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DVD-Rの経年劣化

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今月にはいって、映像資料を見せるために授業で使用しているDVD-Rが再生時にエラーを起こすという事例を2回経験した。1回めでは、再生中にある場面に来るとブロックノイズが発生し、やがて映像がまったく再生されなくなった。2回めでは、再生中にある場面に来ると映像が断続的にとぎれる状態がしばらく続いたのち、正常に戻った。

いずれも異なったDVD-Rであるが、1回めの事例はTDKの製品、2回めの事例は太陽誘電の製品である。いずれも国産品で、4、5年前に焼いている。毎年、数回授業で使用しているが、前回まではまったく問題がなかったから、この1年間で問題が発生し始めたということである。

DVD-Rについては漠然と10年以上は大丈夫という思いこみがあった(事実、かつては半永久的に持つと言うような広告があった)ので、驚いて調べると、すでに2008年にDVD-Rの経年劣化についての警告が出ていたことがわかった。

2008年2月9日付けの朝日新聞に「DVDディスク、寿命に格差 数年から「永遠」まで」という記事が掲載されている。これは一般財団法人デジタルコンテンツ協会の『高信頼(長寿命・高セキュリティ)光ディスク媒体の活用システムの開発に関するフィージビリティスタディ報告書』に基づいた報道である。

A Successful Failureのブログ記事「国産品でも10年前のDVD-Rはそろそろ読めなくなる。」に簡潔なまとめが出ている。これによると、国産DVD-Rでも推定寿命が100年のものから10年のものまであること、DVD-R<DVD-RW<DVD-RAMの順番で寿命が長いことがわかる。寿命を短くする要因としては高温度と高湿気が挙げられており、とくに湿気対策が有効なようである。

ともかくDVD-Rの寿命が短くて10年ということであれば、早急に真剣に対策を講じる必要がある。本学では、VHS再生装置の代替ができなくなったことを受けて、視聴覚資料のVHSテープからDVDへのメディア変換を推進しているが、これは一時的な対策に過ぎないということになる。

以下は、中長期的な展望である。

視聴覚資料の保管にあたっては、理想的には、複数メディアに定期的にバックアップを繰り返すことが望ましいのであろう。ただ、デジタルコンテンツの場合にはCPRMなどのコピー防止の仕組みが存在するから、簡単にバックアップできるという訳ではない。また、どんなに長期保存できるメディアであっても、教材という観点から見て、簡便に再生できないのであれば、利用に困ることになる。

一つの解決案は、視聴覚教材はすべてクラウドにあげておき、そこから必要に応じて端末に下ろして再生する、というものである。3Gや4Gの端末であれば、Wi-Fi環境になくても再生が可能であるから、かなり現実的な解決策であるかもしれない。

          

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