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【3年次ゼミ】12月22日

【3年次対象ゼミ】

今週は今年最後のゼミです。先週に引き続き映画『青空はぼくの家』の残りの部分を鑑賞しました。

裕福な家庭の少年と貧しい家庭の少年の友情という(監督自ら認めているように)おとぎ話ですが、貧富の格差というテーマがしっかりと示されています。さらに、民衆(rakyat)が大統領を選ぶという(教科書にも書かれている)理想と、現職大統領が常に再選されるという絶望的な現実との断絶をあぶり出す映画の語りに、貧富の格差を解決するはずの政治のゆがみに対する鋭い批判が内包されています。権威主義体制としてのスハルト体制の明暗を描いた作品です。この映画が公開されて四半世紀が経った2014年に、住む家の強制退去を自ら経験したジョコ・ウィドドが大統領に選ばれたというのは、インドネシア社会の転換を象徴するできごとと言ってよいでしょう。

ゼミの後半では、卒論研究計画あるいは留学研究計画の報告をしてもらい、方向性として問題がないことを確認しました。

次回は、2023年1月12日になります。冬休みの課題は別途連絡します。お互い健康に気をつけて、よい新年を迎えましょう。

          

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