【4年次ゼミ】10月21日
【4年次対象ゼミ】
今週はSさんに卒論のテーマであるインドネシアの公的医療保険制度について報告してもらいました。今回の報告は、卒論の中の第7章にあたる「⽇本の国⺠皆保険とJKNの⽐較」でした。
戦後の経済成長が始まる1961年に成立した日本の国民皆保険制度とインドネシアのJKNを比較するにあたって、以下の4点に着目しています。
- 財源の確保
- インフォーマルセクターの制度への参加
- 医療資源の確保
- 地方間医療格差
日本の場合は、経済成長と中間層の拡大(インフォーマルセクターの縮小)の時期に重なったことが財源の確保につながったように思われます。また、各地方には医学部をもつ国立大学を設置することで医療資源の均等な配置を実現してきたように思われます。これに対して、インドネシアではインフォーマルセクターがまだ大きいですし、地方間の医療格差(とくにジャワ・バリ島とそれ以外の島々)が大きいことが課題としてあります。
議論では、制度についてさらに理解を深めることの必要性が確認されました。また、富裕層の富をいかに貧困層に還元するのかという、現在、世界中で課題になっている分配の問題にもつながっていることが確認できました。
次回は、Nさんに卒論計画について報告してもらう予定です。