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2022年10月28日

【3年次対象ゼミ】

今週は書評レジメをもとに、第5節の途中まで議論をおこないました。来週11月3日は文化の日で祝日のため、次回は11月10日になります。第5節から残りの議論をおこないます。そのあと、全体の構成について、卒論作成の観点から議論をする予定です。

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2022年10月27日

【4年次対象ゼミ】

今週はTさんに進捗報告をしてもらいました。「1974年婚姻法」自体についての先行研究が少ないので、婚姻法自体ではなく婚姻法が作られたスハルト体制のあり方について焦点をあてることを確認しました。

とはいえ「1974年婚姻法」ではイスラーム勢力を抑えようとするスハルト政権とシャリーア法の原則を盛り込もうとするイスラーム勢力との妥協の産物であることは確かですから、一夫多妻制、離婚、相続などの焦点になったトピックから少なくとも一つを選んで、実際の条文や判例を踏まえた分析があると説得力が増すでしょう。また、イスラーム教徒に対する「手引き書」についても該当する部分を読み込むことができれば説得力が増すでしょう。

1974年婚姻法の成立の背景には、オランダ植民地支配期には手つかずだった統一的な家族法を作る必要があったこと、スハルト政権にイスラーム勢力に対する警戒心があったこと、国際的な世論が婚姻法の成立にも影響を与えた可能性があることを確認しました。

来週11月3日は文化の日で祝日のため、次回は11月10日になります。Hさんに進捗報告してもらう予定です。ペーパーを準備して提出してください。

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2022年10月24日

【一般】

青山も調査に参加したチャウタン沈没船の考古学研究の報告書が刊行されました。

  • 西野範子・野上建紀・木村淳・田中克子・青山亨編著『チャウタン沈没船の考古学研究』(東南アジア考古学データ・モノグラフ3号)特定非営利活動法人東南アジア埋蔵文化財保護基金, 87pp., 2018年3月30日, ISBN 9784990318628

この報告は、ベトナム中部クアンガイ省ビンソン県チャウタン沖で2011年に発見された東南アジア最古と考えられる唐代の沈没船の資料を研究した成果をとりまとめものです。東南アジア建造の船であること、陶磁器に墨書でインド系文字、漢字、アラビア文字が記された陶磁器が多数発見されたことなどに特色があります。青山は第6章「陶磁器に記された文字資料」(pp.48-59)を執筆しました。2018年3月30日刊行の予定でしたが、諸般の事情により2022年10月に出版が実現したものです。

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2022年10月20日

【4年次対象ゼミ】

今週はMさんに「タマン・シスワと当時のインドネシアでの民族運動との関係性」というテーマで、卒論の進捗報告をしてもらいました。「民族運動ではなく、政治運動とするべきか否か」という問題設定が立てられています。この議論をするためには、まず、「民族運動」(正確には民族主義運動)と「政治運動」の定義をはっきりさせるとよいでしょう。

民族主義運動を植民地支配からの民族(=nation)の独立を目指す運動と定義するのであれば、ブディ・ウトモは民族主義運動ではなく、民族主義前史としてとらえるべきでしょう。また、政治運動を政治的な目的(植民地支配からの独立も含む)を実現するための運動と定義するのであれば、民族主義運動の多くは政治運動の中に含まれることになります(ただし、合法的な手段による独立が実現困難な場合には、非合法的な手段による独立、武力による独立の達成が目的になる場合もあります)。タマン・シスワは民族意識を重視した教育をおこなったという点で、広い意味での民族主義運動の一部に含まれるでしょうが、タマン・シスワ自体を政治運動とみなすことはできないと思われます。

また、タマン・シスワの民族教育という場合、その民族がジャワやバリという民族(ethnic group)の意味なのか、インドネシアという独立前にはまだ存在していない国民(nation)の意味なのか、区別する必要があること、さらに、後者であっても、実際にはジャワの文化がインドネシア国民の文化を代表しているという事情があったことに留意する必要があることが確認されました。

次回は、Tさんに進捗報告をしてもらう予定です。
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【3年次対象ゼミ】

今週はTさんに報告をしてもらいました。関心のあるテーマが、インドネシアに進出する日系企業、ニッサン、保険業、金融業と移ってきて、現時点では銀行に関心があるとのことでした。なお、資料を入手したときは、資料の書誌情報をしっかりと記録しておくようにしてください。

ゼミでは、キャッシュレス決済の発展に対して既存の銀行がどう対応しているのかをめぐって議論がありました。個人決済がキャッシュレス化しても、企業に対する融資は銀行の機能として重要である点が確認されました。また、インドネシアの銀行では、シャリア(イスラーム法)に準拠したイスラーム銀行についても議論がありました。

いずれにしても、銀行なら銀行というテーマになぜ関心をもったのかという原点を大切にすることが大切であることを確認しました。

次回からは書評レジメをもとに議論をおこないます。自分の卒論にどう役立てるかという観点からは読み込んでください。対象とする論文は以下です:

  • 青山亨「地震は神の徴か―イスラームの信仰と災害」串田久治編『天変地異はどう語られてきたか:中国・日本・朝鮮・東南アジア』東方書店、2020年、pp. 60-85.

2022年10月13日

【4年次対象ゼミ】

今週は、卒論の重要なポイントである引用の仕方、出典表示の仕方、参考文献リストの書き方の3領域について確認をおこないました。

次回は、Mさんに卒論の進捗報告をしてもらう予定です。

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【3年次対象ゼミ】

今週はHさんに卒論の中間報告をしてもらいました。

人間の活動寄りの領域と地球自然寄りの領域にテーマが拡散しましたが、今の段階では「網を広げて」もらってかまいません。SDGsで示された持続可能な開発目標を参考にするとよいかもしれません。

次回はTさんに報告をお願いします。

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2022年10月 7日

【4年次対象ゼミ】

昨日から秋学期のゼミが始まりました。この日は出席した4名に夏学期の進捗状況について報告してもらいました。
  • Oさん:バリ料理と料理から分かるバリ文化と社会
  • Hさん:インドネシアにおける月経をめぐる慣習や認識
  • Tさん:1974年婚姻法と当時のスハルト体制との関係
  • Mさん:独立前の民族主義運動および独立後のスカルノ政権の政策とタマンシスワとの関係

今年度の卒論提出期日は1月16日が予定されています。それに向けて年内最後の12月22日のゼミまでに卒論を完成させ、ゼミで報告できるようにしてください。

来週13日には卒論作成の注意点(1)として引用(citation)の仕方について私から説明します。その後は、週ごとに一人ずつ報告してもらい、卒論の進捗と課題に基づいて議論をしようと思います。

10月20日にMさん、10月27日にTさん、11月10日にHさん、11月17日にOさん、12月1日にSさんを予定しています。 報告にさきだって進捗をまとめたペーパーを提出してください。ペーパーには論文の構成と参考文献リスト(読んだものとこれから読むもの)を必ずつけてください。 このチャンネルには私からも参考になる文献を紹介していきます。

それでは、卒論の完成にむかってがんばりましょう。

2022年10月 6日

【3年次対象ゼミ】

今週は秋学期最初のゼミです。Mさんに夏学期の進捗を報告してもらいました。詳細はホワイトボード記録を参照してください。道徳の根拠の一つとして宗教があることを確認しました。インドネシアにおける道徳の根拠としての宗教を考える場合、パンチャシラのもとで公認された6つの「唯一神信仰」すべてについて検討するのか、多数派であるイスラームを取り上げて検討するのか、迷うところですが、しばらく秋学期のあいだに結論を出すとよいでしょう。

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来週13日にはHさん、再来週20日はTさんに夏学期の進捗を報告してもらうので、準備をしておいてください。また、進捗報告と並行して、以下の課題文献の書評レジュメを作成してもらいます。

  • 青山亨. 2019.「地震は神の徴か?イスラームの信仰と災害」未定稿
    串田久治編『天変地異はどう語られてきたか:中国・日本・朝鮮・東南アジア』(東方書店、2020年)に掲載された論文の草稿です。

この論文の書評レジメを作成し、10月26日までに提出してください。10月27日のゼミでディスカッションを行う予定です。

秋学期最後の1月26日には、卒論研究計画を提出し、報告してもらうので、今学期を通じて準備をしておいてください。

          

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