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大学院

2017年7月 3日

修論ゼミでは、Rさんに日本とムスリムとの関係について、歴史を遡って現在に至るまでを報告してもらいました。

院生ゼミでは、第5章「古い言語、新しいモデル」をTさんに報告してもらい、議論をおこないました。前半では、出版資本主義と結びついた俗語が、他の俗語に対する優位を得て、(国家語とはことなる)国民語として地位を得たこと、後半では、国旗・国家・共和制といったモデルがひとたびが形作られると、後に続くネーションに模倣されていったことを確認しました。

続いて、博士後期後期課程のYさんに博士論文の構想について報告してもらい、議論をおこないました。通説で使われている「王朝」に代わる新しい概念の必要性が指摘されました。

今週は、春学期最後のゼミとなりました。ゼミ終了後、調布のインドネシア料理レストランで懇親会を開催しました。実りある夏学期を過ごしてください。

2017年6月26日

修論ゼミでは、研究生のKさんに研究計画書の修正版について報告してもらい、研究の背景と狙いに関する議論を深めました。

院生ゼミでは、ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』(書籍工房早山、2006年)の第4章「クレオールの先駆者たち」をTさんに報告してもらいました。クレオールの役人の遍歴による空間認識とクレオールの印刷業者の新聞出版による地方単位の情報共有が、スペイン語を話すアメリカがいくつもの国民に分かれた要因とするアンダーソンの議論を確認しました。

続いて、博士後期後期課程のKさんに香港での調査を視野に入れた研究計画について報告してもらい、議論をおこないました。

次回は、第5章「古い言語、新しいモデル」をTさんに報告してもらう予定です。また、加えて、博士後期課程のYさんに博士論文の構想について報告してもらう予定です。

2017年6月19日

修論ゼミでは、Aさんに修論の第1章であつかう翻訳理論の歴史について報告をしてもらい、その内容について議論をおこないました。翻訳理論一般で扱う翻訳の仕方(アプローチ、スタイル)の類型と、Aさんが扱っている日本語からインドネシア語への翻訳における対人関係表現の表現の問題とは区別して議論するとよいことを確認しました。

院生ゼミでは、ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』(書籍工房早山、2006年)の第3章「国民意識の起源」をAさんに報告してもらいました。ラテン語が宗教者による聖典の言語として知識人の公用語であった地位から没落するなかで、様々な方言や俗語が標準化されて公用語の地位を獲得するプロセスにおいて、出版資本主義が大きな役割を果たしたことを確認しました。また、出版資本主義とならんで教育制度も重要であることが指摘されました。

次回は、第4章「クレオールの先駆者たち」をTさんに報告してもらう予定です。また、加えて、博士後期課程のOさんに香港での調査計画について報告してもらう予定です。

2017年6月12日

修論ゼミでは、研究生のRさんに研究の中間報告をしてもらい、その内容について議論をおこないました。日本人のイスラームに対するイメージの形成にマス・メディアのニュース報道が大きく影響していることが明らかになりました。その一方で、現在ではソーシャル・メディアの影響が大きいことも指摘されました。

院生ゼミでは、ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』(書籍工房早山、2006年)の第2章「文化的根源」をRさんに報告してもらいました。ラテン語による宗教共同体が解体することで俗語による新しい想像の共同体が生まれたこと、俗語による近代小説において同時代の我々という意識が共有されるようになったことなどが確認されました。

次回は、第3章「国民意識の起源」をRさんに報告してもらう予定です。

2017年6月 5日

修論ゼミでは、研究生のKさんに研究計画案を発表してもらい、その内容について議論をおこないました。横浜の高齢者介護施設でインタビューをおこなってデータを集め、その分析結果を来年2月に研究報告として提出する予定であることを確認しました。

院生ゼミでは、ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』(書籍工房早山、2006年)の序章を全員で検討しました。「ナショナリズム」が、自由主義やファシズムといった「主義(イズム)」とは異なり、人類学的な意味での「宗教」や「親族」と共通点のある「想像された(政治的)共同体」であること、それゆえに、「無自覚的で」「自然で」「歴史的継続性があるもの」として認識されることを確認しました。

次回は、第2章「文化的根源」をRさんに報告してもらう予定です。

2017年5月29日

修論ゼミでは、Aさんに修論の「はじめに」の草稿を発表してもらい、その内容と構成について議論をおこないました。

翻訳には、言語によって表現される部分と、言語によっては直接的に表現されない文化的背景があること、後者を翻訳のなかで表現するためには、「書き換える」同化的アプローチと「あえてそのまま」とする異化的アプローチがあることが確認されました。

構成については、1パラグラフ1トピックの原則で文章を整理すると、無理が少なくなることが確認されました。

院生ゼミでは、TJさんに、スリランカ遺跡調査の報告をスライドを示しながらしてもらいました。東南アジアと歴史的につながりの深いスリランカの代表的な遺跡を見ることができました。

次回からは、ベネディクト・アンダーソンの『定本 想像の共同体』(書籍工房早山、2006年)からいくつかの章を読む予定です。

2017年5月22日

修論ゼミでは、最初に、研究生のKさんに先週の発表での議論をもとに、より絞り込んでテーマを発表してもらいました。その結果、高齢者介護の現場における外国人職員が増加することにともなう主として職員間のコミュニケーション・ギャップについての考察ということになりました。また、データの集め方、仮説の立て方についても議論をおこないまいした。つながりのある施設に調査の可能性について打診してみること、また、滞日年数が長いほどコミュニケーション・ギャップが減少するという仮説が立てられることが検討されました。

院生ゼミでは、Tさんに、加藤剛「第7省「国家英雄」以前―「祖国」の創出と名づけをめぐって―」の書評レジュメを報告してもらい、議論をおこないました。インドネシアとベトナムを比較した場合、ベトナムには11世紀李朝誕生のときにはある種のナショナリズムが生まれていたこと、それは中国との関係性というベトナム的な条件のもとでおこったこと、したがって、中国による支配がオランダ植民地支配の代わりとなった可能性が考えられること、圧倒的な多数派民族である金族が自らの言語を公用語として確立したこと、などインドネシアとの違いがいくつか指摘され、共有することができました。

『「国家英雄」が映すインドネシア』の検討を今週までの予定でしたが、先週の議論での発言を受けて、あらたに金子正徳「第3章 民族集団のしがらみを超えて―ランプン州における地域称号制度と、地域社会の課題」の書評レジュメを6月12日にAさんに報告してもらうことにしました。

また、次回は青山の方で話題を準備することとし、そのあとは、ベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』からいくつかの章を読むことにしました。

2017年5月15日

修論ゼミでは、研究生のKさんに研究報告のテーマについて発表してもらいました。外国人職員の増加を背景として介護施設職員の中の多文化共生が求められるという文脈のなかで、職員間の異文化コミュニケーションにテーマを絞るという方向で議論がまとまりました。

院生ゼミでは、Oさんに、ファジャール・イブヌ・トゥファイル「第5章 偉大なるインドネシアという理想:ムハマッド・ヤミン、タラウィの村からジャワの宮廷まで」の書評レジュメを報告してもらい、議論をおこないました。スマトラのミナンカバウ出身で、ジャワで教育を受け、1928年の青年の誓いにスマトラ代表として参加したヤミンのライフヒストリーは、特定の地域や民族を超えたインドネシアというネーションのあり方を体現するものでした。また、ジャワのマジャパヒトとその宰相ガジャマダを描くことで国民国家インドネシアのためのナショナルヒストリーを書いたことも、彼が国民英雄に選ばれた要因であることが確認できました。

また、反植民地闘争をおこなった地域の英雄や独立前後の民族主義運動にかかわったナショナルな英雄がすでに出尽くした現在、地域レベルの英雄が取り上げられるようとしているという指摘は本書全体の狙いをよく表していると感じました。

次回は、Tさんに、加藤剛「第7省「国家英雄」以前―「祖国」の創出と名づけをめぐって―」の書評レジュメを報告してもらう予定です。

2017年5月 8日

修論ゼミでは、私の方から資料とパソコンの情報を提示して、引用の具体的な方法について説明をおこないました。ブロック引用のインデントの説明をする際に、あわせて、Wordのスタイルの使い方も説明をおこないました。

次回は研究生のKさんに研究テーマにかかわる新聞記事についてレポートをまとめたものを発表してもらう予定です。

院生ゼミでは、Lさんに、横山豪志「第4章 「創られた英雄」とそのゆくえ―スハルトと一九四九年三月一日の総攻撃」の書評レジュメを報告してもらい、議論をおこないました。ジョグジャカルタ総攻撃の歴史的な位置づけが不問にされたまま、ハムンクボノ9世がジョグジャカルタ州知事になったり、スハルトが大統領になったりした政治的な文脈から、この出来事が評価、再評価されてきたことが確認されました。

次回は、Oさんに、ファジャール・イブヌ・トゥファイル「第5章 偉大なるインドネシアという理想:ムハマッド・ヤミン、タラウィの村からジャワの宮廷まで」の書評レジュメを報告してもらう予定です。

2017年5月 1日

修論ゼミでは、研究生のLさんに研究生としての調査から修論作成にいたるまでの研究計画を発表してもらい、検討をおこないました。

次回は、私の方から引用の具体的な方法についての説明をおこなう予定です。その次の回には研究生のKさんに研究テーマにかかわる新聞記事についてレポートをまとめたものを発表してもらいます。

院生ゼミでは、Aさんに、山口裕子「第1章 未完のファミリー・アルバム―東南スラウェシ州の、ふたつの英雄推戴運動―」の書評レジュメを発表してもらい、議論をおこないました。ここで取り上げられた事例は国民英雄として認められるには至っていない事例であること、英雄推戴の背景にはたぶんにローカルな論理が働いていること、その一方で、国民国家の正当な一員として承認されたという欲求もまた背景にあることなどが確認されました。

次回は、Lさんに、横山豪志「第4章 「創られた英雄」とそのゆくえ―スハルトと一九四九年三月一日の総攻撃」の書評レジュメを報告してもらいます。

2017年4月24日

修論ゼミでは、今月から来年2月末までインドネシアに留学するOさんに調査計画を発表してもらいました。また、研究テーマの参考になる先行研究として、佐川徹『暴力と歓待の民族誌―東アフリカ牧畜社会の戦争と平和―』(2011年、昭和堂)を挙げてもらいました。

次回はLさんの発表の予定です。

院生ゼミでは、先週に引き続いて、山口・金子・津田「序 英雄大国インドネシア」の修正版レジュメをもとにKさんに発表してもらいました。今週は、国民統合という概念をめぐって、日本との比較を含めて議論をおこなうことができました。

なお、ゼミのなかで触れた引用と要約については「引用の方法」を参考にしてください。

次回はAさんに、山口裕子「第1章 未完のファミリー・アルバム―東南スラウェシ州の、ふたつの英雄推戴運動―」の書評レジュメを発表してもらう予定です。

2017年4月17日

今週は、修論指導では、Aさんに修論の構成について報告してもらいました。

ゼミでは、山口裕子・金子正徳・津田浩司『「国家英雄」が映すインドネシア』(木鐸社、2017年)から山口・金子・津田「序 英雄大国インドネシア」のレジュメをKさんに発表してもらいました。

インドネシア語のbangsaとsuku bangsa、英語のnationとethnic group、日本語の国民と民族との関係について議論をおこないました。

インドネシアの民族について理解するにはよい文献なので、来週もう一度、この発表をもとに議論を積み重ねたいと思います。

2017年4月10日

今週、今年度最初の大学院生対象のゼミを開きました。大学院ゼミは月曜日2限、3限、4限に開講します。2限では博士前期課程の院生と研究生を対象にした修論指導、3限では博士前期課程と博士後期課程の院生と研究生を交えての文献講読、4限では博士後期課程の院生を対象にした博論指導をそれぞれ主に行う予定です。

今週は、それぞれの研究の進捗状況または研究計画を報告してもらいました。

文献講読では、山口裕子・金子正徳・津田浩司『「国家英雄」が映すインドネシア』(木鐸社、2017年)からいくつかの章を選んで書評レジュメを報告してもらうことにしました。

          

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