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【3年次ゼミ】5月7日

【3年次対象ゼミ】

今週は、以下の文献の序章(第1章)と第2章の書評レジュメを提出してもらい、議論をおこないました。

  • ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体:ナショナリズムの起源と流行』 書籍工房早山、2007年.

最初に、なぜナショナリズムはマルクス主義から見て「変則」なのかを検討しました。続いて、ナショナリズムをめぐる3つのパラドックスを時間をかけて整理したあと、国民(nation)は「想像された政治的共同体」という定義と、そこから導き出される4つの特徴、すなわち、「想像されたもの」「限定されたもの」「主権的なもの(=最高の意思決定主体)」「一つの共同体」について確認しました。

文献を読んで書評レジュメを作成するにあたって、いくつか役に立つポイントを確認しました。

  • 柱となる重要な論点とそれを支える根拠とに分けて整理するとよい。
  • 著者の言葉をそのままなぞって要約することで終わらず、自分の言葉で説明できるようにすることが大切。
  • 抽象的な論点は身近な具体的な事例で説明することで腑に落ちやすい。
  • 逆に、身近な具体的事例は抽象化することで一般的な議論にすることができる。
  • 「抽象」と「具体」、「普遍」と「固有」、「構築主義」と「本質主義」、「社会」と「個人」、「政治」と「文化」、「共時」と「通時」、など物事を理解する枠組みを自分なりに持っておくと、理解が進みやすい。

次回は、第2章を取りあげて検討を進めます。そのあと、第3章に進むので、書評レジュメの準備を始めておいてください(提出は来週以降で大丈夫です)。

          

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