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引用するときの出典表示の方法

【インドネシア語専攻で勉強する人のために】

【初めにお読みください】このエントリーはもともと「卒論の本文の中で参照する方法」というタイトルでしたが、大幅に書き換え、「引用するときの出典表示の方法」というタイトルに改めました。(更新 2018-01-07)

引用の方法参考文献一覧の書き方は別のところで説明をしています。本文中の引用と論文末尾の参考文献一覧は対(つい)になっています。と言うよりは、論文の執筆のあたっては、本文中で他の文献を引用することがまず前提としてあり、それを補助する手段として参考文献一覧が存在すると言った方がよいでしょう。

参考文献を引用した場合、どの文献を典拠にしたのか、どの文献のどの部分を典拠にしたかを本文中で示す必要があります。このブログではその方法を「出典表示」と呼ぶことにします。

出典表示にはいくつかの方法がありますが、このエントリーでは、代表的な方法である著者名と刊行年を使った方法(英語ではAuthor-Date Styleと呼ぶ場合があります)を示しておきます。

この方法を用いる場合には、必ず論文末尾に参考文献一覧を載せておかなければなりません。つまり、引用という作業には、本文中での引用出典表示、論文末尾の参考文献一覧の3つがセットになるということです。これを引用の三位一体と名付けておくことにします。

たとえば、本文中で以下の(架空の)本の文章を典拠としたとしましょう。当然、この文献は参考文献一覧の中にはいっていなくてはなりません。

山田太郎. 1997. 『インドネシアにおけるイスラーム』白波書店.

本文の中でこの文献を引用した場合、以下のような方法で出典表示をおこなうことができます。【例1】【例3】【例4】では著者者の名前が本文の中に使われていますが、【例2】では本文中では使われておらず、あくまでも定説について述べている文献の一つという位置づけになっています。適当な方法を使い分けて使用してください。

【例1】山田(1997: 20-23)によると、20世紀初頭のインドネシアにおけるイスラーム近代主義には二つの潮流があったという。

【例2】20世紀初頭のインドネシアにおけるイスラーム近代主義には二つの潮流があったとされている(山田 1997: 20-23)。

【例3】20世紀初頭のインドネシアにおけるイスラーム近代主義について分析したものとしては山田(1997)などがある。

【例4】本節では、山田(1997)の研究を参考に、20世紀初頭のインドネシアにおけるイスラーム近代主義について概観してみたい。

出典表示は丸括弧でくくります。出典表示をおこなう位置は、【例1】【例3】【例4】のように本文中の著者名の直後か、【例2】のように本文の句読点の直前にするのが原則です。

参考にした文献全体を典拠とする場合は、【例3】【例4】のように(著者名+スペース+刊行年)とします。

(山田 1997)

文献の特定部分を典拠とする場合は、【例1】【例2】のように(著者名+刊行年+コロン+スペース+ページ数)とします。ページが複数の場合はハイフンでつなぎます。また、同じ本の複数の部分を典拠とする場合は、コンマで区切ります。

(山田 1997: 20-23)

(山田 1997: 20-23, 56-78)

著者名は原則として名字のみを表示します。ただし、同じ名字の著者が複数いる場合は個人名(下の名)まで付けて区別してください。

(山田太郎 1997: 20-23)

英数字およびコロン、ハイフン、コンマ、スペースは半角を用いてください。著者名と刊行年の間、コロンとコンマの後ろにはスペースを入れてください。

最後になりますが、AからBまでといった区間や範囲を表すときには、本来はハイフンではなくenダッシュ(-, Unicode U+2013)を用います。enダッシュというのは、長いダッシュ(いわゆるダッシュ)であるemダッシュ(--, Unicode U+2014)と区別される短いダッシュのことで、英語の論文では区別して使われています。ただ、ハイフンと見かけはほとんど変わらないので、日本語の論文ではハイフン(-, Unicode U+002D)で代用してもかまわないとかもしれません。

          

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