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【4年次ゼミ】12月15日

【4年次対象ゼミ】

今週は、卒論執筆のなかでゼミ生が悩んでいることについて相談を受けました。

1. 用語・概念の取扱い。用語・概念は同時代の当事者たちが使っていたものと、当事者の外の観察者や後代の研究者が名付けたものとが区別できることに注意をはらっておくとよいでしょう。たとえば、インドネシアの「民族主義」や「ナショナリズム」は後者であり、必ずしも当事者たちが使っていたわけはありません。これらを区別したうえで、卒論の中ではどう使うかを意識しておくことが大切です。

2. 卒論の構成と注。卒論を書いていると、本筋のテーマには必ずしも関係しない事柄の説明に文章が多くさかれ、全体の構成のバランスが崩れることがあります。そのような場合には、注を使うと問題を回避できる場合があります。本体の説明は最小限におさえ、注により詳しい説明を移すとよいでしょう。

3. 社会的意義。提案型の卒論であれば、社会的意義は明確ですが、そうでない卒論の場合、とくに文系の卒論では、社会的意義は必ずしも明確でないことがあります。社会的意義を示すことは必須ではありませんが、テーマをより広い文脈に置くことで、現在の社会的課題を理解する助けになるようであれば、そのことを「はじめに」の中で書くことは十分に価値があるでしょう。

4. ソーシャル・メディアの扱い。ソーシャル・メディアを情報源に使うことは、現代の卒論ではよくあることです。個人情報が含まれている場合は、仮名にするなどの工夫をするとよいでしょう。

次回は、今年最後のゼミです。卒論提出前の発表会を予定しています。卒論の構成と情報源が分かるよう、目次と参考文献の部分を提示して、卒論の概要を報告してください。また、卒論の原稿が(ほぼ)出来ている人は原稿も提出してください。

          

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