英語原稿での表記上の注意
【インドネシア語専攻で勉強する人のために】
英語の原稿を書くにあたって見逃しがちな記号等の表記上の注意点をあげます。あくまでも表記に関わる注意が目的なので、記号の使用方法については最小限のことしか触れていません。ユニコードの表示にはUnicode Character Table、文字の画像表示にはFileFormat.infoを参照しています。
なお、ブラウザの環境によっては記号が正しく表示されない場合があります(とくにエム・ダッシュとエヌ・ダッシュ)。右端の画像で正しい記号を確認してください。(2019-09-10)
英語原稿で使う記号は、英語フォントを使わないと正しく表示されない場合があります。どの英語フォントを使えばよいのか分からない場合には、Times New Romanを使うことを推奨します。(2020-11-13)
1. スペース space
空白のことです。ピリオド「.」、コンマ「,」、コロン「:」、セミ・コロン「;」のあとに文字や数字が続くときは、1字分のスペースを入れます。忘れることがあるので注意してください。
2. アポストロフィー apostrophe
パソコンでは「'」(ユニコードU+0027)で表記することが一般的ですが、出版物の原稿を書くときには正式な記号を用います。
- アポストロフィー「ʼ」(ユニコードU+02BC)
右側の閉じる一重引用符に似ていますが、別物です。
3. シングル・クォーテーション・マーク single quotation mark
一重引用符のことです。左側の「開く引用符」と右側の「閉じる引用符」をセットで使います。パソコンでは左側も右側も同じ記号「'」(ユニコードU+0027)で表記することが一般的ですが、出版物の原稿を書くときには正式な記号を用います。
右側の閉じる一重引用符はアポストロフィーに似ていますが、別物です。
4. ダブル・クォーテーション・マーク double quotation mark
二重引用符のことです。左側の「開く引用符」と右側の「閉じる引用符」をセットで使います。パソコンでは左側も右側も同じ記号「"」(ユニコードU+0022)で表記することが一般的ですが、出版物の原稿を書くときには正式な記号を用います。
5. エヌ・ダッシュとエム・ダッシュ en dash, em dash
英語のダッシュには、「短いダッシュ」のエヌ・ダッシュ(en dash)と「長いダッシュ」のエム・ダッシュ(em dash)の2種類があります。エヌ・ダッシュとは文字「n」の幅のダッシュ、エム・ダッシュとは文字「m」の幅のダッシュという意味です。
エヌ・ダッシュは二組の数字をつないで区間や間隔を表すときに使います。たとえば、「23ページから35ページまで」は「pp. 23-35」と書きます。パソコンではハイフン「‐」(ユニコードU+2010)でエヌ・ダッシュの代用とすることが一般的ですが、出版物の原稿を書くときには正式な記号を用います。
日本で一般にダッシュと呼んでいる記号はエム・ダッシュに相当します。
【補足】
MS Wordを使っているときにエヌ・ダッシュとエム・ダッシュを入力する方法を補足しておきます。
メニューから「挿入」>「記号と特殊文字」>「その他の記号」>「特殊記号」の順に移動します。ここに表示されている「全角ダッシュ」が「エム・ダッシュ」、「半角ダッシュ」が「エヌ・ダッシュ」に対応します。「全角ダッシュ」または「半角ダッシュ」を選んで「挿入」をクリックするか、以下のショートカット・キーを押してください。
- 全角ダッシュ Alt+Ctrl+Num -
- 半角ダッシュ Ctrl+Num -
6. ハワイ大学出版会の英語名 University of Hawaiʻi Press
ハワイ大学出版会の正式な名称を書くときには、Hawaiʻiの2つのiの間にある記号に注意しましょう。この記号はオキナと呼ばれる声門閉鎖音を表すハワイ語の文字です。
- オキナ「ʻ」(ユニコードU+02BB)
左側の開く一重引用符に似ていますが、別物です。