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12月5日 【地域基礎の授業】

【地域基礎】

今週は、まず「バリ島の社会と文化」について残っていた質問に対する回答をしてもらいました。バリ島でジャワが舞台になったパンジ物語に人気があるのはどうしてかという質問でした。これは、14世紀以降、バリがジャワの文化的・政治的勢力圏の中に入ったことが理由となります。そのあと、「アチェの社会と文化」と「ミナンカバウの社会と文化」の報告をおこなってもらいました。授業アンケートがあったので時間が10分ほど短くなってしまいました。

来週は「パプアニューギニアの社会と文化」と「華人アイデンティティ」の報告を予定しています。

以下、今週の報告に関連するポイントです。

アチェの報告で、masjidを「イスラーム寺院」と訳していますが、仏教の寺院のように中に崇拝の対象を祀っているわけではないので、「マスジッド」または「モスク」としておいた方がよいと思います。

アチェについては、バイトゥルラーマン・モスクがオランダによっていつ建立されたのか、インドネシア政府と自由アチェ運動との和平交渉がなぜフィンランドで開かれたのかを調べてくるのが宿題となりました。

アチェについての報告は幅広く調べていますが、自分が調べた情報の内容はよく吟味しておく必要があると思います。たとえば、資料Aと資料Bの内容が矛盾しているようなときは、(どちらかが単純に間違っているのでなければ)それぞれ何を根拠として違った記述がなされているかを考える必要があります。

ミナンカバウについての報告はよくまとまっていましたが、誤字が多いのに注意です。「南東語族」は「南島語族」、「バドリ運動」は「パドリ運動」、「妻門婚」は「妻問婚(つまどいこん)」の誤りです。また、スマトラを指すというサンスクリットAvarnadvipaSuvarnadvipaの誤りと思われます。

ミナンカバウ族は世界的にも有名な母系社会で、いろいろと興味深い特徴をもっています。パダン料理の名前で知られるミナンカバウの料理がインドネシア中に広まったのも、財産を相続できない男たちが故郷を離れて出稼ぎにでるためです。

          

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