新・ウェブページの引用の方法
【インドネシア語専攻で勉強する人のために】
2007年12月28日に「ウェブページの引用の方法」を書いて、ウェブ上の情報(オンラインの情報)を引用する方法について説明をおこないました。この時からすでに6年が経過し、状況も変わってきましたし、今まで以上にウェブ上の情報を引用する機会が増えています。
そこで、今回、あらたに「新・ウェブページの引用の方法」を書いて、現状に即した説明を試みたいと思います。とはいえ、ウェブの状況は日々変化しており、標準的な引用方法が確立しているわけではないので、ここに書いたことは、私自身への覚書という側面もあることをご了承ください。
まず、最初に確認したいことは、前の「ウェブページの引用の方法」で書いた原則は現在も変わっていないということです。それは、ウェブページの引用も基本的な考え方は書籍や論文といった紙版の文献の引用と変わらないということです。
しかし、ウェブページを扱う場合には、1)紙版のページに対応する概念がないので、引用の単位はファイルとなること(ただし、PDFのように紙版に対応した情報にはページという概念が存在します)、2)引用したあとでファイルの削除・変更が起こりうること、の2点に留意しておく必要があります。
1)に対応するために、引用にはURLを記録することが必要となります。URLはUniform Resource Locatorの略で、インターネット上のウェブページの位置を特定するためのアドレスのことです。
2)に対応するために、アクセスした日にちを記録することが必要となります。なお、ファイルの削除や変更に対する防衛手段として、ウェブページをプリントアウトしたりPDFにしたりして保存しておくことを勧めます。
以上をまとめると、ウェブページの引用には以下の要素を記録しておくことが必要となります。
- 文献を作成した主体の名称
- 文献が発表された年
- 文献の題名
- 文献の所在を示すURL
- 文献にアクセスした日にち
ウェブで提供されている情報は、大きく2つのタイプに分けることができます。それは、紙版の文献を電子化して提供するという形式をとっているタイプと、そもそも紙版がなくウェブ上でしが情報が存在しないタイプです。
前者のタイプの代表例として、雑誌を電子化したいわゆる電子ジャーナルと呼ばれるものや、官公庁が発表した報告の電子版などがあります。このタイプでは、文献を作成した主体の名称(著者や組織の名称)がはっきりしており、文献の発表年も記載されていることが一般的ですから、基本的に図書・論文の引用に準じた方法が使えます。前回の「ウェブページの引用の方法」では、主としてこのタイプのウェブページの引用方法について説明しましたが、日本語のページについての説明が欠けていたので、今回はこの点について説明することにします。
また、後者のタイプについては、紙版とは異なった工夫が必要となってきます(たとえば、上記の1, 2, 3が明示されていない場合があります)。前回の「ウェブページの引用の方法」ではこのタイプの引用方法の説明が欠けていたので、今回はこの点についても説明することにします。