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【アジア・アフリカ地域文化論】4月30日

【リレー講義】

今週は3限に、地域文化概論B1「アジア・アフリカ地域文化論」の第4週を担当し、「東南アジアに広まった古代インドの文化:ラーマーヤナ物語を例として」という題目で講義を行いました。

配付資料とスライドに基づいて、ラーマーヤナ物語を事例として東南アジアに広まった古代インドの文化について紹介し、東南アジアの「インド化」という側面と、東南アジア社会によるインド文化の「現地化」という側面が並行して進展した状況を検討しました。東南アジアの人々にとってのラーマーヤナの魅了の一端を知ってもらえれば幸いです。

授業の最後に設問を2つ出し、コメント・シートに書いて提出してもらいました。設問への解答に基づいて評価を行います。
1. 東南アジアの「インド化」の特徴を述べなさい。
2. 東南アジアのラーマーヤナについて感想を述べなさい。

コメント・シートに質問がありましたので、2つほど選んでお答えします。
【質問1】イスラーム教徒が多数を占めるインドネシアでラーマーヤナが芸能として享受されていることに驚きました。また、歌や踊りや人形というのはイスラームでも許容されているのでしょうか?
【回答1】イスラームが優勢の社会であっても、その実践には大きな地域差があります。インドネシアの場合には、ラーマーヤナはヒンドゥー教の叙事詩というよりは、まずは興味深い物語として人々は享受しているのだと思います。また、歌や踊り、さらに人形についてもまったく問題はありません。

【質問2】バリで見たケチャでは、ラーヴァナは怪物というよりは悪党親父のような格好をしていました。観光客向けに分かりやすくしているのでしょうか?
【回答2】確かにラーヴァナは、頭が10あり、腕が20本ということになっていますが、インドも含めて多くの場合、その異様な姿よりは、欲望に突き動かされるキャラクターとしての側面に焦点が当てられているように思います。バリの場合でも、観光客向けというよりは、バリ人自身がラーヴァナを「悪党親父」のような存在として受け止めているのだと思います。


          

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