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【古典文化論】 5月29日

【東南アジア古典文化論】

今日は、漢籍や日本の史書に記録された仏教伝来の記事を読み、仏教が伝来したときの現地社会の反応や仏教受容に際して王権が果たした役割について検討しました。

そのあと、インドのヒンドゥー教と仏教の発達について年表の空欄を埋めながら解説をしました。今日は大乗仏教の出現まで進みました。次回は、その続きから年表の解説を進め、そのあと、東南アジアにおける仏教やヒンドゥー教の寺院の事例を見ていきたいと思います。

提出してもらったIndianizationについての論文の要旨を返却しました。

■今日の配付資料「インドにおけるヒンドゥー教と仏教の発達」(下からダウンロードできます)
ファイルをダウンロード (353KB, PDF)


今日は宿題があります。
・大学のパソコンから以下にアクセス:
http://www.tufs.ac.jp/common/library/local/online/ondb-j.html
・Gale Virtual Reference Libraryに接続
・Basic Searchの枠に「Tantric Buddhism」と入力し検索。ヒットしたリストから以下のリンクをクリック:
Buddhism, Schools of: Tantric Ritual Schools of Buddhism [First Edition]. Alex Wayman. Encyclopedia of Religion. Ed. Lindsay Jones. Vol. 2. 2nd ed. Detroit: Macmillan Reference USA, 2005. p1214-1221.
(必要ならView PDF pagesをクリックしてPDFページを表示し、プリントアウト)
・この論文のInfluence in Time and Placeの節(p.1214-1215)を読み、8世紀以降、密教(Buddhist Tantrism)の歴史のなかでどのような発展があったのか、とくにインドからインド外にどのように展開したかに焦点をおいて、600字以内の日本語に要約してください(翻訳である必要はない)。来週の授業時間中に提出。

・興味のある人は論文全編を読んだうえで、以下の論文も参考にしてください。
Buddhism, Schools of: Tantric Ritual Schools of Buddhism [Further Considerations]. Matthew T. Kapstein. Encyclopedia of Religion. Ed. Lindsay Jones. Vol. 2. 2nd ed. Detroit: Macmillan Reference USA, 2005. p1221-1222.

論文に出てくる専門用語については、以下に説明を付けておきました。

・論文の中にでてくる用語の解説:
La?k?vat?ra S?tra 『楞伽経』。大乗経典の一つ。5世紀頃成立。
??kyamuni 釈迦牟尼。釈尊、仏陀のこと。
Mah?karu??garbha Ma??ala 胎蔵曼荼羅。真理の客体面(慈悲)をあらわす。
Vajradh?tu Ma??ala 金剛界曼荼羅。真理の主体面(智慧)をあらわす。
Durgatipari?odhana Tantra 『ドゥルガティパリショーダナ・タントラ』。密教経典の一つ。
Tattvasa?graha Tantra 『真実摂経』。密教経典の一つ。金剛頂経の初会(しょえ)の部分に相当。7世紀後半に南インドで基本形が成立。金剛界曼荼羅の典拠。
Guhyasam?ja Tantra 『秘密集会タントラ』。インド後期密教の経典。8世紀に原型が成立。
?ri-Cakrasa?vara Tantra 『チャクラサンヴァラ・タントラ』。インド後期密教の経典。チャクラサンヴァラ(勝楽尊)を本尊とする。
Buddhaguhya ブッダグヒヤ。8世紀のインドの僧。大日経の注釈書を書いた。
the Tantric N?g?rjuna ナーガールジュナ。竜猛(りゅうみょう)。7世紀に活躍した密教の祖とされる人物。
Vajrabodhi 金剛智。7世紀後半-8世紀前半のインド出身の僧。ナーランダー寺で出家。インドネシア経由で中国に入り、唐代の中国に密教を定着させた。
Amoghavajra 不空。8世紀の西域出身の僧。密教経典を多数翻訳。恵果(けいか)の師。
Vairocan?bhisa?bodhi 『大日経』。インド中期密教の経典。毘盧舎那仏(Vairocana)、すなわち大日如来が教えを説く。胎蔵曼荼羅の典拠。
"two Tantras" 両界曼荼羅(金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅)の典拠である金剛頂経と大日経のこと。

          

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