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2012年10月31日

【リレー講義】

10月31日水曜日4限に、リレー講義である総合科目「民族と民族問題の諸相」の一部としてインドネシアについての講義を担当しました。第1回の今週は195人の受講生がいました。このあと11月7日と11月14日の2回講義をおこないます。

昨年度と同様に、全3回のなかで、東南アジアの多民族国家としてのインドネシアを紹介し、第1週では国民国家インドネシアにおける多民族の共存を、第2週では国民国家インドネシアに対抗する民族、あるいは国家のなかで対立する民族を、第3週では国民国家インドネシアにおける外来少数民族である華人の位置をとりあげます。

■2012年度 民族と民族問題の諸相
第1回 2012年10月31日 インドネシアにおける多民族の共存 (今週)
第2回 2011年11月07日 国民国家インドネシアに対抗する民族
第3回 2011年11月14日 インドネシアにおける外来少数民族

昨年度までおこなった講義の内容は2011年11月9日の記録2010年11月10日の記録を参照してください。

■今週の配付資料 民族と民族問題の諸相:インドネシア第1回
ファイルのダウンロード (1.2MB, PDF)
(開くためにはパスワードが必要です。パスワードは授業時にお知らせします。)

授業後に提出してもらったレスポンスシートに、多くの受講生が授業で見た映像資料『南の国のデパートガール』についてコメントや質問を書いてくれました。そのうちのいくつかを紹介し、説明をつけておきました。(「続きを読む」をクリックしてください)


ムスリムは1日に5回お祈りをしますが、仕事の妨げにならないのでしょうか?

映像資料では、ユスニさんが仕事中にお祈りのために職場を離れる場面がありました。毎日このように仕事を中断することは、たしかに非効率なように見えるかもしれません。しかし、インドネシアのようにイスラームが多数派の社会では、イスラームの信仰が生活の中心にありますから、非効率だからやめようという議論にはなりません。欧米では今でも多くの店がキリスト教の休息日である日曜日には閉店していることも比較の参考になるでしょう。


店員がブルカをしないで髪の毛を出していることに驚きました。

クルアーンには大事なところは慎み深く隠すようにと指示されているだけなので、実際に何をどうするかについては、地域の伝統や流行に従っている部分とムスリム個人の判断に任されている部分があります。インドネシアでも半数の女性がヴェールを着けていますが、着用しない女性も少なくありません。現在のところ都市部の店員は着用しないのが一般的です。なおムスリム女性のヴェールの呼び方ですが、インドネシアではブルカという言葉は使わないで、ジルバブと呼ぶことが一般的です。


デパートの店員さんたちの朝礼が日本の様子と似ていました。

たしかに似ていますね。インドネシアには以前から日本のデパートが進出しているので、映像資料で紹介されたような高級デパートは日本流の店員教育の方法を学んでいると考えてよいでしょう。


ジャカルタのデパートの大きさに驚きました。ジャカルタ以外にはショッピング・モールがないとのことでしたが、他に大都市はないのでしょうか?

インドネシアに限らず東南アジアの多くの国では首都(または首都に対応する都市)への人口一極集中が進んでいます。しかも、大都市には購買力のある富裕層や中間層が多いので大きなショッピングモールが出現することになります。ただし、最近ではインドネシアの経済成長にともないジャカルタ以外の地方都市にもショッピング・モールが建設されるようになっています。


ジャカルタ市内の交通渋滞の光景に驚きました。車がこんなに多いのでしょうか?

中間層の多いジャカルタでは乗用車を所有する人が年々増加しているのにかからず、地下鉄のような公共交通機関が整備されていないうえに、道路の整備が追い付いていないため、ジャカルタの交通渋滞は現在でも大きな問題です。

しかし、このような大規模な渋滞はジャカルタに特有の問題と言えます。2010年の乗用車の保有台数を比べてみると、日本は2.2人につき1台なのに対してインドネシアは22.2人につき1台です。ちなみにタイは14.7人につき1台ですから、インドネシア全体の乗用車の保有台数は東南アジアのなかでもまだ少ないことがわかります。(出典:日本自動車工業会


北スマトラからジャカルタまでバスで3日もかかったという話しに驚きました。陸運がこんな状態では流通はどうなっているのでしょうか?

私も同じルートを3日間バスに乗った経験があるので共感しながら聞いていました。まず、インドネシアは1万7000の島々からなる、東西5000キロ以上ある広大な国であるという前提をおさえておく必要があります。どこに行くにも時間と手間がかかります。

その上での話しですが、島内の主要都市を結ぶ幹線道路の整備が遅れていることが大きな問題です。ジャワ島ではジャカルタを中心に高速道路が整備されてきましたが、それ以外の島では高速道路はもとより一般道路の整備もまだ不十分です。雨季になると土砂崩れなどで通行止めになる道路も少なくありません。道路などのインフラの整備は、流通の発展を図るうえでも、重要な課題となっています。

ただし、近年は国内の格安航空線(LCC)が普及し始めたので、人の移動については大幅に改善されています。


電話や洗濯機がないことに気付きました。

講義の中では説明したことですが、この映像資料が作られた1995年頃は、一般家庭への固定電話の普及はまだ進んでおらず、携帯電話の方はようやく導入が始まったばかりでした。現在、固定電話の普及は相変わらず進んでいませんが、携帯電話は爆発的に全国に普及し、ほとんどの人が所有して使っています。古い技術が定着する前に新しい技術が拡大するという興味深い事例です。

一方、洗濯機の普及率は2004年の時点でわずか4%です。これは、人件費が安いので洗濯は人に頼んで済ませられるからです。しかし、2010年にインドネシアの1人あたりGDPは(年間所得と考えて大丈夫です)、急速に消費が拡大するラインと言われている3000ドルを越えました。今後、洗濯機などの白物家電の急速な販売拡大が予想されています。(出典:中小企業国際化支援レポート


食べ物を右手で食べていることが印象に残りました。

映像資料ではミハルスさんが右手で食べ物をつまんで食べている場面がありました。これを見てミハルスさんをヒンドゥー教徒だと思った人がいたようですが、右手で食事をするのはインド人だけではありません。右手を「浄」、左手を「不浄」と考える見方はインドに由来しているかもしれませんが、東南アジアでは宗教に関係なく普通の伝統的な食べ方です。仏教徒のタイ人もムスリムのインドネシアでも同じように右手を使って食事をします。むろん、ヨーロッパ人が到来してからはスプーン、ナイフ、フォークももたらされました。面白いことに、東南アジアでは右手にスプーン、左手にフォークを持って食事をするのが一般的です。


お金の価値はどのくらいなのでしょうか?

従業員食堂の昼食2,000ルピアが90円と説明されていたので、安いという印象を受ける人が多かったと思います。経済成長にともなってインドネシアの物価は上昇していますが、その一方で円に対するインドネシア・ルピアの価値は下がっています。したがって、日本人から見るとインドネシアの物価は安く感じられます。現在であれば90円は約10,000ルピアですが、これだけ出せば十分な食事ができます。10,000ルピアは2,000ルピアの5倍の価格上昇ですが、日本円に換算すると1995年とほとんど変わっていないことになります。


自分がどの民族に属しているのかという意識が自分の意志で変えられるものなのでしょうか?

映像資料ではヘスティさんが、自分の両親はジャワ人だけどと自分はスンダ生まれでスンダ人だと思っているという場面がありました。ヘスティさんの場合は親の民族意識と子どもの民族意識が異なっている例です。このように移住の結果、世代の間で異なった民族意識を持つことはけっしてまれなことではないと思います。個人の民族意識がその個人の生涯のうちに変わることも、世代間での変化に比べると少ないかもしれませんが、あり得ないことではありません。民族意識は自分という個人と集団との関係性に依拠しますから、不変なものだと考えない方がよいと思います。


それぞれの民族が自分の領域に住み分けしている状況では相互の理解が弱くなるのではないでしょうか?

講義では、バタック人が北スマトラに集住しているような状態を取り上げ、このような民族の住み分けが可能であるという意識が民族間の激しい対立を防いでいるのではないかと指摘しました。しかし一方では、それぞれの民族が分断されて互いに理解しあえないような状況になる危険性もあると言えます。インドネシアの場合は、国民統合の政策が進められた結果、インドネシアという共通言語が普及したことやインドネシア人であるという意識が定着したことで、このような危険を回避してきたと言えると思います。


さまざまな言語を母語とする人がいるインドネシアでインドネシア語はどのように習得されるのでしょうか?

講義でも説明をしましたが、小学校からはインドネシア語教育がありますし、すべての科目の授業はインドネシア語で行われます。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのメディアや書籍も基本的にインドネシア語です。当然のことながら教科書もインドネシア語で書かれています。したがって、インドネシアではどの地域に行っても、高齢者を除けば、ほぼ誰でも小学校レベル以上のインドネシア語の運用能力があると言ってよいと思います。


インドネシアでは宗教の異なる多民族が平和に共存(少なくとも今日の映像資料では)であることに感銘を受けました。中東がインドネシアから学ぶことはないのでしょうか?

たしかに中東のムスリムがインドネシアのイスラームのあり方から学べることは多いと思います。これまでインドネシア人を含めて世界のムスリムの間には、中東のイスラームが「本場」のイスラームであるという意識が強かったことは事実です。インドネシアのムスリム知識人の書籍が中東に紹介されることは珍しかったですし、インドネシア人のムスリム知識人の側でインドネシアのイスラームのあり方を理論的に整理して外国のムスリムに伝えようとする努力が足りなかったことも事実です。ただ、インドネシアやマレーシアの経済成長が続くと、将来的には中東に向けて発信するインドネシア人ムスリムが出てくる可能性はあると思います。


インドネシアには精霊信仰はないのでしょうか?

インドネシアにも地域によって様々な形態の精霊信仰があります。イスラームの信仰が強い地域では迷信として排除される傾向にありますが、土着的な信仰に寛容なジャワなどでは海の女神ニャイ・ロロ・キドゥルへの信仰などが今でも残っています。詳しいことは別のリレー講義で話しています。

【地域基礎】

今週は、3人の方に報告をしてもらいました。

第4章 日本軍政期~独立戦争期のインドネシア
第5章 スカルノ政権下のインドネシア
第6章 スハルト政権下のインドネシア

前回の報告で宿題となっていた質問にも答えてもらいました。

次回は、第5章で出された質問の一つが宿題になっているので、答えてもらいます。続いて、今週は時間不足でできなかった第6章の質疑応答をしたあと、第7章~第9章の報告をしてもらいます。

2012年10月29日

【3年次対象ゼミ】

今週はACさんによる伊藤ふさ美・小笠原小枝『ジャワ更紗:いまに生きる伝統』(小学館、1999)のレジュメを報告してもらいました。

バティックというテーマは広いですから(たとえば、民衆芸術としてのバティック、商品としてのバティック、文化表象としてのバティックなどが考えられます)、卒論ではどのような意味でのバティックを扱うのかを絞り込んだ上で、バティックについての何を明らかにするかを決めることが大切です。

運の良いことに、11月2日(金)と3日(土)には国士舘大学でインドネシア服飾博物館コレクション展及びジャワ舞踊と講演会が開催されます。ぜひ訪問してください。何か得るところがあると思います。

次回はMMさんに『ノーマネー、ノーハニー』のレジュメを報告してもらいます。

【インドネシア語読解】

今週は、p.12の第4パラグラフの終わりまで進みました(...menhadapi ancaman dari luar.)。ハーレム山崎、パワー丼で、あつみん☆に担当してもらいました。

次回は第5パラグラフから進みます。できる限り第1章の終わりまで進む予定なので、予習をしておいてください。

【ブログについて】

今月にはいって、映像資料を見せるために授業で使用しているDVD-Rが再生時にエラーを起こすという事例を2回経験した。1回めでは、再生中にある場面に来るとブロックノイズが発生し、やがて映像がまったく再生されなくなった。2回めでは、再生中にある場面に来ると映像が断続的にとぎれる状態がしばらく続いたのち、正常に戻った。

いずれも異なったDVD-Rであるが、1回めの事例はTDKの製品、2回めの事例は太陽誘電の製品である。いずれも国産品で、4、5年前に焼いている。毎年、数回授業で使用しているが、前回まではまったく問題がなかったから、この1年間で問題が発生し始めたということである。

DVD-Rについては漠然と10年以上は大丈夫という思いこみがあった(事実、かつては半永久的に持つと言うような広告があった)ので、驚いて調べると、すでに2008年にDVD-Rの経年劣化についての警告が出ていたことがわかった。

2008年2月9日付けの朝日新聞に「DVDディスク、寿命に格差 数年から「永遠」まで」という記事が掲載されている。これは一般財団法人デジタルコンテンツ協会の『高信頼(長寿命・高セキュリティ)光ディスク媒体の活用システムの開発に関するフィージビリティスタディ報告書』に基づいた報道である。

A Successful Failureのブログ記事「国産品でも10年前のDVD-Rはそろそろ読めなくなる。」に簡潔なまとめが出ている。これによると、国産DVD-Rでも推定寿命が100年のものから10年のものまであること、DVD-R<DVD-RW<DVD-RAMの順番で寿命が長いことがわかる。寿命を短くする要因としては高温度と高湿気が挙げられており、とくに湿気対策が有効なようである。

ともかくDVD-Rの寿命が短くて10年ということであれば、早急に真剣に対策を講じる必要がある。本学では、VHS再生装置の代替ができなくなったことを受けて、視聴覚資料のVHSテープからDVDへのメディア変換を推進しているが、これは一時的な対策に過ぎないということになる。

以下は、中長期的な展望である。

視聴覚資料の保管にあたっては、理想的には、複数メディアに定期的にバックアップを繰り返すことが望ましいのであろう。ただ、デジタルコンテンツの場合にはCPRMなどのコピー防止の仕組みが存在するから、簡単にバックアップできるという訳ではない。また、どんなに長期保存できるメディアであっても、教材という観点から見て、簡便に再生できないのであれば、利用に困ることになる。

一つの解決案は、視聴覚教材はすべてクラウドにあげておき、そこから必要に応じて端末に下ろして再生する、というものである。3Gや4Gの端末であれば、Wi-Fi環境になくても再生が可能であるから、かなり現実的な解決策であるかもしれない。

2012年10月28日

【一般】

今年2012年の10月は映画祭や一般劇場でインドネシア映画が多数公開されます。以下、簡単に紹介をしておきます。

第25回東京国際映画祭(2012年10月20日~28日、六本木ヒルズ他)
「アジアの風-インドネシア・エクスプレス~3人のシネアスト」特集で以下の6作品を上映します。
スギヤ(Soegija) ガリン・ヌグロホ監督 東京外国語大学の学生もエキストラで登場(のはず)。
目隠し(英題The Blindfold/原題Mata Tertutup)ガリン・ヌグロホ監督
動物園からのポストカード(英題Postcards from the Zoo/原題Kebun Binatang)エドウィン監督
空を飛びたい盲目のブタ(英題Blind Pig Who Wants to Fly/原題Babi Buta Yang Ingin Terbang)エドウィン監督
虹の兵士たち(英題The Rainbow Troops/原題Laskar Pelangi)リリ・リザ監督 インドネシアでも大ヒット作です。
夢追いかけて(英題The Dreamer/原題Sang Pemimpi)リリ・リザ監督 『虹の兵士たち』の続編です。

一般劇場公開(10月27日から全国一部劇場にて)
・ザ・レイド(英題The Raid: Redemption/原題Serbuan maut「死の突撃」)Gareth Evans監督(101分、2011年)シラットが炸裂するアクション映画。日本語公式サイトがあります。

2012年10月26日

【出前授業・模擬授業】

今日は東京都立新宿高等学校で2年生約40名を対象に出前授業をおこないました。

日時:2012年10月26日(金)14:05-15:25(80分、質疑応答を含む)
場所:東京都立新宿高等学校
題目:多民族国家に生きる:世界最大のイスラーム教国インドネシア ― 738の言語と6の宗教の共存―

2012年10月25日

【4年次対象ゼミ】

今週はMY、SMK、SMSの3人に卒論指導をおこないました。MYさんは日本のODAの概要説明の草案を準備してきたので、表現の仕方や引用の仕方を指導しました。SMKさんは母子手帳導入の前後での乳幼児および妊産婦の死亡率の変化を調べるので、分析の枠組みについて議論をしました。また、卒論全体の構成を作ってくるように指導しました。SMSさんは中国のエネルギー政策と安全保障というテーマで論文を書くことを決めたので、関連する文献の探し方を助言しました。

【東南アジア古典文化論】

今週は、最初にテクストと物語の関係について前回の続きを説明しました。

続いて、ラーマーヤナの登場人物たちの相関図をホワイトボードに書いてもらい、教室でその内容を共有したあと、スライドと配付資料でプランバナン寺院の浮彫を紹介しながら、ラーマーヤナのあらすじを辿りました。

今週はシーターが森の中の庵に1人で残ることになった場面まで進みました。次回はこの続きから進みます。浮彫についての詳しい説明は配付資料を参考にしてください。

■今週の配付資料(PDF)
プランバナン寺院シヴァ堂のラーマーヤナ浮彫 (PDF, 427KB)

2012年10月24日

【地域基礎】

今週は青山が出張のため、院生の補佐のもと、前回、障害があって最後まで見ることができなかった映像資料『幻の国策映画 日本軍占領下のジャワ』を見てもらい、グループワークをおこないました。残念ながらオリジナルの映像に劣化があったようで、中間の10分位は見ることができなかったようですが、最後まで見ることはできました。

残った時間では、NHKほっと@アジア「女性警察官だけの交番」(NHK BS1, 2011-12-06, 7分)を見てもらいました。日本の援助で作られた交番制度ですが、インドネシア側の発案で女性だけの交番がブカシに設立され、地域で好評という話しです。

外務省のウェブサイトに関連記事「信頼される市民警察を目指して~インドネシアの女性交番~」が載っています。みなさんはどういうメッセージをこの話しに見出しますか?

次回は、予定通り、夏休みの課題レポートの第4章~第6章の発表をしてもらいます。

【一般】

2012年10月24日に神奈川けんみんセンターで開催される神奈川県高等学校教科研究会社会科部会秋季大会にお招きいただき、「仏教の展開から見た古代東南アジア―5世紀~9世紀」のタイトルで講演をおこないました。古代東南アジアでの仏教の動きがダイナミックなものであったこと、東南アジアを視点にいれることで仏教の展開にも新たな見通しがつくことをポイントとして話しました。活発な質疑をいただき、私も勉強になりました。ありがとうございます。

神奈川県高等学校教科研究会社会科部会秋季研究大会
講演会
講師:青山 亨
演題:仏教の展開から見た古代東南アジア―5世紀~9世紀
日時:2012年10月24日(水)14:00~16:30(質疑応答を含む)
会場:かながわ県民センター

2012年10月22日

【3年次対象ゼミ】

今週はKSさんによる西野節男編『東南アジア・マレー世界のイスラーム教育―マレーシアとインドネシアの比較―』(東洋大学アジア文化研究所・アジア地域研究センター、2010年)のレジュメを報告してもらいました。

次回はACさんのレジュメを報告してもらいます。

『ノーマネー・ノーハネー』のテキストを配付しました。再来週の報告以降、全員でで読みますからしっかりと読んでおいてください。

【インドネシア語読解】

今週は教室での今学期最初の授業です。まず、1学期期末試験の答案と夏休み課題レポートを返却しました。

次に、5グループに分けてグループ毎に集まってもらい、まずグループ名を決めてもらいました。決まった名称は次のとおりです。
1. みかまはたはね
2. オレンジアリス
3. あつみん☆
4. パワー丼で
5. ハーレム山崎

夏休み課題の中から誤答の多かった部分を抽出したものを配付し、グループ毎に検討し、発表してもらいました。

最後に、2学期読解テクストであるAjip RosidiのOrang dan Bambu Jepangの第1章の第1パラグラフをグループ毎に検討し、訳してもらいました。

次回は、第2パラグラフから進みます。しっかりと予習をしてきてください。

2012年10月18日

【4年次対象ゼミ】

今週はMYさんとSAさんの卒論指導をおこないました。MYさんには、日本のODAによるインドネシアのインフラ整備の一分野として鉄道建設について報告してもらいました。SAさんはジョグジャカルタとデポックでおこなったファンクラブのオフ会での調査の報告をしてもらいました。二人には適宜、進捗状況の報告をしてもらうよう指示しました。

【東南アジア古典文化論】

今週は、配付資料とスライドを使ってインド的「歴史」観について講義をしました。宇宙が存在する時間は、クリタ・ユガ、トレーター・ユガ、ドヴァーパラ・ユガ、カリ・ユガという4つの時代に分かれており、時代が下るごとにダルマが減少し、秩序が乱れること、それぞれの時代にヴィシュヌ神がアヴァターラ(化身・転生)として地上に出現し、ダルマを回復することが大事なポイントです。

そのあと、スライドと配付資料を使って、テクスト、物語(ストーリー)、ナラティヴの関係についての説明をおこないました。今週は途中で終わったので、来週、続きをします。

「ASEAN諸国の国旗の意味」のレポートを返却しました。解答例も配付したので参考にしてください。国旗の意味として宗教に言及しているレポートには得点を与えています。

「ラーマーヤナの主要登場人物とあらすじ」を配付しました。宿題があります。この資料を参考にして、来週までにラーマーヤナの登場人物の関係図を作ってきてください。ラーマの親族、ラーマの味方、ラーヴァナの親族に分けてから関係図を作ってください。来週の授業時間に代表の人にホワイトボードに記入してもらますから、他の人に説明できるように準備してきてください。

■今週の配付資料(PDF)
インド的歴史観
テクストと物語
ラーマーヤナの主要登場人物とあらすじ

【出前授業・模擬授業】

今日はキャンパス見学に来られた西武学園文理高校の2年生のみなさんに模擬授業をおこないました。

時間:11:20-12:50(90分)
場所:研究講義棟100教室
題目:東南アジアのイスラーム

講義のあとで、受講生にアンケートを出してもらいました。多くの方に世界史の授業の延長としてテーマに興味をもってもらえたようです。イスラームに対してもっていた偏見が変わったという答えもあり、このテーマを選んだ意味があったと感じました。また、講義内容のうち、後半の情報量が多すぎたという意見もあったので、もう少し整理して改善してみたいと思います。

アンケートの中でいくつか質問をいただいているので、以下、簡単にお答えしたいと思います。



【質問1】
イスラームでは利子が禁じられているということですが、イスラームでは金融はどのようにして成り立っているのですか?

【回答1】
授業では簡単にしか触れられませんでしたが、同様の質問は複数の方からいただいており、関心をひく話題だったようです。

イスラームでは、自ら汗を流して働くことなく得た利益(「不労所得」と言います)を良くないものとみなしています。利子を取ることは、例えば1万円を人に貸し、3%の利子を取って1万300円を返してもらうとすると、自らの労働なくして300円の利益を得ているわけですから、イスラームの教えに反すると考えられているのです。

なお、このような不労所得を忌避する考えはイスラーム特有のものではなく、かつてはキリスト教でも一般的であった考えです。金貸しが悪者扱いされている『ベニスの商人』を想起してください。

一方、例えば原価1万円で仕入れた商品を1万300円で売って300円の利益を得ることは認められています。これは商業活動という労働に当たるからです。

そこで、イスラーム金融では次のような仕組みが考えだされています(説明のため話は簡略化しています)。

Aさんが自動車販売店のBさんから100万円の値段がついた自動車を買おうとしているとします。Aさんの手元には100万円の現金はありませんが、給料から毎月10万円ずつ支払うことはできるとしましょう。

日本でしたら、Aさんは銀行から100万円を借り、そのお金をBさんに支払って自動車を購入し、銀行には借りたお金を返すことになります。ただし、銀行には利子を付けて返済しなければなりませんから、利子が3%だとすると、毎月10万3000円を10か月かけて返済することになります。結局、銀行には103万円支払うことになります。これが日本のローンの基本的な仕組みです。

一方、イスラーム金融では次のようになります。

まず、銀行がBさんに100万円を支払って自動車を買い取ります。次に、その自動車を103万円でAさんに売ります。このとき銀行はAさんに分割払いで支払うことを認めます。Aさんは毎月10万3000円を10か月かけて銀行に支払って支払いを完了します。

どうでしょうか。このような仕組みがあれば、結果的には、日本のローンと同じことが利子が無しで実行できることになります。

むろん、以上の説明はイスラーム金融の基本を単純化したもので、実際の仕組みはもっと複雑なものになります。関心のある人は、まずは次に紹介する本を読んでみるとよいでしょう。

・小杉泰・長岡慎介『イスラーム銀行―金融と国際経済』(イスラームを知る12)山川出版社,2010.



【質問2】
警察官が集団礼拝に参加している写真を見せてもらいましたが、お祈りの最中に緊急の出動命令が出たらどうなるのでしょうか?また、子どもも礼拝をするのでしょうか?

【回答2】
イスラームではイスラーム法(シャリーア)が日常生活を規定しています。このことから、ムスリムの日常生活は戒律でがんじがらめになっているといった印象を持つ人が多いようです。

しかし、授業でも説明しましたが、イスラームの決まりごとは、人々の日常生活を妨げてまで行うべきことではなく、実際にはきわめて柔軟に運用されています。妊婦や乳幼児の断食が免除されていることは、分かりやすい例でしょう。

ですから、お祈りの最中に出動命令が出た場合、警察官は当然職務を優先します。また、子どもについても、親は子どもの成長を見ながら少しずつ慣れさせていきます。



【質問3】
イスラームが人々をひきつける理由をもっと詳しく知りたいです。

【回答3】
これは大変に難しい質問です。ここでは、ムハンマドが活動した7世紀の中東地域に限って、私見を述べておきます。

当時の中東では、様々な多神教を信仰するグループやユダヤ教やキリスト教のような一神教を信仰するグループが混在していました。

このような中で、一神教は信仰の体系がシンプルであり、ムハンマドのようなカリスマ的な指導者のもとでは、多神教の信者に対して説得力があったと思われます。

一方、7世紀の時点で他の一神教と比較した場合、イスラームの教えは、ユダヤ教に比べて戒律が簡略化されている点、キリスト教に比べて教理が合理化されている点(「処女懐胎」、「イエスの復活」、「三位一体」といった《超自然的な》要素はイスラームにはほとんどありません)で優位性があったように思われます。

別の質問の回答でも触れましたが、宗教的要因以外にも政治的・経済的・文化的な要因がありえると思います。皆さんも考えてみてください。



【質問4】
キリスト教とイスラームはどうして対立しているのでしょうか?

【回答4】
同様の質問を複数の方からいただきました。この問題は大変に複雑なので、ここでは二つのポイントに絞って考えてみたいと思います。

宗教という観点からみると、キリスト教とイスラームは、いずれもユダヤ教に起源をもつ唯一神を信仰している宗教です。一神教では、神の言葉を聞き取る人(預言者)が現れて人々に神のメッセージを伝えます。

ただし、ユダヤ教、キリスト教、イスラームのなかで、キリスト教だけは、神が自身の子を救世主として人々に遣わした(イエス・キリストのこと)と考えている点が特徴的です。

ムスリムはイエスを預言者としては認めていますが、救世主である神の子だとは認めていません。一方、キリスト教徒はムハンマドを預言者として認めていません。このように、同じ神を信じているはずなのに、神と預言者についての解釈に大きな違いがあるところに、キリスト教とイスラームの間の教理的な対立の根本的な原因があります。

しかし、歴史を振り返ってみるとキリスト教徒とムスリムが常に対立していたわけではありません。むしろ、平和裏に共存している時代・地域の方が一般的だと言えるでしょう。

現在、私たちがよく耳にするキリスト教とイスラームの対立というのは、宗教的というよりは政治的な理由が大きいと思われます。

授業でも説明したように、19世紀以降、中東の諸地域(つまりイスラーム勢力)はヨーロッパの勢力(つまりキリスト教勢力)によって押さえつけられてきました(1798-1901年のナポレオンのエジプト遠征は時代の変化を象徴する事件でした)。

現在焦点となっているイスラエルとパレスチナの対立も、もとを正せば、欧米勢力(キリスト教勢力)の支援によってパレスチナ人(イスラーム勢力)の土地だったところにイスラエルが建国されたという事情があります。

このように見てくると、イスラエルを支持するグループとパレスチナを支持するグループの政治的対立が、キリスト教とイスラームの対立という形をとってきたのだと考えることができます。

むろん、現実の問題にはさらに複雑な要因がからんでいますが、いずれにしても、キリスト教とイスラームの対立を宗教の違いからだけでは理解できないことを指摘しておきたいと思います。



【質問5】
ラトゥ・キドゥルの神話をもって知りたいです。

【回答5】
ラトゥ・キドゥルの話に関心をもっていただき、うれしく思います。ニャイ・ロロ・キドゥルの別名でも知られるラトゥ・キドゥルは、ジャワの文化と社会に深く結びついた神話群を構成しています。

ラトゥ・キドゥルについては以下の論文で詳しく書いているので、そちらを参考にしてください。イスラームを受け入れた社会において、イスラーム以前の伝統がイスラームとどのように折り合いをつけていったのかという観点からラトゥ・キドゥルの神話を分析しています。タイトルをクリックするとPDFで本文を読むことができます。

・青山 亨「南海の女王ラトゥ・キドゥル : 一九世紀ジャワにおけるイスラームをめぐる文化的表象のせめぎ合い」『総合文化研究』no.8, p.35-58,2005.



【質問6】
インドネシアで販売されている味の素の商品が紹介されていましたが、他にも進出している会社はあるのでしょうか?

【回答6】
インドネシアは日系企業が幅広く展開している国の一つで、2012年に1266社が進出していると言われます(帝国データバンク調べ)。これはアジアでは中国、タイについで第3位の数です。なかでも自動車・バイク関連の企業が多いようです。

代表的な企業をでは、自動車のトヨタ、電器のパナソニック、洗剤の花王、食品の日清食品、興味深いところでは学習熟の公文などをあげることができます。詳しくはJETROのサイトを参照してください。

インドネシアは親日的な国として知られていますが、それでも異文化摩擦のリスクは常に意識しておく必要があります。2001年には味の素の製品がハラール(ムスリムに許されている)かどうかをめぐって騒動がおこるという事件がありました。騒動は収まりましたが、イスラームについての理解が重要であることに改めて気づかされるできごとでした。詳細は以下の記事が参考になります。

インドネシア「豚酵母」事件―企業の海外進出と文化摩擦― 「公民・地理の視点」2001年版(教育出版社)




2012年10月17日

【地域基礎】

最初に、宿題としていた「インドネシア史 日本軍政期」の要約レポートを返却しました。来週の授業にまた使いますから、しっかりと読み直しておいてください。全体を通じて以下の点に注意してもらいたいと思います。
 1. トピックごとにパラグラフを分けてください。
 2. 各パラグラフの第1行めは1字下げをしてください。
 3. タイトルを忘れずにつけてください。

夏休みの課題レポートの報告をしてもらいました。今週は、第1章~3章です。司会は第2章以降、すでに発表済みの人に順番にしてもらいます。15分の報告のあとに10分の質疑応答をおこないます。質疑応答に先立って、各グループごとに3分間討議し、各グループごとに1つの質問を出してもらいます。

第1章 オランダ東インド会社の活動(17~18世紀)
第2章 19世紀のオランダ領東インド
第3章 民族意識の形成と展開(20世紀初頭から日本軍による占領の前まで)

次週10月24日は青山が出張のため、院生の補佐のもと、前回、障害があって最後まで見ることができなかった映像資料『幻の国策映画 日本軍占領下のジャワ』を見てもらい、グループワークをおこないます。

なお、10月31日(水)、11月7日(水)、11月14日(水)の4限にプロメテウス・ホールで青山が「民族と民族問題の諸相」を3回担当し、インドネシアの民族主義運動について講義をおこないます。関心のある人は聴講してください。

2012年10月16日

【ブログについて】

今週になってから、ブログの記事を作成するとき、カテゴリーが登録できないことに気づいた。記事はきちんと公開できるが、カテゴリーは指定されない状態のままである。

何度しても同じ状態なので、検索してみると「Firefox 16とMovableType 5の組み合わせでカテゴリーが登録できない」という記事が見つかった。私が使っている環境はFirefox 16.01とMovableType 5.12である。ためしにInternet Explore 8.0で登録してみると問題なく指定どおりで公開されることがわかった。

とりあえず問題を回避することはできたが、Firefoxを使えないのは残念である。次のバージョンアップでは解決されることを望む。

2012年10月15日

【3年次対象ゼミ】

今週は『経済大国インドネシア:21世紀の成長条件』(中公新書、2011年)のレジュメを報告してもらい、全員で議論をおこないました。

『ノーマネー・ノーハネー』のテキストは来週の授業時間に配付します。それ以降は、633のドアボックスをチェックして、受けとってください。

シラットを卒論のテーマにしているYFさんには、2011年公開のインドネシア映画The Raid: Redemption(インドネシア語のタイトルSebruan Mautは「死の攻撃」の意)の鑑賞を勧めておきました。シラットを取り込んだアクションが売り物とされています。日本では10月27日に公開予定

【インドネシア語読解】

今週の授業は語劇の練習に代えます。ようやくインドネシア語によるセリフで通しができるようになりました。まだまだスタートラインですから、来月の本番に向けて全力疾走してください。

10月22日には教室で授業をおこないます。しっかりと予習をしておいてください。2学期はAjip RosidiのOrang dan Bambu Jepangを読みます。テキストを配付しています。今日入手できなかった人は、633のドアボックスから至急受けとってください。なお、教室は325です(209ではありません。1学期と同じ教室です)。

ところで、先週10月12日の言語文化学部グローバルコミュニケーションコース設立記念シンポジウム「人と人をつなぐ専門職」で報告された卯城祐司氏(筑波大学教授)の読解に関する研究は大変に示唆的でした。英語のように中学・高校で学んでいる言語とインドネシア語のように大学で初めて学び始める言語を同一の土俵で論じることは困難ですが、読解力とは何かを考えさせるよいきっかけとなりました。参考文献として卯城氏の『英語リーディングの科学―「読めたつもり」の謎を解く』(研究社、2009)があります。「多読」と「読解方略」がキーワードのように感じました。関心のある人は挑戦してみてください。

2012年10月11日

【東南アジア古典文化論】

今週は、配付資料とスライドを使ってインド的世界観について講義をしました。仏教とヒンドゥー教とでは基本的に共通した世界観であることに注目してください。12世紀のアンコールワット、19世紀のマンダレー王宮はいずれもスメール山(須弥山)をモデルにしています。また、同じ須弥山中心の世界観は江戸時代まで日本でも広く知られていました(「金輪際」と言った表現に残っている)。さらに、このような世界観を背景に輪廻転生が前提とされていました。

次回はインド的歴史観について検討します。

先週の宿題「ASEAN諸国の国旗の意味」を提出してもらいました。

先週に引き続き1学期の提出物の返却をおこないました。今日受けとられなかった提出物は2学期終了後に処分しますので、返却を必要とする人は青山まで取りに来てください。

■今週の配付資料(PDF)
インド的世界観 (PDF, 396KB)

【4年次対象ゼミ】

今週は、SAさんとSMKさんの二人に夏休みの進捗状況の報告をしてもらい、卒論指導をおこないました。MYさんには、卒論の構成案を発表してもらい、卒論指導をおこないました。

2012年10月10日

【地域基礎】

最初に、グループ分けを確認し、簡単なアイスブレーキング(インドネシアの面白い話を語る)をおこなってから、グループの名前と代表を選んでもらいました。グループ名は「&ぅ」(アンドゥ)、「アフロ関取」、「なんでアリがいるの?」、「あずき」です。

続いて、宿題を出しておいた日本軍政期について知識を整理してから、ワークシートの作業をしながら映像資料『幻の国策映画―日本軍占領下のジャワ―』(NHKスペシャル1989-08-14放送、45分)を見てもらいました。DVDの再生状態が悪かったので、残念ながら視聴は中断し、ワークシートの残りは講師が説明をおこないました。

夏休みの課題レポートのコピー製本を配付しました。次回は、レポートの第1章~3章の報告をしてもらう予定です。15分の報告のあとに10分の質疑応答をおこないます。質疑応答に先立って、各グループごとに質問を一つ出せるように討議してもらいます。また、司会は発表済みの人に順番にしてもらうことにします。

最後に、先週の宿題のレポートを提出してもらいました。

2012年10月 4日

【4年次対象ゼミ】

後期の最初のゼミでは、MYさんとSMさんの二人に夏休みの進捗状況の報告をしてもらい、卒論指導をおこないました。

【東南アジア古典文化論】

後期の最初の授業では資料を配付してガイダンスをおこないました。

1学期の期末リポートの返却をおこないました。来週以降、返却が必要な人は青山まで申し出てください。

宿題を出しました。東南アジア諸国の国旗とASEANの旗の意味を調べて、来週の授業時間に提出してください。

■今週の配布物(PDF)
配付資料:授業の概要 (256KB)
宿題:東南アジア諸国の国旗とASEANの旗(77KB)

2012年10月 3日

【地域基礎】

2学期最初の授業です。夏休みの課題レポートを提出してもらいました。今日どうしても出せなかった人は今週中に633研究室のドア・ボックスに提出してください。レポートが揃ったら、コピー、製本して配付します。配付した次の週から、毎週3人レポートについて報告してもらいます。

1学期の期末試験の答案を返却し、解答についての説明をおこないました。

宿題としてインドネシアの高校のインドネシア史教科書の和訳から日本軍政期の部分を配付しました。この資料をA4判1ページに要約したものを来週の授業時間に提出してください。欠席した人は、資料を633ドアボックスから受けとってください。

映像資料としてNHKスペシャル灼熱アジア第3回「インドネシア:巨大イスラム市場をねらえ」(2010年11月13日放送)を見てもらい、インドネシアの現状についての理解を深めてもらいました。番組では、金融に焦点をあてて、日系企業の関連地元企業への大口融資と個人へのローンという二つの分野での営業の努力を描いていました。

インドネシアの経済成長と日本企業の進出については日経ビジネスオンライン(日経BP社)の記事が参考になります。番組の理解が深まるはずです。ぜひ読んでおいてください。
1. 日系のシェア9割!残された最後の楽園を守れるか
2. 「ローン規制」と「ガソリン補助金の抑制」が自動車市場の成長を左右
3. 揺れる法制度、幹部人材の確保難...進出時のリスクはこれだ

グループ分けを新しくおこないました。来週からは新しいグループごとに着席してください。

2012年10月 1日

【3年次対象ゼミ】

後期が始まりました。今週は、夏休みに読んだ卒論に関連する文献のレジュメを提出してもらいました。次回からは、レジュメを提出してもらった3名の中から、『経済大国インドネシア:21世紀の成長条件』、『東南アジア・マレー世界のイスラーム教育:マレーシアとインドネシアの比較』、『ジャワ更紗:いまに生きる伝統』、『ノー・マネー、ノー・ハニー』の順に報告してもらい、議論をすることにしました。とくに『ノー・マネー、ノー・ハニー』については全員でテキストの一部を読むことします。今週レジュメが出せなかった人は、でき次第提出をお願いします。

インドネシアのトランス・ジェンダーに関心がある学生には以下の文献を勧めました:
・Evelyn Blackwood (2005). Gender Transgression in Colonial and Postcolonial Indonesia. The Journal of Asian Studies, 64, pp849-879 doi:10.1017/S0021911805002251
・ベアード、ヴァネッサ (2005). 『性的マイノリティの基礎知識』作品社.(Amazon

【インドネシア語読解】

2学期が始まりました。10月1日と10月15日は語劇の練習に代えます。今年の語劇はインドネシア語版不思議の国のアリスを上演します。しっかりと練習をしてください。

10月22日には教室で授業をおこないます。しっかりと予習をしておいてください。2学期はAjip RosidiのOrang dan Bambu Jepangを読みます。テキストを配付しています。今日入手できなかった人は、633のドアボックスから至急受けとってください。なお、教室は325です(209ではありません。1学期と同じ教室です)。

夏休みの宿題は633のドアボックスに提出してください。期日は10月5日(金)17時です。

          

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