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オランダ語の読み方

【インドネシア語専攻で勉強する人のために】

インドネシア語を学んで行く中で避けてとおれない言語を三つあげるとすれば、英語は別格として、オランダ語、アラビア語、サンスクリット語の3言語ははずせないでしょう。

サンスクリット語の語彙はジャワ語を通じて大量に入っていますし(agama, mulaなど)、ジャワ人の人名のほとんどがサンスクリット語起源の名前になっています(Suharto, Megawatiなど)。アラビア語の語彙はイスラーム関連のものが多いのは当然として(halal, salatなど)、日常的な語彙になったものも少なくありません(akhir, rakyatなど)。オランダ語の語彙は今では完全にインドネシア語化しているものがほとんどです(dinas, kantor, 接尾辞の-siなど)。このうちアラビア語も、アラビア語風に発音するのかインドネシア語風に発音するのか発音の仕方が揺れているものもありますが(rak-yatか、ra-kyatかなど)、インドネシア語学習者の頭を一番悩ませるのは、やはりオランダ語の読み方ではないかと思います。

インドネシアの歴史を学んでいるとオランダ語の用語や人名・地名などの固有名詞がたくさんでてきます。むろんインドネシアの歴史を研究するといった場合にはオランダ語をきちんと勉強する必要がありますが、そうでない人にとっては、とりあえずオランダ語をそれなりに発音する読み方の手引きが役に立つと思います。

その意味では、オランダ語をカタカナでどう表記するかを解説した以下の文献とウェブページは参考になると思います。勉強に役立ててください。

ジャック・スホルテン「ゴーダか?ハウダか?ガウダか?―オランダ語地名・人名の片仮名表記に関する一考察―」『日蘭学会会誌』第7巻第1号, pp.45-62, 1982年.(オランダ語を片仮名表記するにあたって考慮しなけらばならない問題を丁寧に解説しています。『日蘭学会会誌』は東京外国語大学の附属図書館にあります。)

友清理士「オランダ語の発音と人名・地名のカタカナ表記」 <http://www.h4.dion.ne.jp/~room4me/dutch/pron.htm>.(「オランダ史資料館」ウェブサイトの一部です。音声学の知見も交えてわかりやすく解説されています。)

『講談社オランダ語辞典』講談社, 1994年.(カタカナ表記はありませんが、見出し語には発音記号が表示されているので、上記の文献ではわからない一般語彙の読み方を調べることができます。巻末には簡単な文字と発音の解説がついています。)

オランダ語の学習書は日本語でも何冊か出ているので、自分で探してみてください。

【追記】
上記の友清理士「オランダ語の発音と人名・地名のカタカナ表記」については、NedLogオランダ速報の「オランダ語の発音とカタカナ表記」に補足説明があります。

          

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