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Moodleの活用

【ブログについて】

今週の木曜4限「東南アジア古典文化論」からMoodleを全面的に活用することにした。まだ、ブログへの投稿を止めることはしていないが、ブログには講義の概要を載せるだけとし、受講生への配付資料、スライド、課題の提供はMoodleを使うことにした。

教室外学習の機会を増やすことが目的であるが、ブログやメールではなくMoodleを使うことの大きなメリットは、レポート課題の提示から学生による提出物の管理と評価までが一元的かつ確実にできることだろうと予想している。この点が順調に行くようであれば、リレー講義での利用なども検討してよいと考えている。

ところで、Moodleに限らないが、e-Learningの活用を進めるうえで大きなネックになると思われることは、サーバに著作権に関わる資料を蓄積することに対するガイドラインである。

たとえば、一般社団法人日本著作権教育研究会の著作権Q&Aのサイトは、著作権法35条で認められている「授業の過程」について述べている説明のなかで、「校内LANサーバに蓄積すること」は「授業の過程」に該当せずとの判断を示している。

たしかに、漫然と蓄積しても「授業の過程」には該当しないという判断は納得できるが、このようなガイドラインを厳密に適用すると、アクティブラーニングの手段としてのeLearningの活用が大きく制限されるように感じる。文献を読んで何かを書かせるという活動はレポート課題の基本である以上、eLearningでアクティブラーニングを完結させるのであれば、文献の提示が自由にできることが前提になるだろう。

むろん、文献へのアクセスは、授業を履修している学生に制限をかけたうえで、その授業の一環として行われることの保証が条件となるだろう。この条件はMoodleではすでに実現されていることなので、実現は難しくないはずである。ぜひe-Learningが活性化する方向での著作権法の改正が行われることを望みたい。

なお、これとは別の解決策であるが、著作権フリーの教材が質量ともに拡大することも、必要なことであろう。クリエイティブ・コモンズの考え方である。ただ、これはアクセスが制限されたeLearningが普及すると、かえって阻害されるようにも感じている。難しいところである。

■その他の関連するガイドライン
視聴覚教材について
eLearning教材について

          

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