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2019年6月27日

【4年次対象ゼミ】

今週は、Oさんに卒論計画を報告してもらい、議論を行いました。卒論のテーマはインドネシア国鉄のジャカルタ首都圏での運行を対象に、その安全とダイヤ編成に着目することを確認しました。安全と輸送力とはトレードオフの関係にあることが指摘されました。

報告のあと、残った時間を利用して、卒論作成に役立つWordの使い方について学ぶワークショップを行いました。今回は、基本であるタブとインデントの使いを復習しました。

次回は、Mさんに卒論計画について報告してもらう予定です。

【3年次対象ゼミ】

今週は、最初に先週のアクティブ・ラーニング(ブラタオヤマ「渋谷川を下る」)の振り返りを行いました。

そのあと、ケチャについて知っていることを自由に話してもらったあと、ビデオ映像でケチャを観賞し、ケチャについての理解を深めました。

これを踏まえて、「創られた伝統」の事例研究として以下の論文を読んだ書評レジュメを報告してもらい、議論を行いました。

  • ツォウベク,ウォルフガング. 2016.「ヴァルター・シュピースとバリ島のケチャ舞踊の由来」『富山大学人文学部紀要』64: 373-381.(DOIリンク

背景として第一次世界大戦によって西欧文明の優位性への確信が壊れたことが(ゴーギャンのタヒチ訪問のように)シュピースのバリ島訪問をうながしたであろうこと、サンヒャン・ドゥダリの憑依儀礼に伴う男性合唱に舞踊を振り付け、ラーマーヤナの物語を組み込んだところにシュピースの独創性があること、『鬼の島』のような映画(当時は白黒のトーキー)は1933年当時、世界の未知の文化を庶民でも体験できる最新テクノロジーであったこと、画家であったシュピースの美的感覚(たとえば、円形をモチーフにした作品『スケーター』)がケチャ舞踊の振り付けに影響していることなどが確認できました。

次回は、インドネシアに関する論文について書評レジュメを作成し、報告してもらう予定です。

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2019年6月21日

【3年次対象ゼミ】

今日は、アクティブ・ラーニングの一つとして、ゼミ恒例のブラタオヤマ第4回を実施します。今回のお題は「渋谷川を下る」です。

繁華街として有名な渋谷ですが、「谷」と名前が付くからには「川」が流れているはず。その川「渋谷川」はいったいどこから流れて、どこへ注ぎ込むのでしょうか?地元の学生も「知らない」、「見たことがない」というくらいに存在感の無い渋谷川を、足で歩いて確かめてみます。渋谷川を下ることで東京の歴史が(たぶん)見えてくるはずです。

主なポイントとアクティブ・ラーニングに関わる課題は以下のとおりです。「問いとその答え」の形式でレポートを作成して、当日に臨んでください。探索のあとは懇親会を予定しています。

  • 1. 渋谷川の源流と宮益橋
  • 2. 白根記念渋谷区郷土博物館・文学館
  • 3. 金王八幡宮と渋谷城
  • 4. 東急東横線と渋沢栄一
  • 5. 渋谷ストリームと渋谷川と金王橋
  • 6. 庚申橋と庚申橋供養碑
  • 7. 阿弥陀石棺仏
  • 8. 天現寺橋と渋谷川と笄川と古川
  • 9. 慶應義塾幼稚舎
  • 10. 北里大学白金キャンパスと北里柴三郎
  • 11. 日向坂
  • 12. 芝丸山古墳
  • 13. 浜松町ビル(東芝ビル)と「芝浦一丁目計画」
  • 14. 日の出埠頭

2019年6月20日

【4年次対象ゼミ】

今週は、Uさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらい、議論を行いました。

宗教実践であるチャナン作りの商業化という興味深いテーマを複数の角度で見ることができました。

来週は、Oさんの報告を予定しています。

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【3年次対象ゼミ】

今週は、次回は、下記の論文を読んで、書評レジュメを作成し、報告してもらいました。

  • ホブズボウム『創られた伝統』(紀伊國屋書店、1992、原書:The Invention of Tradition、1983)「序章」pp. 9-28.

非効率であっても変わりにくい「伝統」に対して、非効率であれば変化しやすい「慣習」の違いが少し明確になったように思います。また、伝統には象徴性があり、国民といったイデオロギーと結びつきやすいことが、1928年の青年の誓いと国旗の事例から見えてきました。

次回は、「創られた伝統」の事例研究として以下の論文を読んで、書評レジュメを作成し、報告してもらいます。

  • ツォウベク,ウォルフガング. 2016.「ヴァルター・シュピースとバリ島のケチャ舞踊の由来」『富山大学人文学部紀要』64: 373-381.(DOIリンク

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2019年6月17日

【一般】

立川日本語・日本語教育研究所から『日本語文化の研究 別冊2 外国人児童生徒への日本語支援研究』が刊行されました。この中には、外国人児童向け『小学社会5上』(教育出版) とインドネシア語版『学校通知文作成ソフトが掲載されています。

インドネシア語版『学校通知文作成ソフト』には本学院生のアティさんが翻訳者として協力しました。また、青山も監修として協力するとともに、インドネシア人のムスリム児童生徒を教室に迎えることになった学校の先生方に参考にしていただける簡潔な指針として「インドネシアのイスラームについて」(pp. 29-30)を寄稿しました。冊子は無料で配付されていますので、立川日本語・日本語教育研究所事務局にお申し込みください。

2019年6月13日

【4年次対象ゼミ】

今週はOさんに新しい仮のテーマ「イスラームと音楽の関係性~インドネシアの事例を中心に」に基づく研究計画と、研究テーマに関連して、複数の文献を読んでスーフィズムについてまとめたレポートを報告してもらいました。イスラームもスーフィズムもテーマとしては広すぎるので、さらに絞り込む必要があることが合意されました。

次回はUさんに報告をしてもらう予定です。

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【3年次対象ゼミ】

今週は、6月21日(金)に予定しているアクティブ・ラーニングの課題レポートを報告してもらい、議論をおこないました。

千駄ヶ谷からの穏田川(おんでんかわ)と代々木公園西側からの宇田川を源流とする渋谷川は、青山霊園からの笄川(こうがいがわ)と合流して古川と名を変えて港区を流れ、東京湾に注ぎます。多くの部分が暗渠となっているうえに、上流と下流では別の名前であることもあり、あまり知られていません。欅坂46の「渋谷川」では「名前を聞いてもピンと来ない」と歌われているほどです。しかし、丹念に見ていくと、古墳時代には上流から下流に沿って古墳があり、人の活動の跡があること、鎌倉時代には渋谷氏の渋谷城があり、関東から相模原に至る街道の交通の要所を押さえていたこと、明治時代には福沢諭吉が古川の右岸に土地を購入し、慶應義塾幼稚舎や北里研究所が設置されたことなど、歴史を読み解くヒントがあることを確認しました。

また、再開発が進む渋谷周辺の渋谷川の暗渠も工事で大きな変化が訪れています。金王橋(こんのうばし)の近くには高層ビルの渋谷ストリームが建設されました。みなさんの報告を聞いて、古墳からストリームというのが今回の隠れテーマになることが分かりました。なお、暗渠の工事についてはこちらの動画を参考にしてください。

次回は、下記の論文を読んで、書評レジュメを作成し、報告してもらいます。

・ホブズボウム『創られた伝統』(紀伊國屋書店、1992、原書:The Invention of Tradition、1983)「序章」pp. 9-28.

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2019年6月 8日

【一般】

6月8日(土)に、本学のアゴラ・グローバルにおいて、下記のとおり、日本比較教育学会第55回大会の一部として公開シンポジウム「多言語・多文化教育社会のゆくえ--大学・行政・地域社会の取り組みと課題--」が開催されます。

本学からは、本学の多言語多文化共生センターの萩尾先生、菅長先生、および青山がパネリストとして参加します。青山は、2011年東日本大震災時の多言語・多文化教育研究センターの取り組みを中心にセンターの活動について報告を行います。(なお、青山の報告の参考文献として『多文化社会読本 多様なる世界、多様なる日本』を参照していただけると幸いです。)

関心のある方のご参加をお待ちしています。

  • 公開シンポジウム:多言語・多文化教育社会のゆくえ--大学・行政・地域社会の取り組みと課題--
  • 日時:2019年6月8日(土)14時45分~16時45分
  • 場所:東京外国語大学 府中キャンパス アゴラ・グローバル1階プロメテウス・ホール(交通アクセスキャンパス地図
  • 主催:日本比較教育学会

趣旨説明・司会

  • 岡田昭人(東京外国語大学)
  • 公開シンポジウムは、「多言語・多文化教育社会のゆくえ」をテーマとし、大学・行政・地域社会の取り組みと課題を考えます。グロバリーゼーションが急速に進行する現在、人や資本、労働力、知識や技術が国境を越えて移動することにより世界的な規模で多言語・多文化社会の形成がみられます。このようなモメンタムの中、日本人が言葉や文化の異なる人々との結びつきを深め、安定した社会を形成するためには、どのような能力が求められているのか、またその育成にはいかなる教育環境が必要なのでしょうか。本シンポジウムでは多言語・多文化社会の到来に向けて大学・地域社会・行政の教育的取り組みや支援のあり方を広く参加者の皆様に知って頂き、また現在直面する課題と今後の協働施策について考える場所にしたいと思います。その事例として、東京外国語大学の多言語・多文化教育研究センターの取り組み(「多文化コーディネーター」育成講座等)、ボランティア活動スペースVOLASの諸活動、「外国につながりのある子ども」を対象とした日本語学習支援などを紹介し、会員の方々に加え、一般からの参加者も迎えて、地域の学習支援活動や将来的な外国人労働者増加の課題についても議論してまいりたいと思っております。

パネリスト・報告題目

  • 青山亨(東京外国大学大学院総合国際学研究院長、元本学多言語・多文化教育研究センター長)
    「東京外国語大学多言語・多文化教育研究センターの活動--東日本大震災時の多言語対応を中心に--」
  • 萩尾 生(東京外国大学ボランティア活動スペースVOLAS室長)
    「多文化社会と学生のボランティア活動」
  • 菅長理恵(東京外国語大学大学院国際日本学研究院教授)
    「伸ばすために測る--DLA(Dialogic Language Assessment)の理念」
  • 辻由美(NPO法人地域教育ネット理事)
    「公立中学校学習支援活動現場から--海外からの転入生の実態とその対応における協働の可能性」

          

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