【3年次ゼミ】6月3日
【3年次対象ゼミ】
今週は、先週に続いて第2章「文化的根源」の後半「時間の了解」について検討しました。
前近代の時間は「メシア的時間」であり、過去、現在、未来が神の視点からは「同時」であるのに対して、近代の時間は暦と時計で計られる「均質で空虚な時間」であり、お互いに知らない個人が一つの空間(社会)を同時に共有しているという意味での「同時性」であることを確認しました。このような近代の時間は、小説と新聞という近代のメディアに典型的に表現されています。これは、前近代の聖典語(ラテン語)の手書き写本から、近代の世俗語の印刷出版への移行に対応しています。
次回は、第3章「国民意識の起源」を取り上げ、出版資本主義についてさらに検討する予定です。