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2017年1月19日

【東南アジアの古典文化基礎】

今週は今年度最後の授業でした。

配付資料とスライドにもとづいて、東南アジアにおける大乗的仏教物語の最終的な発展段階にあると言ってよい「スタソーマ物語」について検討しました。

最後に、期末レポートを提出してもらいました。Moodleで提出する人は1月20日(金)深夜24時までに提出してください。

今年は秋学期のみでしたが、講義に参加していただきありがとうございました。

今週の配付資料(スライドを含む)はTUFS Moodleから入手することができます。

2017年1月17日

【インドネシア語専攻で勉強する人のために】

卒論を書くとき、注を付けることがあります。

注には、論文の本文を補足する情報を書きます。注を付けるかどうか判断に迷うこともあると思います。その情報を本文に入れると文章の流れが滞ってしまうけれども、その情報があった方が本文の理解が深まると判断したときには、注を付けるとよいでしょう。逆にその情報が論旨を理解するうえで必須なのであれば本文に入れるべきです。

引用の出典表示は、通常は「著者名・刊行年方式」で表示しますが、ウェブサイトの情報のように、その方式では困難な場合には、注に入れることを検討してもよいでしょう。

注を付けるときには、注の番号を本文の該当箇所の直後の句読点の前に挿入します。なお、英語の論文では句読点の後に入れるので注意してください。

例を示しておきます。

【例1】その公演は2015年にジャカルタのタマン・イスマイル・マルズキで開催された1

1?タマン・イスマイル・マルズキ(Taman Ismail Marzuki、通称TIM)はジャカルタを代表する総合芸術文化センターである。

【例2】国際交流基金は1995年に「アジアのモダニズム―その多様な展開:インドネシア、フィリピン、タイ」と題した展覧会を開催した2

2?国際交流基金ウェブサイトの 「過去40年の活動から時代の顔やざわめきがよみがえる」(https://www.jpf.go.jp/j/about/outline/about_05.html)を参照。

Wordでの注の付け方については、以下のページを参考にしてください。

2017年1月16日

【3年次対象ゼミ】

今週は、今年最初で今学期最後の授業となりました。

受講生のそれぞれに卒論の中間発表をしてもらいました。Fさんはジャワの鳥を飼う文化、Kさんはインドネシアにおけるハラル医薬品市場、Rさんはインドネシアにおけるメッカ巡礼、Sさんはインドネシア映画から見るエスニックアイデンティティについて発表をおこないました。

【インドネシア語読解】

今週は、今年最初で今学期最後の授業となりました。

最初に、アクティブ・ラーニング第2回課題(冬休み課題)の日本語訳を提出してもらいました。授業時間に提出できなかった人はMoodleで今日の深夜24時までに提出してくだあい。

そのあと、来年度の青山ゼミ履修予定者に春休みの課題を渡しました。

続いて、予定どおり期末試験を実施しました。正解例と解答へのコメントを近日中にMoodleでお知らせする予定です。

今学期は今週で終わりです。この一年間で読解の力が向上したことを期待しています。
それでは充実した冬学期を過ごしてください。

2017年1月12日

【東南アジアの古典文化基礎】

今週は、先週に引き続いて、配布資料とスライドにもとづいて、ミャンマーの19世紀初頭の写本に描かれた仏伝図を参照しながら、仏伝について検討をしました。

次回は今年度最後の授業になります。東南アジアにおける大乗的仏教物語の最終的な発展段階にあると言ってよい「スタソーマ物語」について検討する予定です。

これまでの配布資料および期末レポートの課題提出についてはTUFS Moodleを見てください。

2017年1月11日

【地域基礎】

今週は、今年最初の授業となりました。

最初に、アクティブラーニング第2回課題「私が選ぶ2016年のインドネシア10大ニュース」に関してのグループワークを行いました。

クラスを3グループに分け、それぞれのグループで各自が作ってきたレポートをもとに、グループごとの10大ニュースのリストを作成し、発表してもらいました。グループ独自のユニークなニュースがある一方で、上位のニュースには共通したものが多く、学生のみなさんがインドネシアについての理解を深めている様子が分かりました。3グループが選んだニュースをもとに、青山が「東京外国語大学の学生が選ぶ2016年のインドネシア10大ニュース」を下にまとめてみました。去年一年間のインドネシアを振り返る参考にしてください。

東外大インドネシア語専攻の学生が選ぶ2016年のインドネシア10大ニュース

  • 1位  ジャカルタでISによる爆弾テロ(1月)
  • 2位  ジャカルタ州知事アホックが「反イスラーム」的発言をしたとして批判される(9月)
  • 3位  スマトラ島アチェでM6.5の地震。100人以上が死亡(12月)
  • 4位  ジョコ・ウィドド大統領が第2次内閣改造を実施。スリ・ムリヤニ世銀専務理事を財務大臣に迎えるなど経済改革推進に意欲(7月)
  • 5位  中国が受注した高速鉄道建設の起工式が実施(1月)
  • 6位  ジャカルタで交通渋滞打開のため「奇数・偶数ナンバー制度」を実施(8月)
  • 7位  違法操業により拿捕した外国漁船を爆破(8月)
  • 8位  3つの火山(スマトラ島のシナブン山、ロンボク島のリンジャニ山、マルク諸島のガマラマ山)が相次いで噴火(8月)
  • 9位  ジャワ島で密造酒を飲んで多数が死亡(2月、5月)
  • 10位  JKT48の仲川遥香が卒業(12月)

グループワークのあと、前回時間が無くてできなかった第12b章「インドネシアの経済―独立後からアジア通貨危機までの経済について」の質疑応答に続いて、第15a章「インドネシアの現代文化について―映画―」と第15b章「インドネシアの現代文化―インドネシアの食文化―」の順に報告をしてもらいました。最後の報告が途中で時間切れになったので、次回はこの続きから始めます。

2017年1月10日

【4年次対象ゼミ】

今週は、新年最初の授業でした。

全員が無事に卒論を提出できてよかったです。ブログに載せるための卒論要旨(600字程度)を月末までに青山まで送るようお願いしました。

このあと、他のゼミの人たちと合同で、インドネシア語専攻による卒業論文・卒業研究集の作成と卒業論文・卒業研究発表会の開催についてどう作業を進めるか打ち合わせを行いました。

青山ゼミとしての授業は今週までです。来週以降は、引き続き作業を進めてもらいます。

2017年1月 5日

【東南アジアの古典文化基礎】

今週は、今年最初の授業でした。

最初に、前回の授業では時間が足らず視聴できなかったジャワ舞踊の映像資料「ブクサン・スリカンディ・スロデワティ」(1990年頃ジョグジャカルタにて撮影、17分)を見ました。これはマハーバーラタの第4巻『ヴィラータ編』に取材したエピソードで、2人の女戦士の戦いを優美に描きます。

続いて、配付資料「ジャータカ」「ブッダの生涯」とスライド「ブッダの生涯」に基づいて、仏教の物語について講義を行いました。仏陀と菩薩、初期仏教~上座仏教と大乗仏教の仏陀観、ジャータカと仏伝の構造とテーマについて説明をおこない、「兎ジャータカ」を例に、インドから東南アジア・東アジアに広がったジャータカについて検討しました。

最後に、アクティブラーニングの課題(冬休みの課題)レポートを提出してもらいました。今日の授業時間内に提出できなかった人は明日1月6日(金)の深夜24時までにMoodleに提出してください。

次回は、仏伝について検討する予定です。

今週の配付資料(スライドを含む)はTUFS Moodleから入手することができます。

2017年1月 2日

【インドネシア語専攻で勉強する人のために】

このブログでは、これまでにも「ウェブページの引用の方法」について説明をしてきました

さらに、その前提となる紙媒体の文献の引用の方法についても説明をしてきました。

このページは、2回にわたっておこなってきた「ウェブページの引用の方法」の完結編にあたります。書き始めから10年かかったのは、とにもかくにも筆者の怠慢のせいですが、ウェブページの引用の方法を私自身が見定めるのにこれだけの時間が必要だったということでもあります。ここでは、日本語のウェブページを例としてウェブサイトにある文献の引用の方法をまとめておくことにします。

まず初めに、引用の基本を振り返っておきます。卒論などの論文では、引用(参照も含みます)という行為は以下の三つが必ずセットになっていなければなりません。これを仮に「引用の三位一体」と呼んでおきます。

  • 本文の中で引用をおこなう(引用)
  • 引用した文献の出典を本文の中で明らかにする(出典表示)
  • 引用された文献の書誌情報を一覧にして示す(参考文献リスト)

これらが揃っていれば、ある文献からの引用が本文中にあった場合、読者は出典表示を見ることで、参考文献リストに挙げられたその文献の書誌情報をすばやく紛れなく知ることができます。原則として、引用された文献と参考文献リストに記載された文献は一対一で対応していなければなりません。言い方を変えれば、引用された文献はすべて参考文献リストに記載されていなければならないし、その逆もまた然り、ということです。

本文中の出典表示は、引用された文献と参考文献リストを結びつけるリンクとして、重要な役割をになっています。このブログでは「著者名・刊行年方式」を推奨しています。

ウェブページからの引用であっても、著者名(あるいは刊行組織名)と刊行年が明示されていれば(あるいは十分に推測可能であれば)、紙媒体の文献と同じやり方で引用することが可能です。以下、代表的な例を示しますので、これらを参考に工夫してください。

例1 ウェブ・ジャーナルに掲載されている記事

『シノドス』というウェブ・ジャーナルの記事。著者名と刊行年が明示されており、紙媒体の文献と同様の扱いが可能な場合。

【例1:本文中の引用と出典表示】

現在のところ、スハルト独裁体制崩壊後に民主化が進展したインドネシアと「アラブの春」以降の中東が歩んだ道のりの違いは顕著であるが、「インドネシアが今あるところに至るまでに独立後70年近くを要している」事実には留意しておく必要がある(青山 2016)。

【例1:参考文献リスト中の記載】

青山 亨. 2016. 「インドネシアのイスラーム社会―ムスリム・アイデンティティと消費社会」. 『シノドス』. http://synodos.jp/international/17467/2,?(2017年1月2日閲覧)

例2 組織のウェブサイトに掲載されているPDFの記事(著者名あり・刊行年なし)

国際交流基金のウェブサイトに掲載されているPDFの記事。著者名のみで刊行年は明示されておらず、刊行組織が明らかな場合。n.d.はno date(「刊行年不明」)の略。PDFのURLを記載。

【例2:本文中の引用と出典表示】

1997年に日本で初演されたアジア6か国共同制作の舞台劇「リア」にはインドネシアのガムラン音楽も使われている(畠由紀 n.d.)。

【例2:参考文献リスト中の記載】

畠由紀. n.d. 「ノウハウシリーズ:演劇の国際共同制作6ヵ国の「リア」」. 国際交流基金ウェブサイト. https://www.jpf.go.jp/j/about/survey/knowhow/pdf/know31.pdf,(2017年1月2日閲覧)

例3 組織のウェブサイトに掲載されているPDFの報告書(著者名なし・刊行年あり)

外務省のウェブサイトに掲載されているPDFの報告書。著者名は明示されていないが、刊行年は報告書の中に表示されている場合。著者名の代わりに報告書作成主体の組織名を使用。PDFのURLを記載。

【例3:本文中の引用と出典表示】

日本政府はインドネシアについて「民主主義や人権、市場経済といった基本的な価値観を我が国と共有し、かつ幅広い国民レベルでの長い友好関係を有する戦略的パートナーである」と位置付けている(外務省 2012)。

【例3:参考文献リスト中の記載】

外務省. 2012. 「対インドネシア共和国 国別援助方針」. 外務省ウェブサイト.?http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000072224.pdf,?(2017年1月2日閲覧)

例4 組織のウェブサイトに掲載されたウェブページ(著者名なし・刊行年なし)

国際交流基金のウェブサイトに掲載されているウェブページ。著者名・刊行年ともに明示されていない場合。著者名の代わりに組織名を使用。

【例4:本文中の引用と出典表示】

国際交流基金では1995年に「アジアのモダニズム―その多様な展開:インドネシア、フィリピン、タイ」と題した展覧会を開催した(国際交流基金 n.d.)。

【例4:参考文献リスト中の記載】

国際交流基金. n.d. 「過去40年の活動から時代の顔やざわめきがよみがえる」. 国際交流基金ウェブサイト. https://www.jpf.go.jp/j/about/outline/about_05.html, (2017年1月2日閲覧)

例5 著者名・刊行年方式の代わりに注を使う場合

上記のように、ウェブページの文献でも著者名・刊行年方式で出典表示が可能な場合にはできるだけ工夫してそのようにします。もしそれでうまくいかない場合には、注番号を付けて注の中で文献の出典を記載することも可能です。この場合でも、参考文献リストに文献を記載しておく必要があります。

【例5:本文中の引用と注番号】

国際交流基金では1995年に「アジアのモダニズム―その多様な展開:インドネシア、フィリピン、タイ」と題した展覧会を開催した1

【例5:注の記載】

1?国際交流基金ウェブサイトの 「過去40年の活動から時代の顔やざわめきがよみがえる」(https://www.jpf.go.jp/j/about/outline/about_05.html)を参照。

【例5:参考文献リスト中の記載】

国際交流基金. 「過去40年の活動から時代の顔やざわめきがよみがえる」. 国際交流基金ウェブサイト. https://www.jpf.go.jp/j/about/outline/about_05.html, (2017年1月2日閲覧)

なお、論文の中でウェブページの文献を引用している場合には、参考文献リスト自体を、紙媒体の文献をまとめた「参考文献一覧」とウェブページの文献をまとめた「参考URL一覧」の二つに分けることを検討してください。参考URL一覧の配列は見出し語(著者名・組織名・ウェブサイト名など)の五十音順にし、刊行年の記載は不要です(例5はこの方式の例です)。

最後に、ウェブページの文献を含むオンライン上の情報を参考文献として取り扱うにあたっては、科学技術系寄りの内容ですが、科学技術振興機構のSIST(科学技術情報流通技術基準)のサイトが提供している「SIST 02 参照文献の書き方」(PDF)がもっとも包括的であるようです。これの要点をまとめた簡潔な手引きとして「参考文献の役割と書き方」(PDF)があります。このブログ記事を書くための資料を探しているなかで見つけたので、参考にさせてもらいました。

2017年1月 1日

【一般】

インドネシア共和国の祝日には宗教関連の祝日が多く、そのほとんどが毎年日にちを変えます。そこで、参考のために、2017年のインドネシア共和国の祝日を掲載しました。作成にあたってはインドネシア政府が4月13日付けで発表した公式文書(2017年国民の祝日ならびに政令指定休日に関する三大臣合同決定案)を参照しました。この文書はドラフト(案)となっていますが、翌4月14日に三大臣が署名し、この内容どおり確定しました。(更新2016-05-24)

2016年6月1日に出された大統領令2016年第24号で6月1日が「パンチャシラ誕生の日」(Hari Lahir Pancasila)として国民の祝日に定められました。これを受けて新たに三大臣合同決定が11月21日に出され、先に定められた2017年の国民の祝日に「パンチャシラ誕生の日」が追加されました。あわせて政令指定休日にも変更が生じています。これらの変更を反映させたものが以下の祝日一覧です。(改定2017-05-18)

1月1日 (日) 西暦新年
1月2日 (月) *
1月28日 (土) イムレック(孔子暦2568年新年)
3月28日 (火) ニュピ(サカ暦1939年新年)
4月14日 (金) 聖金曜日(キリスト受難日)
4月24日 (月) イスラ・ミラジュ(ムハンマド昇天祭)
5月1日 (月) 国際労働者の日
5月11日 (木) ワイサック(仏教大祭:仏陀の生誕、成道、入滅.仏暦2561年)
5月25日 (木) キリスト昇天祭
5月27日 (土) 《ラマダン(断食月)の始まり》
6月1日 (木) パンチャシラ誕生の日
6月25日 (日) イドル・フィトリ(断食明け大祭)
6月26日 (月) イドル・フィトリ(断食明け大祭)
6月27日 (火) *
6月28日 (水) *
6月29日 (木) *
6月30日 (金) *
8月17日 (木) インドネシア共和国独立記念日
9月1日 (金) イドル・アドハ(犠牲祭)
9月21日 (木) イスラム暦1439年新年
12月1日 (金) マウリッド(ムハンマド生誕祭)
12月25日 (月) クリスマス(キリスト生誕祭)
12月26日 (火) *

上記の日付のうち、名称のある日が祝日で、公休日となります。*印のある日は、祝日とは別に、連休とするために政府によって祝日の前後に設けられた政令指定休日(cuti bersama)です。なお、改定前の政令指定休日は6月23日、6月27日、6月28日、12月26日の4日間でした。

注1)断食月の始まりは祝日ではありませんが、参考のために示しておきました。

注2)断食明け大祭は2日間あります。ジャワ語のルバランという名称でも知られています。

注3)伝統的なイスラームの考え方ではイスラーム暦の月の始まりは新月の観察に基づくことになっているため、断食明け大祭の儀礼が実施される日は地域や主催組織によってずれることがあります。

注4)上記の国民の祝日とは別に、2月10日に出された大統領令2017年第3号により、州知事・県知事・市長選挙の投票日となった2月15日は国民の休日と定められています。これは、三大臣合同決定にもとづく国民の祝日は別のものとされているので、この表には含めていません。

昨年までは6月下旬に翌年の祝日が発表されてきました。4月の時点で祝日が発表されたのは初めてのことと思われますが、政府として外資系企業の誘致に力をいれているところなので、早めに休日を決めておく必要が生じているのかもしれません。(2016-05-24記)

6月1日付けの大統領令によって「パンチャシラ誕生の日」が新しい国民の祝日として2017年から祝われることになりました。パンチャシラ(Pancasila)はインドネシア共和国の国家五原則のことで、憲法前文に記載されています。「パンチャシラ誕生の日」は1945年6月1日に独立準備調査委員会第1回会合においてスカルノがパンチャシラの構想を発表したことを記念する日です。これまでも記念日でしたが、今回の大統領令によって国民の祝日に昇格したことになります。多くの宗教的祝日があるなかで、ナショナルな祝日を制定したところに、ジョコ・ウィドド大統領の国民統合の意図を読み取ることができるように感じます。(2017-05-18追記)

          

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