≪ 2015年3月 | トップ | 2015年5月 ≫

2015年4月30日

【東南アジア古典文化論】

今週は、配付資料とスライドに基づいて、インド化以前の東南アジアの基層文化を代表する精霊信仰について検討を行いました。日本の「カミ」概念と東南アジア諸地域の精霊の概念を対比させた考えて見ると興味深いと思います。

次回は、東西海上交易の活発化を背景として基層文化の中から生まれた東南アジアの初期国家の状況について検討します。

この授業では試行的にMoodleを使うことするので、Moodleにログインして、「東南アジア古典文化論」のコースに自己登録してください。来週までに完了していない場合は、教員の方で手動登録することがありますので、ご了解ください。

■今週の配布物(PDF)
精霊信仰

■TUFS Moodleでの登録の仕方
1) TUFS Moodleのページからログインします。ICC総合情報コラボレーションセンターから取得した自分自身のアカウント名(ユーザ名)とパスワードが必要です。

2) 「東南アジア古典文化論」を検索して、コースに自己登録してください。自己登録には登録キーが必要です。授業に出ていなかった人は青山までメールで問い合わせてください。

3) TUFS Moodleでの登録の仕方が分からない場合は、TUFS Moodleの学生用マニュアルを参照してください。

4) 2015年度は、青山のブログの方も併用するので、こちらも毎週読んでおいてください。

【リレー講義】

今週は3限に、地域文化概論B1「アジア・アフリカ地域文化論」の第4週を担当し、「東南アジアに広まった古代インドの文化:ラーマーヤナ物語を例として」という題目で講義を行いました。

配付資料とスライドに基づいて、ラーマーヤナ物語を事例として東南アジアに広まった古代インドの文化について紹介し、東南アジアの「インド化」という側面と、東南アジア社会によるインド文化の「現地化」という側面が並行して進展した状況を検討しました。東南アジアの人々にとってのラーマーヤナの魅了の一端を知ってもらえれば幸いです。

授業の最後に設問を2つ出し、コメント・シートに書いて提出してもらいました。設問への解答に基づいて評価を行います。
1. 東南アジアの「インド化」の特徴を述べなさい。
2. 東南アジアのラーマーヤナについて感想を述べなさい。

コメント・シートに質問がありましたので、2つほど選んでお答えします。
【質問1】イスラーム教徒が多数を占めるインドネシアでラーマーヤナが芸能として享受されていることに驚きました。また、歌や踊りや人形というのはイスラームでも許容されているのでしょうか?
【回答1】イスラームが優勢の社会であっても、その実践には大きな地域差があります。インドネシアの場合には、ラーマーヤナはヒンドゥー教の叙事詩というよりは、まずは興味深い物語として人々は享受しているのだと思います。また、歌や踊り、さらに人形についてもまったく問題はありません。

【質問2】バリで見たケチャでは、ラーヴァナは怪物というよりは悪党親父のような格好をしていました。観光客向けに分かりやすくしているのでしょうか?
【回答2】確かにラーヴァナは、頭が10あり、腕が20本ということになっていますが、インドも含めて多くの場合、その異様な姿よりは、欲望に突き動かされるキャラクターとしての側面に焦点が当てられているように思います。バリの場合でも、観光客向けというよりは、バリ人自身がラーヴァナを「悪党親父」のような存在として受け止めているのだと思います。


2015年4月29日

【地域基礎】

今週は、祝日ですが4月29日に開講しました。

最初に先週の課題であったインドネシアの国民の祝日について、イスラーム、キリスト教、その他の宗教に関係のある祝日、宗教に無関係な祝日の4つのカテゴリーに分けて、それぞれのグループに報告してもらいました。インドネシアではイスラーム、プロテスタント、カトリック、ヒンドゥー教、仏教、儒教の6つの宗教が公認されており、共存していることを確認しました。

祝日のレポートは提出してもらいました。これは地域基礎1A(月曜1限)の評価にも使います。

このあと、スライドを使ってインドネシアの民族と言語と宗教の関係について整理しました。引き続き映像資料「南の国のデパートガール」を見てもらう予定でしたが、時間が来たので、次回に行います。今日配付したワークシートは来週も持参してください。

今週は、インドネシアの年表と大統領一覧を配付し、宿題を出しました。大統領の名前と順番は理解しておいてください。年表を読み解いて、インドネシアの歴史の流れを理解できるよう、必要な関連文献も読み込んで、理解できるようにしておいてください。次回、グループ対抗で歴史クイズを行う予定です。

次回の授業はゴールデンウィーク明けの5月13日になります。充実した時間を過ごしてください。

■今週の配付資料(PDF)
・映像資料「南の国のデパートガール」ワークシート
・インドネシアの年表
・インドネシアの大統領一覧
(まとめてindonesia-2015-04-29.pdfする)

■参考文献
インドネシア地域研究のための基本文献(通史の欄を参照)

2015年4月28日

【4年次対象ゼミ】

今週は、ゼミの学習の一部として、附属図書館の@ラボで文献収集ガイダンスを受けました。とても学ぶところが多かったと思います。卒論・卒研の資料収集に活用してください。

来週5月5日は祝日なので、次回は5月12日になります。以下の文献の書評レジュメを報告してください。

間瀬朋子「現代的消費と「インフォーマル・セクター」―ジョグジャカルタ特別州スレマン県の学生街の事例」倉沢愛子編『消費するインドネシア』第3章、慶應義塾大学出版会、2013年。

2015年4月27日

【3年次対象ゼミ】

今週は、前回からの書評レジュメの報告の続きをおこないました。

次回からは、以下の論文の書評レジュメの報告をしてもらいます。

野中葉「イスラーム短編小説の広がりとインドネシアの女性たちのイスラーム覚醒」『アジア・アフリカ言語文化研究』87: 83-101.

【インドネシア語読解】

今週は、最初に、Moodleの小テストで扱った、MeN接頭辞を付けたときの基語の語形変化について、簡単に復習をしました。

続いて、第2章の読解に入りました。各グループに一つないし二つのパラグラフを担当してもらい、第2章をすべて読み終えました。次回は、第3章の読解に入るので、予習をしておいてください。

Moodleにまだ登録していない人がいるので、至急、登録と小テストを済ませておいてください。次週5月4日は休日なので、次回は5月11日になります。

休み期間中にMoodleで課題を出す予定です。各自でMoodleの指示にしたがって課題を済ませておいてください。

2015年4月23日

【東南アジア古典文化論】

今週は、先週の配布資料とスライドに基づいて、東南アジアの歴史の構造とその中における古代、とりわけ「インド化」の時代の特徴と東南アジア史における意義について検討しました。

作業で記入するための年表と、参考のための地図、東南アジア史の理解を深めるための歴史的景観の写真を配布しました。

東南アジアの「インド化」は東南アジアのほとんどの地域における基本となる古典文化を形成した重要な歴史的現象でした。

次回は、東南アジアの基層文化を特徴づける精霊信仰について検討する予定です。

なお、この講義ではMoodleを活用する予定です。来週の授業までに、Moodleにログインして、青山の「東南アジア古典文化論」のコースに自己登録を済ませておいてください。

■今週の配布物(PDF)
ダウンロードの準備ができました。遅くなって申し訳ありません(2015-05-07)
・構造化年表
・構造化年表の説明
・古代東南アジア地図
・東南アジア歴史的景観
まとめてダウンロードする

2015年4月22日

【地域基礎】

最初に、先週までの提出物を返却しました。提出物には氏名を書くのを忘れないようにお願いします。

今週は、この広大な国土に住むさまざまな民族について学びました。
1. 先週の宿題に基づいて、みめだ班に代表となって、大型地図を使いつつ、主な民族・人口・地域・分布・言語・宗教などの特徴を説明してもらいました。
2. 配付資料に基づいて人口数で上位17位までの民族について整理してもらいました。
3. インドネシアは多民族国家(=多言語、多文化)であること、国民はbangsa、諸民族はsuku-suku (bangsa)と呼ばれること、公用語としてインドネシア語が定められていることを理解してもらいました。これらについては詳細を説明した資料を配付しました。
4. インドネシアの宗教分布を示した表を見ながら、インドネシアの宗教の分布、民族の分布との対応について理解してもらいました。

授業終了時に先週の宿題を提出してもらいました。

今週は宿題を出しました。2015年のインドネシアの祝日を調べ、2015年と2014年の日付、名称、由来(意味、関連する宗教、日の決め方、基になる暦など)を調べて表に整理してください。次回の授業時間中にグループごとに報告し、授業終了後に各自で提出してもらいます。

なお、次週4月29日(水)は祝日ですが、東京外国語大学では通常どおり水曜日の授業をおこないます。ご注意ください。

2015年4月21日

【4年次対象ゼミ】

今週は、以下の文献の「序」のレジュメを報告してもらいました。次回からは、同じ文献から第3章(コラムあり)、第6章、第7章、第8章(コラムあり)を選んでレジュメを作成し、報告してもらいます。

また、今週から参加した1名の方に春休み期間中の研究の進捗状況および今後の計画について報告してもらいました。

次回4月28日は、図書館4階@ラボのPCゾーンでクラスガイダンスを行い、図書館職員の方から文献検索法について講習を受けます。直接、会場に集まってください。

倉沢愛子.『消費するインドネシア』(慶應義塾大学出版会、2013年)
序 倉沢愛子
第3章 間瀬朋子:現代的消費と「インフォーマル・セクター」―ジョグジャカルタ特別州スレマン県の学生街の事例
第6章 倉沢愛子:消費行為としての教育―次世代に託す希望
第7章 新井和広:商品化するイスラーム―雑誌『アル=キッサ』と預言者一族
第8章 野中 葉:イスラーム的価値の大衆化―書籍と映画に見るイスラーム的小説の台頭

2015年4月20日

【3年次対象ゼミ】

今週は最初に昨年度の提出物を返却しました。続いて、10月に予定されている阪大・南山大学との合同ゼミについての最初の打ち合わせを行い、代表を決めました。

その後、以下の論文の書評レジュメについて報告してもらい、ゼミで議論を行いました。正統性、民族主義、伝統の創造、エージェンシーといった概念についても触れることができました。次回は引き続きこの論文について議論を行う予定です。この論文についての検討が終わったあとは、現代のインドネシアのイスラームに関する論文を読む予定です。

永渕康之「観光=植民地主義のたくらみ―1920年代のバリから」山下晋司・編『観光人類学』新曜社、1996年、pp.35-44.

【インドネシア語読解】

今週は最初に昨年度の期末試験答案・提出物を返却しました。そのあと英語・インドネシア辞典のrupaの項目を例に、辞書の引き方について説明をしてもらいました。

続いて、第1章の残ったパラグラフの説明をしてもらいました。そのあと、各グループごとに第1章の振り返りをおこないました。私の方からはL1からL2に逐語的に訳すのではなく、L1から理解できた状況をもっとも的確なL2の文にする、というイメージを持つことが重要だと話しました。

続いて、各グループごとに担当した部分を元に、問題を出してもらい、他のグループに解答してもらいました。

最後の残った時間を使って第2章の内容の検討をグループごとにしてもらいました。

次回は第2章の翻訳からすぐに始める予定です。

Moodleにまだ登録していない人は至急登録し、小テストを受けてください。小テストの公開期間は今週4月24日(金)まで延長しておきました。

【リレー講義】

今週は、地域基礎1A(東南アジア1)の「歴史(その1)」を担当しました。最初に、東南アジア史の構造を解説し、「超構造化年表」で作業をしてもらいました。続いて、東南アジアの代表的な歴史的景観の写真を見て、どの地域・時代に相当するかを考えてもらいました。最後に、全体の整理として小テストを行いました。

小テストの平均点は10点満点で7.8点でした。

この授業では、古代史の部分は時間がなくて触れる余裕がありませんでしたが、古代史の「インド化」の部分については概論科目「東南アジア古典文化論」で詳しく説明をする予定です。興味のある方は来年度受講してみてください。

より詳しく学びたい方は、『東南アジアを知るための50章』の第2章「歴史の流れを概観してみよう:東南アジア史の構造」と第4章「インド化:東南アジアの古代史」を参考にしてください。

(2015-06-06追記)
来年度にむけての授業の改良を考えています。まだ構想の段階ですが、参考のためにポイントを書き記しておきます。
1. 年表のサイズをA3サイズに拡大して左右に余白を設け、左側には他地域との関係、右側には学生の専攻する地域での歴史上のできごとを書き込めるようにし、学生の自主的な学習を促す。
2. 年表を専攻語の授業でも活用するよう学生だけではなく教員にも促す。

2015年4月16日

【東南アジア古典文化論】

今週は、最初に先週の宿題だった「東南アジア11か国の国名の意味と由来」について隣同士で話し合ってもらったあと、代表の一人に発表してもらいました。ワークシートは提出してもらいました。また、解答例を配付しました。

次に、東南アジアにおける文化・宗教の重層性を実感として掴んでもらうために、映像資料「アジアの古都 ジョグジャカルタ」(NHK、2002年放送、50分)を見てもらいました。見る前にイスラームや精霊信仰についてのイメージを話してもらい、映像資料を見ながらワークシートに書き込んでもらいました。映像を見た後、隣同士で感想を話し合ってもらったあと、代表の数名に発表してもらいました。イスラーム的な要素、インド的な要素、土着信仰的な要素が深く関連しつつ共存していることを感じてもらえたことと思います。ワークシートは授業後に提出してもらいました。

次回は、東南アジアの宗教的多様性を生み出した歴史的背景を検討します。配付した「東南アジア史の枠組み」を読んで予習をしておいてください。

■今週の配布物
・映像資料「アジアの古都 ジョグジャカルタ」ワークシート
・東南アジア11か国の国名の意味と由来(解答例)
・東南アジア史の枠組み:歴史を構造化するとは?(宿題)
まとめてダウンロードする (PDF)

2015年4月15日

【地域基礎】

今週は、最初にグループごとに「あっ!こんなところにインドネシア」の報告をしてもらいました。インドネシア料理店とインドネシア料理、外大の周辺のインドネシア関連のお店、すし屋のマグロ、スーパーの冷凍エビ、スニーカー、生協のノート、バティックのハンカチ、家具・雑貨(ラタン製やアタ製)など、意外に身近なところでインドネシアを発見したことを報告してもらいました。

続いて、インドネシアの地図を示してインドネシアの島、海、海峡、都市の名前などを確認しました。さらに、資料を配付して、インドネシアの34州を確認してもらいました。

授業のあとで、「あっ!こんなところにインドネシア」と「白地図」の課題を提出してもらいました。

次回は、この広大な国土に住むさまざまな民族について学びます。今週は宿題を出しました。民族名、人口、地域分布、言語・宗教などの特徴をまとめ、次回の授業時間に提出してください。

2015年4月14日

【4年次対象ゼミ】

今週は7名が参加しました。今週から参加した3名の方に春学期の進捗状況および今後の計画について報告してもらいました。

次回は、インドネシアの都市中間層について学ぶために、まず以下の論文について読むことにしました。次回は、この論文のレジュメを作成して報告してください。その後は、『消費するインドネシア』から興味のある論文を選んで読み進めていく予定です。

倉沢愛子.「序」『消費するインドネシア』(慶應義塾大学出版会、2013年)

2015年4月13日

【3年次対象ゼミ】

今週は、残っていた春休み事前課題の報告をしてもらいました。フィールドワークと文献調査の区別、定性的研究と定量的研究の違いなどが明らかになりました。

次回からは、書評レジュメ作成のガイドラインにしたがって書評レジュメを作成し、次週のゼミで報告してもらいます。最初の対象となる論文は以下のものです:

永渕康之「観光=植民地主義のたくらみ―1920年代のバリから」山下晋司・編『観光人類学』新曜社、1996年、pp.35-44.

2015年4月12日

【インドネシア語読解】

今週は、まず四つのグループの名前を発表してもらいました。以下のとおりです。
1. マジカル☆ストロベリーズ
2. 百合と石箱
3. ネ4科R
4. ニューヨークレアチーズケーキ
マレーシア語専攻の学生さん(春学期のみ受講予定)には百合と石箱チームに入ってもらいました。

次に、TUFS Moodle 2015の説明をし、「インドネシア語読解」のコースに自己登録してもらうよう指示しました。今週は、1年次の文法を復習するための小テストを用意してあるので、しておいてください。

続いて、Jakarta Tempo Doeloeの本文読解に入りました。

最初に、グループごと予習で分からなかったことをグループ内で解決してもらいました。
次に、グループの代表にじゃんけんで本文第1章の分担を決めてもらいました。決まった順番は以下のとおりです。
第1章第1パラグラフ~第3パラグラフ 百合と石箱
第1章第4パラグラフ~第6パラグラフ ネ4科R
第1章第7パラグラフ~第9パラグラフ マジカル☆ストロベリーズ
第1章第10パラグラフ~第12パラグラフ ニューヨークレアチーズケーキ

各グループに訳文の発表と質問への対応をしてもらいました。今週は、第10パラグラフの最後まで進みました。

授業のあとで、各グループごとの今週の訳文をふり返っておいてください。さらに、グループで担当した範囲から、教員ならここを期末試験に出すという視点から問題を作成しておいてください。

そのうえで、次回は第1章を終えて、第2章に入りますので、しっかりと予習をしておいてください。

最後に宿題があります。配付したインドネシア語=英語辞典の本文のコピーからrupaの項目について何が書いてあるかを調べておいてください。来週、一つのグループを選んで、説明を発表してもらいます。

それでは、今週はこれで終わりです。


2015年4月 9日

【ブログについて】

今日、東南アジア古典文化論の授業のために、はじめてTUFS Moodle 2015を使ってみた。

今回の作業は「東南アジア古典文化論(春学期・木曜4限)」というコースの立ち上げである。

コースをリクエストして承認されると、新しいコースが開設される。コースが開設されてしまえば、大まかな操作の流れはMovableTypeのようなブログ構築システムと同じ感覚である。以前のバージョンのMoodleに比べると格段に使い勝手がよくなっている。現在のバージョンは2013年4月に導入という記述があるのでMoodle2.4あたりであろう。

とはいえ、Moodleならではの特徴もあるので、これから習熟してみたい。次のステップである履修学生の登録作業も、通常のブログにはない作業である。

参加者が限定できるブログ構築システムにメール一斉送信機能が付いたもの、というのが現時点で得られたMoodle像である。

あと、ログインで閉じた世界のなかで参加者のみが情報を共有するのがMoodle、ログインで閉じた世界はあくまでも管理者だけの舞台裏であって、再構築された表の世界を共有するのが通常のブログという違いがあるようだ。

(2015-04-12追記)
コース開設以降の主な作業の流れについては、東京外国語大学から提供されているMoodleの利用マニュアル Ver 5.1で説明されていることが分かった。このVer 5.1で紹介されているMoodleはTUFS Moodle 2013に該当しており、現在運用されているTUFS Moodle 2015の一つ前のバージョンであり、見た目が少し異なっているが、基本は同じである。

基本をまとめると次のとおりである。
1. 一つの授業科目に対応するのが「コースページ」。
2. 開設したコースページに手を加えるときには「編集モード」に入って行う。
3. コースは「トピック」(第1回とか第1課といった区分に相当する)または「ウィークリー」(第1週といった区分に相当する)のいずれかのフォーマットで区切ることができる。
4. 学生の登録は、教員側で手動登録することもできるし、学生に自己登録させることもできる。当然、自己登録させた方が教員は楽である。
5. コースに「活動またはリソース」を追加していくのが、教員側の主要な作業である。
6. 追加できる「活動またはリソース」としては、配付する資料、提出すべきレポート課題、意見交換用のフォーラム、小テストなどがある。いずれもオンライン上で完結してできること、個別の学生の対応が教師に見えることが利点である。
7. 小テストについては問題バンクに問題を蓄積しておき、必要な時に必要な問題を組み合わせて使えるようだ。正誤問題や穴埋め問題や選択問題の標準的なフォーマットがあり、エクスポートとインポートも可能である。小テスト作成の具体例などを含めてMoodleの使い方について詳しく分かりやすい「Moodle 1.9 インストラクタ用ガイド」が富山大学から提供されている。

Moodleでできることは、ブログ、メール、メーリングリストなどを組み合わせればできることではあり、実際私自身もこの「授業関係のお知らせ」とメールを使って行ってきたことだが、一つのプラットフォーム上で完結していること、履修登録した学生に対してもれなく対応できること(学生が登録している場合)、教員と学生のいずれの側にとってもコースの進行と学習の進度が目に見える形で表示されること、などが長所だと思われる。LMS (Learning Management System) として普及しているの納得できる。

ただ、ブログと違って「閉じたシステム」になるので、外から見えないことは、長所(著作権の関係から外には出せない資料でも教材として学生には提供しやすい)でもあり、短所(教員の教育活動が他の教員と共有しにくい)でもあるように感じる。

また、学習管理と履修・成績管理という性格の違いがあるので、実現が難しいところかもしれないが、教務課の学務情報システムと連携できていないところは残念ではある。たとえば、科目に履修登録した学生を教員の方で一括してMoodleのコースに登録できれば便利であろう。

今年度は、多様な専攻が受講する「東南アジア古典文化論」と細かなケアが必要とされる「インドネシア語読解」についてMoodleを試験的に使ってみたいと考えている。また、多人数が受講する秋学期のリレー講義においてもできれば活用してみたい。

【東南アジア古典文化論】

今週は、新年度最初の東南アジア古典文化論の授業なので、配付資料に基づいて授業のガイダンスを行いました。

続いて、東南アジア11か国の概要の表を完成してもらい、スライドを使って東南アジアの文化の多様性と古典インド文化の影響の深さを理解してもらいました。

次回は、映像資料を使って東南アジアにおける古典インド文化の影響をさらに理解してもらいます。

今週は宿題を配付しました。東南アジア11か国の国名の意味・由来を調べ、授業時間に提出してください。

なお、この授業では、TUFS Moodle 2015を利用する予定です。詳しくは次回の授業で指示する予定です。

TUFS Moodle 2015で「東南アジア古典文化論(春学期・木曜4限)」のページにアクセスしてください。

【お知らせ】教室が変更になります。来週から115教室ではなく207教室になります。ご注意ください。

■今週の配付資料・課題
・授業概要
・東南アジア11か国概要
・東南アジア11か国国名の意味と由来(宿題)
まとめてダウンロードする(PDF)

2015年4月 8日

【ブログについて】

FirefoxでMovable Typeを使っているとき、テキストエリアの自動折り返しができないという問題が生じていることに、最近になって気づいた。前からおかしいと感じてはいたのだが、新学期になって頻繁にブログを更新するようになって、問題であることを認識した。

調べてみるとFirefoxのバグらしい。「Movable Type+Firefoxでテキストエリアを自動折り返しするEntryTextareaBrakerプラグイン」という記事がこのバグに触れている。このプラグインはMovable Typeのサーバにインストールしなければならないので、一ユーザにとって解決策ではない。

とはいえ、Firefoxのバグと分かったので、とりあえずChromeに切り替えたところ、まったく問題がないことが確認できた。現在のFirefoxのバージョンは37.0.1だが、1か月以上も既知のバグを放置してバージョンアップしないFirefoxには不満が募る。バグが解決されたら、これまで使い慣れたFirefoxに戻るか、それともChromeを使い続けるか、少し悩ましいところである。

【追記】

「テキストエリアの自動折り返しができないバグ」については追記すべきことがある。というのは、Chromeでも同様の問題が発生し始めたからである。

ところが、この問題については、テキストエリアの右上にある「フォーマット」の設定を「なし」から「リッチテキスト」に変更すると解消することがわかった。

こうしてみると、そもそもこの問題はブラウザ側の問題ではなく、Movable Type側の仕様の問題であった可能性がある。

とはいえ、現在はもっぱらChromeを使っているので、(すでにアンインストールしてしまった)Firefoxでの状況を改めて確認することはしていない。

【地域基礎】

今週は新年度最初の地域基礎の授業です。

すでに、インドネシア語専攻のオリエンテーションを4月6日に実施し、その中で地域基礎の受講生のグループ分けを行い、課題の提示を行いました。グループは以下の4つです。
1. ブロッコリー
2. もえぴょん
3. みめだ
4. ドラちゃん

最初に「インドネシア地域研究の基本文献」の改訂版を配付し、基本文献について説明をしました。

次に、オリエンテーションで示した課題であるインドネシアにおける「熱帯雨林気候」「熱帯モンスーン気候」「サバナ気候」についてグループごと報告してもらいました。

そのあと、プレゼンテーションの進行とインドネシアの気候について振り返りを行いました。この授業では協同学習を行うので、皆さんで協力してもらうことを求めます。なお、今週の課題については紙版も提出してもらいました。

続いて、インドネシアの地図を示してインドネシアの地理の特徴を確認したあと、インドネシアの白地図を配付し、白地図と州のリストの完成を今週の課題としました。

次回の授業時間では、各自で白地図を完成しておいてください。また、グループごとに「あっ!こんなところにインドネシア」の報告もしてもらいます。

2015年4月 7日

【4年次対象ゼミ】

新年度最初の4年次ゼミの授業です。4名の参加がありました。

春学期の進捗状況および今後の計画について報告してもらいました。

全体として、都市中間層が共通のテーマであると分かりましたので、このテーマにかかわる論文を読むことにしました。

2015年4月 6日

【地域基礎】

4月6日に325教室で1年生を対象にインドネシア語専攻のオリエンテーションを実施し、その中で地域基礎の受講生のグループ分けを行いました。グループごとにつけてもらったグループ名は以下のとおりです。
1. ブロッコリー
2. もえぴょん
3. みめだ
4. ドラちゃん
今年度の春学期の地域基礎の授業ではこのグループごとに課題に取り組んでもらいます。

「授業概要」を参考にして、大学の授業および履修登録で気を付けるべきこと、地域基礎の授業の進め方などを説明しました。

インドネシア語技能検定試験の案内を配付しました。これは自主参加です。

今週はさっそく課題があります。インドネシアの気候における「熱帯雨林気候」「熱帯モンスーン気候」「サバナ気候」についてグループごとに調べ、今週4月8日の授業時間に報告してください。

さらに、来週の授業時間には、「あっ!こんなところにインドネシア」というテーマで、身近にあるインドネシアに関係のある物事を探してきてもらい、グループごとに報告してください。

【3年次対象ゼミ】

新年度最初の3年次ゼミの授業です。7名の参加者がありました。

ゼミ用のメーリングリストの立ち上げを参加者の一人にお願いしました。このメーリングリストは来年度の卒論ゼミで卒論・卒研を完成させるまで使うことになります。

「授業概要」「レジュメの基本」「ゼミ生の卒業論文・卒業研究」の3点の資料を配付し、このゼミの進め方について説明したあと、春休み事前課題の報告を2名の受講生にしてもらい、ゼミにおける「調べる」ことの意味をゼミ全体で検討しました。今日の報告では、データを得るための調べる方法として、大きく文献調査とフィールドワークがあり、それぞれ細分化されることを確認しました。

次回は、残った春休み事前課題の報告をしてもらいます。

さらに、春学期では、基本的に、インドネシアに関連する論文の書評レジュメを報告して議論を進めていくことにします。最初の課題は以下のとおりです。書評レジュメ作成のガイドラインにしたがって書評レジュメを作成し、次週のゼミで報告してもらいます。

永渕康之「観光=植民地主義のたくらみ―1920年代のバリから」山下晋司・編『観光人類学』新曜社、1996年、pp.35-44.

【インドネシア語読解】

今週は、新年度最初の読解の授業です。

最初に、昨年度の地域基礎のグループごとに春休みの事前学習課題を発表してもらいました。課題は以下の4つです。
1. ネ4科班「オランダ時代のバタビアを知る」オランダ時代のバタビアの町と人々の暮らしを紹介する。
2. 百合石箱班「バタビアの歴史を理解するための8の出来事」バタビアの歴史にとって重要な出来事を選び出し、年表にしてまとめる。
3. ミラクルストロベリーズ班「インドネシア語-英語辞典の使い方」Echols and Shadily. An Indonesian-English DictionaryのIntroductionのAbbreviations and Signs(p.xxi)のリストに日本語の翻訳を付けたものを作成する。
4. チームSATU「インドネシア語読解の勉強を6倍楽にする方法」インドネシア語読解の勉強を効率的に行うための参考書などを探し、リストにして紹介する。
いずれも、A4判1ページのレジュメの作成をし、授業時間内には15分以内のスライドを使った発表をしてもらいました。

あわせて、読解の授業と関連する情報として、木曜日6限のメディア翻訳の授業の案内とインドネシア語技能検定試験のお知らせをしました(いずれも任意)。

続いて、今年度の読解の授業のためのグループ分けをしました。グループの名前を次回までに考えておいてください。

最後に、春学期に読むテキストJakarta Tempo Doeloeについて、内容と授業の狙い・進め方について説明を行いました。来週から、授業時間内にグループごとに発表ができるように準備をしておいてください。

2015年4月 1日

【リレー講義】

2015年度に担当するリレー講義を掲示します。秋学期地域文化概論Aの教室が106から108に変更となりました。(2015年10月07日更新)

【春学期】

  • 4月20日 月曜1限 227 地域基礎1A「東南アジア研究入門」歴史(その1)
  • 4月30日 木曜3限 224 地域文化概論B「アジア・アフリカ地域文化論」東南アジアのラーマーヤナ
  • 5月7日 木曜2限 227 多言語・多文化社会「歴史と現在」多民族国家インドネシア
  • 5月25日 月曜1限 227 地域基礎「東南アジア研究入門」宗教(その1)

【秋学期】

  • 10月16日 金曜6限 108 地域文化概論A「文化現象に現れる宗教的次元」インドネシアの神・神々・カミ
  • 10月28日・11月4日・11月11日 水曜4限 226 国際社会論「民族と民族問題の諸相」インドネシア(3回)
  • 12月9日 水曜4限 101 総合文化研究入門A「さまざまな文化の理解のために」伝統芸能に見るジャワの文化伝承

【大学院】

4月からは昨年度に引き続き、以下の文献を読んでいます。

Geerts, Clifford. 1980. Negara: The Theatre State in Nineteenth-Century Bali. Princeton: Princeton University Press.

日本語訳
クリフォード・ギアツ. 1990.『ヌガラ:19世紀バリの劇場国家』みすず書房.

【出前授業・模擬授業】

東京外国語大学では教員が高校に出向いて授業をおこなう出前授業を実施しています。また、本学のキャンパス見学に参加された高校生を対象に学内での模擬授業も実施しています。詳細および問い合わせは戦略支援室の出前授業の案内をごらんください。

青山が出前授業・模擬授業をおこなうことができるテーマとしては、以下のようなものを用意しています。ご希望や時間に応じて調整することは可能です。

1.「多民族国家インドネシア」インドネシアを題材に、異なった文化や宗教をもつ民族がどのように共生しているかを理解してもらいます。(異文化理解)
2.「東南アジアのイスラーム」東南アジアおよび世界最大のイスラーム教徒人口をもつインドネシアを題材に、宗教一般およびイスラームへの理解を深めます。(異文化理解)
3.「世界文化遺産ボロブドゥール」世界文化遺産である仏教遺跡ボロブドゥールについて理解を深めます。(世界史)
4.「東南アジアから見た5-9世紀の仏教世界」上座仏教が優勢となる以前の東南アジアには大乗仏教が定着していました。東南アジアから見た仏教の展開を理解します。(世界史)
5.「日本の多文化共生社会」日本の定住外国人の多様な背景を概説し、日本の多文化共生社会のあり方を考えてもらいます。(多文化共生)

          

カテゴリー

過去のお知らせの記録

新規エントリーの投稿
[権限をもつユーザのみ]