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2012年6月28日

【東南アジア古典文化論】

今週は、配布資料とスライドを使って、東南アジアへの11世紀に始まる上座仏教の到来と13世紀に始まるイスラームの到来について触れる予定です。

パーリ語を使用する上座仏教については、サンスクリットを使用する大乗仏教および小乗仏教の後に到来した第2波であること、イスラームについては、現地のイスラーム化とイスラームの現地化は同じ現象の裏表であることをとくに説明しました。いずれも、新しい文化・宗教の到来が、それまでの文化・宗教を消し去ることなく、重層的に融合しているところがポイントです。

イスラームの到来については時間が足りなくなったので、来週、残りを説明したあと、TAの院生にビルマのパガン朝の仏教についての説明をしてもらう予定です。

期末リポートの参考文献として「サンスクリット化」の短い論文を配布しました。

■今週の配布物(PDF)
上座仏教の到来
イスラームの到来

■参考リンク(PDF)
・「インド化再考 : 東南アジアとインド文明との対話」『総合文化研究』no.10 p.122 -143.

2012年6月27日

【地域基礎】

今週から映画『ビューティフル・デイズ』(Ada Apa dengan Cinta?、2002年、112分)を2回にわたって鑑賞します。今日は、チンタがランガの家を訪問するところまで見ました。来週は、この続きから見ていきます。見終わってから映画の内容について議論をしてもらう予定です。

夏休みのレポートの課題一覧の改訂版を配付しました。1人1テーマを選んで、担当を決め、7月11日の最終週に担当者の名前を報告できるようにしてください。

7月11日には各グループごとに、現在のインドネシアで起こっているトピックについて報告してもらいます。来週までにトピックの候補を2つ用意しておいてください。

7月11日の6限補講の時間に期末試験をおこないます。試験の範囲は来週、お知らせする予定です。

2012年6月25日

【3年次対象ゼミ】

今週は、ダンドゥットに関する映像資料として「アジア発見 歌手になりたい:インドネシア、タシクマラヤ」(NHK総合、1996年放送、23分)とVideoCDのGoyang Inul(2003年)を鑑賞し、内容について意見を交換しました。来週は論文のレジュメの報告をしてもらいます。

【インドネシア語読解】

今週は、最初に応用問題No.6の残りを報告してから提出してもらいました。テキストは第8章のp.22, pr.4からp.24, pr4まで終了しました。次回はこの続きから第10章の最後まで進む予定です。

2012年6月21日

【4年次対象ゼミ】

今週は、SMさんの卒論指導をおこないました。今後の作業として、インドネシア語の母子手帳による母子保健サービス向上プロジェクトについて、インドネシア語母子手帳の内容の確認、外務省のMDGのサイトの確認、市ヶ谷のJICA図書館での調査、および関連するプロジェクトとして豆乳による母子栄養改善プロジェクトについて、日本豆乳協会でのデータの確認を勧めました。

【東南アジア古典文化論】

今週は、アンコールに関連する映像資料を2点見てもらいました。最初は、TBS世界遺産「アンコールII」(2000年、24分)、2つめはディスカバリー・チャンネル「密林の至宝 アンコール」(2002年、53分)です。後者についてはコメントシートに記入し、提出してもらいました。

来週は、東南アジアへの上座仏教とイスラームの到来について触れる予定です。

2012年6月20日

【地域基礎】

すでに配付した年表と「スハルト期の経済」を資料として、グループごとにスハルト政権期の特徴を議論し、報告してもらいました。

続いて、「インドネシア近代文学史」の資料に基づいて、先週の宿題を報告してもらいながら、インドネシアの文学史の概要を説明しました。

来週から映画『ビューティフル・デイズ』(Ada Apa dengan Cinta?、2002年、112分)を2回にわたって鑑賞します。資料を配付したので予習しておいてください。詳しくは「映画で学ぶインドネシア」のページを参照してください。

夏休みのレポートの課題一覧を配付しましたが、課題の数が不足していましたので、来週、改訂版を配付します。

2012年6月18日

【3年次対象ゼミ】

関本論文の第5章と第6章(最終章)について報告と議論をおこないました。関連する文献として以下のものを読むとよいでしょう。
・ギアツ、クリフォード『ヌガラ:19世紀バリの劇場国家』(1990年、みすず書房)
・Tambiah, S.J. World Conqueror and World Renouncer: A Study of Buddhism and Polity in Thailand against a Historical Background. Cambridge University Press, 1976.
・トンチャイウィニッチャクン『地図がつくったタイ』(明石書店、2003年)

次回からは、インドネシアの大衆文化について検討するために、具体的な資料としてダンドゥットに関連する以下の3本の論文を読むことにします。再来週、レジュメを報告してください。来週は、論文を踏まえてダンドゥット関係の映像資料を見ることにします。
・田子内進. 1997.「ダンドゥットの成立と発展(I):近代演劇の成立とオルケストラ・ムラユ」『東南アジア研究』35(1):136-155.
・田子内進. 1998.「ダンドゥットの成立と発展(II):オルケス・ムラユの発展とムラユ音楽」『東南アジア研究』36(3):355-378.
・田子内進. 2003.「インドネシアのポピュラー音楽、ダンドゥットの発展:イヌル現象を読み解く」『年報 地域文化研究』7:261-279.

【インドネシア語読解】

今週は、テキストは第7章をすませ、第8章のp.22, pr.3の最後まで終了しました。次回はこの続きから進めます。

これまでの提出物を返却しました。応用問題No.6を配付し、問題を解いてもらいました。時間が来て残った分は宿題としました。

2012年6月14日

【一般】

1930年代にインドネシア(オランダ領東インド)のバリ島とベトナム(フランス領インドシナ)で撮影されたハリウッド無声映画2本を上映します。

1931年にタヒチでロケをしたTabuがヒットしてから、「エキゾチック」な土地で現地の人々に演技をさせるドキュメンタリー風映画がハリウッドで多数作られるようになりました。今回紹介する2本のハリウッド作品にも、東南アジアの「エキゾチック」な風物に対する西洋の好奇な視線を感じとることができます。

他方、1930年代の東南アジアの人々の生活や風景が写しとられており、貴重な記録ともなっています。

アジア文化論IIの授業ですが、受講生以外にも公開します。関心のあるかたは自由にご参加ください。

1930年代植民地期の東南アジアで撮影されたハリウッド映画上映会
いずれの回も簡単な紹介のあと上映にはいります。
■第1回上映■
日時:2012年5月10日(木)6限(17:40-19:10)
場所:東京外国語大学研究講義棟115教室
題目:Legong: Dance of the Virgins(レゴン―乙女たちの踊り)
インドネシア(オランダ領東インド)、バリ島で撮影。
Henry de La Falaise監督、アメリカ作品、1935年公開、2原色式テクニカラー、65分、無声。ガムラン音楽の伴奏録音、英語による説明字幕
内容:現地ロケで制作されたバリ社会を舞台にした悲恋の物語。村の少女でレゴン舞踊の踊り子プトゥはガムラン演奏者の若者ニョンに恋するが、ニョンはプトゥの妹サプラックに魅かれる。
詳細:Internet Movie Database(英語)

■第2回上映■
日時:2012年6月14日(木)6限(17:40-19:10)
場所:東京外国語大学研究講義棟115教室
題目:Kliou: The Tiger(人食い虎)
ベトナム(フランス領インドネシナ)で撮影。
Henry de La Falaise監督、アメリカ作品、1936年公開、白黒、49分、無声。
内容:中部高原の少数民族(当時は「モイ族」と総称されていました)の村を舞台に、村人を恐怖させる虎を狩る若者を主人公にした物語。前作と同じくHenry de la Falaise監督作品。
詳細:Internet Movie Database(英語)

movie-poster-legong-02.jpg

ポスター(PDF)
東南アジア植民地期映画-Legong-02.pdf
東南アジア植民地期映画-Kliou.pdf

【東南アジア古典文化論】

この時間では、1930年代植民地期の東南アジアで撮影されたハリウッド映画の第2回上映会をおこないました。第2回の上映作品は以下の作品です。

題目:Kliou: The Tiger(虎)
ベトナム(フランス領インドネシナ)で撮影。
Henry de La Falaise監督、アメリカ作品、1936年公開、白黒、49分、無声。
内容:中部高原の少数民族(当時は「モイ族」と総称されていました)の村を舞台に、村人を恐怖させる虎を狩る若者を主人公にした物語。Henri de la Falaise監督作品。

映画の上映に先立って配付資料にもとづいて簡単な解説をおこないました。フランス植民地期のベトナムでは1920年代には映画館が営業していましたが、ベトナム人によるベトナム語の映画は1938年になって製作されています。

上映会の詳細は「1930年代植民地期の東南アジアで撮影されたハリウッド映画」のお知らせのページでも紹介しています。

【4年次対象ゼミ】

今週は、MYさんの卒論指導をおこないました。日本の対インドネシアODAについての資料を集めていること、ODAに関する基本文献として渡辺利夫・三浦有史『ODA(政府開発援助)―日本に何ができるか』 (中公新書)を読んでいることを報告してもらいまいた。引き続き、どのような問いを立てることができるかという観点から資料と文献を読み進めるとよいでしょう。

【東南アジア古典文化論】

今週は、先週に続いて映像資料『世界遺産 プランバナン寺院遺跡群』(TBS, 2000年放送, 24分)の残りを最後まで見ました。

続いて、スライドと配布資料を使って大陸部におけるインド化した王権の活動の例としてアンコール朝のアンコールワットについて説明をしました。

そのあと映像資料『世界遺産 アンコール I』(TBS, 2000年放送, 24分)を最後まで見ました。

次回は、映像資料『世界遺産 アンコール II』を見る予定です。今週は6限補講をしました。

期末レポートの課題を出しました。以下の要領にしたがって提出をしてください。

■期末レポート課題
提出日:2012年7月12日(木)4限授業時まで
問題:下記の設問に答えなさい。A4判レポート用紙2-3枚にまとめ、左上でホッチキス止めすること。1枚めの上部に氏名・専攻語・学生番号を明記し、「東南アジア古典文化論1学期期末レポート」と表記すること。

日本や朝鮮(およびベトナム)は、中国文明の影響を強く受けた結果、漢字や漢語由来の単語を使用し、儒教や漢訳仏典を奉じる大乗仏教の教えを受け入れているにもかかわらず、日本や朝鮮それぞれの文化的独自性を維持している。このような現象を東アジアの「中国化」と呼ぶのであれば、同じような意味で東南アジアの多くの地域について「インド化」したと呼ぶことも可能である。このような観点から、東アジアの「中国化」と比較しながら、東南アジアの「インド化」(Indianization)の由来、特徴および意義を具体例をあげつつ論じなさい。

■今週の配付物(PDF)
配付資料:アンコール王朝とアンコール・ワット

■参考リンク
アンコール・ワットに影響を与えたとされるインドの寺院についての情報です。
Brahmeswara寺院(11世紀、オリッサ州)
Brahmeswara寺院の写真
Vaikuntha Perumal寺院(8世紀、タミルナドゥ州カンチプラム市)
Vaikuntha Permual寺院の写真


2012年6月13日

【地域基礎】

今週は、先週見終えた映画『青空がぼくの家』をもとにグループで議論をおこなってもらいました。とくに、スハルト政権のあり方を映画がどのように描いているかに焦点をおいて議論してもらいました。参考として、スハルト大統領が長期政権を維持することができた大統領選出の仕組みについても説明をおこないました。

そのあと、先週配付した年表と、今週配付した「スハルト期の経済」を資料として、グループでスハルト政権期の特徴を議論し、報告してもらいました。時間が足りなかったので、来週、続きをおこないます。

最後に、来週に向けて「インドネシア近代文学史」の資料を配付しました。次週までに指示にしたがって予習をおこなってきてください。

2012年6月11日

【インドネシア語読解】

今週の3限は、アゴラ・グローバルのプロメテウス・ホールで開催されたボルネオ舞踊ショー&ワークショップへの参加と感想コメント(様式自由)の授業時間内の提出をもって出席としました。東マレーシアのサラワク州の伝統舞踊の上演に続いて学生からの質問にサラワク文化遺産協会の会員が答えるワークショップがありました。

6限は補講をおこないました。宿題にしていた応用編No.5の発表をしてもらったあと、提出してもらいました。

テキストは第6章をすませ、第7章のp.20, pr.2の最後まで終了しました。次回はこの続きから進めます。

【3年次対象ゼミ】

先週に引き続き、関本照夫「東南アジア的王権の構造」伊藤亜人・関本照夫・舟曳建夫編『現代の社会人類学3 国家と文明への過程』(東京大学出版会, 1987: 3-34)の第4章(タンバイアの銀河系的政体)と第5章についてレジュメを報告してもらい、内容について議論しました。

時間の後半を使って、構想中の卒業論文のテーマについて話もらいました。次週以降に講読する論文の選択に際して参考にさせてもらいます。

【リレー講義】

今日は、227教室で、地域基礎1A「東南アジア研究入門」:宗教と社会(その2)の最初の60分を担当し、イスラームについての講義をおこないました。受講生は東南アジア地域の専攻語を学ぶ1年生、110名でした。

最初に映像資料『イスラム潮流 第1回 すべてはメッカに始まる ~世界に広がる13億人~』(NHK,1999年11月14日放送)の最初の一部を見てもらい、そのあとスライドと配布資料を使って、イスラーム一般と東南アジアのイスラームについての概要を説明しました。

引き続き、今井先生がフィリピンのキリスト教とベトナムの宗教と信仰についての講義がおこなったあと、テストをおこないました。テストの平均得点は10点満点で6.4点でした。予想外に悪かったので、復習をしっかりとしておいてください。

コメントシートはすべて読ませてもらったあと、各専攻語の先生を通じて返却します。

2012年6月 7日

【4年次対象ゼミ】

今週はSAさんが参加しました。前回の課題であった社会調査の方法論について、白谷秀一・朴相権『実践初めての社会調査:テーマ選びから報告まで』(自治体研究社、2002年)をもとに報告してもらいました。また、テーマについては、当初のハラール食品についてから、インドネシアにおけるラルク・アン・シエルのファン・コミュニティについてに変更することにしたので、新しい研究計画を立てるように指示しました。

【東南アジア古典文化論】

今週は、前回途中まで見た映像資料『世界遺産 ボロブドゥール仏教遺跡群』を最後まで見ました。続いて、この中でも紹介されていたチャンディ・プランバナンについてスライドを使って紹介したあと、映像資料『世界遺産 プランバナン寺院遺跡群』(TBS, 2000年放送, 24分)を途中(バリ島での民家での奉納の様子)まで見ました。次回は、この続きから見ます。

5月17日に出したインド化についてのレポートを提出してもらいました。どうしても今日出せなかった人は、633のドアボックスに提出してください。

2012年6月 6日

【地域基礎】

今週は通常の2限と6限補講の2回、授業をおこないました。

まず、前回に引き続きインドネシアの華人についての検討をおこないました。最初に、BBCニュースの記事をもとに、インドネシアの華人に対する同化政策と統合政策について発表してもらいました。そのあと、華人の財閥、1998年5月暴動と民主改革期における変化について検討しました。

そのあと、スハルト時代の様子を知る手掛かりとして、簡単な説明をしてからインドネシア映画『青空がぼくの家』(Langitku Rumahku、スラムット・ラハルジョ・ジャロット監督、1989年、102分)の鑑賞を始めました。貧富の差、都市と農村の差、ジャカルタとジャワの差などの対照的な場面がたくさん見られる映画です。この時間では最初の30分ほどを見て、残りは本日の6限補講の時間に見ました。

2012年6月 4日

【3年次対象ゼミ】

今週から、関本照夫「東南アジア的王権の構造」伊藤亜人・関本照夫・舟曳建夫編『現代の社会人類学3 国家と文明への過程』(東京大学出版会, 1987: 3-34)を読んでいきます。レジュメを報告してもらい、第3章まで検討をすすめました。次回は第4章(タンバイアの銀河系的政体)からです。

【インドネシア語読解】

今週は、まず小テストの答案と応用編No.4を返却しました。小テストは意外と結果がよくありませんでした。しっかりと復習をしておいてください。

テキストは第4章の残りと第5章のすべてを終了しました。次回は、第6章に進みます。予習をしておいてください。

応用編No.5を配付しました。途中で時間がきたので、残りを完成させて、次回の授業時に提出してください。

なお、来週6月11日の3限には、アゴラ・グローバルのプロメテウス・ホールでボルネオ舞踊ショー&ワークショップが開催されるので、この公演への参加と感想コメント(様式自由)の授業時間内の提出をもって出席とします。また、当日の6限は予定どおり補講をおこなうので、しっかりと予習をしておいてください。

ボルネオ舞踊ショー&ワークショップのポスター (PDF)

          

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