【3年次ゼミ】5月25日
【3年次対象ゼミ】
先週に引き続き、山口・金子・津田「序 英雄大国インドネシア」の書評レジュメを発表してもらい、議論をおこないました。今日も2人に発表してもらいました。
最初の発表では、書評レジュメにおけるレジュメの側面と書評の側面についての議論をおこないました(図1)。レジュメの目的はテキストの要点を客観的に整理することにあるのに対して、書評はテキストを批判的に分析することで、自分自身の意見を提出することです。ここで批判的(critical)というのはテキストが誤っているという前提で議論することではないことに注意が必要です。既定の見方の前提を疑ってテキストを読み込むことを意味します。テキストの主張に賛成する場合でも反対する場合でも自分の意見の根拠を示すことも大切です。
次の発表では、スカルノ時代、スハルト時代、ポスト・スハルト時代における国民/国家英雄の選ばれ方の変遷をたどりました(図2)。この発表に関連して3つの課題を考えてみることにしました。
- A) この論文ではナショナリズムと植民地支配との関係はどのようなものと考えられているか?
- B) この論文での植民地支配の時代の「インドネシア」とは何か?
- C) この論文での地方文化の目録化とは何を意味しているのか?
次回までに、これらの課題についてそれぞれ自分の考えをまとめておいてください。
次回は、残りの一人に報告してもらい、そのあと今週の3つの課題について全体で議論をする予定です。
再来週以降は、今回の論文にも関連があるアンダーソンの『想像の共同体』から何章か選んで読むことにしています。
図1 ホワイトボードの図1
図2 ホワイトボードの図2