【アジア・アフリカ地域文化基礎】4月27日「ラーマーヤナに見る東南アジアのインド化」
【リレー講義】
今週は水曜3限に、アジア・アフリカ地域文化基礎のリレー講義の一環として「ラーマーヤナに見る東南アジアのインド化」という題目でZoomによるオンライン授業を行いました。リレー講義全体の代表は岡田知子先生ですので、リレー講義の運営・評価に関わる質問は岡田先生にお願いします。
このリレー講義では資料の提示、レポートの提出等にはTUFS-Moodleを利用しているので、必ず確認をしておいてください。
提出されたレスポンス・シートを読ませてもらいました。その中に質問があったのでお答えします。[2022-07-30更新]
【質問1】バリの民族舞踊や中国の民族村では観光文化として改変されたもの
【回答1】バリの観光文化としてよく知られているものとしてケチャがありま
さて、質問の答えとして、ワヤン・
参考文献
- ケチャに関して:http://repository.tufs.ac.
jp/handle/10108/57693 - スンドラ・タリに関して:https://www.hmt.u-
toyama.ac.jp/kenkyu/kiyo64/ zoubek64.pdf
【質問2】インド化が東南アジアで進んだ際に、
【回答2】とても興味深い質問です。簡単な答えは、
なお、技術史においては、
【参考資料】
- 世界の超高層ビルについて:https://www.wikiwand.com/ja/%E8%B6%85%E9%AB%98%E5%B1%A4%E3%83%93%E3%83%AB%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
【質問3】ラーマーヤナはヒンドゥー教の神であるヴィシュヌ神を扱っていますが、イスラームや上座仏教からはどのように理解されているのでしょうか。また、物語に出てくる神に対して信仰心のようなものはあるのでしょうか。
【回答3】イスラームと上座仏教ではヒンドゥー教の神々の扱いは少し異なります。
まず、上座仏教は、ヒンドゥー教と同様にインドで始まった宗教なので、ヒンドゥー教の神々の存在は否定することなく、むしろ、梵天や帝釈天のように、神々の多くもまた仏陀の教えに従い、教えを守る守護者であると解釈をすることが一般的です。上座仏教は、人は神の教えによってではなく、仏陀の教えを実践することで救済されるという立場なので、神々を否定する必要はとくにないのです。
一方、イスラームでは、創造主にして裁き主でもある唯一の神のみが神の名に値する存在であり、信仰の対象となります。したがって、ヒンドゥー教の神々を神と考えることはありません。しかし、ヒンドゥー教の「神々」もまた、神の被造物の一種である限りは、存在を否定されることはありません。
いずれにしても、ヴィシュヌ神やラーマは、神話の中の超人的な存在であり、物語の中のヒーローではあるけれども、信仰の対象ではないという点で、イスラームと上座仏教は共通していると言えます。