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リレー講義

2015年12月 9日

今週は、12月9日(水)4限に101教室で、総合文化研究入門A「さまざまな文化の理解のために」第10回を担当し「伝統芸能に見るジャワの文化伝承」の題目で講義を行いました。これは言語文化学部で総合文化コースを希望する1年生を主たる対象とする導入科目の授業です。受講生は280名弱でした。

精霊信仰、インド文化、イスラームという宗教文化が重層的な関係で共存していることを、ジャワの伝統舞踊ブドヨ・クタワン及び伝統芸能ワヤン・クリ、ワヤン・オラン、スンドラタリの事例を通じて理解してもらいました。映像資料も用いました。

講義で紹介した映像資料はYouTubeで視聴することができます:
1. Peringatan Lahirnya Tari Bedhoyo Ketawang (2:22)
・ブドヨ・クタワンを紹介したインドネシアのテレビ番組(インドネシア語)。
URL: https://www.youtube.com/watch?v=HSLrJsGUlps
2. PBXII & Bedhoyo Ketawang (3:26)
・スラカルタ宮廷で催されたブドヨ・クタワンの録画記録。
URL: http://www.youtube.com/watch?v=aU2-ktJma4g
3. The Wayang Puppet Theatre (05:33)
・ワヤン・クリを紹介するUNESCOの映像資料(英語)。
URL: https://www.youtube.com/watch?v=pfydro4X2t0
4. Wayang Orang Sriwedari Solo. Anoman Obong (1:41:16)
・スラカルタのスリウィダリ劇場で演じられたワヤン・オランの公演録画。演目は「アノマン・オボン」(ハヌマーン、ランカーを焼く)。
URL: https://www.youtube.com/watch?v=yu2QTwLa03E
5. Ramayana en Prambanan- Indonesia (15:00)
・プランバナンのスンダラタリ(ラーマーヤナ・バレー)の公演録画。
URL: http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=3wr-2eJBxOo

2015年11月11日

最終回の今週は、国民国家インドネシアにおける外来少数民族である華人をとりあげ、独立後、同化主義から統合主義へと政策が転換する変化のなかに移民コミュニティとしての華人コミュニティを位置づけました。3回の講義でしたが、インドネシアの民族問題について理解が深まったとしたらうれしい限りです。


「インドネシアに住む華人」については、2016年に東京外国語大学出版会から刊行予定の論集に寄稿しています。刊行されましたら、手にとってみてください。

講義で紹介した映像資料と、講義では時間がなく紹介できなかった参考映像資料を以下に示しておきます。映像資料をおよび配付資料はTUFS Moodleでアクセス可能です。

■紹介した映像資料(マラッカのプラナカン)
The Melaka Story: Simply Peranakan (15:42)

■参考になる映像資料(1998年5月暴動)
Mei 98: News Clips from May 98 Riot in Jakarta (5:21)

■2015年度 民族と民族問題の諸相
第1回 2015年10月28日 インドネシアにおける多民族の共存
第2回 2015年11月 4日 国民国家インドネシアに対抗する民族
第3回 2015年11月11日 インドネシアにおける外来少数民族(今週)

2015年11月 4日

先週に引き続いて導入科目「民族と民族問題の諸相」の一部としてインドネシアについての講義の第2回を担当しました。今週は114名の受講生がいました。(2015-11-10更新)

最初に「ネーション」の概念を整理したあと、国民国家インドネシアにおいて政府に対抗する民族の状況(垂直的対立)を西パプアを中心に検討しました。映像資料を見るなかで、国民統合のプロセスには国民としての平等な権利の付与が不可欠であることが明らかになったと思います。なお、国家の枠組みの中で相互に対立する民族・宗教集団(水平的対立)については十分に触れることはできなかったので、配付資料の「南マルク」の部分を読んでおいてください。

今週の配付資料および関係資料はTUFS Moodleにアップしてあるので必ず参照してください。

次回は、国民国家インドネシアにおける外来少数民族である華人の位置をとりあげます。

■2015年度 民族と民族問題の諸相
第1回 2015年10月28日 インドネシアにおける多民族の共存
第2回 2015年11月 4日 国民国家インドネシアに対抗する民族(今週)
第3回 2015年11月11日 インドネシアにおける外来少数民族

2015年10月28日

今週は10月28日水曜日4限に226教室で、リレー講義である導入科目・国際社会論「民族と民族問題の諸相」の一部としてインドネシアについての講義を担当しました。第1回の今週は114名の受講生がいました。このあと11月4日に第2回、11月11日に第3回の講義をおこないます。(2015-10-30更新:受講生の数を訂正しました)

今週の配付資料はTUFS Moodleにアップしてありますので参照してください。

レスポンスシートに書いてもらった質問については、このブログとMoodleでお答えするつもりです。

■2015年度 民族と民族問題の諸相
第1回 2015年10月28日 インドネシアにおける多民族の共存(今週)
第2回 2015年11月 4日 国民国家インドネシアに対抗する民族
第3回 2015年11月11日 インドネシアにおける外来少数民族

昨年度までにおこなった講義の内容は2014年11月5日2013年11月13日2012年10月31日2011年11月9日2010年11月10日の記録をそれぞれ参照してください。受講生からの質問に回答をおこなっています。

2015年10月16日

今週は、10月16日(金)6限に108教室で、地域文化概論A「文化現象に現れる宗教的次元」第3回を担当し「インドネシアの神・神々・カミ」の題目で講義を行いました。一般聴講生3名を含む59名が受講しました。

この講義では、スライドと配付資料に基づいて、インドネシアにおける宗教実践に焦点をあて、固有の精霊信仰、ヒンドゥー教の多神教的信仰、イスラームの唯一神信仰が、重層的に重なり合って同時に成立しうる状況を理解してもらいました。

授業の最後にレスポンスシートを提出してもらいました。レスポンスシートの提出をもって出席とし、評価の対象とします。

配付資料はTUFS Moodleから入手可能です。

今日は準備の不手際で配付資料の数が足らなかったことをお詫びします。

2015年5月25日

今週は、地域基礎1A「東南アジア研究入門」の宗教と社会(その1)を担当しました。

配付資料などといっしょに、4月20日に私が行った「歴史(その1)」の小テストの模範解答を配付したので、説明を読んでおいてください。

この講義では、配付資料とスライドにもとづいて、島嶼部を中心に信仰されているイスラームを取り上げ、イスラームの基本、東南アジアにおける展開の歴史、現代の傾向について理解を深めました。最後に、全体の整理として小テストを行いました。あわせて、次回の講義(宗教と社会 その2)で使うアンケートを行いました。

授業終了時に、小テストの答え(マークシート)、コメントシート、アンケート(マークシート)を提出してもらいました。なお、小テストの平均点は7.0点でした。予想よりもちょっと低かったです。これも模範解答を後日配付する予定です。また、コメントシートに書かれた質問にも時間をみて回答する予定です。

この講義のスライドを春学期末までの期間限定で以下のリンクからダウンロードして閲覧することができます。なお、スライドの閲覧には授業中に告知したパスワードが必要です。
「宗教と社会(その1)」講義スライド

この講義を補う情報については、『東南アジアを知るための50章』の第18章「世界宗教の地域性:東南アジアのイスラーム」を読んでおいてください。

昨年度の「宗教と社会(その1)」の授業のページで受講生から出された質問に答えているので、これらも参考にしてください。

マッカ(メッカ)巡礼については以下の記事が参考になります。
イスラームの巡礼(高等学校 世界史のしおり)

タイプAの国におけるイスラームと政治体制の関係については、以下の「中東・イスラーム諸国の民主化」サイトの記事が参考になります。
インドネシア
マレーシア

ブルネイ

タイプBの国における紛争については、以下のAsia Peacebuilding Initiativeのサイトの記事が参考になります。
フィリピン南部
タイ深南部
ミャンマー・ラカイン州

2015年5月 7日

今週は2限に、多言語・多文化社会「歴史と現在」の第5週を担当し、インドネシアの華人に焦点をあてて、「多民族国家インドネシアと華人ディアスポラ」という題目で講義を行いました。インドネシアにおける華人の歴史を概観しつつ、スハルト政権期の華人政策(を含む民族政策)の問題の所在が、他民族には統合政策が取られたのに対して華人にのみ同化政策が取られた点、かつ、同化政策であるにもかかわらず差別慣行が維持された点にあることを指摘しました。

インドネシアがそもそも多民族国家であることを含めて、受講生にはあまり知られていないトピックだったようですが、関心をもってもらえたようでよかったです。

■配付資料(PDF)
歴史と現在-インドネシアの華人-2015-05-07
(ダウンロードする)

■追記
国籍に関するハーグ条約(1930年)や世界人権宣言(1948年)については国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が刊行した『国籍と無国籍』(PDF)という冊子が参考になります。

華人ディアスポラについては陳天璽「ディアスポラとしての華人」(
野口鉄郎編、綾部恒雄監修『結社の世界史2 結社が描く中国近現代』山川出版社、2005年、pp.305-320)がコンパクトにまとまっており、参考になります。

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2015年4月30日

今週は3限に、地域文化概論B1「アジア・アフリカ地域文化論」の第4週を担当し、「東南アジアに広まった古代インドの文化:ラーマーヤナ物語を例として」という題目で講義を行いました。

配付資料とスライドに基づいて、ラーマーヤナ物語を事例として東南アジアに広まった古代インドの文化について紹介し、東南アジアの「インド化」という側面と、東南アジア社会によるインド文化の「現地化」という側面が並行して進展した状況を検討しました。東南アジアの人々にとってのラーマーヤナの魅了の一端を知ってもらえれば幸いです。

授業の最後に設問を2つ出し、コメント・シートに書いて提出してもらいました。設問への解答に基づいて評価を行います。
1. 東南アジアの「インド化」の特徴を述べなさい。
2. 東南アジアのラーマーヤナについて感想を述べなさい。

コメント・シートに質問がありましたので、2つほど選んでお答えします。
【質問1】イスラーム教徒が多数を占めるインドネシアでラーマーヤナが芸能として享受されていることに驚きました。また、歌や踊りや人形というのはイスラームでも許容されているのでしょうか?
【回答1】イスラームが優勢の社会であっても、その実践には大きな地域差があります。インドネシアの場合には、ラーマーヤナはヒンドゥー教の叙事詩というよりは、まずは興味深い物語として人々は享受しているのだと思います。また、歌や踊り、さらに人形についてもまったく問題はありません。

【質問2】バリで見たケチャでは、ラーヴァナは怪物というよりは悪党親父のような格好をしていました。観光客向けに分かりやすくしているのでしょうか?
【回答2】確かにラーヴァナは、頭が10あり、腕が20本ということになっていますが、インドも含めて多くの場合、その異様な姿よりは、欲望に突き動かされるキャラクターとしての側面に焦点が当てられているように思います。バリの場合でも、観光客向けというよりは、バリ人自身がラーヴァナを「悪党親父」のような存在として受け止めているのだと思います。


2015年4月20日

今週は、地域基礎1A(東南アジア1)の「歴史(その1)」を担当しました。最初に、東南アジア史の構造を解説し、「超構造化年表」で作業をしてもらいました。続いて、東南アジアの代表的な歴史的景観の写真を見て、どの地域・時代に相当するかを考えてもらいました。最後に、全体の整理として小テストを行いました。

小テストの平均点は10点満点で7.8点でした。

この授業では、古代史の部分は時間がなくて触れる余裕がありませんでしたが、古代史の「インド化」の部分については概論科目「東南アジア古典文化論」で詳しく説明をする予定です。興味のある方は来年度受講してみてください。

より詳しく学びたい方は、『東南アジアを知るための50章』の第2章「歴史の流れを概観してみよう:東南アジア史の構造」と第4章「インド化:東南アジアの古代史」を参考にしてください。

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2015年4月 1日

2015年度に担当するリレー講義を掲示します。秋学期地域文化概論Aの教室が106から108に変更となりました。(2015年10月07日更新)

【春学期】

  • 4月20日 月曜1限 227 地域基礎1A「東南アジア研究入門」歴史(その1)
  • 4月30日 木曜3限 224 地域文化概論B「アジア・アフリカ地域文化論」東南アジアのラーマーヤナ
  • 5月7日 木曜2限 227 多言語・多文化社会「歴史と現在」多民族国家インドネシア
  • 5月25日 月曜1限 227 地域基礎「東南アジア研究入門」宗教(その1)

【秋学期】

  • 10月16日 金曜6限 108 地域文化概論A「文化現象に現れる宗教的次元」インドネシアの神・神々・カミ
  • 10月28日・11月4日・11月11日 水曜4限 226 国際社会論「民族と民族問題の諸相」インドネシア(3回)
  • 12月9日 水曜4限 101 総合文化研究入門A「さまざまな文化の理解のために」伝統芸能に見るジャワの文化伝承
          

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