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【3年次ゼミ】5月6日

【3年次対象ゼミ】

今週は、以下の文献の書評レジュメを作成し、報告してもらいました。

  • ベネディクト・アンダーソン著、白石さや・白石隆訳「序章」『増補 想像の共同体:ナショナリズムの起源と流行』NTT出版株式会社、1997、p.18-29.(amazon.co.jp

序章では、ネーション(国民)、ナショナリティ(国民的帰属)、ナショナリズム(国民主義)が、文化的な人造物(想像された共同体)として、18世紀末に様々な力が組み合わさったなかで生み出されたあと、「モジュール」として多くの地域に移植が可能となったこと、そのなかで人々に深い感情的な愛着心を生み出すようになったことがポイントとなります。

1928年の「青年の誓い」に代表されるインドネシアのナショナリズムはこのような特徴をよく示しています。こちらの記事も参照してください。

また、ナショナリズムのパラドックとして、1) 歴史的に新しい創造物なのに当事者にとっては遠い過去に起源があると想定されていること、2) ナショナリティがどこでも通用する概念とされていながら、実際のナショナリティは個別具体的なネーションとして現われること、3) ナショナリズムの影響力の大きさに比較して、それを説明する理論が発達していないこと、の3点が挙げられています。

次回は、序章について、もう少し検討を進めていきます。大学からとくに通知がない限り、641共同研究室での対面授業を予定しています。

          

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