【3年次ゼミ】10月28日
【3年次対象ゼミ】
今週は、先週のTさんの報告について質疑応答をおこないました。
イスラーム法(シャリーア)は一般の法とちがって、神によって人間に下された規範であること(ゆえに改変できない)、その根拠として『クルアーン』と『ハディース』があること、(改変はできないが)ウラマーによる解釈がなされること、さらにその内容は信仰的規範(神に対する行為の決まり)と法的規範(人間間の行為の決まり)があり、後者には婚姻や相続が含まれる、これらの案件を扱うのが宗教裁判所であることを確認しました。
そのあと、Sさんに以下の文献ほかの書評レジュメを報告してもらいました。
- 松本由香『インドネシアのファッション・デザイナーたち:多文化性・伝統・グローバル化を読み解く』(ナカニシヤ、2015年)
- 野中葉『インドネシアのムスリムファッション : なぜイスラームの女性たちのヴェールはカラフルになったのか』(福村出版、2015年)
カルティニをナショナリストの先駆者として位置づけるのは後代のナショナリストであって、カルティニ自身はインドネシアの独立を目指すという意味でのナショナリストではなかったこと、また、カルティニとバティックの関係を考察するのであれば、さらにカルティニついての資料(書簡集、写真画像など)を集める必要があることを確認しました。質疑応答の時間は十分にとれなかったので、来週におこないます。