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【4年次ゼミ】5月7日

【4年次対象ゼミ】

今週は、先週時間が無くて報告できなかった2名に報告してもらいました。

最初に、Hさんに、在日インドネシア人ムスリム児童の教育という研究テーマに関係する研究論文の書評レジュメを報告してもらいました。

基本的な制度の在り方を理解しておくというよいでしょう。外国人の観点からは法務省、教育の観点からは文科省のデータを押さえておく必要があります。

法務省は日本に在留する外国人の統計を出しています。

文科省は「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」を実施しています。インドネシア語を母語とする児童生徒は個別の数字があがっていないのですが比較的少ないことが分かります。

第2世代の在日インドネシア人に聞き取り調査を実施するのではあれば、そのために必要な事項を整理しておくとよいでしょう。

続いて、Oさんに、アメリカによるフィリピン植民地支配とフィリピンの「植民地ナショナリズム」の形成を論じた論文の書評レジュメを報告してもらいました。

  • Abinales, Patricio N. (2002). American Rule and the Formation of Filipino "Colonial Nationalism". Southeast Asian Studies 39 (4): 604-621. http://hdl.handle.net/2433/53705

これは雑誌論文なので、このような形式で書誌情報を整理しておく必要があります。

この論文では「フィリピン化」(Filipinization)がキーワードとなっています。これが「フィリピン人によるフィリピンの統治を促進すること、ただし、アメリカのやり方に準じた統治の方式であること」を意味するのであれば、オランダ領東インドにおいて「インドネシア化」政策がとられたのかどうかという観点から、インドネシアの事例と比較すると興味深いかもしれません。

基本的な理解を深めるうえで以下の2冊をまず読んでおくとよいでしょう。

  • 永積昭『インドネシア民族意識の形成』東京大学出版会、1980年
  • 増原綾子・鈴木絢女・片岡樹・宮脇聡史・古屋博子『はじめての東南アジア政治』有斐閣、2018年

来週は、Wさんに「ジャカルタ憲章」論争を踏まえてインドネシアにおける宗教と政治の関係について整理して報告してもらう予定です。

          

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