【4年次ゼミ】6月24日
【4年次対象ゼミ】
今週は、Oさんに以下の文献の書評レジュメを報告してもらいました。
- 山本早良紗. 2004.「スチとスブル : バリ島におけるケガレの実態的考察」『史苑』64(2): 86-110
- DOI: http://doi.org/10.14992/00001555
スブル(sebel)は「(死、人生の通過儀礼、犯罪などによってい)社会の秩序が乱れた状態(=ケガレ)」、スチ(suci)は「清めの儀式を経て社会の秩序が回復した状態」であることを確認し、バリにおいては、「秩序破壊(スブル)→清めの儀式→秩序再構築(スチ)」のサイクルを繰り返すことで、村の宗教的紐帯が保たれることを確認しました。
また、以下の論文では、村共同体を主体として儀礼のあり方はインドネシア国民国家においてヒンドゥー教の意識が普及した結果であることが主張されており、上記の論文を補完するものであるとの意見が出されました。
- 鏡味治也. 2004. 「共同体性の近代 : バリ島の火葬儀礼の実施体制の変化から考える」『文化人類学』69(4): 540-555.
- DOI: https://doi.org/10.14890/jjcanth.69.4_540
次回は、Uさんに報告してもらう予定です。