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2007年5月31日

【4年次対象ゼミ】

今日の参加者は3人でした。「名前」についてアンケートを予定している受講生に対しては、民族によって名前の付け方が異なる点を考慮した設問を作るように助言しました。「巡礼」についてインタビューを予定している受講生に対しては、留学生に対して質問するのであれば、もし巡礼をするつもりであれば、将来のいつ頃にするつもりなのか、両親や親戚で巡礼を経験した人がいないか、など質問をふくらませるように助言しました。「断食月の一日」について参与観察をする予定の学生に対しては、出発までに文献調査をしておくように指示しました。

カリジャガに関するテキストは6ページの最後まで読みました。ようやくカリジャガの名前が現れました。次回は7ページから読みます。だいたい1回で3ページほどのスピードで進めたいと思います。

2007年5月28日

【3年次対象ゼミ】

今日は、関本論文の第2章の続きと第3章のレジュメの報告してもらいました。

ジェンダーに関心をもっている受講生の希望で大形里美「インドネシアの女性運動とジェンダー主流化:女性NGOの果たした役割」『東南アジアのNGOとジェンダー』(明石書店、2004年)のコピーを配布しました。6月18日にレジュメを報告してもらうことにしました。

そのあとは、青木保の著作のレジュメの報告、イムレック(インドネシアの中国正月)についての調査報告をしてもらう予定です。

【地域基礎】

今日は、まずチームウントゥンに、最近のインドネシアのニュースとして、5月27日が昨年の中部ジャワ地震から一周年であることについて報告してもらいました。来月は、本学のインドネシア舞踊サークルがチャリティー公演を行うので、協力をお願いします。次回の発表はグローバル決死隊です。

今日の講義は、先週配った資料をもとに、インドネシアの華人について説明をおこないました。次回は、インドネシアの宗教について説明をします。

次回は、インドネシアの州について小テストをおこないます。州名、州都名、地図のうえでの位置について復習しておいてください。

論文ワークブックについては、今日は、練習2を返却し、練習3を受け取りました。来週は練習4の提出をお願いします。

2007年5月26日

【2007年度の記録】

アジア文化II「東南アジア古典文化概論」では、TUFS e-Learning システムの利用をおこないます。初めての試みですので、とりあえずはレポートの提出に使う予定です。

TUFS e-Learning システムを使うためにはログインのページからログインしてください。ログインしたら、掲示板の指示にしたがってください。

ログインできない人は、自分の学籍番号・氏名・受講する講義名・担当教員名を書いたメールを総合情報コラボレーションセンターの担当係宛に送ってください(アドレスはログインページに表示されています)。

【東南アジア古典文化論】

今日は、先週配った資料「インド化再考」にしたがって、インド化(Indianization)について検討しました。

まず、セデスの古典的な東南アジアの「インド化」の定義を紹介し、「中国化」した東アジアの国々と対比させつつ、その特徴を説明しました。続いて、インド化が段階的な現象であることを説明し、交易を通じてインドの文物が到来する初期の段階と、インド的な装いをまとまった土着権力者が出現する5世紀以降を区別しました。初期には商人が、5世紀以降にはインド文明の知識をもった宗教者が重要な役割を果たしと推測されます。そして、5世紀になってこのような変化が生じたのは、3-5世紀に栄えたグプタ朝の古典的なインド文明がまさにこの時期になって、東南アジアとも関係が深かった南インドにも広がり始めたことに起因すると説明しました。

カースト制が東南アジアに定着しなかったこと、中国化に先行してインド化があったことについては、十分に説明する時間がありませんでしたが、第1週に配った資料を見てもらえればと思います。

次回は、初期王権の出現について講義します。

【インドネシア語読解】

今日はチーム地球から、インドネシアの第1四半期の経済成長が5.97%に上昇したニュースを発表してもらいました。

次回のニュースはきよぽんの番です。

テキストの方は、第1章を終了し、第2章の第1パラグラフの最後(p.12)まで進みました。次回はこのパラグラフの後半の説明から始めます。

第1章ではジャカルタの生い立ちを見てきましたが、その名前が、ヒンドゥー王国の支配下にあったスンダクラパ、イスラーム王国の征服によるジャヤカルタ、オランダの支配によるバタビア、日本軍の占領にともなうジャカルタという風に変化していく様子をたどることによって、インドネシアの歴史を体現していることがよくわかったことと思います。

2007年5月24日

【4年次対象ゼミ】

今日は3人出席しました。バティックの紋様について卒研を制作する予定の受講生には、7月の最初の週に、バティックの紋様のスライドショーをしてもらうことにしました。

ワリ・ソンゴについてのインドネシア語のテキストを少し読み進めました。マジャパヒト王国最後の王であるブラウィジャヤの息子でありながら、パレンバンの太守の息子として育てられたラデン・パタが、ジャワに行ってイスラームの教えを学ぶ部分です。史実とは異なっていますが、ジャワ人の歴史観がうかがえて興味深いところです。

次回は、4ページから続きます。

2007年5月21日

【3年次対象ゼミ】

今日は、各受講生の進捗状況を確認したあと、関本論文の第2章のレジュメを報告してもらいました。

その場での議論で問題となったのが、「東南アジアの王権」をテーマにした研究だが、そもそも「東南アジア」という地域は何のか?それを地域として認めることはできるのか?それを地域という一つのまとまりとして研究の対象にすることはできるのか?という根元的な問いかけでした。

東南アジアという地域概念が歴史的な構成であることを示したうで、、それを踏まえたうえで、東南アジアという地域を認めるかどうかについて、認めるとしたらどのような基準が認めるのか、という点について議論をしました。基本に立ち返えることができたという意味で有意義だったと思います。

次週は、第2章について引き続き掘り下げて検討することにします。

並行して、自分が関心をもつテーマに関連する文献を見つけた人は、来週までにコピーを用意しておいてください。

【地域基礎】

提出してもらっていたインドネシアの休日の一覧表とワークブックの練習1を返却しました。

そのあと、今日は、まずチーム山田に、最近のインドネシアのニュースとして、スハルト長期独裁政権崩壊の引き金ともなったトリサクティ大学での学生射殺事件から9周年の追悼集会が開かれたことを報告してもらいました。

最初に、インドネシアの祝日の整理をし、独立宣言記念日を除くと、すべて宗教と関わりがあることを明らかにしました。続いて、インドネシアの民族についての講義の先週からの続きをおこない、多様な民族をまとめるために、マレー人の言語で、リンガフランカでもあったマレー語が公用語であるインドネシア語として使われている状況を説明しました。インドネシアの代表的な民族については、近いうちに小テストをおこなう予定です。

インドネシアの華人についての資料を配付し、「華僑」の説明をおこないました。次回は、この点から講義を再開します。

今日は、論文ワークブックの練習2を受け取りました。

2007年5月18日

【インドネシア語読解】

今日はチーム地球によるBBCニュースの発表の予定でしたが、送られてきたファイルが開けなかったので、来週に延期します。再送をお願いします。

最初に、採点済みの小テストを返却しました。

テキストは、11ページの第11パラグラフの途中まで進みました。次回は、第11パラグラフの前半の説明から続けます。

テキストにはオランダ人の名前がありました。オランダ語式の綴りは、古いインドネシア語の綴り方にも見られます。よく使われる例を二つ挙げておきます。

oeは現在の綴りではuになります。Soekarno>Sukarnoと読む。
ieは現在の綴りではiになります。Ibu Tien>Ibu Tinと読む。

【東南アジア古典文化論】

今日は45人の参加者がありました。

最初にスライドを使って、日本語における「神」(カミ)の概念について、検討し、引き続いて、ビデオ「雪の下で祝う:中国山地・正月の食習」(NHK)を見て、現在の日本での信仰のあり方を見ました。そのあと、資料にしたがって、東南アジアの精霊信仰について講義をおこないました。

講義資料「インド化再考」を配布しました。次回は、この資料にしたがって、インド化の過程について考えてみます。第1週に配布した「インド化再考―東南アジアとインド文明との対話」も参考資料として読んでおいてください。

インド化再考 (Wordファイル、29KB.ダウンロードできます)

2007年5月17日

【4年次対象ゼミ】

今日は4人参加者がありました。

ゼミ生の一人が、インドネシア人女性の海外の出稼ぎについて関心があるということなので、ブレインストーミングをおこなったあと、農村女性のための国内での雇用創出か、海外の出稼ぎ現場での人権問題かのいずれかにテーマを絞ることにしました。

カリ・ジャガ伝承のテキストは最初の1ページをさっと読みました。次回から、続きを読みます。

就活に忙しいゼミ生の皆さんは体調に気を付けてがんばってください。

2007年5月14日

【地域基礎】

最初に「はこ班」による最近のインドネシアのできごとについて2点報告してもらいました。1番目は、インドネシアの2000万人を超える失業者について、2番目は、株式会社Portanigraによる西ジャカルタのMeruya Selatan地区の土地の買い占めに対する住民の反対運動についての報告でした。次回は、チーム山田の報告です。今後の報告にあたっては、一つのニュースに絞ること、出来事の背景についても調べておくこと(調べがつくニュースを選ぶこと)をお願いしました。

このあと、評価済みの白地図と小テストを返却しました。

授業では、インドネシアの行政単位として33州の説明をし、州の違いがしばしば民族(言語が違う集団)の違いと一致していることを説明し、インドネシアの主要な民族を説明しました。北スマトラ州のバタック人がキリスト教徒で西スマトラ州のミナンカバウ人がイスラーム教徒であるように、民族によって言語や宗教が違うことがあります。引き続き、ビデオ「南の国のデパートガール」を見て、さまざまな民族が共生している様子を理解してもらいました。

次回は、民族についての説明と華人についての説明をおこないます。

宿題に出していたインドネシアの祝日のリストと、ワークブックの練習1を回収しました。次回は、ワークブックの練習2の提出をお願いします。


【3年次対象ゼミ】

今日は、文献リストの書き方(その3)として、文献の種類別に基本的なフォーマットを説明しました。文献リストと論文につける参考文献目録の違いについて質問がありましたが、基本的に、参考文献目録は論文で参照または引用された文献だけを集めた文献リスト(ただし、そのためにフォーマットが若干異なる)と考えてもらえればよいと思います。

そのあと、予定を変えて、受講生それぞれの卒論・卒研のテーマをどのように選ぶかについて、話し合いをしました。

卒論のテーマを考える場合には、テーマを絞り込むことと、それに対してどのようにアプローチするかを決めることの二つが必要となります。たとえば、料理についても、肉料理にするとして、牛肉、豚肉、鶏肉のどれを使うのか素材を絞り込む過程と、鶏肉を使うと決めたとして、和洋中華いずれの方法で調理するかを決める過程があるのと似ています。ここまで決めて初めて、たとえば鶏肉で親子どんぶりを作るとか、カレーライスを作るとか言った具体的な料理が形になるわけです。

インドネシアの儒教をテーマとする受講生には、最近正式の休日になった中国正月イムレックについて、ネット上の新聞記事を集めて、インドネシア社会の意見について整理するよう指示しました。

ジェンダーに関心がある受講生には、テーマをさらに絞り込むために、ジェンダー関係の文献で関心が持てそうなものを選ぶよう指示しました。文献が決まったら、輪読したようと思います。

文化と呼ばれる現象について多角的な見方ができることに関心をもつ受講生には、青木保の『日本文化論」の変容―戦後日本の文化とアイデンティティー 』(中公文庫、1999)を探して来るように指示しました。 同じ著者の『異文化理解』 (岩波新書、2001)も参考になるでしょう。

次回は、関本論文のレジュメの報告の続きをおこないます。

2007年5月13日

【一般】

国際シンポジウム「バンサとウンマ:東南アジア・イスラーム地域における人間分類集団概念の比較研究」第2部
International Symposium on Bangasa and Umma: A Comparative Study of People-Grouping Concepts in the Islamic Areas of Southeast Asia. Part 2

日時:2007年5月13日(日)13:00-18:30 / May 13, 2007
場所:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 303 / Rm 303, Research Institute of Languages and Cultures of Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies
使用言語:English only

詳しい内容はジャウィ文書研究会のウェブページをご覧ください。

2007年5月11日

【東南アジア古典文化論】

今日の授業には42人の受講生がありました。

最初に、東南アジアの文化の歴史年表について、ブロックAからGまでの説明をおこないました。そのあと、年表を提出してもらいました。

講義資料「東南アジアの基層文化:精霊信仰」を配付しました。この資料にそって、スライドで東南アジア各地に見られる精霊信仰のさまざまな例を見てもらいました。

東南アジアの基層文化:精霊信仰 (Wordファイル、46KB.ダウンロードできます)

次回は、同じ資料を用いて、精霊信仰について講義をおこないます。

【大事なお知らせ】

今回、初めて出席した人は、このブログのサイド・メニューから「東南アジア古典文化論」を選択して、この授業の過去のお知らせをすべてよく読んだうえで、これまでの配付資料をダウンロードし、十分に目を通しておいてください。レポートなどの課題については、書かれている指示にしたがってください。

e-Learningレポートの課題はまだ3分の1ほどの受講生から提出されていません。まだの人は、あと1週間待ちますから早急に提出してください。

【インドネシア語読解】

今日は、たくま班に、ユドヨノ大統領による内閣改造についてのBBCのインドネシア語ニュースの翻訳を発表してもらいました。

このテキストの中でjugaという言葉がでてきます。「また」という単純な意味の言葉ですが、「もまた」と「さらまた」の二つの使い方に気をつけましょう。

太郎と次郎は食堂へ行った。太郎はカツ丼を注文した。次郎もカツ丼を注文した。
というのが、「もまた」です。これに対して、
太郎は食堂へ行った。太郎はカツ丼を注文した。太郎はさらに天丼も注文した。
というのが、「さらまた」です。異なった行為者が続けて同じ行為をおこなう場合と、同じ行為者が続けて異なった行為をおこなう場合と考えてよいでしょう。このテキストに出てくるjugaは「さらまた」と理解すると、文意がよく通ります。

このあと、これまでの内容を対象にした小テストをおこないました。

テキストは、第1章第7パラグラフの途中、p.10の最後の文まで進みました。次回は、この部分の説明から始めます。とくにbaruの使い方には気を付けたいと思います。

今回読んだテキストに出てくるファタヒラは、インドネシアではヒダヤトゥーラ、シェイク・ムアラ、スナン・グヌンジャティといった名前で知られている人物です。ドゥマック王国のスルタンに仕える司令官としてバントゥンおよびスンダ・クラパに遠征しました。とくに1527年にはスンダクラパに進出を企てたポルトガルを追放して、ジャヤカルタと改名したことは有名です。その後、チルボンにイスラーム政権を建て、死後、この地のグヌン・ジャティに埋葬されました。その墓所は聖地として崇拝されています。

次回のBBCニュースの翻訳はチーム地球です。

2007年5月10日

【4年次対象ゼミ】

今日は3人の参加者がありました。

最初に、巡礼をめぐって教会制度のあるキリスト教(とくにカトリック)と教会制度のないイスラームとの比較についてしばらく話し合いました。巡礼の目的地となる聖者廟について考えてみると、カトリックでは聖者の資格は教会が管理していますが、イスラームでは現地の民衆の信仰に任せられている点が大きな違いのようです。

インドネシア人の名前についてまとめている学生からは、松本脩作・大岩川嫩・編著『第三世界の姓名―人の名前と文化』(アジア経済研究所、1994) を紹介してもらいました。インドネシアの項目では、ジャワ人、スンダ人、バタック人、バリ人の例を挙げて、民族ごとに名付けの慣習が違うことをはっきりと書き記しており、概論として適切な本です。

プサントレンでの教育をカリキュラムや教科書の内容から分析し、一般の学校での教育と比較する予定の学生に対しては、早めに調査地を決定し、現地のプサントレンと連絡するよう指示を与えました。

この3人の関心がインドネシアのイスラームということで共通していたので、次回からは、インドネシアの聖者信仰の対象の一つであるカリジャガ(Sunan Kalijaga)についての民間伝承を記述したインドネシア語のテキストをみなで読んでいくことにしました。次回参加者で、テキストがない人は青山までコピーを取りに来てください。

2007年5月 7日

【地域基礎】

最初にグローバル決死隊による最近のインドネシアのニュースを発表してもらいました。シンガポールとの犯罪者引き渡し協定の話とホテル・インドネシアの改築後に開店する西武百貨店の二つの話題でした。

次に、白地図の宿題を提出してもらいました。そのあと、インドネシアの島と海に関する小テストをおこないました。


今日の講義は、インドネシアの気候についてです。ウォーレス線による東西の区分、モンスーンによる雨季と乾季の交代、ジャワ島・外島・東部海域世界という三つの世界について説明をおこないました。

今日は、民族についての資料を配付しました。欠席した人は633まで取りに来てください。次回は、インドネシアの行政区分と民族分布の話をします。

今週の宿題は、論文ワークブックの練習1を提出することと、2007年のインドネシアの休日のリストを作ってくることです。休日のリストには、日付だけではなく、なぜ休日なのか文化的背景についても述べてください。

【3年次対象ゼミ】

今日は、ネット上の情報の検索とその取り扱い方について議論しました。さすがに3年生になると、ネットの情報に対して、一定の距離をおいて接する態度を身につけているようです。次回は、具体的な文献リストの書き方を説明します。

そのあと、関本論文の第1章のレジュメを報告してもらいました。史料を使った通時的な歴史学的研究と、フィールド調査による共時的な人類学的研究のちがいが明らかになったと思います。次回は、第2章以降のレジュメを報告してもらいます。

2007年5月 1日

【2007年度の記録】

5月1日に発生した接続障害は、本日5月2日に回復いたしました。

昨日、本学の大学図書館ウェブサイトからGale Virtual Reference Libraryへ接続できないという障害が発生しました。図書館を通じてGVRLを運営しているトムソン社へ対応を要請したところ、本日、接続が回復しました。

レポートの課題提出は、当初の予定通り5月11日といたします。それでは、よい連休を。

          

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