【3年次ゼミ】6月27日
【3年次対象ゼミ】
今週は、最初に先週のアクティブ・ラーニング(ブラタオヤマ「渋谷川を下る」)の振り返りを行いました。
そのあと、ケチャについて知っていることを自由に話してもらったあと、ビデオ映像でケチャを観賞し、ケチャについての理解を深めました。
これを踏まえて、「創られた伝統」の事例研究として以下の論文を読んだ書評レジュメを報告してもらい、議論を行いました。
- ツォウベク,ウォルフガング. 2016.「ヴァルター・シュピースとバリ島のケチャ舞踊の由来」『富山大学人文学部紀要』64: 373-381.(DOIリンク)
背景として第一次世界大戦によって西欧文明の優位性への確信が壊れたことが(ゴーギャンのタヒチ訪問のように)シュピースのバリ島訪問をうながしたであろうこと、サンヒャン・ドゥダリの憑依儀礼に伴う男性合唱に舞踊を振り付け、ラーマーヤナの物語を組み込んだところにシュピースの独創性があること、『鬼の島』のような映画(当時は白黒のトーキー)は1933年当時、世界の未知の文化を庶民でも体験できる最新テクノロジーであったこと、画家であったシュピースの美的感覚(たとえば、円形をモチーフにした作品『スケーター』)がケチャ舞踊の振り付けに影響していることなどが確認できました。
次回は、インドネシアに関する論文について書評レジュメを作成し、報告してもらう予定です。