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ブログの特徴は何か―ウェブページとの比較

【ブログについて】

ブログの特徴について考えてみる。とくに、これまでhtmlでしこしこと書いてきたウェブページとの違いである。

本学のブログは、MovableTypeというシステムを使っている。ウェブ上で投稿したエントリーは自動的に整形されて、ウェブ上に表示される。ウェブサイトの場合は、ローカルのパソコン上でエディタで書いたファイルを、ftpでサーバにアップロードして、ウェブ上に表示させている。結果的に表示されるものは、cssでスタイルを与えられたxhtmlファイルである。それでは、どこが違うのか?

私にとって、ブログとウェブページの違いは最大の違いは、ブログではすべての情報がサーバ上に存在するのに対して、ウェブページは、パソコン上に同じ情報が存在していることだ。このことは、次のような問題につながる。

まず、万が一、サーバが障害を引き起こし、サーバ上のデータが失われた場合、ブログのすべての情報が失われる可能性があることだ。無論、障害に備えて本学のサーバでもバックアップをとっているが、全面的に信頼してよいのか一抹の不安はある(ウェブサーバの障害でおよそ2ヶ月分のデータが失われたことがあった)。数万人の利用者を相手に、使用料を受け取って(もしくは広告料で費用を回収している)商用サーバでさえ、データの消失は無視できない可能性である。いわんや、学内の教職員・学生の数百人を相手に、無料でサービスを提供している本学のサーバに対して、絶対的なデータ保持の保障を求めることは無理だろう。ウェブの場合は、自分でデータの保存をすることでリスクが分散できるが、ブログの場合、サーバ任せであるところに不安が残るのである。

ただし、付け加えておかなければならないのは、ブログの場合でも、データの書き出しという機能があるから、自分でバックアップすることは可能である。しかし、ウェブの場合は、最低限、常に自分のパソコンに同じデータのセットが保存されているのに対して、ブログの場合は、意識的に操作を行わなければならないので、誰でも必ず忘れずにできることではない。

すべてがウェブ上のサイバースペースで処理されることが、これからのウェブの方向だろう。特定のパソコンに制約されないで、どこでもデータにアクセスできる、だれでもデータにアクセスできるという利点は圧倒的に大きい。だとすると、それに伴って、データ保存の問題はブログだけにとどまらない、ウェブの根本的な問題となるだろう。

さきの問題と関連する、もうひとつの問題は、ブログのサービス・プロバイダーを引越しすることが困難だということである。これもある程度までは技術的に解決できる問題だろうが、仮に何千ものエントリーをブログ上にため込んでしまったら、そう簡単に引っ越しともいかないのではないだろう。少なくとも、億劫に感じることは確かである。ブログはこのような心理的な形でユーザを囲いこんでいくように思う。

事はブログに限らない。今後、たとえば、テキスト、メール、それに加えて画像、動画、音楽ファイルなど色とりどりのデータを何十ギガもネット上にため込んでしまっていたら(そして、このような状況は、いまでは非現実的な話ではない)、もう、ネットから抜け出すことは不可能だし、その場合、個々のサービスを提供しているプロバイダーからも抜け出せないことを意味するのではないだろうか。

以上、ブログを使うにあたって感じる心理的な抵抗感の理由を考えてみた。むろん、どこでも、いつでも読み書きができること、情報が共有できること、ユーザ間での双方向の交流ができることなど、ブログがもつ可能性、とくに教育の一手段としてのブログの可能性は大きいと思う。これから、時間をかけてつきあってみたい。

          

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