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2020年9月27日

【お知らせ】

以下のとおり、2021年度の3年次生(現在の2年次生)のための個別ゼミ・ガイダンスを開催します。仮登録期間(10月21日~24日)の前後に1回ずつ実施します。(最終更新2020-09-27)

  • 青山亨(インドネシア地域研究)個別ゼミ・ガイダンスの開催
  • 第1回
    • 日時:10月9日(金)4限(14時10分開始)
    • 場所:Zoomによるオンライン
  • 第2回
    • 日時:10月30日(金)4限(14時10分開始)
    • 場所:Zoomによるオンライン

青山ゼミに履修希望の人はどちらかの回に出席してください。

規定の上限15名を越えない限り選抜は実施しません。なお、これまでに選抜を行ったことはありません。

ガイダンスに出席できない人で個別の相談を希望する人は青山までメールで連絡してください。

  • メール:taoyama[at mark]tufs.ac.jp

【あらかじめ読んでおいてください】

以下、個別ゼミ・ガイダンスでお話をするポイントを記していますので、あらかじめ読んでおいてください。

1. 大学の卒業論文と卒業研究(以下「卒論」)の作成には教育的な意義があります。卒論作成を指導する4年次の卒論ゼミとその前段階となる3年次ゼミはそのための中心的な役割をになっています。

青山ゼミでは、インドネシアという地域を多角的(歴史、社会、文化)に考えていくための方法を学びます。インドネシアを対象としてどのような問題を設定することができるのか、それを分析し意味のある結論を導くためにはどのようなデータを収集したらよいのか、分析のためにはどのような理論的枠組みを使ったらよいのか、そのための手引きを学んでいきます。データを得る手段としてはフィールド調査と文献資料の両方を想定しています。

3年次の春学期には、インドネシアについての認識の枠組みを作るための基本的な研究論文を輪読します。論文の使用言語は日本語、英語、インドネシア語です。基本文献の輪読、レジュメの発表、討論、レポートの作成を通じて卒論・卒研のテーマを考えてもらいます。また、卒論作成を念頭において、文献目録の作り方、レポート・論文の書き方、ロジカル・シンキングの基本、プレゼンテーションの仕方などのスキルも学びます。

夏休みに入る前におおよそのテーマを決めることを目標にします。夏休み中にテーマに関連する文献(書籍と論文)のリストの作成をしてもらい、さらに、その中から最低1点を選んでレジュメを作ってもらい、秋学期に順次発表してもらいます。この段階でのテーマの変更は可能ですが、冬休み前にはテーマを確定することが望ましいです。

冬休み中に卒論・卒研の全体構成案および研究計画を立て、冬休み明けに発表してもらい、全員で検討をおこないます。4年次には各自の卒論・卒研のテーマにしたがって個別に指導をおこないます。フィールド調査をする学生の多くは4年次の夏休みにインドネシアで調査をしています。

過去の青山ゼミ修了生の卒論テーマ
3年次ゼミで学ぶこと

2. 青山ゼミでは履修学生の数にとくに制限は設けていませんが、履修希望者の数が、10人を越える場合には選抜を行う場合があります(ちなみにこれまでに選抜を行ったことはありません)。卒論のテーマの選択は学生に任せています。青山ゼミの取り方として、いわゆる「主ゼミ」としての他に「副ゼミ(サブ・ゼミ)」として取ることも認めています。

3. 卒論の作成にあたっては、現在から卒論提出までにすべきことを時間軸に添って理解しておくことが大切です。とくに3年次の冬から4年次の夏休み前までは就職活動に時間が取られるので、3年次の春学期までにはテーマを絞り込み、先行研究や必要な資料の収集と読み込みを始めておき、就職活動が一段落したらただちに卒論の制作に取りかかれるようにしておくことが理想的です。

4. 学問の分野が分化しているのは、対象となる分野によって使われる資料(データ)の種類と性格が異なり、資料の分析の方法論も変わってくるからです。具体的には、歴史学は書かれた資料(文献史料)が中心になるのに対して、文化人類学ではフィールドワークによる参与観察と聞き取りによって得られた資料が中心になります(無論、どちらかだけで済むことはまずありませんが)。フィールドワークを必要とする卒論のテーマの場合は、夏休みの時間を有効利用することが必要です。

5. 一般的に、論文の必要条件としては、まず問いを立てた上でそれに対して根拠(資料)を提示して、説得的かつ論理的に文章を記述していること、加えて、新奇性があることが求められています。卒論においても、「新奇性」以外の条件は必要です。

6. 今から来年の春までは、テーマの絞り込み・掘り下げが必要ですが、そのためには先行研究(書籍・論文など)を広むことが求められます。先行研究のリサーチのためには図書館を利用したり、下記に示したオンライン・データベースを活用するとよいでしょう。日本語だけではなく、英語や現地語(外大生の強み)の文献も使いこなしてください。

日本語の図書や雑誌論文を検索する方法

自宅からオンライン・データベースにアクセスする方法

7. 最後になりますが、2年次の秋学期終了時に「春休み」の課題を出します。3年次の春学期最初のゼミに課題のレポートを提出してください。

2020年9月12日

【ブログについて】

8月21日から東京外国語大学のMoodleのバージョンが3.1から3.5にバージョンアップされ、リンクが変更されたことを受けて、9月11日にホームページのリンクを更新した。

今回のバージョンアップは、これまで利用していた Moodle サーバのデータ容量が限界に近づいたため、より安定した利用環境が提供できるようハードウェアを更新したことを機会に、Moodleのシステムもバージョンアップしたものである。これにより、セキュリティ面も強化されることになった。Moodleサーバのデータ容量が増加した背景には、新型コロナウイルスCOVID-19の感染拡大防止のため、春学期の授業を全面的にオンライン授業に切り替えたことがあると推測される。秋学期には、オンライン授業を継続しつつも、必要にして可能な授業については対面授業を再開する方針である。基本的には、少人数の語学の授業などが対面授業の対象となる。2020年度の授業でも同様の方針が続く見込みである。

東京外国語大学では、コロナ禍に対応するため、すでにあるMoodleに加えて、今年度の春学期から同期型オンライン授業のツールであるZoom、秋学期から非同期型オンライン授業のツールであるGoogle Classroomを導入し、オンライン授業の導入を図ってきているが、COVID-19感染拡大にも一定の落ち着きが見えてきたことから、秋学期においては、対面授業の条件付きでの再開を予定している。ちなみに、東京外国語大学では、Google ClassroomはMoodleのより簡易な代替ツールという位置づけである。

このように、対面授業とオンライン授業を組み合わせた授業形態をハイブリッド型と呼ぶことがあるが、東京外国語大学における対面授業とオンライン授業のハイブリッド化の現状を図示すると以下のようになろう。 image-hybrid classes.png

この図は、東京外国語大学における授業のハイブリッド化は、「対面授業」、「同期型オンライン授業」、「教育支援プラットフォーム(非同期型オンライン授業のツールとしてのMoodleおよびGoole Classroom、および、学務情報システムを含む)」という三つの要素から構成されているということである。重要なことは、Moodleおよび既存の学術情報システムが「教育支援プラットフォーム」として位置付けられたことである。

具体的なハイブリット型授業のあり方として以下の3つのパターンがある。

1. 教育支援プラットフォームという(非同期型オンラインの)基盤のうえに、対面授業が実施される。

2. 教育支援プラットフォームという(非同期型オンラインの)基盤のうえに、(同期型オンラインの)Zoom授業が実施される。

3. くわえて、対面授業に一部の受講生が同時オンライン配信で参加するパターンもある。

以上の「対面授業」、「同期型オンライン授業」、「教育支援プラットフォーム(非同期型オンライン授業ツールを含む)」相互の3通りの組み合わせの総体が、東京外国語大学でのハイブリッド型授業のあり方ということになる。

対面授業とオンライン授業の組み合わせについては「ハイブリッド型授業」という言葉だけよく使われるが、共通した理解がまだ成立していないように思われる。少なくとも東京外国語大学では、このように整理することができると考えられる。

【参考文献】

          

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