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2010年5月31日

【3年次対象ゼミ】

今週は、先週の報告で出てきたギアツの「劇場国家論」について調べ、A4判1枚のレジュメにまとめて、発表してもらいました。レポートの書き方について説明したことは、卒論作成時に活用してください。

来週は、現時点で予定している卒論のテーマについて話してもらう予定です。

【インドネシア語読解】

今週はBBCニュースの発表の提出がありませんでした。来週は1班に発表をお願いします。

予定のとおり、小テストをおこない、第1章のテキストの一部を日本語に訳してもらいました。

テキストは第3章の第5パラグラフの最後(p.15, ...yakni dicambuk)まで進みました。

今日読んだところでは、以下の文について質問がありました。

Jangankan upah dalam bentuk uang yang mereka peroleh, upah sekdar teh botol pun, tidak mereka dapatkan selama kerja paksa itu.
この文は、全体で、[目的語] tidak mereka dapatkan [selama kerja paksa itu].という動詞のゼロ形を使った文型になっています。「強制労働のあいだ、彼らは[目的語]を手にすることがなかった。」という意味です。

[目的語]の部分は、Jangankan A, B (pun) という文型で、「Aのみならず、Bも」という意味になります。punはBの部分を強調しています。

A dalam bentuk Bというのは、「Bという形をとったA」つまり「AというB」という意味になります。

したがって、全体としては、「お金の支払いを受けとるどころか、お茶の瓶程度でさえ、強制労働のあいだ手にすることはなかった。」という意味になります。

1年生のときに習った文法的知識を組み合わせれば十分に読むことができることが理解できたと思います。

来週はこの続きから始めます。第5章以降のテキストを配付する予定です。

2010年5月27日

【4年次対象ゼミ】

今週は、CCCN公開セミナーの出席をもって、ゼミ出席に代えました。

来週は、フローレス島の水引き請負人のビデオを見た後は、バティックについての英語の輪読を予定しています。予習をお願いします。
Lee Chor Lin. 2007. Batik: Creating an Identity. Singapore: National Museum of Singapore & Editions Didier Millet.

【東南アジア古典文化論】

今週は、ワークシートを使いながら、インドの宗教の成立と発展について概観しました。バラモン教、仏教、ヒンドゥー教の出現、さらに、仏教のなかでも初期仏教、部派仏教(上座仏教はこの中の一つ)、大乗仏教(密教はこの中からの発展)の発展をたどりました。

宿題で出してもらっていた国名の由来のレポートを返却しました。
前回出した東南アジアへのヒンドゥー教の影響のレポートを提出してもらいました。

■今週の配布資料 (「インドにおけるヒンドゥー教と仏教の発達」ワークシート)
ファイルをダウンロード (76KB, PDF)
■今週の配布資料 (東南アジア各国国名の意味と由来 「解答編」)
ファイルをダウンロード (309KB, PDF)

【リレー講義】

多言語・多文化社会論(歴史と現在)で「多民族国家インドネシア」の授業を担当しました。

先週の講義で紹介されたマレーシアと比較しながら、インドネシアにおける多民族の共存の特徴を理解してもらうことが狙いです。ワークシートを使いながら、ビデオ資料「南の国のデパートガール」を見てもらいました。

1学期末のレポートの採点を終わりました。17名の受講生からインドネシアに関するレポートが提出されました。

授業では、多民族国家において宗教の違いがかならず対立にはつながるわけではないことに焦点をおいたので、レポートではインドネシアにおける宗教間・民族間の対立についてまとめてもらいました。マルク(アンボン)、アチェ、パプアを取り上げた人が多かったですが、カリマンタンや華人の問題を取り上げてくれた人もいました。

それぞれ資料を調べて問題を掘り下げていてよかったと思います。ただ、このように現在も解決していない問題については、使用した資料の発表年に注意するようにしてください。たとえば、アチェの状況は2004年のスマトラ沖大地震の前と後では大きく変わっています。最新の状況を調べるようにしてください。

2010年5月26日

【地域基礎】

今週は、チームぶーらんたんに「独立記念日に要人暗殺」のニュースを報告してもらいました。インドネシアでテロをおこなう人々は、大衆の支持のない少数派である点に留意してください(もし大衆の支持があるのであれば、合法的な活動を通して意見を主張できるはずです。)次回の発表はチームくーちゃんにお願いします。

そのあと、これまでに提出してもらったレポートや小テストの結果を返却しました。

そのあと、予定を変えて、6月4日(金)にヌギさんが本学を訪問するときにおこなう交流学習会のための準備をしてもらいました。

最初に、インドネシアの熱帯で生産されている商品作物であるパーム油と紙パルプについて理解してもらいました。

次に、映像資料「インドネシア パーム油増産が森を追いつめる」(NHK BS, 2008年6月24日放映, 原題Lost in Palm Oil. 43分)を見てもらい、パーム油と森林伐採の関係を見てもらいました(英語版の冒頭10分間をYoutubeで視聴することができます)。

そのあと、映像資料「インドネシアから来たコピー用紙」(JATANウェブサイト, 8分)を見て、紙パルプと森林伐採の関係を見てもらいました。

最後に、映像の内容について振りかえりをおこなったあと、本学アゴラ・グローバルに移動して、そこで開催中の写真展「スマトラの森」を見てもらい、スマトラの自然の現状と野生動物保護の取り組みについて考えてもらいました。

配布資料にしたがって、グループごとにレポートをまとめてください(A4判1枚のレポート用紙)。ヌギさんへの質問については、来週火曜日2限のインドネシア語の授業のなかでインドネシア語にして準備してください。

次回の授業では、ヌギさんとの交流会で気づいたこと、感じたことを発表してもらいます。

■今週の配布資料 (交流学習会の手順)
ファイルをダウンロード (16KB, Word doc)

2010年5月24日

【3年次対象ゼミ】

今週は、前回の授業で配付した観光人類学の論文を読んで、レジュメを発表をしてもらい、議論をしました。

次回は、今日の報告で出てきたギアツの「劇場国家論」について調べ、A4判1枚のレジュメにまとめて、発表してもらいます。自分の研究テーマに即してコメントできる人は、それも入れてください。

また、卒論のテーマについてアイデアが出てきた人には、その内容について話してもらう予定です。

【インドネシア語読解】

今日は5班にBBC Indonesia.comのニュース「対テロ部隊が12人を逮捕」について報告してもらいました。
・インドネシア語は略語が多いので注意をしてください。
・secara tidak langsungは「直接ではない方法で」つまり「間接的に」という意味です。同様の語句としては、secara tidak formal「非公式に」、secara tidak adil「不公平に」などがあります。

テキストは第2章の最後まで進みました。来週は第3章からです。来週は小テストを予定しているので第1章と第2章の復習をしておいてください。

・主語+動詞の順番ではなく、動詞+主語になっている文を倒置形と呼びます。インドネシア語では、時や場所を示す副詞句が文頭に立つとき、倒置の形をとることがあります。

・Di bagian timur berdirilah Stadhuis.は[副詞句][動詞][主語]の倒置形になっています。前の文でバタビアの西側について述べられているので、「さてそれでは東側では」という具合に、主題がつながっていることをはっきりとさせるために、このような文型になっていると考えられます。

・Di bagian timur ini bermukim orang kaya dalam rumah-rumah yang...も[副詞句][動詞][名詞][副詞句]という倒置形になっています。前の文に出てきた「市庁舎」の東側という主題をつなぐために、副詞句が最初に来て、倒置の文を作っています。

・今回は出てきませんでしたが、インドネシア語では、[副詞句]banyak[名詞]の文型もよくみられます。この場合、副詞句のあとに動詞adaが隠れていると考えると、倒置形の場合と同様に理解することができます。たとえば、
・Di bagian timur ini [ada] banyak orang kaya dalam rumah-rumah yang...

2010年5月20日

【4年次対象ゼミ】

今週は、6人出席しました。FSさんから卒論の進展について報告してもらいました。テーマをインドネシアにおける水に関するインフラについての研究に変更するとのことでした。再来週、フローレス島での水資源に関連するビデオを見ることにし、そのときにFSさんにフローレス島についてのレポートをしてもらうことにしました。

そのあと、Kretekの序章を読み終わりました。クレテック起業家Nitisemitoのドラマのような波瀾万丈の生涯には興味深いものがあります。

次週は、CCCN公開セミナーの出席をもって、ゼミ出席に代えます。参加をしてください。セミナーの内容は以下のとおりです。

香港におけるギフテッド児(英才児)についてのケア
-アジアにおけるギフテッド児教育の課題-
日時:2010年5月27日 16:30-18:00
場所:東京外国語大学 研究講義棟 総合文化研究所(422)
話題提供者:香港中文大学 助理教授 合田 美穂
コメンテーター:東京外国語大学 教授 岡田 昭人(比較教育学)
詳細:[ASNETの案内

再来週にフローレス島のビデオを見た後は、バティックについての英語の輪読を予定しています。予習をお願いします。
Lee Chor Lin. 2007. Batik: Creating an Identity. Singapore: National Museum of Singapore & Editions Didier Millet.

【東南アジア古典文化論】

今週は、東南アジアのインド化について、講義をおこないました。平城遷都1300年でわく奈良の東大寺毘盧舎那仏の開眼供養も、東南アジアや東アジアを席捲したインド化の文脈においてみると、興味がまします。

次回からは、インドの宗教の成立と発展について概観します。

今週は宿題があります。配付資料に書きましたが、ここにも掲示しておきます。

・大学のパソコンから附属図書館オンライン・サービスのページにアクセス:
http://www.tufs.ac.jp/common/library/guide/list/online.html
・Gale Virtual Reference Libraryに接続
・基本検索の枠に「Indianization」と入力し検索。ヒットしたリストから以下のリンクをクリック:
Hinduism in Southeast Asia. Vasudha Narayanan. Encyclopedia of Religion. Ed. Lindsay Jones. Vol. 6. 2nd ed. Detroit: Macmillan Reference USA, 2005. p4009-4014.
(必要ならView PDF pagesをクリックしてPDFページを表示し、プリントアウト)
・この論文の中のIndianizationについて議論をおこなっている部分(p.4010)を読み、800字以内の日本語の要旨を作ってください。とくに、現代の東南アジアにおいて古典インド文化の影響がもっとも残っている分野に言及してくだっさい。来週の授業時間中に提出。A4判、最初に氏名・学生番号を明記。

■今週の配付資料 (インド化)
ファイルをダウンロード (328KB, PDF)

2010年5月19日

【地域基礎】

今週は、「今週のインドネシア」が届いていなかったので、代わりにヌギさんの講演の案内をしました。

そのあと、前回の民族と言語、宗教との関係を整理した後、スライドを使って、インドネシアの宗教について考えてもらいました。2009年のインドネシアの祝日に触れたので、宿題の内容と比較できたと思います。

前回の宿題である2010年のインドネシアの祝日を提出してもらいました。

次週は、インドネシアの華人について講義します。

2010年5月17日

【3年次対象ゼミ】

今週は、前回の授業で配付した、2004年インドネシア総選挙の結果と2009年インドネシア総選挙の結果に基づいたレポートを発表してもらいました。インドネシアの地方、民族、宗教、政党のあいだに密接な関係がわかる興味深い資料です。

次回は、観光人類学の分野の論文を読んで、レジュメを発表をしてもらいます。A4判1枚のレポートにまとめておいてください。配布した論文は山本晋司「第4章 文化観光という戦略」『バリ観光人類学のレッスン』(東京大学出版会, 1991, pp.66-87)です。

【インドネシア語読解】

今日は4班にBBC Indonesia.comのニュース「テロ壊滅作戦で5人死亡」について報告してもらいました。

来週は5班にお願いします。

テキストは第1章を終了し、第2章のp.13, par.3(...museum Fatahillah.)まで進みました。

5月末に小テストを予定しています。復習をしっかりとしておいてください。

2010年5月13日

【ブログについて】

2010年5月6日から10日にかけて東京外国語大学の全学情報システムに障害が発生した。連休期間中におこなったシステムのサービス切替作業になんらかのトラブルがあったようだ。現在はおおむね復旧したが、この間、ブログの利用に支障があった。

当初はブログへのアクセスがまったくできなくなった。その後、ブログへのアクセスが回復してからも、ファイル名に漢字とかなを使ったファイルが認識されず、ダウンロードできないという障害がしばらく続いた。

ブログを使うようになってからは、ローカルに残していないデータが増加している。万一、システム側のデータが復旧できないようなことが起きたらどうなるのか、大変に不安に感じさせるできごとだった。データの書き出しは万一の保険として定期的にしておこうと考えた。

また、漢字とかなを使ったファイル名が文字化けして認識できないという今回の障害を見ると、ネット上でのファイル名は英数字のみを使うべきという、昔からの大原則は今でも妥当だ。

ネットは電気・ガス・水道と同じような意味で社会のインフラとなった。それだけにリスク管理の体制をととのえておくことも必要ということを痛感させられた。

【東南アジア古典文化論】

今週は、東南アジアの初期王権の成立について、魏志倭人伝の記録など参考にしながら、検討しました。

■今週の配付資料 (初期王権の成立)
ファイルをダウンロード (321KB, PDF)

【4年次対象ゼミ】

前回に続いて、Kretekの第1章を、順番に1パラグラフずつ読んでいきました。今日読んだところは、クレテックが1880年代にクドゥスのハジ・ジャマフリ氏によって発明されたとされること、20世紀に入ってニティスミト氏によってBal Tigaのブランド名による商業生産が始まったことに触れていました。

次回には読み終わる予定なので、次に読むテキストの候補をさがしておいてください。

2010年5月12日

【地域基礎】

今週の「今週のインドネシア」は、チームだーぼんにご近所の府中市内の食品会社登喜和がおこなっているテンペ製造についてのニュースを発表してもらいました。登喜和食品のテンペは本社や取り扱い店で買えるようです。ニュースは記事をそのまま使うのでなく、チームで文案を作るようにしてください。

今週は、民族と言語、宗教との関係について検討したあと、民族(suku bangsa)と国民(bangsa)の違いについて説明しました。

そのあと、ビデオで「南の国のデパートガール」を見てもらい、民族と言語、宗教の関係について考えてもらいました。

インドネシアの州名について小テストをおこないました。ウ行の音とラの音は、uかeか、rかlかで紛れやすいのでとくに気を付けてください。

前回の宿題(日本語と琉球語、アイヌ語、関西方言の関係)を提出してもらいました。

今週の宿題は、2010年のインドネシアの祝日を調べてくることです。日付・名称・意味・関係する宗教・日付の決め方を調べ、A4判1枚にまとめて提出してください。

次週は、インドネシアの宗教の状況について講義します。

2010年5月10日

【3年次対象ゼミ】

今週は、前回の授業で配付した古事記の一節(大物主の祟り)のテキストに基づいたレポートを発表してもらいました。古代社会における王権と宗教との関係を考えるための興味深い資料です。

次回は、今日配った宿題をもとに、2004年インドネシア総選挙の結果と2009年インドネシア総選挙の結果をもとに、インドネシア社会の傾向について分析してもらい、発表をしてもらいます。A4判1枚のレポートにまとめておいてください。

■今週の宿題 (5月17日提出)
ファイルをダウンロード (94KB, PDF)
ファイルをダウンロード (118KB, PDF)

【インドネシア語読解】

今日は3班にBBC Indonesia.comのニュースKeterbukaan Informasi Publik resmi berlakuについて報告してもらいました。
・インドネシアの法律の名称はUndang-Undang XYZ nomor 10 tahun 2008という形をとります。「XYZに関する法律2008年第10号」という意味になります。
・副詞としてのbaruは「...ようやく...」という意味で使われます。undang-undang ini baru bisa berlaku tahun ini karena...の部分は「この法律は、...なので今年になってようやく施行された。」という意味になります。

次回のBBCニュースの報告は第4班にお願いします。

これまで時間がなくてできなかったAn Indonesian-English Dictionaryの略語凡例の日本語訳の説明をおこないました。

テキストは第1章の第11パラグラフの最後(...1 Januari 1800.)まで進みました。次回は、この続きから進み、さらに第2章に入るので、しっかりと予習をしておいてください。
・インドネシア語では数字の桁区切り(titik)と小数点(koma)の使い方が日本語とは逆です。気を付けてください。日本語の「1,234,567.89」はインドネシア語では「1.234.567,89」と表記されます。

最後に、前回に出した日本語訳の宿題を提出してもらいました。

2010年5月 6日

【東南アジア古典文化論】

今週は、まず、前回見たビデオの内容を振り返り、現代の東南アジア社会にも土着的な要素があることを確認しました。そのうえで、土着的要素としての基層文化の中心的な特性である精霊信仰(アニミズム)についてスライドを使いながら説明をしました。

宿題だった「東南アジア各国の国名の意味と由来」を提出してもらいました。

次回は、東南アジアの初期王権について検討する予定です。

■今週の配付資料 (精霊信仰)
ファイルをダウンロード (363KB, PDF)

【お知らせ】5月6日以降、大学のシステムに不具合があり、ファイルがダウンロードできない状態になっていました。5月10日にファイルを入れ替えたので、ダウンロードはできるようになっているはずです。受講生のみなさんにはご不便をおかけしました。なお、システムの復旧に関しては大学の総合情報コラボレーションセンターの案内を参照してください。

          

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