12月1日 【ジャワ文化概説の授業】
【ジャワ文化概説】
今週はラーマーヤナについての講義の最終回です。ラーマーヤナの登場人物の名前のサンスクリット、現代ジャワ語、タイ語の対照表を使って、名前の違いと共通性を確認しました。
引き続いて、タイの宮廷舞踊コーンによるラーマキエンの上演をビデオで鑑賞しました。今回、鑑賞したラーマキエンは、ラーマとトッサカン(ラーヴァナのこと)との決戦の場面が描かれています。シータが出てこないこと、ラーマが勝利したあと車に乗ってアヨーディヤーへ凱旋することなどが特徴的です。
続いて、ジャワにおけるラーマーヤナの受容と変化を「古典的」ラーマ物語と「近世的」ラーマ物語をキーワードにして読み解きました。とくに「近世的」ラーマ物語には、1)イスラームの世界観の枠組みの中にあること、2)ラーヴァナの物語が物語全体の初めに出てくること、3)シータがラーマの妹であり、かつ、ラーヴァナの娘であるとか、ハヌマーンがラーマの息子といった複雑な関係をもつこと、に特徴があります。
来週から、ラーマーヤナに並ぶもうひとつのヒンドゥー叙事詩であるマハーバーラタについての講義になります。配付資料にいれたマハーバーラタの登場人物一覧とあらすじをよく読んで、自分なりに整理をしておいてください。