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【3年次ゼミ】5月21日

【3年次対象ゼミ】

今週は、先週に引き続いてベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体:ナショナリズムの起源と流行』の書評レジュメをもとに議論をおこないました。

最初に、先週読んだ第2章第1節の内容を振り返ったあと、ナショナリズムの起源にあたる宗教共同体(religious community)と王国(dynastic realm)の節を検討しました。神が創ったこの世界と結びついた言語(カトリック教会のラテン語、イスラームのアラビア語)の特権性を確認しました。また、アンダーソンはとくに触れていませんが、一神教において個人は(言語を通じて得られた)神の教えにしたがうことで死後の永遠の命が保証されているという点で、宗教共同体とナショナリズムとの間に共通性があることを確認しました。次に、主権の正統性が神によって保証された王が、王との階層的な人的な関係で結びついた住民を組織したものが王国であり、国民を構成する住民に主権があり、途切れないのない国境線で囲まれた領域を持つ近代的な国民国家と異なることを確認しました。

第2節で触れられたハプスブルク家の「性的政治」とタイのチュラロンコン王の事例は大変に興味深いものです。この二人の王について深掘りで調べてくることを小課題としました。

次回は、第3節の「時間の了解」に進む予定です。

          

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