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Movable Type 4の登場

【ブログについて】

シックス・アパート社の案内によれば、2008年1月にMovable Type 4が発売される。現在、本学のブログ・システムでも使われているMovable Type 3.34と比べて、大幅に機能が強化される見通しだ。

これまで、私も、本学のブログ・システムの改善すべき点をいくつか指摘したが、そのほぼすべてが、今回のバージョンアップで解決されているようである。実際、3と4の違いを比較してみると、いかにこれまでのバージョンが不便であったかがわかる。

第1に、複数のユーザが役割ごとに異なる権限をもって一つのブログを管理できるようになった。ブログ全体を管理するユーザとは別に、記事を投稿するだけのユーザを置くことができるので、一つのブログを共同して管理することが楽になる。

第2に、ブログの記事データ全体をエクスポートできるようになった。これまでバックアップが事実上不可能だったという問題も解消するし、特定のブログ・システムに「囲い込まれる」という不安も無くなる。

第3に、ファイル・マネージャー機能が付加された。Movable Type 3では、写真などのファイルを一度アップロードしてしまうと、FTPを使ってサーバにアクセスしないかぎり、削除することもできないという基本的な欠点があったが、ファイル・マネージャー機能によって、ブログ上のすべてのファイルを一元的に管理できるようになる。

第4に、ウェブページ作成機能が付加された。これによって、動的なページは簡単に作れるが、静的なウェブページの作成はかえって難しいという、ブログ特有の弱点が解消される。

要するに、シックス・アパート社の案内でも強調されているように、これまでのブログ作成のソフトからコンテンツ管理システム(Contents Management System)に進化したということである。

この他にも、迷惑コメント・迷惑トラックバックに対する自動フィルタリング機能をつけた点も評価できる。このブログを立ち上げた2006年9月から1年2か月になるが、この間、いただいたコメントは1件だけ。それに対して、迷惑トラックバックは無数に来ている。もともとシックス・アパートが開発したトラックバックは、ブログ間の相互交流を促す仕組みとして考案されたわけだが、実際には、一部の有名ブログ・サイトを別にすれば、十分に機能していないのが現状ではないだろうか(ちなみに、Add-on Program 多言語・多文化社会論のブログでは、最近、コメント・トラックバック不可に設定を変更したところである)。

シックス・アパートはMovable Typeをいい方向に改良する努力を積み重ねている。あとは、アクセスのための認証機能と、1年ごとにまとめてバックナンバー化するアーカイブ機能を付けてもらえれば、現時点で私が考える理想的な(大学の授業用)ブログの機能はすべて達成される。Movable Type 5に期待するところが大きい。もっとも、その前に、本学のブログ・サイトもすみやかにバージョンアップしてもらいたいものである

【追記】
ここまで、一末端ユーザの視点で書いてきたのだが、調べてみると、業界では2007年の6月あたりからいろいろ言われてきたことがあるようだ。読んでみて、なるほどと納得することもいくつかあった。

たとえば、Movable Type(MT)はすぐれたソフトだが、開発元のシックス・アパート社のサポート体制には疑問を感じるという主旨の「Movable Type 4発表で改めて感じるシックス・アパート社への不信」という文章。その中でなるほどと思ったのは、

MTは、ぶっちゃけ、そのままでは企業Webサイトの要求には応えられません。

それをカスタマイズしたり、プラグインを開発したりして、ビジネスにも使えるように盛りたててきた、支えてきた、プラットフォームを育ててきたのは、多くのサードパーティです。

という部分である。この文章の著者自身もサードパーティとしてMTのカスタマイズを請け負っているウェブ制作会社の人なのだが、私自身が感じていたMT(というかウェブ・ソフト一般)の性格をよく言い当てている。

結局のところ、MTというものは、大学が大学のサーバに導入して、教職員にさあこれを使いなさい、といって、だれもがすぐに使い出せるようなものではない、ということなのだ。

私自身は、MTというものについて、いわゆるWeb2.0的なものの個人プラットフォームとして使える可能性に大きな魅力を感じているが、このことと、大学としてMTを活用できるかどうかはまったく別の問題である。

          

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