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【アジア文化論】 マハーバーラタ:現代の表現 後編

【東南アジア古典文化論】

今日の授業は、前回に引き続いて、ピーター・ブルックの映画版マハーバーラタの続きを鑑賞しました。配付資料のあらすじの第3編「森林編」から第8編「ドローナ編」の途中まで見ました。次回は、映画の残りの部分を鑑賞したあと、マハーバーラタに基づいたジャワの影絵芝居のビデオを見て比較をおこなう予定です。

ビデオの内容の補足をしておきます。

パーシュパタは、シヴァ神がアルジュナに授けた、強力な矢のことです。パーンダヴァたちが森を放浪していたとき、やがてくる大戦を予感して、カウラヴァたちと戦うための武器をシヴァ神から授かるためにアルジュナは一人ヒマラヤ山中で修行に励みます。修行を妨げた暴れイノシシを退治しますが、そのとき、山の狩人とどちらが先にイノシシを射たかで争いになります。実は、この狩人こそシヴァ神の化身であり、アルジュナの力を認めて、自身の武器パーシュパタを彼に与えます。

ビーシュマは、かつてアンバーという女性の恨みを買ったことがありました。ビーシュマへの復讐を誓ったアンバーの生まれ変わりであるシカンディンと戦場で対面したとき、ビーシュマは戦う意志をなくします。このときアルジャナが放った矢によってビーシュマは致命傷を負うわけです。インドネシアのマハーバーラタでは、このシカンディンはアルジュナから弓矢の手ほどきをうけたスリカンディという女性戦士として描かれています。

ガトートカチャは、パーンダヴァたちが森を放浪していたとき、ビーマに恋をして結ばれた女羅刹ヒディムバーが生んだ子です。大戦ではパーンダヴァ側に味方をしますが、最後はカルナに殺されます。インドネシアのマハーバーラタでは、ガトートカチャ(ジャワ語ではガトッコチョ)は空を飛ぶヒーローとして人気があります。

次週は、今年最後の授業になります。第2回の小テストと冬休みの課題の発表をおこないます。小テストの範囲はラーマーヤナとマハーバーラタですので復習を忘れないでください。

          

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