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【3年次ゼミ】4月29日

【3年次対象ゼミ】

今週と来週は、東京都に緊急事態宣言が発出されたことにともないオンライン授業で実施することになりました。

今週は、オンラインで「ケチャ」について調べる練習をおこないました。最初にVPNによる接続に苦労した人もいたようですが、全員が調べることができてよかったです。また、Japan Knowledgeの利用にも少しコツがあるので注意してください。

以下、ゼミの中で言及した点についてまとめておきます。

1. 引用した文献の出典は必ず明記してください。オンライン・データベースの中には自動的に出典を作成してくれるものもあるので活用してください。英語文献でよく使われる出典の方式としてはAPA、Chicago、MLAなどがあります。このゼミではAPA方式をお勧めしています。

2. レポートの中で文献を引用する場合には、引用のマナーを必ず守るようにしてください。詳しくは「引用の方法」を読んでください。

3. 1つのトピックについて調べる場合でも、複数の文献を参照するようにしてください。1つの文献だけでは、情報が誤っていたり、偏っていたりする場合あります。さらに、複数の文献をもとにした方が、自分の文章でレポートを書くことが楽になります。

事例「ワルター・シュピース(Walter Spies)の生涯」:複数の人名辞典を使うことで、多角的な情報を得ることができます。ドイツ国籍ゆえに起きた二度にわたる苦難や、同性愛者であったことがヨーロッパの社交界から身を遠ざける要因となったと推測できることなど、シュピースの生涯を深堀りしてください。

事例「「ケチャ」が日本で知られるようになったのはいつ頃からか」:聞蔵IIビジュアルを利用する場合でも、最初に見つけた事例で満足することなく、複数の記事から過去にさかのぼるようにしてください。朝日新聞の記事を見るかぎり、1975年の芸能山城組の公演が初出であること、1985年にバリからの歌舞団の来日公演があり、一般にも知られるようになったことが推測されます。

事例「「ケチャ(kecak)」が初めて使われた映画」:定説ではワルター・シュピースが制作に協力した1933年公開のドイツ映画Insel der Dämonenの中での上演が最初とされていますが、実際には映画の中では使われておらず、編集時にカットされた可能性があるようです。この事実も複数の論文を参照することで明らかになりました。いずれにしても、ケチャは、ワルター・シュピース単独の創作ではなく、彼や仲間のバリ人たちのアイディアを結集したものというのが事実に近いようです。

次回もオンライン授業です。引用の仕方、データを集める方法論、書評レジュメの作成について検討する予定です。

          

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