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デジタル時代のビデオ教材の作成 その1/2

【ブログについて】

今回はデジタル時代の教育方法論ということで、ブログではないがデジタル時代のビデオ教材の作成について考えてみたい。

テレビ放送がアナログからデジタルに急速に移行しつつある。アナログテレビ放送は2011年7月14日までに終了することが決まっており(総務省のお知らせを参照)、この時点で地上波のテレビ放送はデジタル放送のみとなる(いわゆる「地デジ」)。実際にはすでに地上波のデジタル放送は始まっているし、衛星放送もデジタルに移行する。つまり、テレビ放送がすべてデジタルになる日があと3年後に迫っているわけだ。

このような状況で大学教員として気になるのは、テレビ放送の番組を録画して教材を作成するという作業がどうなるかということである。

テレビ番組は視聴覚教材としてもっとも簡単で便利なものだ。著作権法でも、教材としてテレビ番組を録画し、教室で上映することは認められている(著作権情報センターの解説を参照)。

古きよき時代にはビデオテープ(VHS)に録画し、ビデオデッキで再生し、テレビあるいはプロジェクターで上映していたわけだが、最近ではDVDに保存し、DVDプレーヤあるいノートパソコンで再生することが普通になっている。記録メディアとしてのテープに対するDVDのメリットは明らかだが、簡単におさらいをしておこう。

1. DVDはテープと比べて物理的に小さくかさばらない。これは多数の視聴覚教材を扱う場合には無視できない要素である。
2. DVDはテープとちがってランダムアクセスが可能である。テープの場合、再生のたびに巻き戻しが必要だし、番組の途中から見たいときの頭出しも簡単でない。DVDを使えばこういった煩わしさから解放される。
3. DVDはノートパソコンがあれば再生できる。このため、まず、テープに比べて機動性が高い。テレビが置いてある場所であれば、ケーブルがあれば上映が可能である。また、ある映像の一場面をキャプチャして教材に使うと言った二次的な利用が楽である(たとえばPowerDVDといったDVD再生ソフトにはキャプチャ機能がついている)。
4. 物理的にヘッドがメディアに接触するテープと比べて、DVDは使用を繰り返しても劣化の心配が少ない。もっともDVDだからといって半永久的にもつわけではなく、粗悪品は論外として、DVD-Rで10年程度と言われている(DVDの寿命についての日経BPの記事を参照)。

記録メディアとしてのDVDにもデメリットが存在する。たとえば、DVD-R/-RW/-RAMなど複数の規格が存在することから生じるコンパチビリティの問題などだが、それらはすでに論じられていることなので、ここでは、あまり注意が払われていないように思われる、デジタル放送の録画にともなう問題について考えてみたい。

その2に続く)

【追記】
ノートパソコンでDVDを再生するためには、一定の性能をもったパソコンであることと、DVD再生のためのソフトがインストールされていることが必要条件になる。パソコンの性能としては、CPUのクロック数が1GHz以上あれば快適に再生できるとのことである。おおむね2004年以降発売のノートパソコンが該当する。DVD再生ソフトとしてはPowerDVDとWinDVDの2種が有名である。これらの情報については「DVD Video鑑賞に必要なスペックとDVD Playerソフト」が参考になる。

          

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