーのリストを表示するときはこう記述する。
<ul>
<li>
<a href="<$MTCategoryArchiveLink$>" title="<$MTCategoryDescription$>"><$MTCategoryLabel$></a>
</li>
</ul>

これを以下のように変更する。
<ul>
<li>
<a href="<$MTCategoryArchiveLink$>" title="<$MTCategoryDescription$>"><$MTCategoryDescription$></a>
</li>
</ul>

以前、多言語・多文化教育研究センターのブログを立ち上げのエントリーで、フィールドビジネスブロ社のテンプレートに不具合があるように書いてしまったのは、私の勘違いであった。このような仕掛けがしてあることに気づかずに、カテゴリーの説明に普通の「説明」を記述したために、カテゴリー名が表示されるべきところに説明が表示され、てっきり不具合と思い込んだのである。実際には同社のウェブサイト上で説明されていることであり、ちゃんと読んでいれば防げた誤解であった。

補足すると、個々のエントリーのカテゴリー名を表示させるときには、以下のようにすればよい。
【<MTEntryCategories><$MTCategoryDescription$></MTEntryCategories>】
<$MTEntryTitle$>

これは、フィールドビジネスブログのテンプレートにはない仕様だが、あれこれ試行錯誤して気づいた方法である。

2006年10月27日

【一般】

java-earthquake.JPG
2006年5月27日に発生した中部ジャワ地震から5か月が経ちました。募金のための慈善活動も引き続き行われています。地震規模の大きさを感じてもらうために、全壊したジョグジャカルタ市南方の学校の写真を掲載します。8月1日に撮影したもの。

2006年10月26日

【ジャワ文化概説】

10月27日金曜4限のジャワ文化概論は、私が学外の研究会に出席するため休講とします。授業の進行には差し支えないよう配慮します。

先週の授業を欠席し、配付資料#04「ラーマーヤナの概要」をまだ持っていない受講生は633研究室のドアに掛けてある封筒から一人1枚ずつ取っていくか、あるいは下記からダウンロードしてください。

ラーマーヤナの概要(ワードのdocファイル)

来週11月3日は休日ですから、次回は11月10日となります。ラーマーヤナの登場人物の相関関係と物語の粗筋の整理をしてきておいてください。

【補足】考えてみれば、いちいち取りに来てもらうより、ブログからダウンロードしてもらった方が手っ取り早いですね。ブログのまた新しい効用に気付かされました。

【一般】

第19回東京国際映画祭(2006年10月20日~29日)の「アジアの風」部門では37本の映画が上映されます。今年はマレーシア映画が中心となっていますが、インドネシア映画も3本上映されています。

1. ガレージ Garasi
2. 分かち合う愛 Berbagi Suami
3. セランビ Serambi アジアとアチェのための特別上映

詳しい情報は以下のとおり。

1.Garasi ガラシ(ガレージの意。邦題「ガレージ」)。2006年製作、110分、35mm、カラー、インドネシア語。公式サイトhttp://www.garasithemovie.com/

【概要】インドネシア語で“ガレージ”を意味する“Garasi”は、バンド活動が盛んなインドネシアにおいて、若者たちの練習場であると共に彼らの夢の宝庫でもある。大学が多く、バンド活動の中心地であるバンドン(Bandung)でバンドを結成したガイア、アガ、アワンの3人も、ガレージで練習を積み、地元の楽器店の協力でミニアルバム製作のチャンスを得る。しかしバンドの人気が上昇する一方で、恋愛騒動や家族の問題が起こり、それらがメンバーの間で不協和音を奏で始める。

本作で監督デビューを飾るアガン・セントーサは、この映画について、ホワイト・ストライプスやレディオヘッド、フィオナ・アップルの音楽にインスパイアされたと語る。製作は、“Eliana Eliana”、「ビューティフル・デイズ」、“Gie”(アジアフォーカス福岡映画祭)などの製作実績があり、インドネシアで最も高い評価を得ているMiles Films社。

【スタッフ】監督:アガン・セントーサ  製作:ミラ・ルスマナ   脚本:プリマ・ルスディ   撮影:ヤディ・スガンディ   音楽:アンディ・アユニー   美術:リコ・マルパウン   編集:ドゥウィ・エス・アリバサ

【キャスト】アユ・ラトゥナ/アリエス・ブディマン/フェディ・ヌリル/シャハラニ/アリ・ダギエンス

2. Berbagi Suami(夫を分け合う。邦題「分かち合う愛」。2005年製作、120分、35mm、カラー、インドネシア語。公式ウェブサイトhttp://www.berbagisuami.com/。

【概要】コーランによると、公正な婚姻関係を結び、妻を同等に扱うならば、男性は2人、3人、もしくは4人の女性と結婚できるという。しかし愛とは曖昧で、目に見えないものである。一夫多妻制に公平性が成り立つのか? アラブ=インドネシアのエリート層、中国系コミュニティのプチブルジョワ層、ジャワ島の一般家庭からやってきたそれぞれの女性達の話を織り交ぜながら、映画は一夫多妻制の復活の影に潜む、現代インドネシアの文化、経済、そして感情的な要素と、近年の政治的変化の副作用である社会現象を探求する。一日の流れを越えて、彼らはお互いに同じ何かを共有していることを知ることもなく、人生を交差させているのだ。

【スタッフ】監督:ニア・ディナータ  製作:コンスタンティン・パパディミトゥリオ/エルザ・ヒダヤット   エグゼクティヴ・プロデューサー:クラウド・クーネッツ   脚本:ニア・ディナータ   撮影:ラフマット・シャイフル   音楽:アギ・ナルロターマ   編集:ヨガ・クリスプラターマ   美術:ウェンチスラウス

【キャスト】ジャジャン・チェー・ヌール/シャンティ/ドミニク/ウィンキー・ウィルヤワン/ルクマン・サルディ

3. Serambi スランビ(前庭、ベランダの意。公式サイトでは邦題で「セランビ」と表記)。2005年製作、75分、35mm、カラー、インドネシア語。

【概要】今回のコンペティション部門の審査員を務めるガリン・ヌグロホ監督含む、4名の監督による作品。インドネシアで最も尊敬を集める監督が選んだ題材は、2004年の大津波でもっとも被害の大きかったアチェ州を舞台にしたドキュメンタリー・ドラマ。

「メッカの前庭」と呼ばれたセランビでは13万1000人以上の死者が確認されている。映画は、津波の被害を生き延びた人々の苦悩と彼らが直面する困難の2年間を、学生、孤児の少女、人力車のドライバーらさまざまな人物たちの姿を追って描き出す。

【スタッフ】監督:ガリン・ヌグロホ/トニー・トリマルサント/ヴィヴァ・ウェスティ/リアント・ルセノライン・プロデューサー:デシリー・ハラハップ  製作:クリスティン・ハキム  音楽:トニー・プラボウォ  編集:アンディー・プルング

【キャスト】ウスマン/マイサラ・ウンタリ/レザ・イドリア/ジャエラニ

2006年10月24日

【一般】

今年の断食月(ラマダン)が明けました。断食明けの大祭イドゥル・フィトゥリは10月24日・25日の2日間です。インドネシアでも多くのムスリムたちがこの日を祝います。インドネシアでは、この日、お互いに「Maaf lahir batin」と挨拶します。これは、過去一年間に自分が犯した目に見える罪、目に見えない心の中の罪を許してください」という意味です。

断食明け大祭についての詳しい話は以下に。

イスラーム暦第9月であるラマダン月が終わると、第10月シャワル月が始まります。イドゥル・フィトゥリはシャワル月の第1日と第2日にあたります。インドネシアでのイドゥル・フィトゥリ(Idul Fitri)という表現はアラビア語のイード・アルフィトルをそのまま借りてきたものです。インドネシアの中でもジャワなどでは、ルバラン(lebaran)の名で呼ばれることが多いです。これは、ジャワ語で「終了する」を意味するルバルの派生語です。なお、lebaranのleはルに近い音なので、カタカナで表記するときは「レバラン」と書くよりは「ルバラン」と書いた方が正確です。

太陰暦であるイスラーム暦では一月は新月から新月までとなっています。月の始まりについては、肉眼で新月が観察された日を月の始まりとする伝統的立場と、肉眼で観察されなくても(月の出が地平線に近すぎると肉眼では観察できないことがある)計算上、新月であることが確かであれば月の始まりとする立場があり、年によっては、両者の見解が食い違うことがあります。インドネシア政府の公式見解は伝統的立場に立っていますが、インドネシアを代表するイスラーム団体の一つであるムハマディヤは、計算の上から、今年は10月23日がシャワル月の第1日であると発表しています。

ちなみに、イスラーム暦では日没をもって新しい日が始まりますから、10月24日がシャワル月第1日と言った場合、実際にはシャワル月第1日は10月23日の日没をもって始まっていることになります。

イドゥル・フィトゥリには、ふだん都会で働いている人が一斉に故郷に帰省します。それにあわせて、インドネシア政府はイドゥル・フィトゥリ前後の数日を公式の休日に定めています。今年は10月23日と10月26日・27日であると発表されています(在東京インドネシア共和国大使館)。現代のイドゥル・フィトゥリは大型連休でもあるわけです。

【ブログについて】

私がかかわっている多言語・多文化教育研究センターがおこなっている教育プログラム関係の情報提供をおこなうためのブログを立ちあげた。この中でいくつかわかったことがある。

まず、ブログに手を加えるためには、CSSとXHTMLの実際的に知識が必要であること。今回のブログ立ち上げには、フィールドビジネスブログのテンプレートを使用したが(大学で購入している)、テンプレートの一部にミスがあったために、修正する必要があった(MTCategoryLabelとすべきところが、MTCategoryDescriptionとなっていた)。初心者には対応は困難なミスだと思われる。

【追記】その後、本学の担当者から連絡があり、私がミスと思った部分は、仕様だとのことであった。私の早とちりであったわけで、ここでお詫びと訂正をしておきます。仕様にしたがった再修正ができたら、改めて結果報告をしてみたい。
【再追記】再修正の結果については任意の順序でカテゴリーを表示する方法として別のエントリーにまとめてみたので参照してほしい。

次に、ブログは、エントリーに付けられた、タイトル、カテゴリー、日付という3つの情報のみでエントリーを処理するということである。このうち、タイトルは個別の情報なので分類の手がかりにはされていない。つまり、事実上、カテゴリーと日付という共通の情報で、一元的に処理されるということである。このことは、裏返すと、ブログは、これら二つの情報で一元的に処理できない、ユニークな情報を処理するのにはなじまないということである。ブログは、エントリーを簡便におこなうために考案されたのだから、このようなトレード・オフは当然ではある。

結局のところ、ブログと、従来のウェブは共存していかざるを得ないということになる。これから考えてみたいのは、ブログと従来のウェブの共存のための最適な組み合わせはどのようなものか、また、ウェブと共存するということを前提にした場合、現在のブログの形態とはまた違ったブログの形態がありうるのではないか、ということである。

2006年10月20日

【インドネシア語専攻で勉強する人のために】

パワーポイントによるプレゼンテーションができることは、今や大学生の基本的たしなみの一つと言ってよいでしょう。簡単なスライドの作り方とプレゼンテーションの仕方をまとめてみました。ワード文書を用意したので、下のリンクをクリックしてダウンロードしてください。


  • ワード文書のタイトル:PowerPointによるプレゼンテーションの基礎―基本からスライド作りのABCまで

  • ファイル名:powerpoint-basics.doc

  • ダウンロード:クリックしてダウンロードを始める


【追記】
パワーポイントの使い方については他にもたくさんの情報源があります。以下はたいへんに役に立つウェブサイトの一つです:
パワーポイント119:パワーポイント使い方講座

【一般】

2006年のインドネシアの断食明け大祭(イドゥル・フィトゥリ)は10月24日(火)・25日(水)になります。それにともなって、その前後の10月23日(月)および26日(木)・27日(金)もインドネシアの公休日になります。

【4年次対象ゼミ】

4年生対象の青山ゼミでは、冬休みに入る最後の週、12月7日(木)と12月14日(木)の授業に、卒論・卒研提出前最終発表会を開きます。自分の発表日についてはゼミ長からの連絡を確認してください。

発表会までに、卒論・卒研をできる限り完成に近い形に仕上げてください。最終発表会でもらったコメントをもとに冬休みの間に仕上げるようにしてください。

【ジャワ文化概説】

今週第3週の前半では、先週に引き続き、ジャワ語文学史の後半として、15・16世紀以降の現代ジャワ語文学史の概要を説明しました。

後半では、レジュメ#03に入り、古典インド的宇宙時間として4ユガとその意味を、古ジャワ語文学作品と関連させながら説明しました。今日は、ラーマーヤナまでだったので、来週はマハーバーラタから話を始めます。

ラーマーヤナの物語の登場人物一覧と粗筋(レジュメ#04)を配布したので、来週までに、人物の関係と粗筋を頭にいれておいて来てください。

今日、初めて出席した人は、来週火曜日の昼過ぎ以降に、レジュメを取りに来てください。

【2006年度の記録】

最近のBBC Indonesia.comのニュースから読解授業を受けている2年生が翻訳したものです(一部手を加えてあります)。

バイクに乗って帰省する人々の安全

2006年のルバランにおいて、30万人から40万人のジャカルタ市民がバイクを用いて帰省すると予測される。

全体的に、帰省する人は220万人に達し、そのうち100万人は陸上の交通手段を使うと推定される。

警察本部は、政府に対してバイクを使って帰省する人々のために特別な車線は準備するように提案している。

警察交通局長のユディ・スシャルヤント警察准将は、昨年までの経験から、帰省ラッシュ時の事故はバイクにふりかかることが最も多いと言う。

バイクの事故を減らすためのほかの方法は、ジャカルタからチルボンにバイクに乗って直行する人々に対して先導をつけることである。

彼が言うには、この先導というのは、約1000台のバイクごとに2台のパトカーを先導として付け、何回かにわけて出発させることである。

彼は、警察はバイクに乗る人数を二人まで、荷物の数も過剰にならないよう制限することを言明した。

Keselamatan Mudik Naik Motor
BBC Indonesia.com
Diperbaharui pada: 14 Oktober, 2006 - Published 20:47 GMT
URL: http://www.bbc.co.uk/indonesian/forum/story/2006/10/061014_mudik_lebaran.shtml


2006年10月19日

【ブログについて】

ブログの改造をおこなった。基本的な目標は、1)ウェブサイトと色の使い方を同じにし、一体感を醸成する、2)サイドバーの見出しの名称を、ブログの内容にあったものに変更する、3)ウェブサイトへのリンクをはる、といったことである。サイトの幅の変更まで手が回らなかったが、とりあえず上記の3つの目標は達成できた。

今回の改造で、ブログの仕組みの基本(少なくともMovableTypeの場合)が少し分かってきた。

まず、当たり前のことだが、やはりhtmlを書く場合と異なるのは、すべての書き込みが「エントリー」とそのエントリーに付ける「カテゴリー」というラベルによって決まってしまうということである。言い方を変えれば、ブログに対して投稿者に与えられた自由というのは、エントリーという中身とカテゴリーという区分の二つだけということである(厳密に言えば、投稿日時の指定も可能だが、これは必須ではない)。カテゴリーという名札の付いた文章(エントリー)を、ブログに放り込んでやるだけで、あとはブログの方で整理して、htmlの形で吐き出してくれる、というのが私の持ったイメージである。

このことは、投稿者にとってウェブを書き込む負担を大幅に軽減させることになる。htmlでしこしこと書く場合には、文章のhtml化から、ウェブサイト全体の中の位置づけ、アップロードまでをすべて自分でしなければならない(ウェブサイト作成ソフトを使っていても、基本的には同じ事をいくぶん簡単にしてくれているだけである)。これと比べると、ブログの簡単さは革命的だと思う。コメントやトラックバックといった双方向性にかかわる部分もむろん重要なのだが、ウェブサイトを作成するという立場から見ると、まず、この思い切ったシンプルさが一番の驚きであった。

しかし、このシンプルさと引き替えに、新たに次のような問題が生じてくる。

それは、デフォルトの状態では、どのブログも互いに似ているということもさることながら、一つのブログの中で、どのページも似たようなページになってしまうというデザイン上の問題である。むろん、テンプレートを書き換えていけばよいのだが、この段階に踏み込むと、ブログのシステムがある種ブラックボックス化しているので、htmlとcssで最初から自分で書く場合に比べて、敷居が高いように感じる。

むろん、MovableTypeを直接動かしている場合には、すべてのテンプレートが読めるわけだから、本人の努力次第といえばそうである。しかし、あるページには画像を貼り付けたいとか、このページはリンク集にしたいとかいったことが、htmlをしこしか書いていたときには、率直にできたのだが、ブログではそれなりの工夫が必要となってくることは確かである。

ということで、放り込まれたエントリーたちが、こちらの思惑通りのウェブサイトとして構築されていくためには、ブログの「仕組み」というか、「構成」というものを、あらかじめよく練っておく必要がある。

デフォルトの状態では、一つのスタイル・シート(cssファイル)と、5つのテンプレート(htmlファイル)から構成されている。テンプレートは、メインページ、アーカイブページ、エントリーテンプレート、カテゴリーテンプレート、日付テンプレートである。まずは、これらの関係を実感として捉えられるように、よく考えてみることが必要なようだ。

【3年次対象ゼミ】

3年生のゼミでは、今年最後の授業(12月12日)に中間発表してもらいます。中間発表では、卒論または卒研のテーマ、卒論または卒研の構成予定(卒論では目次に相当)、卒論または卒研を完成させるまでの研究計画(文献収集、フィールドワーク、聞き取り調査の対象と時期など)を発表してください。

これからは毎週、2名程度のゼミ生に、夏休みの文献レジュメについて発表してもらい、12月12日までに中間発表の内容を考えるようにしてください。

2006年10月14日

【リレー講義】

リレー講義「世界に現れる《神》」の青山の担当日が10月24日(火曜日)1限に決まりました。

この講義の概要は以下のようになっています。

==================================================================
◆履修コード6022◆ 専修専門科目・総合文化コース(リレー講義の分担)
授業科目 宗教学(専修専門科目・総合文化コース)
授業題目 世界に現れる「神」(6022)
対象学年 専修専門科目だが2年次も履修可能
開講学期 2学期
曜日・時限 10月24日、火曜・1限
教室 101
授業の目標 「インドネシアの神・神々・カミ」というテーマで講義をおこなう。インドネシアのジャワに焦点をあて、ジャワの固有の信仰、ヒンドゥーないし仏教的な神仏信仰、イスラームの神観念の三者の間に見られる歴史的関係を理解する。
教材・参考書等 スライドを使用。プリントを配付する。
成績評価の方法 授業後に提出してもらったレスポンス・ペーパーの内容で評価する。
注記 リレー講義のうちの1回を担当。問い合わせは授業担当の菊池陽子先生(ラオス語専攻)まで。

【ブログについて】

ブログの特徴について考えてみる。とくに、これまでhtmlでしこしこと書いてきたウェブページとの違いである。

本学のブログは、MovableTypeというシステムを使っている。ウェブ上で投稿したエントリーは自動的に整形されて、ウェブ上に表示される。ウェブサイトの場合は、ローカルのパソコン上でエディタで書いたファイルを、ftpでサーバにアップロードして、ウェブ上に表示させている。結果的に表示されるものは、cssでスタイルを与えられたxhtmlファイルである。それでは、どこが違うのか?

私にとって、ブログとウェブページの違いは最大の違いは、ブログではすべての情報がサーバ上に存在するのに対して、ウェブページは、パソコン上に同じ情報が存在していることだ。このことは、次のような問題につながる。

まず、万が一、サーバが障害を引き起こし、サーバ上のデータが失われた場合、ブログのすべての情報が失われる可能性があることだ。無論、障害に備えて本学のサーバでもバックアップをとっているが、全面的に信頼してよいのか一抹の不安はある(ウェブサーバの障害でおよそ2ヶ月分のデータが失われたことがあった)。数万人の利用者を相手に、使用料を受け取って(もしくは広告料で費用を回収している)商用サーバでさえ、データの消失は無視できない可能性である。いわんや、学内の教職員・学生の数百人を相手に、無料でサービスを提供している本学のサーバに対して、絶対的なデータ保持の保障を求めることは無理だろう。ウェブの場合は、自分でデータの保存をすることでリスクが分散できるが、ブログの場合、サーバ任せであるところに不安が残るのである。

ただし、付け加えておかなければならないのは、ブログの場合でも、データの書き出しという機能があるから、自分でバックアップすることは可能である。しかし、ウェブの場合は、最低限、常に自分のパソコンに同じデータのセットが保存されているのに対して、ブログの場合は、意識的に操作を行わなければならないので、誰でも必ず忘れずにできることではない。

すべてがウェブ上のサイバースペースで処理されることが、これからのウェブの方向だろう。特定のパソコンに制約されないで、どこでもデータにアクセスできる、だれでもデータにアクセスできるという利点は圧倒的に大きい。だとすると、それに伴って、データ保存の問題はブログだけにとどまらない、ウェブの根本的な問題となるだろう。

さきの問題と関連する、もうひとつの問題は、ブログのサービス・プロバイダーを引越しすることが困難だということである。これもある程度までは技術的に解決できる問題だろうが、仮に何千ものエントリーをブログ上にため込んでしまったら、そう簡単に引っ越しともいかないのではないだろう。少なくとも、億劫に感じることは確かである。ブログはこのような心理的な形でユーザを囲いこんでいくように思う。

事はブログに限らない。今後、たとえば、テキスト、メール、それに加えて画像、動画、音楽ファイルなど色とりどりのデータを何十ギガもネット上にため込んでしまっていたら(そして、このような状況は、いまでは非現実的な話ではない)、もう、ネットから抜け出すことは不可能だし、その場合、個々のサービスを提供しているプロバイダーからも抜け出せないことを意味するのではないだろうか。

以上、ブログを使うにあたって感じる心理的な抵抗感の理由を考えてみた。むろん、どこでも、いつでも読み書きができること、情報が共有できること、ユーザ間での双方向の交流ができることなど、ブログがもつ可能性、とくに教育の一手段としてのブログの可能性は大きいと思う。これから、時間をかけてつきあってみたい。

2006年10月 2日

【3年次対象ゼミ】

明日10月3日から火曜日5限の3年次ゼミ「アジア文化論II 演習」の2学期が始まります。みなさん、元気な顔を見せてください。夏休み課題の文献目録と文献レジュメを忘れないで提出してください。それから、5時半から、株式会社ジースタイラスから外大卒業生が来られて、逆求人フェスティバルについての説明をしていただくことになっています。

          

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