≪ 【3年次ゼミ】7月9日 | トップ | 【院生ゼミ】7月13日 ≫

【4年次ゼミ】7月9日

【4年次対象ゼミ】

今週はOYさんに、日本とインドネシアのナショナリズムの比較という卒論のテーマに関連して、「東京都知事選挙と行動する保守」というテーマで報告をしてもらいました。

7月5日に投開票された東京都知事選挙では、現職の小池百合子(無所属)が当選しましたが、この報告では、行動する保守を自認する桜井誠(日本第一党)が、前回の東京都知事選挙では11万票の得票であったのに対して、今回は17万票を得票したことを取り上げ、その増加は、古谷経衡の分析に基づき、行動する保守が広義の右翼から分離し、独自の投票行動を取ったためであると結論づけました。

報告のあと、日本とインドネシアのナショナリズムの比較という卒論の構想のなかに、この報告をどう位置付ければよいか議論をおこないました。その中で、現状のテーマはかなり間口が広いのでさらに絞り込む必要があることを確認しました。

また、インドネシアの初代大統領スカルノはナショナリストとは言えても保守派とは言えないことからわかるように、保守派とナショナリストの関係は、インドネシアと日本との間で、また、日本の中でも時代によって、異なることを確認しました。

この議論をもとに、保守、ナショナリズム、右翼といった概念と、それらと対になる革新、リベラル、左翼といった概念、そして両者の関係をじゅうぶんに理解して整理しておくことが必要であることを確認しました。

保守に関わる概念の整理という意味では以下の文献が入門用として参考になるでしょう。

  • 宇野重規『保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで』(中央公論社、2016)(Amazon

次回は春学期最後のゼミになります。夏学期・秋学期にかけての卒論作成に向けての研究計画および(もし可能なら)卒論の構成(章立て)をまとめ、報告してもらう予定です。

          

カテゴリー

新規エントリーの投稿
[権限をもつユーザのみ]