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11月14日 【地域基礎の授業】

【地域基礎】

今日の地域基礎では、まず、先週できなかった「インドネシアのイスラーム」での質問への回答をおこない、そのあと、先週欠席でできなかった「民主改革時代のインドネシア」と「バリの社会と文化」の発表をおこないました。

以下、今日の発表へのコメントです。

1988年にスハルト政権が倒れると、民主改革(Reformasi)の時代が始まりました。この時代は、短期間のうちにハビビ、ワヒド、メガワティ、ヨドヨノと4人の大統領が登場する政治的混迷の時代でもありました。しかし、その中にも、大統領の権限の縮小と直接選挙制、中央政府の権限の地方への移譲、国軍と警察の分離といった大きな改革が進められました。こういった大きな方向性を見失わないことが大切だと思います。

バリの社会と文化については、参考にした典拠のためと思いますが、バリ・ヒンドゥーの起源について、誤った考えに基づいているようです。まず、イスラーム勢力による1478年のマジャパヒト王朝の崩壊は根拠がありません。マジャパヒト王朝は16世紀の初めまでは存続していました。次に、マジャパヒト王朝の崩壊にともなってマジャパヒトの王族たちがバリへ避難し、ジャワ的なヒンドゥーを持ち込んだという記述も誤りです。バリはすでに14世紀のマジャパヒトの征服によって、ジャワ的なヒンドゥー世界の一部になったと考えるべきと思います。さらに、このときに初めてバリはヒンドゥーを受け入れたのではなく、これ以前から、ジャワとは独立してインド文明の影響下にあっと考えられます。

バリの古代史には確かに不明な点が多いのですが、とくにネットの情報には注意をはらっておく必要があるでしょう。

          

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