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2020年12月24日

【4年次対象ゼミ】

今週は、卒論提出直前最終報告会でした。全員にA4判1枚で卒論の骨子(目次+概要+参考文献一覧)を提出したうえで簡潔に報告してもらい、現在の悩みどころについて検討しました。いずれもおおむね卒論としての形が整ってきていることが確認できました。

今年度はコロナ禍のため、オンラインによる提出になっていますが、提出に先立って、随時、原稿のチェックと相談に応じるので、スラックで連絡をしてください。

次回は、卒論提出後の2021年1月7日になります。卒論の振り返りと卒業までの活動についての確認をおこないます。それでは、満足のいく卒論が完成することとよい新年をむかえられることをお祈りしています。

【3年次対象ゼミ】

今週はUSさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらいました。

ジャカルタが抱えるインフラの課題について、経済インフラ、環境インフラ、法制インフラ、そして人口増大の4点に整理して分析されました。1999年であるため、現在の状況についてはデータが不足していることが指摘されました。ジャカルタに滞在した経験のある受講生もいたので、さまざまな意見がだされました。また、首都圏ジャボタベック(現在は、ジャボデタベックに拡大)を考えるためには、東京では千葉・埼玉を含めるような、広域の視点を持つ必要を指摘しました。

今年のゼミは今日が最後です。次回は、2021年1月7日です。以下の文献の書評レジュメを提出してもらいます。

それでは、健康に気を付けて、よい新年をお迎えください。

2020年12月21日

【大学院】

This week, we look into the first set of the Ramayana reliefs at the Prambanan temple.

The Ramayana reliefs and the Old Javanese translation of the story of Rama around the 9th century represent the oldest evidence that the Ramayana was transmitted beyond the Bay of Bengal and firmly rooted in the local community.

The reliefs we looked at cover the episodes including Vishnu's earthly manifestation as Rama, Rama's first killing of demons at the sage's hermitage in the forest, Rama's victory over Sita's hands in the wedding contest, and Rama's banishment to the forest with Sita and Laksmana. We have analyzed up to the scene of Bharata taking Rama's sandals back to the court of Ayodhya, where Bharata governs the kingdom on Rama's behalf.

We will resume the class on 4th January 2021, after the winter recess. Until then I wish you all safe and pleasant holidays.

2020年12月17日

【4年次対象ゼミ】

今週は、HAさんに「在日インドネシア人のムスリムの子どものイスラーム学習の現状と課題」というテーマで卒論の概要を報告をしてもらいました。

全体として構成がしっかりとしており、参考文献やデータもよく集められている点がよかったと思います。別に2名のインフォーマントに対してインタビューが実施されているので、そこから抽出される情報を、該当する章の中で、記述を補強するデータとして活用できることを指摘しました。また、外国籍の子どもたちについても国際人権規約に基づいて教育の機会が保証されていること、一方で、政教分離の原則から国や自治体がイスラーム教育を行う学校を設置することはできないことを確認しました。

次回12月24日は、卒論提出直前最終報告会です。A4判1枚で卒論の骨子(目次+参考文献一覧)を準備して提出してください。

【3年次対象ゼミ】

今週はSTさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらいました。

インターネットのメールやチャットのようなテキストによるコミュニケーションでは、声の特徴、身体の動作・外観・接触、空間・時間・においの使用などの非言語情報は文字化されて伝達されます。この論文は、日本語のデータをもとに非言語情報の文字化の現状を整理し分析したものです。

受講生にも身近なテーマであるため、意見やコメントがたくさん出されました。とくに、インドネシア語のような日本語以外の言語を対象にした場合にはどうなるのか、さらにデータを集めて検討をする余地があることが指摘されました。

次回は、USさんの書評レジュメを報告してもらう予定です。

2020年12月16日

【一般】

東京外国語大学の東南アジア地域ユニット(旧「東南アジア課程」)が毎年出している『東京外大 東南アジア学』の第26巻が12月16日に刊行されました。

これはオープンアクセス化の方針によりオンラインの電子版として刊行されており、本学の機関レポジトリである東京外国語大学学術成果コレクション(通称「プロメテウス」)で閲覧ができます。

また、東南アジア地域ユニットが運営する『東京外大 東南アジア学』のウェブサイトでもバックナンバーとあわせて閲覧できます。

この第26巻(pp. 151-207)には、青山亨・増井美佳共訳「プルボチャロコ著『古典ジャワ文学史入門』(5)」第7章「初期スラカルタ時代」を掲載しました。[PDF]

この第5編をもってプルボチャロコ著『古典ジャワ文学史入門』の翻訳をすべて刊行することができました。以下に、あらためて全編を紹介しておきます。

プルボチャロコ著『古典ジャワ文学史入門』

  • 第1編 はじめに「ジャワ語の文献」、第1章「古い時期の古ジャワ語文献」、第2章「韻律形式の古ジャワ語文献」[PDF]
  • 第2編 第3章「新しい時期の古ジャワ語文献」、第4章「中期ジャワ語の発達」 [PDF]
  • 第3編 第5章「中期ジャワ語の韻律詩」 [PDF]
  • 第4編 第6章「イスラームの時代」 [PDF](正誤表 [PDF])
  • 第5編 第7章「初期スラカルタ時代」[PDF]

2020年12月14日

【大学院】

This week, we focus on the arrangement of the Buddha images in Borobudur. They are as follows:

Location
Mudra (hand gesture)
Buddha
East (levels 1-4)
Bhumisparsa (Ground-touching)
Akshobhya
South (levels 1-4)
Vara (Wish-fulfilling)
Ratnasambhava 宝生
West (level 1-4)
Dhyana (Meditation)
Amitabha 阿弥陀
North (level 1-4)
Abhaya (Fearless)
Amoghasiddhi 不空成就
Four sides (level 5)
Vitarka (Teaching)
Mahavairocana 大日如来
Small stupas
Dharmacakra (Dharma wheel)
Shakyamuni 釈迦牟尼

It is interesting to note that this arrangement has a similarity with the Diamond Realm mandala in Vajrayana.

After this, we looked into the Prambanan temple, another magnificent legacy from Indonesia's Hindu-Buddhist period. Next weel, we will look into the reliefs of the Ramayana story.

2020年12月12日

【一般】

東南アジア考古学会では2020年度大会を以下のとおりに開催しました。この中で青山も「東南アジアにおける仏教の展開から見る仏教遺跡」という題目で基調講演をしました。
  • 日時:2020年12月12日(土)10:00~17:00(開場9:30)
  • テーマ:「東南アジアの仏教遺跡I」
  • 開催方式:Zoomによるオンライン開催
  • Web: http://www.jssaa.jp/annualmeeting.html

2020年12月 7日

【大学院】

This week, we discuss the Buddhist cosmology and the Six Realms of Existence by looking at some of the traditional Buddhist paintings from different parts of Asia.

The Buddhist cosmology is characterized by Mount Sumeru (須弥山) towering at the center, surrounded by seven concentric mountain ranges and seas, which are in turn surrounded by the vast ocean. In the ocean, there are four continents in the four cardinal directions. The southern continent, called Jambudvipa (閻浮提), is resided by the people, as we know as Indians.

On the summit of the mountain are the thirty-three residences of gods, with that of the head of the gods, Indra, located at the center. The sun and the moon rotate around in the middle of Mount Sumeru, creating day and night for the people living on the continent. The residences of the higher beings float above the summit of the mountain, producing an impression of layers of space stations.

Six realms of existence are located in this cosmological space. They are:

  • gods (deva, 神)
  • jealous gods (asura, 阿修羅)
  • animals (畜生)
  • hells (地獄)
  • hungry ghosts (餓鬼)
  • humans 

In Tibetan paintings of the wheel of life, we can observe the gods residing at the top of Mout Meru, defending themselves from the attack of asuras from below. A person will transmigrate from one realm to another as he or she dies and is re-born endlessly until ultimately getting released from this wheel of life through the attainment of enlightenment. The realm of existence is determined by the person's past actions, which are often negatively motivated by greed, hatred, and ignorance.

Next week, we will discuss Borobudur's mandala arrangement of the Buddha statues before turning into Hindu narratives.

2020年12月 3日

【4年次対象ゼミ】

今週はHKさんに「露天商がインドネシアにおいて果たす役割」というタイトルで卒論の章立ての報告をしてもらいました。

全体としてコンパクトにまとまっており、まとめでの結論の方向性がしっかりと見えている点がよかったと思います。議論のなかでもたくさんの有意義な質問やコメントが出されました。タイトルについても「ジャカルタ都市開発における露天商の役割」といった形に絞り込んだ方がよいという意見が出されました。利用している文献については、スハルト時代と民主化以降の時代では背景がかなり異なるので、どの時代の記述なのかを意識して、その時代の文脈のなかで理解するように努めるよう指摘しました。また、現状を理解するうえでは、メディアの記事にも目を配るとよいというコメントがありました。

来週は、1年生のTOEIC受験のため全学的に休講となります。次回12月17日はHAさんの報告を予定しています。

【3年次対象ゼミ】

今週はOYさんに以下の文献の第2章である吉田禎吾「バリの儀礼と共同体」(p. 33-52)の書評レジュメを報告してもらいました。

バリ=ヒンドゥー教の儀礼について文化人類学的視点からまとめた文献でした。興味深い内容であり、質問やコメントもたくさん出ました。多神教であるバリ=ヒンドゥーと国民国家インドネシアが掲げる国家原則パンチャシラにある唯一信仰との整合性、バリの「カースト制」の実情、司祭になるための通過儀礼における象徴的「死」の意味、子供にたいするヒンドゥー教教育のあり方、5つの供儀(ヤドニャ)と日常のチャナンとの相違など、興味深い質疑応答が行われました。卒論に向けて、ここに描かれている儀礼と供物の対象の関係をさらに調べてみることを確認しました。

来週は、1年生のTOEIC受験のため全学的に休講となります。次回12月17日はSTさんの書評レジュメを報告してもらう予定です。

          

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