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2012年4月26日

【東南アジア古典文化論】

今週は配付資料とスライドに基づいて、東南アジアの基層文化の重要な要素である精霊信仰の多様な状況を検討しました。主に取り上げたのは、スペイン人の記録に残されたフィリピンの事例、カリマンタンのイバン人のシャーマニズムの事例、バリにおけるサンヒャンの事例、ラオスにおけるバーシー・スークワンの事例、ミャンマーにおけるナッ信仰です。

参考資料として配った『古事記』崇神天皇の部からの抜粋は、時間が足りなくなったので宿題としました。次回の授業時間に提出してください。

■今週の配布物(PDF)
・配付資料:精霊信仰
・参考資料:『古事記』崇神天皇から抜粋(宿題)

次回は連休明けの5月10日です。

2012年4月25日

【地域基礎】

最初に、壁地図を使って前回学習したインドネシアの地理と気候を復習しました。

続いて、ジャワ更紗Batik展を訪問しておこなった調査についてグループごとに報告してもらいました。各グループそれぞれの視点での観察があり、よい報告でした。

ジャワ更紗のジャワという名前からわかるように、インドネシアにはそれぞれの文化、言語、慣習をもった民族がたくさん住んでいます。多民族国家インドネシアを理解するために、まずはじめに、民族という概念についてグループごとに議論してもらいました。インドネシア語では、bangsaとsukuという概念を用いて民族について語ります。

民族集団を客観的に区別することは単純なことではありませんが、この授業では、言語による区分によって民族を分けておくことにします。最初に、Ethnologueのデータに基づいて、日本で使われている言語数、続いてインドネシアで使われている言語数を予想してもらいました。

そのあと、インドネシアの言語分布地図と主要な言語話者数のデータを配付し、グループごとにどの地域のどのような言語集団が分布しているかを調べてもらいました。そのなかで、華人のように言語分布地図に現れない言語集団の意味も考えてほしいと思います。今週はこの作業の途中で時間がきたので、次回までに作業を終えて、結果を報告してもらうことにします。

最後に、今日の講義のレジュメを配付しました。スライドを使ってインドネシアの民族と言語と宗教の関係を整理する予定でしたが、時間が足りなかったので、次回に行うことにします。

次回は連休明けの5月9日です。

今週は、宿題があります。下の例にならってインドネシアの2012年の国民の祝日を調べて表にまとめ、次回の授業時に提出してください。

月日インドネシア語名日本語名意味宗教日付の決め方元になる暦
12月25日Hari Natalクリスマスイエス・キリストの生誕日キリスト教第12月の第25日グレゴリウス暦

2012年4月23日

【3年次対象ゼミ】

最初に、先週提出してもらったレジュメとレポートを返却し、主なコメントについて説明し、改善点を共有しました。とくに、パラグラフ単位で文章を書くことに注意をはらってください。

続いて、今週のレジュメを報告してもらいました。対象とした文献は以下の論文です。

山下晋司「「楽園」の創造―バリにおける観光と伝統の再構築―」山下晋司編『観光人類学』新曜社,1996年,pp.104-112.

使われている用語を検討し、近代に対する「伝統文化」と国民に対する「民族文化」の差違を中心に、理解の共有を確認したあと、報告者による論文に対する批評について議論しました。著者は「滅びの語り」をオリエンタリズム的として批判し、「生成の語り」を称揚しているが、「生成の語り」もまたオリエンタリズムを基礎にしており、著者の論旨に矛盾があるという報告者の指摘は妥当なものと思います。

次回は、アンダーソンの論文を読むことにします。資料を明日の昼までに用意しておくので、633研究室のドアボックスから受けとってください。

今週は連休前なので宿題があります。1年次に購入している『論文ワークブック』基礎編「6 まとめの練習」、論文編「1 論文とは」、「2 論文の公正」、「3 構成の作り方」、「6 3種類の文」、「7 書いてみよう②」、「8 論文のモデル」にある練習または課題をおこない、次回の授業時に提出してください。パラグラフ単位で文章を書く練習にもなるはずです。

【インドネシア語読解】

最初に、昨年度の答案を返却しました。続いて、今週から履修する人に向けて授業の概要を説明しました。そのあと、オランダ時代のバタビアと現在のジャカルタの地図を配付し、バタビアの変遷をグループごとに考えてもらいました。

テキストは、p.10の第6パラグラフまで進みました。最初にグループごとに訳文を確認してもらい(15分)、そのあとでグループごとに訳文を発表してもらい、重要な構文について説明をおこないました(30分)。重要な構文については応用問題をしてもらう予定でしたが、時間が不足したので宿題としました。次回は連休明けの5月7日の3限と6限(補講)で、第2章まで進む予定です。

今週は連休前なので宿題がたくさんあります。
1. 英語・インドネシア語の辞書の「凡例」の日本語訳をグループごとに作成し、グループで共有してください。青山に1部ずつ提出をお願いします。
2. バタビアの位置を現在のジャカルタの地図上にマーカーで描いたものをグループごとに作成し、発表してください。地図資料はグループごとに配ってあります。
3. 今日配った「応用問題」を各自で答え、次回の授業時に提出してください。「応用問題」は633研究室ドアボックスに入れておくので、今日欠席した人は受けとってください。

2012年4月22日

【一般】

東京外国語大学のご近所にある三鷹市の芸術文化センターでジャワ更紗(バティック)の展覧会が以下のように開催されます。日本人商人によるバティックの取り扱いを示した記録も展示され、歴史的観点からも興味深いものです。

■ジャワ更紗Batik展《模様の郷園》―クンプルコレクションより―

■特別展示「ジャワに渡った澤部家の記録」

■日時:2012年4月18日(水)~4月22日(日) 10:00~17:00
■場所:三鷹市芸術文化センター(地図) 地下1階展示室 TEL 0422-47-9100
■アクセス:
・JR三鷹駅南口4、5番バス乗り場から「八幡前・芸術文化センター」下車すぐ
・JR三鷹駅南口6、7番乗り場から「八幡前」下車1分
・三鷹駅から徒歩約15分
■入場無料
■主催:クンプル(ジャワ更紗研究会)
■問い合わせ:042-382-6577(城田)
javanese batik exhibition-201204-small.jpg
■詳細:ジャワ更紗Batik展の案内

2012年4月19日

【4年次対象ゼミ】

今週からMYさんが参加することになりました。来日したインドネシア人看護師・介護福祉士候補生について卒論を書きたいということなので、まず先行研究を読んでテーマを絞ることを勧めました。SMさんには引き続き日本の対インドネシアODAについて具体的なデータを集めて整理しておくことを勧めました。データを整理して表やグラフにしておくと、卒論を書くときの材料として使えるので効率的です。TNさんはインドネシア語長編小説Daun yang Jatuh Tidak Pernah Membenci Anginの日本語訳を卒業研究として提出するということなので、翻訳の手順について計画を立て、翻訳の一区切りができたところで提出してもらうことにしました。

【東南アジア古典文化論】

今週は新しい受講生が加わったので授業概要をあらためて簡単に説明しました。詳しい情報は先週のエントリーと配布物を読んでください。

なぜ現在の東南アジアの文化を理解するために歴史をさかのぼってseaclcul-2012-04-19.pdf東南アジアの古典文化を学ぶ必要があるのかを実感してもらうことを目的として、最初にインドネシアの中部ジャワにあるジョグジャカルタのスルタン王宮の儀礼をテーマにした映像資料(NHKスペシャル「アジア古都物語 第3集 ジョグジャカルタ:王と民が支える平和の都」2002年、46分)を見てもらいました(NHKの参考ページ)。イスラームの首長であるスルタンの儀礼のなかにインド的要素(王権の象徴としての日傘)や土着的要素(山岳の精霊への供物)などを読み取ることができます。

そのあと、このような重層的な文化のあり方が生じた理由として、東南アジアの歴史的背景についてスライドを使って説明をしました。

先週の宿題を提出してもらいました。今週から出席した人は来週の授業時間に提出してください。

■今週の配布物 (PDF)
配布物

2012年4月18日

【地域基礎】

今週は通常の2限と6限補講の2回、授業をおこないました。

2限では、地図を使ってインドネシアの地理を学びました。インドネシアの白地図を一人一人に、地図をグループごとに配付し、白地図に主な島、海(海洋)の名前を書き込んでもらいました。そのあと、ホワイトボードに貼った大きなインドネシア地図を使って、グループの代表者にインドネシアの主な島と海洋の説明をしてもらいました(各グループが地図の約4分の1を担当)。

島々には、大スンダ列島、小スンダ列島、マルク諸島、ニューギニア島という大きなグループがあること、海洋にはインドネシアをはさむ2つの大洋、インドネシア内のさまざまな海、大洋・海をつなぐ海峡があることを学びました。

そのうえで、プレートとプレートがぶつかってできあがった火山性の列島では火山が多いこと、しかし、そのために土壌の養分が豊かで農業生産に適していることを学びました。

6限では、最初に、インドネシアの主要な行政単位である33の州の名前と位置を確認してもらい、白地図に略語を書きこんでもらいました。

続いて課題としていた「熱帯雨林気候」、「熱帯モンスーン気候」、「サバナ気候」について各グループごとに発表してもらいました。熱帯である点では共通していますが、赤道付近では乾季のない「熱帯雨林気候」、赤道から離れると乾季が目立つ「サバナ気候」があり、その中間に「熱帯モンスーン気候」があることを学びました。なお、乾季と雨季の時期は、日本がある北半球と、インドネシアの主要な島々がある南半休では逆転していることにも注意してください。また、高山地域では、低緯度地帯であっても寒冷である点にも注意が必要です。

このあと、東南アジア島嶼部のいくつかの地点の降水量と気温のグラフをグループごとに配付し、どの気候帯に属するかを考えてもらい、グループごとに結果を発表してもらいました。

最後に、以上を踏まえて、インドネシアの典型的な景観をスライドで紹介して今日の授業を終えました。

2012年4月16日

【3年次対象ゼミ】

今年度最初の授業です。受講生は8名でした。ゼミの進め方を説明したあと、受講生の1人に春休みの課題としていた「卒論の書き方」をテーマにした本のレジュメを発表してもらい、レジュメの形式と本の内容について議論をおこないました。

今学期はインドネシアに関連する論文を読み、レジュメを作成し、議論をするという実践を何度か続けることを予定しています。第1回の課題となる論文は明日2限までに用意しておくので、633ドアボックスから入手してください。第1回の課題は以下の論文です。

山下晋司「「楽園」の創造―バリにおける観光と伝統の再構築―」山下晋司編『観光人類学』新曜社,1996年,pp.104-112.

最後に、全員のレジュメと卒論または卒研の仮テーマを説明したレポートを提出してもらいました。

【インドネシア語読解】

今年度最初の授業です。インドネシアのPondok Pesantren Darunnajahから4名の方が訪問され、授業時間の最初の30分ほどを使って学生たちと交流を持ちました。インドネシアに来るときにはいつでも遊びに来てくださいというお誘いをいただきました。

受講生を4つのグループに分けました。グループの名称は以下のとおりに決まりました。
1. モグモグ
2. ハーレム八木
3. 鳴門海峡冬景色
4. 待たせたな

最初に使用するテキストはJakarta: Tempo Doeloeの第1章~第3章です。まず第1章をしっかりと予習してきてください。今日テキストを受け取れなかった人は633研究室のドアのボックスから受け取ってください。

インドネシア語技能検定試験のお知らせを配付しました。関心のある人は挑戦してみてください。

2012年4月12日

【4年次対象ゼミ】

今年度最初の授業では、受講生の進捗状況を説明してもらい、今後の卒論作成の計画と今学期のゼミの予定について相談しました。SAさんには、現地調査に先立つ仮説の検討および調査方法に関する文献調査を指示しました。SMさんには、日本政府のインドネシアに対するODAの基本的データの整理をするよう指示しました。

【東南アジア古典文化論】

2012年度最初の今週は授業のガイダンスをおこないました。市民聴講生2名を含む78名の受講がありました。ガイダンスのあと、スライドを見ながら東南アジアの宗教の多様性を理解してもらいました。

宿題を出しました。配付した用紙を使って、東南アジア11か国の国名の意味と由来を調べてください。回答は次週4月19日の授業時間中に提出してください。

次週は、東南アジアの文化的多様性の歴史的背景を検討します。

なお、今学期は6限に補講の時間が割り当てられています。この授業では以下のように開講します。
5月10日(木)6限:映像資料Legong: Dance of the Virgins(1935年公開、無声、2原色式テクニカラー、65分、アメリカ映画)インドネシアのバリ島で撮影された貴重な映像です。こちらに映画の詳細を記しています。
6月14日(木)6限:映像資料Kliou: The Tiger(1937年公開、無声、白黒、49分、アメリカ映画)ベトナムで撮影された貴重な映像です。

■今週の配付物(PDF)
授業概要と資料
宿題 (4月19日提出)

2012年4月11日

【地域基礎】

新入生のみなさんが受講する最初の日なので、ガイダンスをおこないました。最初にチェーン、ペアによるアイスブレーキングをおこない、コミュニケーションの大切さを学びました。そのあとグループ分けをおこないました。

グループ名は1)「まみまみよけ」、2)「ゆりえとゆかいな仲間達」、3)「YSY」、4)「ブレイクダンサーズ」に決まりました。今年度の1学期の授業ではグループごとに課題に取り組んでもらうことを目指しています。

「授業概要」を配付し、大学の授業で気を付けるべきこと、地域基礎2Aの進め方などを説明しました。とくに今年度は6限まで授業があるので注意してください。この授業では、4月18日、6月6日、7月11日に6限にも授業をおこないます。

『論文ワークブック』(くろしお出版)は共同購入し、自分で独習してください。進度は自分のペースでかまいません(評価の対象にはしません)。

今週は以下の2つの課題があります。グループごとにまとめてきてください。
課題1(4月18日に提出・報告):インドネシアの気候における「熱帯雨林気候」「熱帯モンスーン気候」「サバナ気候」について調べてきてください。
課題2(4月25日に提出・報告):三鷹市でおこなわれている「ジャワ更紗Batik展」(4月18日~22日)を訪問し、バティックとは何か?を調べ、主催者の方にバティックのコレクションを始めるにいたった経緯を尋ねてきてください。

2012年4月 4日

【リレー講義】

今年度担当したリレー講義を掲示します。(2012年12月28日更新)

【ブログについて】

ブログサイト「授業関係のお知らせ」の簡単な更新をおこなった。ポイントは以下のとおりである。

1. 新カテゴリー「2011年度の記録」を設け、その下に新たに「地域基礎」以下のサブカテゴリーを作り、昨年度のエントリーをそれぞれのサブカテゴリーに移動した。これまでの「地域基礎」以下のカテゴリーには2012年度のエントリーが入ることになる。この作業は、MovableType5になってカテゴリーの配列と移動が自由にできるようになったため、簡単に完了することができた。

2. カテゴリーの配列が自由にできるようになったことをうけて、それまで配列を決めるためにつけていた頭の4桁の数字をカテゴリー名から削除した。

3. この結果として、トップページに掲載していた各カテゴリーの最新ニュースを表示する部分の配列が混乱したので、表示しないことにした。

4. サイドメニューの「過去のお知らせの記録」部分は、長いばかりで使い勝手が悪いため、表示しないことにした。

5. 新たに「2012年度の時間割」のカテゴリー(一つのエントリーのみからなる)を作り、そこに表示した時間割などの情報がトップページにも反映されるようにした。これまでは時間割などの情報はメインページのテンプレートに直接書き込んでいたため、更新の作業に手間がかかったが、これで大幅に効率的になった。

6. あわせてトップページのURLをQRコードとしてトップページに表示した。QR-Codeの作成にはQRコード無料作成ソフト&活用ツールを利用させてもらった。

以上、全面的なリニューアルには程遠いが、とりあえず新年度の授業を始めるにあたって必要最低限の更新をすませることができた。

2012年4月 2日

【ブログについて】

いくつかの理由でこのブログを含むウェブサイト全体の全面的リニューアルを考慮している。

第1に、先のエントリーでも述べたように大学のブログのシステムがMovable Type 5.12に更新されたことである。MT 5.12では、ブログの構築だけではなく、ウェブページの制作もおこなうことができる。つまり、動的なブログと静的なウェブを一元的に運用することができる見通しがついたということである。

第2に、本学の組織が2012年度から外国語学部から言語文化学部と国際社会学部の2学部に改編されたことである。この結果、ウェブサイト全体の構成の見直しが必要となってきた。

第3に、HTMLの仕様がHTML5に向けて変わろうとしていることである。まだ2014年に予定されている正式勧告まで間があるが、これまでのXHTML1を見直す時期にきている。

第4に、スマートフォーンやタブレットPCのように、これまで想定されていなかった端末からのアクセスが増加していることである。これらの新しい端末でも見やすくするために、デザインの見直しが必要となってきた。

こういったもらもろの事情があるわけだが、ちょうど来年でウェブサイト立ち上げ10周年になるので、リニューアルの節目としてはちょうどよい機会だと考えている。上にあげた条件を視野にいれながら、大学の教育研究にとってどのようなウェブサイトが求められているのか試行錯誤してみたい。

          

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